ハリー・ポッターと半純血の予見者   作:ななじぃ

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驚きのスピード投稿。なんか早くできたんです笑

そしてサブタイで激しくネタバレ。お察しの通りです←





第10話 シーカー、そしてチェイサー

 

みんなの視線が私に集まる中、ハーマイオニーが口を開いた。

 

「レジーナです」

 

マダム・フーチは目を見開いた。

 

「信じられない…とても高度な呪文ですよ。それを咄嗟に、しかも正確にこの子に当てるとは……素晴らしい魔法のセンスと運動神経です!グリフィンドールに10点を差し上げます!」

 

途端にグリフィンドール生が歓喜の声を上げた。10点なんて初めてのことだ。今までは多くても3点だったし、そもそも例の魔法薬学で少なくとも27点も失っていたのだから、尚更だ。

 

ハリーとロンが顔を見合わせ、そして私を見て満面の笑みを浮かべた。

 

「すごいね、ジーナ!」

 

「どうやったんだい!?ネビル、空中で止まったよね!?」

 

2人が代わる代わるそう言うと、周りのグリフィンドール生もそうだそうだと激しく頷いた。

 

「ありがとう。どうもこうも、その通りよ。空中で停止させただけ。でもほんとはクッション呪文とか簡単なのがあったんだけど、呪文を思い出せなくて。ネビルには申し訳ないことをしたわ」

 

うん。30cmとはいえ落ちちゃったんだから厳密には成功とは言えない。ネビル呻いてたし……骨折はなくても気絶してるしね。

 

みんながわいわいしているうちに先生はネビルの前に屈みこみ、杖から簡易的な担架を出現させ、彼をその上に乗せた。

 

「さあ、皆さん。私はこれから大事をとってこの子を医務室に運びますが、私がいない間誰も動いてはいけません。箒もそのままにしておくように。さもないと、クィディッチの『ク』の字を言う前にホグワーツから出て行ってもらいます。いいですね?」

 

皆が返事をするのを見届け、マダム・フーチは担架を携えて城の方に足早に歩いて行った。担架に乗せられたネビルの顔は血の気がなく、涙でぐちゃぐちゃだった。

 

2人がもう声の届かないところまで行った途端、ドラコが大声で笑い始めた。グリフィンドール生が一斉に彼を睨みつける。

 

「あいつの顔を見たか?あの大間抜けの!」

 

それでも笑い続ける彼の神経の図太さと、彼をはやし立てるスリザリン生に、数人のグリフィンドール生がかちんと来ていた。

 

「やめてよ、マルフォイ」

 

パーバティが咎めた。しかしそれを見てスリザリンのパンジー・パーキンソンがにやにやと冷やかしを入れる。

 

「へぇ、ロングボトムの肩を持つの?パーバティ、まさかあなたが、チビデブの泣き虫小僧に気があるだなんて知らなかったわ」

 

他のスリザリン生が冷やかし、笑い声をあげる。

 

「あら?あなたこそ人のことを言えるのかしら?パーキンソン。ねぇ?そこの将来有望なM字ハゲの性悪を好いているのは誰かしら?」

 

見下すようにそう言ってやればパンジーとドラコは揃って顔を赤らめた。

 

「ごらんよ!」

 

苦し紛れにドラコがパッと飛び出して、ネビルが落ちた辺りの草むらから何かを拾い上げた。

 

「ロングボトムのばあさんが送ってきたバカ玉だ」

 

ドラコがそれを高々と掲げると、『思い出し玉』は陽を受けてキラキラと輝いた。

 

ハリーが一歩前に進み出た。

 

「マルフォイ、それをこっちに渡してもらおう」

 

きっぱりと言い切り、ハリーは右手を差し出すがドラコはにやりと意地悪く笑っただけだ。

 

「それじゃあ、ロングボトムが後で取りに来られるところに置いておくよ。そうだな━━━木の上なんてどうだい?」

 

「こっちに渡せったら!」

 

ハリーが語尾を強めてもドラコは譲らない。それどころかひらりと箒に乗って、彼は樫の梢まで飛び上がりにやにやと笑っている。

 

「ここまで取りに来いよ、ポッター」

 

事を見守っていたロンとハーマイオニーがほぼ同時に私に助けを求めるような視線を投げかけた。しかし私は肩を竦めるだけで何も言わなかった。

 

そんな私に、ハーマイオニーはいち早く見切りをつけた。

 

「ダメ!フーチ先生がおっしゃったでしょう、動いちゃいけないって。それにあなた、飛んだことがないはずでしょう!」

 

確かにその通りだが、そんなことは今のハリーには通用しない。彼はハーマイオニーの声を無視した。

 

ハリーは強く地面を蹴り、ふわりと飛び上がった。その顔は歓喜に溢れ、きらきらと輝いて見えるほどだ。周りの女子がきゃーきゃーと騒ぎ立て、ロンは感心して歓声を上げている。

 

ハリーは天性のクィディッチ選手なんだ。心からそう思う。

 

彼は誰が教えたということもなく、箒を乗りこなしていた。すぐにドラコと同じ高さに辿り着き、向き直る。ドラコはまさかハリーが飛べるとは思っていなかったのか呆然とその様子を見ていた。

 

「こっちへ渡せよ。でないと箒から突き落としてやる」

 

ハリーがそう言うのが微かに聞こえた。それと同時にスリザリン生の群衆の中からクラップが箒に跨り飛び上がった。ドラコの援護に行くつもりらしい。

 

私もそれに続いた。クラップは重く、箒はそんなに速くは飛べない。すぐに追いつき、そして追い越した。

 

「あら、どうも。どこへ行くおつもり?」

 

彼の前に立ちはだかり、にっこりと笑って見せる。クラップの顔が強張った。

 

「退け」

 

低く唸るように彼は言う。だが退くつもりは微塵もない。

 

「退かないわ。あなたのご主人のところへ行きたいなら、私を躱して行けばいいじゃない」

 

躱して行かせる気もないのだが。

 

ふと、下から拍手が湧き上がった。どうやらハリーとドラコの方も盛り上がっているらしい。

 

クラップは大人しく私の言う通り、私の左側に避けて行こうとしたが私もそちらに逸れ、行く手を阻んだ。

 

次は右、その次は左、下、上、右………一歩も通さない。

 

それを繰り返すうち、また下から悲鳴が上がる。ハリーが急降下しているのが視界の端に映った。

 

「あら、もう決着が付きそうね。私たちももう終わりにする?」

 

息が上がり、肩を激しく上下させながら私を睨み付けるクラップに微笑みかけた。

 

私?私はそんなことはない。至って普通だ。クラップって体力なさ過ぎない?

 

クラップも、もうかちんと来たようで、ハリーのように体勢を低くして前屈みになり、まるで矢のように私目掛けて突っ込んで来た。私は箒を掴む手を中心にぐるりと1回転をして見せた。所謂ナマケモノ型グリップロールというやつだ。

 

下にいる観衆から悲鳴が上がると同時にそれとは違う、鋭い声が飛んだ。

 

「ハリー・ポッター…!!レジーナ・ブラック!!!」

 

城の方からマクゴナガル先生が走ってくるところだった。

 

いつの間にかドラコは地上に足を着け、何もなかったかように澄ましていた。クラップは急ブレーキに失敗し、前転していた。

 

先生が走ってくるのを見るなり、ハリーの顔から笑顔と血の気が失せた。

 

「まさか━━━こんなことはホグワーツで一度も……」

 

あまりのショックに言葉も満足に出ない彼女は私とハリーを交互に見ていた。

 

「……よくもまあ、そんな大それたことを………首の骨を折ったかも知れないのに━━━」

 

パーバティが進み出た。

 

「先生、ハリーとジーナが悪いんじゃないんです」

 

「お黙りなさい、ミス・パチル」

 

「でも、マルフォイが……」

 

「くどいですよ。ミスター・ウィーズリー。ポッター、ブラック、さあ、一緒にいらっしゃい」

 

彼女は大股で城に向かって歩き出し、ハリーは意気消沈してトボトボと彼女のあとに続いた。私もハリーのあとに続いたが、ハリーと私の名前を呼ぶ彼女の横顔が、心なしか少し嬉しそうに見えた。

 

一方でハリーはこの世の終わりのような顔をしていた。きっと、退学になると思っているのだろう。だがそれはあまりに可哀想なので彼の背に軽く手を添え、元気付けるように微笑みかけたが何故か、ハリーはもっと顔色を悪くして俯いた。

 

どうやら私の思っているようなことは伝わらなかったらしい。

 

その間にも先生は大股で廊下を突き進んでいく。私たちは彼女のスピードに遅れずついていくために少し小走りになる必要があった。

 

マクゴナガル先生は唐突に教室の前で立ち止まり、ドアを開けてその中に首を突っ込んだ。妖精の呪文の授業で使用している教室だ。

 

「フリットウィック先生、申し訳ありませんが、少しウッドをお借りできませんか」

 

ウッドと聞いてハリーは、更に顔色を悪くした。しかし教室から出て来たのはハリーが思っていたような木(ウッド)ではなく、人間の、さらには逞しい男子生徒だった。最近、彼がクィディッチの選手の事で悩んでいたのを知っている私は、彼の目の下にある隈の原因が消えることを心の中で喜んだ。

 

「3人とも、私についていらっしゃい」

 

そう言うなりマクゴナガル先生はまたどんどん廊下を突き進んでいった。ハリーの隣でウッドが珍しいものでも見るようにハリーと私を見ていた。

 

「お入りなさい」

 

先生はついに立ち止まり、人気のない教室に私たちを招き入れた。しかしその教室にはすでに先客がいた。ピーブズだ。彼は1人で楽しそうに黒板に下品な言葉を書き殴っていた。

 

「出て行きなさい、ピーブズ!」

 

一喝されたピーブズは悪態をつきながらチョークを投げ、ポンッと消え去った。彼の投げたチョークがゴミ箱に当たった大きな音だけが後に残った。

 

先生はピーブズの文字を黒板から消し去り、教室のドアを閉めると私たち3人の方に向き直った。

 

「ポッター、ブラック、こちら、オリバー・ウッドです。ウッド、素晴らしいシーカーとチェイサーを見つけましたよ」

 

ウッドの口がぽかんと間抜けに開いた。

 

「ほ、本当ですか?」

 

「間違いありません」

 

先生はきっぱりと言い切った。

 

「この子たちは生まれ付きそうなんです。あんなものを私は初めて見ました。ポッター、初めてなんでしょう?箒に乗ったのは」

 

ハリーは黙って頷いた。彼の顔には血の気が戻りつつある。先生は今度は私に向き直った。

 

「あなたも、そんなに経験はないはずですね?ブラック」

 

「はい。幼い頃おもちゃの箒に乗ったことがあるくらいです」

 

先生は嬉しそうに頷き、そしてウッドに事を説明し始めた。

 

「ポッターは今手に持っている玉を、16mもダイビングして掴みました。かすり傷1つ負わずに。チャーリー・ウィーズリーだってそんなことはできませんでしたよ」

 

ウッドの顔があまりの興奮に上気した。

 

「ブラックは自身の2倍もあるスリザリンの生徒を空中で完璧に足止めし、さらに彼が突進してくるとナマケモノ型グリップロールを決めて見せました。恐らくは即戦力になりますよ」

 

「すごい!ポッター、ブラック、君らはクィディッチの試合は見たことあるかい?」

 

私とハリーは揃って首を横に振った。

 

「ウッドはクィディッチのグリフィンドール・チームのキャプテンです」

 

先生が説明してくれ、ハリーはより一層血の気を取り戻した。

 

「体格もシーカーにぴったりだ。身軽だし……すばしっこいし……チェイサーは体格はあまり関係ないから問題ないし……2人にふさわしい箒を持たせないといけませんね、先生━━━ニンバス2000とか、クリーンスイープ7号なんかがいいですね」

 

「私からダンブルドア先生に話してみましょう。一年生の規則を曲げられるかどうか。是が非でも去年より強いチームにしなくては。あの最終試合でスリザリンに

ぺしゃんこにされて、私はそれから何週間もセブルス・スネイプの顔をまともに見れませんでしたよ」

 

マクゴナガル先生は私と、話がとんとん拍子に進み、唖然としているハリーを見た。

 

「ポッター、ブラック、あなた方が厳しい練習を積んでいるという報告を、早く聞きたいものです。さもないと、処罰について考え直すかも知れませんよ」

 

またハリーの顔から血の気が失せたが、先生はにっこりと微笑んだ。

 

「ポッター、あなたのお父様がどんなにお喜びになったことか。ブラック、あなたもですよ。あなた方のお父様も素晴らしい選手でした」

 

 

 

 

 

 






チェイサーになっちゃったよ…やってから気付く。試合の時の描写が増えちゃう…!そんな文才私にあるかな……?!

頑張ります……頑張りますよ…←笑

あとお口が悪いレジーナです。嫌いな人たちには容赦なしにぶっ放します。


閲覧ありがとうございます


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