悪魔の店   作:執筆使い

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50話を記念して(後、近々アニメで放送されるらしいので)あの方を出す事にしました。
まさか出す前に活動報告にてリクエストされるとは思いませんでしたが...




第50話

 

 

「ホーホッホッ...この世は老いも若きも男も女も、心のさみしい人ばかり。私はそんな皆さんの心のスキマをお埋め致します...いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。さて、今日のお客様は一体どんな人なんでしょうねェ。」

 

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

はてさて、今日のお客様は?

 

 

 

〜ep50 せぇるすまん〜

 

 

 

 

「水35L、炭素20㎏、アンモニア4L、石灰1.5㎏、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素と...これで後は数分待てば完成ですねぇ。」

 

 

カランコロン

 

 

「おっと...いらっしゃいませ、お客様。本日はどういったご用件でしょうか...」

 

 

「少々雨宿りを...」

 

 

両者は黙る

 

 

「...同じ事を考えてますね?」

 

 

「ええ...どうやらお客様は」

 

 

「「似た者同士の様だ」」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「改めまして、私はこういうものです。」

 

 

『❤︎ ココロのスキマ...お埋めします』

 

 

「喪黒福造様ですか...では私も」

 

 

店員は黒い名刺を差し出す

 

 

『カランコロンの音と共に...心を満たして上げましょう』

 

 

「悪魔店員...随分と変わった名前ですねェ。」

 

 

「勿論本名ではありません。便宜上そう名乗っているだけでございます。」

 

 

「成る程。そういう事でしたか。」

 

 

店員は客を見つめる

 

 

「それにしても...私はこれでも結構な情報通ですがお客様の様なセールスマンを全く知らない。」

 

 

客は店員を見つめる

 

 

「それは私も同じです。私も長年セールスマンをやっていますが、貴方の様な店員を全く知らない。」

 

 

「姿や経緯は異なれど、まるで自分を見てる様ですねぇ。」

 

 

「どうしようも無く似ているから自分でも気付かなかった。といったところでしょうか?自分に似たタイプの人間に案外見向きされないものですから。この業界では...」

 

 

「そう見たいですねぇ...」

 

 

男は正体を現す

 

 

「それが貴方のやり方ですか。」

 

 

男は指を相手に向ける

 

 

「その言葉、そっくりそのままお返しします。」

 

 

男は答える

 

 

「「さて...雨も止んだ事ですし、これにて終いにしましょうか。」」

 

 

2人の人外は笑い出す

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「喪黒福造...彼は一体何者なんでしょうか?」

 

 

悪魔はお客様の顔を思い出す

 

 

「あそこまで似ているとなると逆に不気味ですねぇ...」

 

 

悪魔は鍋の方へと向かう

 

 

「さて、新しい体が出来た事ですし。リニューアルの準備をしなくては。」

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 





キャラ紹介
喪黒福造
この作品のモチーフともなっている誰もが知っている名作漫画の主人公。セールスマンとして日々お客様のココロのスキマを埋めて(願いを叶えて)いる。勘違いされがちだが催眠術師などといったものではなく、れっきとした人外である(つまり人間ではない)

店員曰く
「恐らく同じ土俵では勝ち目は無いでしょう。商売は力比べとは違いますからねぇ。」

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