悪魔の店   作:執筆使い

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第41話

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

〜ep41 悪魔の店〜

 

 

「さて...どうもお客様が来ない。ふむ...そうですねぇ。仕方ありません。余り気が進みませんが、少し昔話をしましょうか。」

 

 

 

 

 

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昔々、ある所に一人の悪魔がいました。彼は様々な世界を渡り歩く旅人で、なんでも願いが叶う道具を道行く人に与える行商でもありました。

やがて時が過ぎ、悪魔はとある山の麓に一軒の店を建てます。

 

 

その名前は...

 

 

 

 

一人目のお客様は女勇者

力を手に入れる為悪魔の店へ

忠告破り殺しながら

血濡れの道を作り出した

そんな彼女は魔界行き

呪われそして閉じ込められて

紅く染まった道以外に

彼女の生を知る者無し

 

 

「だから言ったのですよ。決して殺しに使ってはいけないと。」

 

 

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二人目のお客様は気弱でして

美声を求めて悪魔の店へ

その歌は正に芸術で

様々な人を狂わせた

そんな彼は高嶺の花

イカレタ女に刺し殺されて

真っ赤な花を辺りに咲かせ

皆に愛され朽ち果ててく

 

 

「真に恐ろしきは人の狂気。まさにその通りですねぇ。」

 

 

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三人目のお客様は老人で

美貌を求めて悪魔の店へ

数多の人を魅了しながら

一つの国を作り上げた

そんな彼女は国の長

醜い悪夢を見てしまって

老いゆく体に怯えながら

一人寂しく死んでゆく

 

 

「当時の私は力不足で、持って数百年といったのですが...彼女はそれでも怯えていた様です。」

 

 

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山の麓を歩いたり

喫茶店にてお茶会

招待状は無いけれど

色んな人が狂る

 

 

「さて、次は珍しいお客様の話でもしましょうか。」

 

 

四人目のお客様は双子らしく

怖いもの見たさで悪魔の店へ

たった()()で山奥まで

歩いて来て店に入った

気の強い姉と 賢い弟

忠告を守っていたけれど...

()()は全てを理解してしまい

冥土の国へ旅立った

 

 

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「如何でしたか?不思議な不思議な悪魔の店。それはきっと世界の何処かにあるでしょう。」

 

 

男は正体を現す

 

 

「え?場所がわからなければ意味がない?大丈夫です。」

 

 

男は答える

 

 

「貴方が望めばいつだって来れます。カランコロンの音と共に。」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「いつの日か...会えるといいですねぇ。」

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 




※最終回ではないのであしからず。

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