悪魔の店   作:執筆使い

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2話

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

〜ep2 後悔〜

 

 

「今日はどういったご用件ですか?お客様。」

 

 

「人生をやり直したい。」

 

 

「人生...ですか?」

 

 

「嫌な思い出しか残って無いんだ。私の人生には。」

 

 

「そうですか...少々お待ちを」

 

 

..............................

 

....................

 

...........

 

 

「こちらになります。」

 

 

「一枚の...カレンダー表?日付けも年も書いていない。」

 

 

「そちらに戻りたい年と日付けを書けば貴方の人生をそこからやり直す事が出来るのです。但し、一度しか使えません。」

 

 

「買った。それで、幾ら何だ?」

 

 

「お代は結構です。私の忠告を聞いてさえくれれば。」

 

 

「忠告?」

 

 

「決して、もう一度使いたいが為にこの店まで来ないで下さい。」

 

 

「そんな事でいいんだったら。」

 

 

「お買い上げありがとうございます。」

 

 

 

 

 

Side C

 

「〇〇年〇月〇日と...」

 

 

忘れもしない、俺の生まれた日だ。

 

 

「絶対にギャフンと言わせてやる。」

 

 

................................

 

....................

 

...........

 

 

あれから俺の人生はバラ色になった。小学校の時はその頭の良さで天才児と持て囃され、中学の時はスポーツと勉強を両立、高校では好きな奴に告白できて、行きたい大学に合格することが出来た。今や私はとある大企業の社長を務めている。

 

 

「いい人生だ...これも、みんなあの店のおかげだな。」

 

 

「社長!大変です!!」

 

 

「ん?一体どうしたのか?」

 

 

「前々から準備していたプロジェクトが失敗し、多額の借金を背負う羽目になって...」

 

 

「な、何だと?!」

 

 

.............................

 

...................

 

..........

 

 

 

「イラッシャイマセ...おやおや、どうなされましたか?」

 

 

「前にお前が売ったあのカレンダーを買わせろ!!」

 

 

「...失礼ですが、私は貴方の事を存じ上げません。それにあのカレンダーとは?」

 

 

「人生をやり直せるカレンダーだよ!!」

 

 

「...成る程。貴方、忠告を無視しましたね?」

 

 

彼は正体を現す...

 

 

「その姿は一体?!」

 

 

彼は答える...

 

 

「残念ながら、忠告を無視した場合、追加料金が発生します。」

 

 

「た、助けてくれ?!」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「お代は、貴方の魂とさせていただきます。」

 

 

「助け...ギャアアアアアアァァァァ...」

 

 

................................

 

.....................

 

..........

 

 

「今回の魂は...後悔ですか。馬鹿ですねぇ。後悔の無い人生を歩むことなどできるわけありません。」

 

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 


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