悪魔の店   作:執筆使い

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今更ですが悪魔の店のイメージ(私の小学生並みに下手なイラスト)でございます。


【挿絵表示】




そして、最終回が近いという事なのでちょっとしたネタバレですが。

SQRT〔{(3a+6)x2+6}÷6-a〕=1.7320508075…

といった感じの最終回になりますので、そういったのが駄目な方は今のうちにお引き取りを。
ヒントっつーかまんまやんけ! でも良いや、見たろ。 という方は残り少ない(かどうかは其方次第)話数をお楽しみ下さい。
ヒント...? わからん...わからんぞぉぉぉぉぉ!? という方。是非残り少ない本編の更新を待ちつつ、ごゆっくり悩んで下さい(黒い笑顔)


あ、今回本編は展開がごちゃごちゃな上に、めちゃくちゃあっさりしています。グダグダした内容でもありますので、駄目な方はお引き取り下さい。





第89話

 

「不味い...不味いぞ!?」

 

 

「神殺しの悪魔...此処まで力をつけていたとは...」

 

 

「既に、我々の多くが奴の手で消された。全王にやられた...()()()()()()()()()()よりも遥かに強くなった証拠だ!!」

 

 

「まさか、時天空や全王...その上銀河的存在(コズミック・ビーイング)まで!!」

 

 

「だが、多くの神々やそれ以上の猛者を相手取り、奴も相当の消耗をしているのも事実! 今の内に全勢力を以って「大変です!」む?」

 

 

「ジェルマ66と名乗るもの達が様々な世界にて、猛威を振るい始めて...我々では対処しきれません!?」

 

 

「!? ええい、そのぐらいどうにか「無理じゃよ」

 

 

老神の1人は呟く

 

 

「主らも知っての通り、彼奴は悪魔で無く、異形な存在。その右手に宿っている力は最狂にして...彼奴以外誰1人として理解できん代物。数で勝っていたと高を括っていた我々の負けなのだ」

 

 

負けを認める彼に何も言えずにいた他の神々。もう誰だろうと、彼を止める事など出来やしないのだ...

 

 

「既に、こちらの動きすら意に介していない...止められる訳なかろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

 

はてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

 

〜ep89 労老〜

 

 

「本日はどういったご用件ですか? お客様」

 

 

「仕事がキツくて...上司は私の苦労も知らず怒鳴ってばかり。でも辞めれば、次の職につけるかどうかわからない...自殺しようにも、いざ! って時にすくんでしまう...こんな我儘な私はどうすれば良いんでしょうか?」

 

 

「成る程...実に現在(いま)らしい悩みですねぇ。少々お待ちを」

 

 

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....................

 

............

 

 

「此方でございます」

 

 

「...ボロボロの衣装、ですか?」

 

 

「其方を着ていただければあら不思議! 社会の柵から外れたホームレスとなる事が出来ます(しかも生活は優遇される程の保証付き)」

 

 

「ホームレス...だけど、うーん...抵抗があるし、お値段...お高いんですよね?」

 

 

「お代は結構ですよ、忠告を守ってさえくれれば」

 

 

「忠...告...?」

 

 

「もし買うのでしたら、使うのは週末のみとして下さい」

 

 

「週末のみ...そうだな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side C

 

 

「結局...買ってしまった。というより貰った、って言うべきなのか?」

 

 

後輩の与太話と思ったが、どうもあの雰囲気が噂通りなんだと思ってしまう。使うべきか...使わないべきか...

 

 

 

prrrrrr prrrrr

 

 

「電話...はぁ。このタイミングでか」

 

 

『おい! 先程貰った資料がな...』

 

 

...使うか。

 

 

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....................

 

............

 

 

「ホームレスになるって言われて戸惑ってたけど、実際なってみると...」

 

 

自分は今まで見えないプレッシャーやら、世間の柵やらに押し込まれていたんだと痛感してしまう。少しの間だから実感は少なめなのだろうが気が楽になる。

 

 

「...しかも、どういう訳か休日に仕事が来ない...コレのお陰なのか?」

 

 

兎も角、これをつければ休日は自由なホームレスとなる事がわかるだけでも良い。しかも生活は絶対保証されるホームレス...これってホームレスというのか?

 

 

「まぁ、考えたところで仕方ない...楽しもう。折角の休日だし」

 

 

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....................

 

...........

 

 

「くそ...まただ! 自分の失敗の癖にあのクソ上司...!!」

 

 

こうやって何の柵無く過ごせる時間があって良かった。無かったらストレスが溜まって死ぬかもしれない...今こうやって考えると、どうして私は働いているのだろうか?

 

 

「...ハッ! イカンイカン、毎日を過ごす為に働いているんじゃあないか。ましてや此処は日本...他の国に比べれば幾らも裕福で...」

 

 

...それは、本当なのだろうか?

 

 

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....................

 

...........

 

 

「...」

 

 

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....................

 

...........

 

 

先週から考えてみた。こうやって、誰も見向きもしないこの環境を利用して考えていた(土日だけであるが)。

 

 

「...ある人が言ってたな、日本は生真面目な人達が集まる潔白の国だって」

 

 

言ってた...そう、言ってたなんだ。今がそうとは限らない。そもそも...それは昔の話だ。

 

 

「今もこうやって...汚いと思っている人間は興味のない風に無視するか、もしくは遭った事ないけど全力で排除しようとする」

 

 

いつの間にか...もしかしたら大昔からこの国は...そもそも、この世界そのものが

 

 

「潔癖になっていたんだろうな...」

 

 

自分にとって都合の良くない...都合の悪い(汚らしい)奴等に手を差し伸べる人間は絶対にいない。絶対だ。

世界には手を差し伸べる人間だって何人かいるだろうと、自分は違うのに反論したくて仕方がない人も居るだろうが...

 

 

道端でいつの間にか踏んでしまった蟻に対して、一々悲しむ聖人が居るわけがない。結局は、同属かそれに近いものしか愛せないのだ。

 

 

「...そう考えると、戻りたく無くなってきたな...」

 

 

今この瞬間が、自分が潔癖でいられなくなる時だっていうのに...嫌だ。嫌だ。嫌だ。

 

 

嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。

 

 

「だから、今、お客様は忠告を破ってしまったというわけですか」

 

 

「...」

 

 

「だんまりですか...仕方がない。残念ですが...」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「残り少ない商売ですので」

 

 

..................................

 

....................

 

...........

 

 

「ノコルタマシイハアトヒトツ」

 

 

店員はゆっくりと立ち上がる。

 

 

「...と、言いたい所ですが、どうやらこの店にお人好しが近付いて居るみたいだ...」

 

 

『ご主人様!? まだ傷は完全に回復して...』

 

 

「ザイ、失せていろ。お前は邪魔だから...私と一緒に来るんじゃあない」

 

 

『でも...「2度も言わせるのですか?」

 

 

店員は殺気を向ける。

 

 

「お前は今この時点を以ってクビだ。2度と私の所に来るんじゃない...そう言っている」

 

 

『っ...』

 

 

店は消え、助手は涙ながらに店員を見つめる。

 

 

「ふぅ...さっさと失せろって言ってるんだ!! この役立たず!!」

 

 

店員とは反対の方向へと、助手は行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

「...さて、居るんでしょう? どういう訳か、此処がわかったみたいですが...」

 

 

「アレは、アンタなりの優しさなのか? それとも、人の皮を被った悪魔としての冷酷さか?」

 

 

「人の皮を被った...ハハッ、貴方が言えた立場とは思えませんねぇ。仙人見習い...それとも、こう言った方が良いですか?」

 

 

店員...ものすごく精巧に人を真似た『異物』はあの時と同じ笑みをこちらに向ける。

 

 

「無力なヒト殺しさん」

 

 

─私を――私の『命』をもらって?悪魔に、あげたくないの

 

 

「っ、答えろと言ってるんだ!!」

 

 

彼は叫びながら、こちらへ向かう。

 

 

「生憎、私は答えるつもりはさらさらありませんよ」

 

 

店員はただただそこに立っている。

 

 

「だから、力尽くで聞いてみて下さい。出来ればの話ですが」

 

 

 

今日まで彼は店を営んでいた

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営んでいた...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メティスは、彼等の中で最も賢い男である。

あらゆるものをパズルの様に組み変えられる彼が求めているのは退屈を凌げる何か。

 

 

「実に...つまらない」

 

 

逃げ惑う人々。世界そのものを組み変えられ、人そのものを組み変えられそうになったりして、相手が抱く感情は大なり小なりいつも同じである。

 

 

「...」

 

 

と、そこまで考えため息をついた男は動きを止める。

遥か前方に見える感情。恐怖のきの字も一切感じない上に真っ直ぐこちらへ向かってくる。

 

 

「!」

 

 

と、そこまで考えていたら顔面に走る衝撃と共に吹き飛ばされていた。

 

 

「散歩に来てみれば、凄い事になっているね〜...ありゃ?」

 

 

「血...まさか流してしまうとは」

 

 

だがタダではやられない。どうやら、殴られる一瞬に相手の腕だけ組み変えてしまった様だ。

 

 

 

 

「実に...興味深い」

 

 

「流石ジャッ君の部下だ。油断出来ないよ」

 

 

奇しくも、両者は目の前のものに対して同じ興味を抱いてしまったらしい。その笑みが何よりの証拠である...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼等の内、純粋な戦闘力でアダムの右に出るものはいない。故に最も危険な場所...温厚であり変わった趣味を持っている地獄の女神、その本体がいる場所に来るのは必然である。

 

 

「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ...やっぱり沢山居るな」

 

 

林檎を頬張る少年に立ちはだかるのは、全員が破壊神にも引けを取らない戦闘力を持つ、魔界屈指の実力者や生物達である。その数は数百、その上全員本気の戦闘態勢...本来利己的な彼等は、別に魔界の為に戦っている訳ではない。

 

 

 

 

 

「さて...出来ればさっさと済ませたいな。危ないから」

 

 

本当は怒らせるとヤバい女神を動かせないが為に、代わりに戦っているだけである。だからこそ、実力では魔界の者達に勝っている少年の表情は、いつになく焦っていのだった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただただ...生まれた時からただ1人を除いて近づく事が出来なかった。自分に近づく事の出来る殿方を望んでいた。

 

 

「どうして...泣いているのでしょうか? お嬢さん」

 

 

「嬉しさと、悲しさです...」

 

 

パンドラ...そう名付けられた彼女に、漸く主人以外の理想の殿方に出会う事が出来た。故に喜びに打ち震え涙を流している。

 

 

「...感傷に浸っている所悪いのですが、お嬢さん。私は急いでいる...それに、貴女は死をもたらしすぎている」

 

 

敵でなかったら...戦うこともなく、ただ1人の女性として死神を愛する事が出来たのかもしれない悲しみに、涙を流している。

 

 

「すみません、そう簡単には死ぬ訳にはいきませんわ...それが私の生まれてきた意味なのです」

 

 

病災を振りまく彼女の周りは、いつの間にか草一つ残らず枯れていた

 

死神を除いて...

 

 

To be continued on the last...

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず一言だけ...私よりも腕の立つ上に、親切にも今作品最終章で使っても良いよと言って下さった作者の方々...初っ端こんな雑な使い方してすいませんでしたァァァァァァァ!?(しかも都合上今回で出しきれてないのもいて...本当すいません!!)



本編に余り関係ない...そう思ってた時期が私にもありました裏設定
悪魔の店について
悪魔の店にはご存知の通り、人間は1人しか入る事の出来ないというルールが存在するが、その理由は助手が極度の人間嫌いで、常に強力な人避けの結界を張っているから(といっても未熟なので設定が少し甘く、生きた普通の人間以外は干渉されない)。まぁ、過去にあれだけの事をされれば人間嫌いになるのも当然である。



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