悪魔の店   作:執筆使い

92 / 202
本編最終章第1話。本当はリクエストで先約が沢山ありましたが、どうしても我慢できずに先に1話だけ書いてしまいました。リクエスト待ちの方々...本当すいません!!



タイトルの意味は、【ヒーロー / 悪魔】をセンス0、語彙力0の私が自分なりに訳した結果です。格好悪い上に文法が間違っていたらごめんなさい。




※今回の話はホワイト・ラム様の【止めてください!!師匠!!】とのクロスオーバーでございます。向こうの作品最大のネタバレを含んでいますので、先にそちらを読む事をオススメします。それと、もしあちらの作品のファンがいましたら(マイナスな意味での)ご注意を。






not only hero / but also the alone

 

 

 

嘗て、1人を救う為に神を殺した悪魔がいた。多くの神々に阻まれようと彼はただただ...自分の大切なものを救う為に前へと進んでいた。

 

...否、それは最早救いではなく復讐だった。

 

 

 

 

「無駄ですよ...もう手遅れなんですよ。貴方では止めることなど不可能だ」

 

 

 

前へ、前へと進んで行き...行き着けば...何も残らなかった。

 

 

 

彼が本当に殺したのは神ではなく、自分自身だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前、1人を救う為に神を死なせた仙人がいた。多くの死神に阻まれようと彼はただただ...だがしかし、少しばかり寄り道をした。

 

...否、それでも完璧な英雄とはなれず、不完全なもののままでいた。

 

 

 

「...っだ、まだぁ!!」

 

 

 

前へ、前へと進んで行き...隣には...愛するものがいた。

 

 

 

だが、彼が死なせたのは死神ではなく...たった1人の■だった。

 

 

 

 

 

 

譲れぬものが戦いを長引かせ、譲れぬものが両者を変え、譲れぬものが両者の悲しみと化す。それは、人の言葉で表すのなら...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

i(アイ)

 

傷だらけになりつつも、立ちはだかることをやめない青年。対して店員は無傷。

 

 

 

「...」

 

 

わかりきっていたことだ。いくら連戦に次ぐ連戦で体力は大幅に削られているからといって、仙人モドキが彼に...勝てる筈などないのだ。

 

 

「まだ完全に人間をやめていない貴方が、私に...この私(神殺しの悪魔)に勝てると思っていましたか?」

 

 

「仲間を...自分以外を道具扱いするあんたに...俺が負けてたまるかよ!!」

 

 

攻撃、攻撃、攻撃...

 

 

 

 

攻撃

攻撃

攻撃

攻撃

攻撃

攻撃

攻撃

攻撃

攻撃

 

 

 

...あまりの速さに常人では全く見えない光景。しかし、涼しげな顔で全て指数本で受け止める店員の姿が同時にあった。

 

 

「貴方が...言えた道理だというのですか?」

 

 

「っ──」

 

 

微かに止まった僅かな隙に、店員は吹き飛ばす。拳なのか、ただの風圧なのか、デコピンなのか...誰一人としてその速度を見切ることはできない。

 

 

「所詮、いずれは失う...全て消える。一々悲しむぐらいであれば...情など捨てた方が楽だ。私は悪魔...他者に対する愛などとっくの昔に捨てたんですよ」

 

 

追撃、

 

追撃

追撃

ツイゲキ

ツイゲき

ツイげき

tuいげ気

tu位げki

つい外き

tuイげ木

 

 

 

...そこに容赦など存在しなかった。一撃一撃が、人であればまず間違いなく死ぬだろう威力のそれである。それでも青年は退かない。

 

 

「無力な貴方が...救うことのできなかった貴方が...不条理で、圧倒的な悪に立ち向って何になる?...何になるというんだ!!」

 

 

店員は、珍しくも声を荒げた。まるで、目の前の青年ではなく、別の誰かに言ってるようで...腕を振り上げた男は手刀を首筋に当てるべく、そのままの形で振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

-ガシッッッッ!!-

 

 

「何になるかじゃない...」

 

 

だが、ギリギリで受け止めた。

 

 

「...確かに俺は無力だ。兄と違って完璧じゃない、出来損ないだ。そのせいで救えなかった...だけど、だからこそ俺は決意した!! 自分の正義を...大切な人を守りたい、そんな意志を貫く為の力を持つために!! 俺は決意した!!」

 

 

そして、力を込めて手刀を押しもどす仙人モドキ...否、詩堂 善という英雄。

 

 

「お前の言う【不条理】なんて...

お前の持つ【圧倒的な悪】なんて...

今!ここにある【決意】に比べればちっぽけなものだ!!

確実にここにある!! 今確かにここにある【決意】比べたら!!」

 

 

腕を引き絞って、間合いに入り、彼は叫び声と共に前に突き出す。

 

 

咄嗟に、店員は両腕で防御をする。

 

 

 

 

 

 

 

-店員がニンゲン相手に両腕の防御-

 

 

無意識だった。そうしないと危ないと察していた。彼がそれに至ったのは何時以来だったか...

 

 

最早、そんな余裕など今の男には残されていなかった。

 

 

 

 

──────────────

 

 

─────────

 

 

─────

 

.........

 

....

 

少年は、生まれてからずっと孤独だった。

 

 

──願うなら...この子が優しく、皆に愛される様な...そんな...

 

 

 

 

 

 

 

親から与えられた願いは、呪いとして、苦しみとして、この世に残っていた。

 

 

独りだった...誰にも愛されなかった...

 

 

 

 

 

 

 

ある日、手を差し伸べられた。最初は1人...ただの気まぐれだったのかもしれない。次は2人...きっと、興味を持った...それだけ。

 

3人...4人...なぜだか、心に空いた何かが埋まろうとしていた。

 

 

 

5人、6人、7人、8人...

 

 

そして差し伸べられた手に対して、青年は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕縁(キズナ) 夢幻】

 

 

 

「ウオォォォォォォ!!」

 

 

手を握り締めた / 向けられた手を拒絶した

 

 

 

 

 

 

To be continued...

 

 

 

 

 

 


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