カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
さてさて、今日のお客様は?
~ep34 力~
「本日はどういったご用件ですか?お客様。」
「僕を...僕を虐めている奴を見返したいんだ!喧嘩に負けない力が欲しいんだ!!」
「成る程。そういうことでしたらいいものがあります。少々お待ちを。」
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「こちらでございます。」
「バッチ...ですか?」
「こちらをつけるとあら不思議!貴方はいじめっ子に負けないほど強くなるでしょう。」
「買います!!幾らですか?」
「お代は結構ですよ。忠告を聞いてさえくれれば。」
「忠告ですか?」
「やるのはいじめっ子相手に限ります。」
Side C
「どうだ!参ったか!!」
「「「も、もうしませ~ん!?」」」
あのバッジはどうやら本物だった。今までは力が強くて敵わなかったいじめっ子もこうやって一捻り出来る。
「これでもう怖いものなしだ。」
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「答案を返すぞ。〇〇。」
「...はい。」
「いつも通り0点。やる気はあるのかね?」
クスクス...
ほんと馬鹿だな...
「...」
...僕のことを馬鹿にした。ムカつくなぁ。
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バキッ!!ドカッ!!
「君達、僕のことをさっき馬鹿にしたよね?」
「ご、ごめんなさい!?」
「悪気は無かったんです!?」
「むかつくからもっと殴るね♪」
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あれから、僕は気に入らないことがあれば他の奴に暴力で憂さ晴らしをした。どんな奴が現れてもこのバッジがあれば喧嘩に勝てる。最早僕はこの学校のガキ大将だ。
「お、おい...」
「...なんだよ?また僕に殴られに来たの?」
「も、もういい加減やめろ!!」
はぁ...馬鹿な奴だな。僕に勝てるわけないのに。
バキッ!!
「...え?」
「うああああああ!!!」
「ちょ、ちょっと待て!?やめろ!?」
どうなってるんだ?!バッジをつけてるのに、こんなひ弱な奴なのに、
「やめろおおおおおお!?」
何で負けてるんだ?
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「イラッシャイマセ。おやおやお客様。そんなに顔を腫らしてどうしましたか?」
「どういうことだ!!喧嘩に勝てるバッジなんだろ?!」
「その筈ですが...ああ、お客様。忠告を破りましたね?」
男は正体を現す
「ひっ!?何で、僕はいじめっ子を...」
男は答える
「残念ですが忠告を無視した場合、追加料金が発生します。」
「僕は唯...」
悪魔は笑い出す
「お代は、貴方の魂とさせていただきます。」
「僕は...最強なんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...」
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「今回の魂は力ですか...どんな悪でも、どんな正義でも、中身が伴っている者が強いのです。彼は力をつけたのは外身だけ。だから負けたのです。」
今日も彼は店を営む
あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...