カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
さてさて、今日のお客様は?
~ep26 富~
「本日はどういったご用件ですか?お客様。」
「金...とにかく金が欲しいんだ。」
「ほぅ...それでしたら丁度完成してたアレの出番ですね。お客様、少々お待ちを。」
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「こちらでございます。」
「コート?確かに売ったら金になるだろうが...」
「そうではありません。そうですね...例えばこのコインをポケットに入れて。」
ポンポン
「2回叩くと...ほら。」
「こりゃあたまげた。二つに増えてやがる。」
「ま、こんな感じにお金を増やすことができます。」
「買った!!幾らなんだ?!」
「お代は結構ですよ。忠告を聞いてさえくれれば。」
「忠告だぁ?」
「使いすぎないように。」
Side C
「ヒャハハハハハ!!大金持ちだぁ!!」
お札をじゃんじゃん増やしていった結果、俺は世界有数の資産家へと上り詰めていった。
「あの店員は使いすぎるなつったけど何にもなんねぇじゃねぇか。」
どうせ、無料だからあまり使わせたくない為の詭弁だろう。
「暇だしテレビでも見るか。」ピ
『大物資産家の〇〇ですが、偽札疑惑が浮上しています。こちらを見てください。』
「...は?偽札?」
『こちらのお札...二つとも全く、ナンバーまでもが全く同じなのです。ここまで精巧な偽札は相当の技術がいることで』ピ
「...不味い。」
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「イラッシャイマセ。おやおや、そんなに汗をかかれてどうしましたか?」
「お前...騙したな!!これは偽札じゃないか!!」
「?ちょっとずつ使えばバレない筈ですが...ひょっとしてお客様。忠告を無視しましたね?」
男は正体を現す...
「ひっ!?あ...悪魔」
男は答える...
「残念ながら、忠告を無視した場合追加料金が発生します。」
「追加料金!?金なら幾らでもある!!だから」
悪魔は笑い出す
「お代は、貴方の魂とさせていただきます。」
「俺は...金...」
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「今回の魂は富ですか。実にありきたりな欲望ですねぇ...」
今日も彼は店を営む
あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...