今回の話は本編のとある話と繋がっています(興味のある方は、何話か探してみて下さい)
後、今回はギャグ要素多めです。
腕前まだまだ半人前
それでも主の為頑張ります
ポケットの中をご覧あれ
願いや要望叶うでしょう
今日の依頼主は誰ですか?
〜ep54 糾える幸福〜
『本日はどういったご用件ですか?お客様』
「あるんでしょう!?幸運になれる道具が?!」
うわ、すごい剣幕。目の下のくまから察するに夜中の4時44分まで起きるのが辛かったんですね...
『わかりました。わかりましたから揺らさないでください』
全く、お客様でなければぶっ飛ばしてましたよ。
『はい。こちらでございます』
「ぬいぐるみ?」
『あみぐるみですよ。これを持てば幸運になる事間違いなしの』
「どっちでも良いわ!〇〇より幸運であればなんでも!!」
『そうですか...お代はタダですが忠告は必ず守って下さい』
「忠告?何よ?」
『大事に、手放さないで下さい』
Side C
「まさか本当に効くなんて!!」
きっかけは、突然幸運になった友人を見かけてだった。歩けば棒に当たると言わんばかりに彼女の下に大金が落ちてたり、イケメンの肩にぶつかってフラグが立ったり(所謂ラッキースケベ)、アンケート〇〇人目記念という具合に様々な商品を貰ったりとおかしかったから問い詰めてみたら
『な、なんでも願いが叶う店でこの絵馬を貰ったのよ。〇〇山の麓にある店にね...』
その言葉の通りに〇〇山の麓に行ってみれば店は存在せず、
『只今留守にしております。ご用があれば4時44分にお電話を。番号は666でございます』
なんて立て札があったので蹴りをかました。
「でも本当に長かったわ...今じゃ幸運でこんなに贅沢な暮らしが出来てるんだもの。」
最初は藁を拾って、それを欲しがっていた子供に飴と交換で渡してそれが必要な人に...という具合でいって今やこんな豪邸に住める様になったのだから。
「しかも日に日に幸運が増していってるし、手放さず大事にしておけと言われたから何か曰く付きかなと思ったけどそんな事は無かったわ。」
はぁ〜あ。幸せがずっと続くのがこんなにも良い事だなんて。
Side Another C
「どうしよう...なんでこんな事になったの...」
一瞬絵馬を落とした。それだけだった。たったそれだけのことで私の人生は不幸の連続となってしまったのだ。
「嫌だ...怖いよ...」
もう外に出る事さえ叶わない。あの時はなんとか重傷で済んだが次外に出歩いたら...
「ああ...戻りたい...戻りたいよ...」
あの幸福な毎日に戻りたい...
Side out
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「さーて、こんなところにずっといるのもあれだし外に出掛けるか。」
今日はどんな幸運が待ってるかな。
ビリッ ポトッ
「あっと...ま、大丈夫だよね。ちょっとほつれただけだし、手放したっていっても一瞬だし」
さーてお出かけお出かけ♪
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『ずっと幸運?そんなものなんてあるわけないですよ。』
黒竜は笑い出す
『良く言うじゃないですか...えーと...人間チンパンジー犀象が馬...なんか違う様な...』
今日も助手はお客様の元へと向かう
あらゆる商品が詰まってるポケットを持ってお客様の元へと向かう...
(前回のも合わせて)商品紹介
のぞみカーテン
まず取り付ける窓を閉めます。そしてカーテンを取り付けこれも同様に閉めます。そしてカーテン開けるとあら不思議!使用者の見たい光景が窓の外に映るようになります。まぁあくまで映るだけですが。
禍福のあみぐるみ
これを持ってるだけであら不思議!毎日が大吉となる商品でございます。ただ未来の運を肩代わりしている為、もし手放したり壊してしまった場合味わった幸運の分に応じて不幸が襲い掛かります。まさに、禍福は糾える縄の如しですねぇ。因みにこれと似た様な商品で幸運の絵馬というのがございます。