悪魔の店   作:執筆使い

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今更ですがこの作品ってアンチ・ヘイトタグ必要なのでしょうか?
というのも評価の一言欄で

『アンチ・ヘイトタグ付けろ』

と言われてしまって...誰か教えて下さると嬉しいです。



第49話

 

【対S級犯罪者用ジュラルミン製尋問室】

 

 

「単刀直入に聞こう。貴様は一体何者で、何故あの様な行為を行った?」

 

 

「単純な事だ。テメェらが正義で、」

 

 

犯罪者は中指を立てる

 

 

「俺が悪だから。」

 

 

 

 

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店は何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

〜ep49 悪〜

 

 

 

 

 

–1カ月前–

 

「本日はどういったご用件ですか?お客様。」

 

 

「悪に相応しい力をくれ。俺は圧倒的な悪になりてぇんだ。」

 

 

「ほう...悪は悪でも清々しい悪ですねぇ。少々お待ちを。」

 

 

..............................

 

.....................

 

............

 

 

「此方でございます。」

 

 

「黒いコスチュームに黒いマント...まるでバットマンみたいだなぁおい!」

 

 

「では私はジョーカーかトゥーフェイスといった所でしょうか?」

 

 

「だとしたら随分とイかれた店員って事だが?」

 

 

「ええ。何せ私は変わり者の悪魔ですから。」

 

 

「...気に入った!いくら出せばこいつは俺の物になる?」

 

 

「お代は結構ですよ。忠告を聞いてさえくれれば。」

 

 

「この俺に忠告か...益々気に入った!どんなのだ?」

 

 

「最後まで悪を貫く事です。最期まで。」

 

 

 

 

 

–現在–

 

 

「...で?貴様はそのコスチュームを着たまま世界を敵に回し暴れまわったと?」

 

 

「そういうこった。楽しかったぜぇ〜、他人には無い力を振り回して人々を恐怖に陥れるのは。」

 

 

「...その割には貴様は誰1人として殺して無いな。しかも何の計画性も無い。お陰で目的が皆目見当も付かない。」

 

 

「...っくっくく、ハッハハハハ!!!」

 

 

「...何が可笑しい?」

 

 

「テメェは悪と言うのをわかってねぇ...悪ってのはな、いつだって突発的で、正義を相手に戦うもんなんだよ。人質として利用する以外で一般人に手ぇ出す野郎はクソだ。」

 

 

犯罪者は舌を出す

 

 

「...随分と悪にこだわりを持っている様だな。」

 

 

「俺は正義より悪が好きなんでな。」

 

 

 

 

 

 

 

Side C

 

いつもそうだ。

皆僕の事を悪者にして虐める。

友達なんかいやしない。

先生に言ってもいじめっ子の味方。

何故ならそいつは皆の人気者で頼れる存在(ヒーロー)で、僕は皆から嫌われている存在(ヴィラン)だから。

 

僕はテレビに出てくる悪役が好きだった。

正義の味方なんかクソ食らえだと思った。

悪が負けて正義が勝つなんていう理不尽なんざ俺には耐えられなかった。

 

 

「だから俺がなってやった。どんな正義にも負ける事の無い、絶対的な悪にな。」

 

 

「ならば何故貴様はこうやって...散々暴れまわった後に自分から捕まりに来たんだ?」

 

 

「俺の予想通りになったからだよ。」

 

 

「予想通りだと?」

 

 

「誰もが知りながら目を背けている事だが...この世の中は悪とも呼べねぇクソが蔓延っている。」

 

 

「...」

 

 

「いじめ、差別、他国同士のつまらないいがみ合い...それに対してお前らは何も行動を起こさない。何が正義だ。何が平和だ。薄っぺらい偽善者共が。」

 

 

バンッッッッッ!!!

 

 

「何が言いたいんだ!!」

 

 

「俺が世界中を敵に回したらどうなったか?お前ら知ってるだろ?」

 

 

「それは...」

 

 

「俺という絶対的な悪が世に出たら、みんな無くなった。皆が俺に恐怖して結束しだした!いじめ、差別は無くなり、国同士の小競り合いを辞め俺を捕まえようと躍起になった!!小さいクソ達が蔓延る不平等な世の中が絶対的な1人の悪に怯える平等な世の中に変わった!!!」

 

 

「それは結果論だ!!貴様は世界を彼程掻き回したんだぞ!!!」

 

 

「だからどうした?」

 

 

「くっ...だが、もう貴様は牢屋の中。しかも此処は貴様の為に作った特注品だ。」

 

 

「...因みに言い忘れたが、このコスチュームは偽物だ。」

 

 

「何?」

 

 

「つまり俺が死んだ所で、第二第三の悪が現れるっつー事だ。」

 

 

ドンッッッッッ!!!

 

 

「何処だ!!何処に隠した!!!」

 

 

「さぁな...」

 

 

さて...多分これから死刑になるだろうし、俺はあの世でこいつらの作り出した薄っぺらい世の中の行く末でも見てるか。多分地獄に堕ちるだろうがな。ま、最後にあの面白い店員に返品したし、ついでに酒で一晩共にしたし後悔は無いな。それにしても...

 

 

 

「ギャーギャーうるせぇんだよ。少しは頭を冷やせよ、薄っぺらいヒーロー。」

 

 

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

 

 

「悪が全て悪いなんて...小学生の理論ですよ。寧ろ私から見れば薄っぺらい正義の方が悪い。けれどもこの世の中の正義の八割はソレだというのだから...」

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 




次回 遂にあの人が...


???「ホーッホッホッホ」

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