悪魔の店   作:執筆使い

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28話

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

〜ep28 蘇生~

 

 

「本日はどういったご用件ですか?お客様。」

 

 

「娘を...数年前に死んだ娘を生き返らせてほしんだ。」

 

 

「蘇生...ですか。ふむ...死ぬ覚悟は出来ていますか?」

 

 

男は正体を現す

 

 

「悪...魔...」

 

 

「そうです。まぁ、貴方の願いが特殊ですからねぇ。普通の願いであればお代はタダですが、人ひとり生き返らせるとなると...魂が一つ必要になります。」

 

 

「魂...まさか」

 

 

「娘さんの為に、命を犠牲にできますか?」

 

 

「...ええ。私が犠牲になればいいんですね?」

 

 

「わかりました。それでは少々お待ちを。」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「こちらに寝転がってください。」

 

 

「手術台...わかりました。」

 

 

「それでは儀式を始めましょう。準備はいいですね?」

 

 

「はい。どうか、娘を...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side C

 

 

「...あれ?ここは一体」

 

 

確か私は...お父さんと喧嘩して、家出したら車に...なのになんでお父さんの家に?

 

 

ガチャ「〇〇!?奇跡だわ!!」

 

 

「お母さん!?どうなっているの!?」

 

 

「良く聞いて...お父さんはね、貴方の為に悪魔に魂を売ったの。それによって貴方は生き返った。」

 

 

「お父さん...なんで...?」

 

 

「それほど貴方が大事だったのよ。あの人にとって。」

 

 

「お父さん...ありがとう...ありがとう...」

 

 

ポタッ ポタッ

 

 

ありがとう...ありがとう...

 

 

ポタッ ポタッ

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「っくくくく...」

 

 

悪魔は悶える...

 

 

「っアハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「馬鹿ですねぇ...実に馬鹿ですよ今回のお客様は。」

 

 

悪魔は紅茶を淹れる

 

 

「いくら私でも、死者を蘇らせることなど出来るわけがない。だからお客様の魂を元に娘さんそっくりの肉体と記憶に作り替えてお客様の自宅に置いてきただけですのに...っくくくくく。」

 

 

ポタッ ポタッ

 

 

「いつか彼...嫌、彼女は思い出すでしょう。自分が誰なのかを...そう思うと笑いが止まらないですねぇ!!」

 

 

ポタタッ ポタタッ

 

 

「...おっと。失敗してしまいました。これじゃあしょっぱ過ぎるじゃありませんか...どこで失敗したのでしょうか?」

 

 

そういって悪魔は紅茶を作り直す 

 

そういって彼は目元を布で拭く

 

 

「両方そろって幸せになるのです。片方を犠牲にもう片方を生き返らせたところで意味があるわけない...何故人間はそれが解らないのでしょうか?」

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 


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