悪魔の店   作:執筆使い

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今回は悪魔の能力がちょっと解る回かもしれません。


第45話

 

寂れた教会

およそ似つかわしくないであろう歪な呪文と魔法陣

黒い炎と共に1人の男が出現した

 

 

「私を呼んだのは...貴方ですか?」

 

 

「ええ...この歪んだ世界を直して欲しいのです。伝説の悪魔、ジャッカル。」

 

 

 

カツンと鳴らすは靴の音

コツンと鳴らすは杖の音

 

 

旅人はどんな願いも叶えます

どんな望みも忠告付きで叶えて差し上げます

 

 

 

そんな彼は1人の魔術師を見下ろしてました

 

 

 

〜ep45 右手〜

 

 

「成る程...つまり魔神によって歪んでしまうこの世界を何とかして欲しいと。」

 

 

「はい...この世界は数人の魔神によって自由自在に歪められてしまう。何度も、何度も。」

 

 

魔術師は俯く

 

 

「...それが私は許せない!数少ない実力者だけが好き勝手出来てしまうこの世界そのものが!!何も出来ない自分自身が!!」

 

 

「...」

 

 

旅人は顎に手を添える

 

 

「...残念だ。非常に残念だ。」

 

 

「っ...っ....」ポロポロ

 

 

「貴方のその魂は賞賛に値する。だから私の手で魔神を滅してたいのですが...もしそうすればこの世界は崩れてしまう。」

 

 

「...っ...じゃあ...」

 

 

「この世界はどうしようも無く脆い。魔神如きが作り変える事が出来てしまう程。だから私に出来る事は」

 

 

男は右手を差し出す

 

 

「こうやって手を差し伸べる事だけです。」

 

 

悪魔は自らの右手を燃やす

 

 

「これは...」

 

 

「一つ聞きます。世界そのものが敵となってしまっても、この先の人生に不幸しか訪れないとしても、魔術が使えなくなったとしても、後悔はしませんね?」

 

 

「...」コクン

 

 

魔術師は右手を差し出し...

 

 

ギュッ

 

 

「...これで私の力の極々極いちを貴方の右手に移した。」

 

 

悪魔は笑いだす

 

 

「それはあらゆる幻想(理不尽)を打ち砕く右手...たとえこの世界が歪められてしまってもソレは基準点となり、いつでも戻せる。」

 

 

「...ありがとうございます!!」

 

 

「お礼は結構ですよ。唯一つ忠告が」

 

 

「忠告...ですか?」

 

 

「その中にあるものは決して外に出してはいけません。」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「あれから何年経ったか...」

 

 

店員は紅茶を飲みながら古本を読む

 

 

「サービスとして、お客様が死んでも能力だけ他に移る様にしましたが大丈夫か心配ですねぇ。」

 

 

悪魔は右手を燃やす

 

 

「ほんの一部といえど私の力。一応念には念を入れてはいますがいつ暴走してしまうか...」

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 

 

 

 

 






幻想殺しの起源は悪魔という捏造設定
悪魔の能力はソレに近いんです

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