悪魔の店   作:執筆使い

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5話

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

〜ep5 特典〜

 

 

「今日はどういったご用件ですか?お客様。」

 

 

「漫画の世界に行かせろ。特典付きで。」

 

 

「ほうほう...よくあるやつですか。所謂神様転生ですね。少々お待ちを。」

 

 

「早くしろよ。」

 

................................

 

....................

 

...........

 

 

「こちらになります。」

 

 

「ドアだと?」

 

 

「先ずは行きたい世界と特典を教えて下さい。それをこのドアに入力しますので。」

 

 

「そうだな...それじゃあ〇〇の世界で、特典は...

 

 

...............................

 

.....................

 

............

 

 

...以上だ。」

 

 

「多いですねぇ。」

 

 

「何だよ?文句あんのか?」

 

 

「いえいえ。別に珍しくはありません。この業界ではチート能力を沢山所望する転生者は多いんです。」

 

 

「それじゃあさっさとしろ。」

 

 

「わかりました...はい。これで終わりです。」

 

 

「よっしゃ!あ、それで金なんだが...」

 

 

「お代は結構です。忠告さえ聞いてくれれば。」

 

 

「忠告?」

 

 

「暫くしたら私が様子を見に来ますので、その時には特典を返してもらいます。」

 

 

 

 

 

Side C

 

 

あれから俺は好き放題暴れた!逆らう奴は皆片っ端から殺していきとうとう世界を牛耳ることが出来たのである。

 

 

「どんな野郎でもこの能力があれば怖いものなしだ!!」

 

 

特典付きの転生がこうもいいなんてなぁ...

 

 

コンコン

 

 

「入れ。」

 

 

ガチャ

 

 

「お久しぶりですねぇ。お客様。」

 

 

「お前は...あの時の店員!」

 

 

成る程...忠告通り、特典を返してもらう為にやってきたんだな。

 

 

「それでは約束通り、転生の際貴方に与えた特典を返してもらいます。」

 

 

「わかった...とでもいうと思ったかバーカ!!」

 

 

「おやおや...一体どうなされたのですか?」

 

 

「折角手に入れたこの能力を簡単に手放す訳無いだろ!」

 

 

「ふむ...成る程。忠告を無視するのですね?」

 

 

男は正体を現す...

 

 

「ふん!何になろうと俺の無敵の能力の前では...あれ?効かないだと?!」

 

 

男は答える...

 

 

「残念ながら、忠告を無視した場合追加料金が発生します。」

 

 

「何で!何でこいつには効かないんだよ!!」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「お代は、貴方の魂とさせていただきます。」

 

 

「やめろ...やめろォォォォ...」

 

 

..............................

 

.................

 

..........

 

 

「神様から特典を貰う人物には2種類のタイプがあります。1つはチート能力を貰う者。彼らは総じてつまらない人生を送ります。見てるこっちが吐きそうになる程。もう一つはありのまま、最低限の特典を貰う者。彼らは総じて苦労さえすれど面白い人生を送ります。見てるこっちが高評価をつけるほど。」

 

 

そして店員はどこか遠くを見つめてこう言った。

 

 

読者(あなたたち)もそう思いませんか?」

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 


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