ラッキーセブン!!(お気に入り数は66と悪魔の数学ですが)
...はい、何でもありません。ただのノリで言ってみただけです。
カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
はてさて、今日のお客様は?
〜ep77 秘密〜
「本日はどういったご用件ですか? お客様」
「俺は昔から...相手の秘密を暴露するのが大好きだった! 日に日に抑えられなくなってよぉ...でも下手すればパクられちまう...」
「そう言う事ですか。少々お待ちを」
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「こちらでございます」
「眼鏡...だと?」
「こちらを付けて頂ければあら不思議! その人の思い出したくない、隠したい過去が丸わかりとなります」
「買う! 買いたい! いくら出せばこれは俺の物になる?!」
「お客様、そんなにがっつかないで下さい。お代は結構ですよ...忠告を守ってくれさえすれば」
「忠告? 一体どんな忠告だ?」
「決して、覗き過ぎない様に」
Side C
「ひ、ひぃっ!? だからこれ以上は無理...」
「あぁん? じゃあ良いんだな、あの事チクってもよぉ?」
「!? い、いえ。何でもありません?! 失礼しましたぁぁぁぁ!?」
「っククククク...やっぱ良いもんだぜぇ。こうやって相手の秘密を握るってのはよ」
まるで相手の心臓を自分の手で握っている感触...ドクドク言っているであろうあの緊張感...ゾクゾクするぜ!!
「さぁて、次行くか!!」
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ーー元麻薬の密売人。今は足を洗って警察官。その事を職場の仲間に秘密にしている。
「なぁ良いだろう? ほんのちょっと...目をつぶりゃあそれで済むんだからよ?」
「は、はい...」
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ーー実は現在不倫中。同じ銀行の同僚が相手である。
「ほれほれ、とっとと暗証番号を言いな。俺はお客様だぜ...責任者さんよぉ」
「す、少し待って下さい!?」
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ーー手抜き作り。食品偽装。
「勿論ただなんだよなぁ?」
「え!? ええ勿論!」
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「っくはははは! 秘密を握られた人間ってのは随分と面白いもんだな!」
今日だけでもこんなに得したぜ!! その上癖になりそうな快感...!!
「店員がなんか言ってたが、誰が聞くかバーカ!!!...ふぅ、さて、明日は...っぐ!?」
ーー人の秘密を探ろうとするロクデナシ
ーー粗探しの変態
「なぁ、んだこれは?!」
ーー幼少期いじめられっ子。今の歪んだ性格の原点。
「くそ...眼鏡を...!?」
外れ...ない?
ーー人でなし
「やめろ...」
ーーロクデナシ
「やめろ...ヤメロォォォォォォォォォォ!!」
ーー生涯に友一人なし
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「イラッシャイマセ...どうなされましたか? お客様」
「止めてくれ...止めてくれ! 目に見えるこれを...もう見たくない、聞きたくない...止めてくれ!!」
「おやおやお客様...忠告を無視しましたね?」
男は正体を現す
「やだ...死にたく...死にたく...」
男は答える
「残念ながら、忠告を無視した場合追加料金が発生します」
悪魔はいつも通り笑みを浮かべる
「お代は、貴方の魂とさせていただきます」
ーー昔、彼は最初の契約相手として一人の人間に出会った。
ーー誰よりも純粋で綺麗な心を持っていた彼女の笑顔は、彼にとって光だった。
ーーある日、彼女が居なくなった。神と、人間達の手によって彼はかけがえのない...愛する者を失ってしまった。
ーーその日から彼は...光を捨てて悪魔となった。
「彼女の名は...ジ...ル...?」
「っ!?」
瞬間、悪魔は右手を使った。魂を抉り取る為ではない。
触れた瞬間、客を中心として空間に皹が入りかけた。
「っ...はぁ...はぁ...何をやっている? 私は一体何をやっている...? たかが、今から食われる男に言われただけで私は何をやっている?」
嫌な汗をかきながら、悪魔は店員の姿に戻ろうとする。
「たかが...思い出したぐらいで...何をやっている? 何を...何をやっている!!」
男は正体を隠した。まるでナニカを無理矢理押しこめるかのように。
「...ザイ! 私は暫く休む。もしお客様が来たら対応しろ!!」
いつも間にか口調が荒がっていた男は地下室へと向かった。
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ーー...私の友人でいてくれて...ありがとう...ジャック...
「...もう、少し...もう少しだ...後もう少しで...」
そう言いながら息を整え、店員は職場に復帰しようと階段に登る。
「私の願いが...叶う」
今日も彼は店を営む
ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...
悪魔の店の裏設定
注意 ここから先はこの小説の最大のネタバレとなります。もし、貴方がそれでも知りたいというならば先へとお進み下さい。そういったネタバレはご勘弁という方はブラウザバックして下さい。
本当に後悔しませんね?
私が書いているものの中で悪魔店員が登場する作品は、今作品以外に2つ存在する。
一つは『悪魔の店の前の話』所謂作者のノリで書いた作品である
もう一つは、悪魔の店とほぼ同時期に書いていた『ジャックとジル』という話。悪魔の過去を書いたバレない為のネタバレ作品なので、話数も文章はかなり短めで端折っている。彼がどうして今の姿になっているかの理由も書いてある。