...うん。とりあえず、夢男がどう見ても笑うせぇるすマンのアイツにしか見えない
(しかも最後のセリフと中の人が...気のせいだろうか)
それと、やっぱりこちらとは違い向こうの方が怖さの質が遥かに上ですね。どうやったらあんな凄いストーリーが出来るんでしょうか...
カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
はてさて、今日のお客様は?
〜ep67 森人間〜
「本日はどういったご用件ですか? お客様」
「...この世界から、離れたい。私は昔から緑溢れるこの場所が好きだった...だけどもう...そんなものなどもうない。今となってはな」
「そういう事ですか。さて、どうした事か。流石に庭の畑は人間には危険ですし...ああそうでした! そういえば最近完成したアレがあったのでした」
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「こちらでございます」
「...種?」
「こちらを、そうですねぇ...丁度此処からそう離れていない場所に空き地がありますので、其処に埋めて下さい」
「そうですか...ところで「ああ、お代は結構ですよ。忠告を聞いてさえくれれば」忠告?」
「全ての縁を、切っておいて下さい」
Side C
「凄い...」
どんな願いもかなえる店が本当にあったことにではなく
こんな山奥に広大な空き地が存在していたことにではなく
「森が...」
私がやったことは種を植えただけ。それだけでまるでおとぎ話の様にそこから植物が生えていき一つの森を形成したのだった。
「これで私は...」
思えば、昔は良かった。この町にそこまで建物があふれていなかった頃...私が子供の頃は良くこういった森がある山で元気いっぱいに遊んだものだ。
『森人間』当時の私は友達からそう呼ばれていた。だが...いまじゃあ私と共に遊んでいた友人も、日々も、森も存在しない。私は長年妻と一緒無機質となってしまった思い出の所を生きていた。
「今となっては私は唯の頑固おやじと呼ばれ、周囲の人間はおろか家族にまで嫌われてしまった...だからちょうどよかったのかもしれない」
さて...まずは何をしよう? 木登り、ターザンごっこ、秘密基地を作るのもいいかもしれない。ともかく、私はあの世界から逃げることが出来たのだから。
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「ふぅ...ここに住んではや一週間、色んな食料があるから困ることはないし、何故か秘密基地らしき洞穴まであった。まるでこの森が生きていて、私を温かく迎え入れてくれているみたいだ」
今もこうやって私の為に葉っぱで絨毯を作り出している。
「...ん?」
ふと、声が聞こえた。下の方...もっとわかりやすく言うと森の入口の方からだ。私を呼ぶ声...そうか
「貴方!こんな所に...「帰ってくれ」
「今更なんだ...君が望んだことだろう。最近は私を頑固おやじ扱いして...のけ者扱いして」
悲しそうな顔をしているが、解っている。人というのは都合がいい生き物だ。失った時に初めてその大切さに気づき、それを取り戻そうとひどく歪む。どうせ君もその口だろう?
「違うの!! 私は「帰ってくれ!!」嫌よ、このままそんな場所に居たら貴方は...」
うるさい...うるさいうるさいうるさいうるさい...
「五月蠅い!!!!」
ガサガサササササ
「ひっ...嫌...やめて...イヤァァァァァァァ...」
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「今...私は何をした?」
私は妻を追い払うつもりで...いや違う。私じゃない...森が...
「どうしてこんなことした? 何も彼女を殺すこと「貴方が縁を切らなかったからですよ」!?」
「どうも、少しばかり様子を見に来てみれば「お前が...お前の売ったコレが妻を殺したのか?!」...ッククク、ハハッハハハッハハハッハハッハハッハ!!」
「何がおかしい...客の願いを聞き入れるのが店員の役目だろ!!」
「実に笑わせてくれる...まず忠告を破ったのは貴方ですし」
男は正体を現す
「妻を殺したのも貴方でしょう?」
「違う...わたしは...」
男は答える
「まぁ、じっくり考えることですねぇ。貴方が作り出した、この森の中で」
「嫌だ...嫌だ...」
悪魔は笑い出す
「とりあえず様子見だけですので私はこの辺で失礼しますが...せいぜい森にお気を付け下さい。森人間さん」
「怖い...いかないでくれ...私はただ...アアアアアアアアアァァァァァァァァ...」
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「人間ほど都合のいい生き物は存在しません。植物や他の動物と違い自分に嘘をつくことができるのですから」
今日も彼は店を営む
ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...