※作者の書いてる別小説の主人公(...下手したら店員以上に主人公らしくないけど一応主人公)が出て来ます。ぶっちゃけ俺tueee系な舐めプ主人公です。嫌いだなそのジャンルはと思う方は読まないのが懸命です。
因みにタイトルは“舐めプ”を自分なりに英訳した結果です。多分間違っているので、英語が得意な方はご指摘お願いします(他力本願)
我、緑を守りし者也。
我が刀一振らば、枯れゆく緑吹き返す。
我が刀二振らば、動かぬ緑動き出す。
我が刀三振らば、星は緑となりゆく。
我、緑を守りし者。あらゆる害を斬りふせる者也。
「お主が拙者の相手か...成る程、実に恐ろしいのぅ」
緑に包まれた星の上にて、鎧武者は一人の男を見下ろしながら言う。言っている事こそあまり好戦的な台詞ではないが、全身から出す殺気と剣気は正しく相手を斬り伏せる事だけしか感じられないそれ。常人であればその雰囲気に呑まれ冷や汗の一つでも掻いてしまうそれである。
「...」
見下ろされた男も、その雰囲気に呑まれたのだろう。現在進行形で黙って、ただただその場で突っ立っている事しか出来ないのだった...
「...Zzz,んあ? 何か言ったか? 寝てたから聞いてねぇわミスター落武者」
...訂正、どうやらこの
「ふ、ふむ、成る程。流石【幻想郷最強の男】か。この状況でその豪胆ぶり、なんとも」
「元だ、前に元をつけ忘れてんぞ。俺は最強じゃねぇ、ただの雑魚だ。戦いたくねぇし、面倒くせぇし、どーでもいいし。つーわけで帰る」
この男、どうやら戦闘放棄して帰ろうとしている。しかも理由が最低である。多分どんな小説のどんな主人公だろうと絶対に言わないセリフである。
背を向け歩き出す駄神主を見て、眉間をピクピクさせながら明らかに落ち込む鎧武者。無理もないだろう、そんな糞野郎を見れば誰だってそうなる。
「そうか折角呼びつけたのに残念だのぉ...戦意のない奴を殺すのは気が引けるのだが」
だが、
そしてお返しと言わんばかりに鎧武者は吹き飛ばされていた。しかも、吹き飛ばされた後に追撃として熱線を数十発撃つあたり駄神主はやはり駄神主であった。
「あーそうかい。テメェ、そこまでして喧嘩を売るか...消し飛ばされる覚悟は出来てんだろうな?」
鎧は辛うじて熱線を守り、木々を操ってクッションにした事で大事には至らなかったが、武者はボロボロであった。だがしかし、すぐさま周囲の緑が横たわっている彼に集まり鎧と刀、そして彼自身の傷を塞いでいった。
「そうではなくてはな...拙者も持てる札全てを使って合間見え甲斐があるものよ」
「...っち。何となく予想してたが、一際面倒くせぇタイプだなおい」
修復し、笑い出す鎧武者...森羅。彼は喜んでいた。緑を守る事を使命としている自身が飢えていた、強者との立ち合い。自分はそんな立場ではない事は分かっている。だからそんな場面など一切訪れなかった事もよくわかっている。だからこそ、彼は喜びを笑い声として発していた。
凡ゆる緑を操り、この星一つ懐に収めた森羅に相対するは、ただ一人の強者。
誰よりも戦いを面倒くさがり、誰よりも戦いを侮辱し、誰よりも義を軽んじている男。
「博麗の神主...貴様の首、この森羅が貰い受ける!!」
「へいへい。頑張ってね〜っと」
誰よりも主人公らしくない男であった。
〜 怠惰 〜
先に行動に移したのは博麗の神主。自らの能力で空気中の水分を氷結、
「ほぅ...てっきり遠距離で先程のを連発するかと思ったが、近接がお望みか?」
「雑魚相手に舐めプして何が悪い? 龍玉だっていきなり星をぶっ壊したりしないだろうが」
明らかな挑発。それに対し鎧武者は怒るわけでも、否定するわけでもなく、獰猛な笑みを兜の下で浮かべている。
「抜かせ。若造が」
鳴り響く轟音。ギリギリで神主は弾いたが、あまりの衝撃にほんの少し上に逸らすので精一杯だった。痺れた腕をほぐす暇もなく、いつの間にか目の前に現れた武者に先程のお返しと言わんばかりにがら空きの腹を蹴り飛ばされる。
「(ちぃ、斬撃飛ばすとかどんな腕力だ!? 弾くので精一杯だしよ)」
「どうした? 舐めプとやらはお終いにするのか?」
「けっ...嫌だね。俺は気に入らない奴には本気を出さねぇ主義なんだよ。あと面倒くさい時とか、な!!」
罅の入った氷刀を武者に投げ飛ばし、神主は新たに作り出した二刀で斬りかかる。
武者は、飛んで来たものを難なく弾き落とし、斬りかかろうとしていた二刀を自らの得物で受け止める。そのまま自らの剛腕で神主の頭目掛けて氷刀を圧し折ろうする。それに対し彼は両手を放し、しゃがむ事で躱した。
「(む、消え...!?)」
一瞬、視界から消えた神主に戸惑った武者は真下からの不意打ち気味の衝撃で思わず視線が上となっていた。
「穿て、熱線」
左アッパーを繰り出した神主は、もう片方の手を翳し先程と同じ熱線を放つ。否、威力に関して言えば先程とは段違いと言えるだろう。胴体ごといとも容易く鎧を貫いたそれは空を覆っている木々ににあたり巨大な爆発を起こす。
大きな風穴を開けられた武者はすぐさま反撃に移ろうとするがその前に神主に距離を取られてしまう。
「流石はあのクソッタレ悪魔に作られた人形って所か。風穴空いても問題なしに動くとはよ」
「ふ...流石に他であればこうはいかんよ。拙者はこう見えて往生際が悪いのでな」
すると、周囲の木々の枝が一人でに動き、森羅の周囲に集まる。枝は風穴部分に密集し始め、まるで欠けたピースを埋めるようにくっつき始めた。
「その上、此処は拙者の陣地ぞ」
この間数秒。たかがそんな短い時間で、鎧と本体が修復されてしまう事実に神主は面倒くさそうに構え直す。
「つまりあれか、この星一つにある全部の自然を完全消滅しない限りテメェは死なないと」
「そういう事になるな」
神主の言葉に対し頷く武者。それを見てさらにげんなりとした表情を取った。
「オーケー分かった。幻想郷の妖精の上位互換な再生能力で、しかも割りかし強い部類っつーのはわかった。流石ジェルマ66、オラ全くワクワクしねぇぞ」
「ならば、そのふざけた態度をやめて本気を出す気になったか?」
木刀を構え直す森羅。その目は森を守る時の優しい目ではなく、強者との戦いを渇望する修羅の目である。
最後の任だから、余程なのだろう。目の前の男が未だ実力の一端しか見せず、ふざけた態度を取っている事に少しばかりイライラしている。というか大概の人であれば駄神主の態度とか戦いの姿勢とかにイライラするのでおかしい事ではない。
「帰って良いっすか?」
答える神主の真横に鳴り響く轟音。防御の為に先程より太い氷柱を辛うじて展開するが、かなり巨大な罅が入る。
「あまり舐めない方が良いぞ、
しかしながら、神主はだらけきった表情を直そうとしない。
「やなこった。舐めプせずして何が神主だっつーの」
破られた氷柱から木刀に対して、神主はより頑丈に凍らせた氷刀で受け止める。
睨み合う両者。方や真剣勝負を望む者、方ややる気のない駄目人間。彼等の戦いはまだ始まったばかりであった。
To be continued...
(一応)キャラ紹介
博麗の神主
最初に言っておくがZU◯氏の方ではない。作者が書いている別作品のオリキャラにして、とある世界の幻想郷最強の男。能力はシンプルで良くあるありふれたものであるが、その規模が規格外(それこそ弱体化していない今の状態であれば星一つ容易く壊せるであろうレベル)。とはいえ、シンプルなその能力故に良くも悪くも相性に左右されやすく、また単純な実力で勝てない相手(変T)も存在する為絶対的なチートではない。そもそも本人が駄目人間まっしぐらなだらけきった性格なので、まず本気で戦う事がない。故に、幻想郷最強の存在ではなく、あくまで彼は幻想郷最強の【男】なのである(男の中で最強という意味合い)。なので場合によってはなんて事ない相手に苦戦したり、速攻で終わる戦闘が無駄に長引いたりする。