悪魔の店   作:執筆使い

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何かと共通点の多い二人。時系列的に多大な矛盾がありますが、どうかご容赦を。それと口調等に違和感を感じましたらどうか救命センター(又の名を感想欄)へご連絡を。


第70話

 

 

「忘れんなよ...お前が笑顔でいる限り、お前はお前だ。お前の運命は永夢...お前が変えろ!」

 

 

「―――」

 

 

へっ...もう声一つ聞こえねぇ...

 

 

『GAME OVER』

 

 

嗚呼...結局...俺は...

 

 

 

 

 

しん...じつを....

 

 

 

 

 

 

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

はてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

 

~ep70 闇に葬られし者達~

 

 

 

「ここは...?」

 

 

男が再び目を覚ましたのは山の麓らしき場所だった。目の前には古びた喫茶店らしき建物。

 

 

「...一体どういうことだ?」

 

 

確かに自分はあの時死んだはず。なのに目の前には、天国でも、地獄でもない光景。だがこのまま突っ立っていくわけにもいかないと判断した彼は

 

 

「乗るか、反るか...だったら乗るしかないな」

 

 

カランコロンという音と共に入って行った

 

 

 

 

 

 

「ありゃま、死人が一度に二人とは...珍しいですねぇ」

 

 

店員は先客に紅茶を振舞いながら笑みを浮かべる

 

 

「...あんた...」

 

 

男...九条貴利矢はその先客に妙な感覚を覚えた。

 

 

「...成る程。お前さんは...」

 

 

先客...成海壮吉も同じような感覚を覚えていた。

 

 

「...」

 

 

店員はあえて何も言わずにもう一つ分紅茶を淹れ始める。

 

 

「一つ聞いていいか?」

 

 

「出来る限りならな...」

 

 

九条は質問する

 

 

「真実を知ることは...真実を伝えることは人生を狂わせる事だってある。なのにあんたは何で...」

 

 

「生憎俺はその質問に対する模範解答を持ち合わせてはいない...だが、これだけは言える」

 

 

成海は()()()()()()()帽子を深くかぶる

 

 

「真実が人生を狂わせるってのは確かにお前さんの言う通りだ...俺はそのせいで三つの罪を重ねてしまった」

 

 

彼の帽子の奥に浮かぶは嘗ての相棒...

 

 

「じゃあなおさら何で...」

 

 

「俺は...自分の罪を数えた。それだけだ」

 

 

「...俺には分からないな。あんたと違ってそんな大それた精神は「どうかな」

 

 

「職業柄...俺は一目見ただけでそいつがどういう奴かはある程度わかる」

 

 

探偵はゆっくりと立ち上がる

 

 

「お前さんは、俺と同じさ。自分の罪を数えて...真実を追い求めていた。たとえ何かを犠牲にしてしまっても、決して表に出すことなく...」

 

 

「...それで良かったのか? 結局あんたも...俺も「それはどうでしょうねぇ」

 

 

ふと、今まで口を閉ざしていた店員が話し出す

 

 

「私から見ればあなた方は大それた人間だと思いますよ? 方や嘗て頭に被っていた帽子と共に自分の意志を弟子に託し、方や自分が信頼でき...そして友人だと思っていた相手にベルトと思いを託し......私には到底出来ない事ですよ」

 

 

「...成る程、確かに言えてるな。だけど...」

 

 

「ああ、そうだな」

 

 

「「それすら知っているあんた/お前さんは何者だ?」」

 

 

「..........むぅ、まぁ...言っても良いでしょう」

 

 

男は正体を現す

 

 

「私はこの店を事実上営んでいる悪魔でございます。今回あなた方がここへいらしたのは恐らく...」

 

 

男はそれ以上言わなかった

 

 

「...そういう事か。ならば俺はそろそろお暇しよう。待たせている奴がいるんでな」

 

 

カランコロン

 

 

探偵は店を後にした

 

 

「...それじゃあ俺も、こいつを頂いたら「あー、お客様...誠に言い辛いのですが...」どうした?」

 

 

「それがどうもお客様...微妙なラインなんですよねぇ。こればかりは私も詳しくは言えませんが、もしかしたら...」

 

 

「そうかい。んじゃ、向こうに行ったら期待しないで待っているよ、店員さん」

 

 

..............................

 

....................

 

...........

 

 

「この世は闇に葬られた真実が沢山有る...そして、それによって犠牲になった人々も同様に」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「だからこそ、彼らの様な存在がいるのかもしれません。真実を追い求める者達が」

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 




-オマケ-
もしも店員がゲーム内でのラスボスポジで、平成二期ライダー(W以降)と対面したらこんなセリフを言い合うんだろうなという作者の妄想です。




W
「さぁ...お前の罪を数えろ!」
『エクストリーム』

店員
「罪ですか...コレが罪だというのなら、私は喜んで罪人となりましょう。永遠に」
『Eternal』





店員
「欲望の王よ、何を望みますか? 貴方様の器があれば、どんな願いだろうと叶うでしょう。他の薄汚い欲望とは違って」
『エビ カニ サソリ』

オーズ
「アンクだったらこう言うだろうな...『お前の言う願いや欲望は結局は同じだ。綺麗も汚いも関係ない』って。それに俺は、自分の願いは自分で叶えたい。例えどんなに時間が掛かるとしても...それが俺の欲望だ!!」
『タカ! クジャク! コンドル!』





フォーゼ
「俺は如月弦太郎...世界中の人全員と友達になる男だ! 早速で悪いが、タイマン張らせてもらうぜ!!」
『ロケット スーパー!!』


店員
「友達...タイマン...無理な話ですねぇ。所詮私は悪魔、例え貴方様が右手を差し出しても左手で握手をする...それが私の答えです」
『サメ クジラ オオカミウオ』







店員
「無駄な事だ...この世界には絶望しかない。どんな願いを叶えた所で、世界が幸せで溢れかえることはないんですよ...」
『change...now...』


ウィザード
「ならば俺が、絶望を照らす光になろう。俺が最後の希望だ!!」
『ホープ! プリーズ』





店員
「どうでしょう? 貴方様が望めば私はどんな願いだって叶えて差し上げます。失った日常...会えなくなった友人...どんなものでも望むがままに」
『Blood Orange』


鎧武
「確かにアンタの言う通り、俺はその二つを取り戻したい。あの日に戻りたい。そう考えた事もあった...だがな! 失って、ぶつかり合って、人じゃなくなって、俺たちは未来へと進む事を決意した!! 失った者達の決意を背負いながら、俺は前に進み続ける!!」
『オレンジ!』





店員
「正義程...不安定で、醜くて、薄汚いものは存在しない。貴方もそう思いませんか? 刑事さん」
『Lupin』


ドライブ
「だからこそ、真っ直ぐ生きている人達が光って見える! 俺は正義を守る為に戦ってるんじゃない...市民を守る為に戦ってるんだ!!」
『ドライブ...タイプスピード!!』






ゴースト
「命...燃やすぜ!!」
『開眼! オレ!!』


店員
「そんなものを燃やした所で、残るものは何もないんですよ。若僧さん」
『Dark Rider...』






店員
「何故医者でい続けるのです? いつかは消えてしまう運命でしょうに...」
『Dangerous Zombie』


エグゼイド
「何も患者の命を救う事だけが医者の役目じゃない。僕はある人に命を救われて...笑顔を貰った。だから今度は俺が、患者の笑顔を守る為に戦うんだ!!」
『マイティ アクション X』



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