悪魔の店   作:執筆使い

87 / 202


どうも皆さん、お久しぶりです! 執筆使いです!!
諸事情で一週間程待たせてしまい(詳しく知りたい方は活動報告にて)申し訳ありません!!


話は変わりますが、今日でこの作品の初投稿から一年経ちました!(要するに悪魔の店1周年)
そんなわけで割とキリのいい数字ですので今回は少し特殊な話でございます。いつも通りの悪魔の店が見たいんだ、という方はブラウザバックを。


第85話

 

 

 

 

 

誰しもが...願い、思う

 

だが両方は決して叶わない

 

どちらか片方だけ、もしくは両方叶わない...だからこの世界は残酷である

 

...しかし、誰を責めよう...何を責めよう...今更嘆いたところで...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所詮はたった1人の戯言だ...きっと、絶対に、永遠に..変わらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ep85 叶わぬ思い 叶わぬ願い〜

 

 

私は...1人だった。母も、父も消え、ずっと1人だった。

 

残っていたのは2つの翼(両親の愛)2つの目(自分の愛)だった...誰もが私のそれを見て、嘲笑い、排他し、差別した。

 

けれど私は憎まなかった...悲しむ事はあれど、憎む事などしなかった。それは父との約束の為だった。

 

 

私は誰よりも努力をし、誰よりも正義を信じ、誰よりも...そして私は神様(父殺し)の元に仕える事となった。

 

 

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人間を見て...自分を見た。努力をして、困難に突き進むのを見て、私は鏡を見ているようだった。私は自らの立場で試しをした。

 

誘惑と困難、果たしてどちらを選ぶのか、知りたかった。多くは前者を選んだ、だがそれでも残りは後者を選んだ。真っ直ぐでいて、乗り越えるであろう信念を持ち...それで充分だった。充分だったが故に、私は神に不審を持っていた。

 

 

「何か文句を言いたい目をしているな...マステマよ...」

 

 

「どうしてあの人間を助けない? 見てくれ以上に綺麗な心を持ったあの人間を助けないんだ...」

 

 

「あんな貧乏人を助けた所で私の信仰が増えるのはほんのこれっぽっちだろう。加護を与えるんだったらもう少し裕福な人間か、教会の連中に与えた方が信仰も集まっていいだろう」

 

 

その言葉で私は確信した。だが、その確信は父との約束を破るかもしれない。だから私は愛想をつかしただけにとどまった。父が育った場所と、自らの名前を捨てた...

本当は心が痛い。父と母を否定しているみたいで...私は涙を流しながら下へ、下へと...堕りていった。

 

 

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私はある者の下で、下の事、そして生きる術を学んだ。光に生きていた私にとって地獄とも言えようそれ...けれど彼処には戻りたくは無かった。

 

 

「...どうしてそんなに頑張る事ができるのかしら、グレイ?」

 

 

「俺は信じたいんだ...人間の努力を。何事にも諦めたりしないその心を」

 

 

信じていた。だが、悪魔になった以上そんな人間に会う事は決してありえないだろう。悪魔を呼び出すのは心の汚れた人間だ...だが、それでも私は絶対にあの場所には戻らない。絶対に...

 

 

「ところでこれ着てみないかしら? 最初の流行ファッションよん!」

 

 

「俺が2度も騙されると思ってたのか? 変T師匠」

 

 

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とうとうこの日がやって来た。私は悪魔として、人間の元へと召喚される。果たしてどんな奴だろうか...期待しただけ無駄だろうと考えながら大人しく魔方陣へと入る...

 

 

「私ジル! 貴方の名前は?」

 

 

私が出会ったのは1人の少女だった。

 

彼女が願った事は私と友達になる事...生まれた時から誰にも愛されず、孤独に生きていた筈だ。なのに笑顔でそれ以上の事を望まない彼女を見て私は...

 

 

「よろしくね、ジャック!」

 

 

「あ、ああ。よろしく、ジル」

 

 

私はきっと彼女を...だけどそれに気付いた頃にはもう遅かった。ずっと、その思いは叶わない...気付いた頃にはもう遅かったのだ...

 

太陽を失った闇は、永遠に光がさす事は無い...決して、誰であろうと...

 

 

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私は1人に戻った。違いがあるとすれば、憎しみを抱いていた。これが憎悪だと私はすぐさま気付いた。そして...

 

 

「...」

 

 

これが虚しさだと私は思い知らされた。

彼女のいない世界は、私は耐えられなかった。

どんなに抑えようとも、どんなに忘れようと旅をしても無駄であった。寧ろそれは増すばかり...だったらいっそのこと...

 

 

そこまで考えて、止められた。最早邪魔でしかなかった。少し前まで一緒に旅をしてた仲間の筈なのに、私には邪魔でしかなかった...だけど疑問にも思わなかった。俺はすぐさま右手を振りかざそうとしていた...

 

 

「どうして...どうしてなんだよ...俺は...」

 

 

怖かった。自分が、怖かった。あと一歩のところで、アイツまで殺すところだった...全てを壊すところだった...

 

私は、死ぬ為に最強の神の元へと赴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど、死ぬ事も、消える事も出来なかった。

 

 

 

 

 

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私は何をやっているのだろう...何故こんな事をしているのだろう...嗚呼、そうか、魂を集めて彼女を蘇らせる為だった...嫌違う。嫌合っている...

 

 

...最早自分の本心がわからない。この張り付いた笑みの奥に何があるのか...私にはわからない。

 

 

 

ああ、壊してしまいたい...ああ、彼女にもう一度会いたい...ああ、ああ、ああ...

 

 

 

 

 

 

「...もうすぐ、か」

 

 

さぁ、消してみるが良い神々よ

 

さぁ、止めてみるが良い嘗ての仲間達よ

 

さぁ...

 

 

 

 

 

 

...それらは無理な願いだろう。だから、そろそろ私は動く事にする。この世界に私の願いを叶えてくれるものも、私の思いを叶えてくれるものもないのだから。

 

 

「...あと少しですよ。ほんの少し...」

 

 

今日も私は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 

 

 

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