ハリー・ポッターと半純血の予見者   作:ななじぃ

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テストですね✨←
勉強はしない主義です。これぞホントの実力テスト!←

頑張りマス、ハイ……笑





第11話 優しさ

「━━━まさか」

 

夕食時、私とハリーはロンに、マクゴナガル先生に連れられてグラウンドを離れたあとのことを話した。ロンはてっきり私たちが退学になるものと思っていたようで、口に運びかけたステーキ・キドニーパイを取り落としながら大声を上げた。

 

「しっ…ダメよ、まだ他の寮のひとには知られちゃいけないんだから」

 

人差し指を立てて静かに、というポーズを取るが、ロンは驚きすぎてそれどころではない。

 

「シーカーと、チェイサーだって?」

 

一応声のトーンは落としてくれたがそれでも中々大きな声だ。大広間が騒がしくて助かったと心から思った。

 

「だけど、一年生は絶対ダメだと……なら、君たちは最年少の寮代表選手だよ。ここ何年以来かな……」

 

「100年ぶりだって。でも2人も同時に選ばれたのは500年ぶりだってウッドと先生が言ってたよ」

 

ハリーはいつもの倍速でパイを頬張りながら言った。

 

「一年生が選ばれるのもそうだけど、同じように2人も選ばれたことがあることも驚きよね━━━━あ、ジョージ!フレッド!」

 

肩を竦めながらそう言い、ふと大扉の方に目をやると、目立つ赤毛を見つけた。彼らは私たちに気が付くと早速早足にやって来た。

 

「すごいな」

 

ジョージが低い声で言った。

 

「ウッドから聞いたよ。俺たちも選手なんだ━━━ビーターさ」

 

「今年のクィディッチ優勝杯は戴きだぜ」

 

フレッドがジョージの後ろからひょっこり顔を出し、笑って言った。いつにも増して自信満々だ。

 

「チャーリーがいなくなってから一度も取ってないんだ。だけど今年からは抜群のチームになりそうだな。ハリー、ジーナ、君らはよっぽどすごいんだな。ウッドのやつ、小躍りしてたぜ」

 

小躍りするウッドについては、何も言うまい。何せ私もその現場を目撃してしまったのだから。

 

私たちとの話が終わり、フリットウィック先生の授業へと戻っていく彼の足取りは軽く、というか半分踊り出す寸前のような雰囲気だったのだ。そのあと廊下で見かけた彼は最早完全に踊っていた。

 

フレッドとジョージもそれを見たのだろう。思わず苦笑いになった。

 

「じゃあな、俺たちもう行かなきゃならないんだ。リーが学校を抜け出す秘密の抜け道を見つけたって言うんだ」

 

ジョージはひょい、とロンの皿からパイを一切れつまむ食いしひらひらと手を振った。ロンはそのことに対し文句を垂れたが誰も気に留める者はおらず、私自身もロンには心の中で謝りながらスルーした。

 

「そうなの、行ってらっしゃい。また私にもその抜け道、教えてね」

 

「もちろんさ、お姫様」

 

そう言ってジョージは片膝を着き、まるで騎士が姫にするようなお辞儀をして見せた。

 

「あら、何?その『お姫様』って」

 

「ん?そりゃもちろん」

 

フレッドが言葉を継いだ。

 

「イタズラ界のニューヒロインのことさ。成績優秀、有能で意欲のある君に是非、僕らの後を継いで欲しいからね」

 

「じゃ、俺たちほんとに行かなきゃ。リーに怒られそうだ」

 

ジョージはにやりと笑いながら大扉を見やった。そこにはリーが腕組みをして双子を待っているようで、何だか本当に怒られてしまいそうだ。

 

2人がリーに連れられ消えるやいなや、タイミングを見計らったかのように、見たくもない顔が3つも現れた。

 

「ああポッター、ブラック、最後の食事かい?マグルのところへ帰る汽車にはいつ乗るんだい?」

 

番犬のようにクラップとゴイルを従えたドラコだ。あまりの体格差から、これでは番犬ではなくむしろ、野生のマウンテンゴリラ2頭と捕らえられた宇宙人の方がしっくり来る気がした。

 

「地上ではやけに元気だね。助けに来てくれる小さなお友達もいるしね」

 

ハリーが冷ややかに言った。クラップもゴリ………もとい、ゴイルもどう見たって小さくはないが、上座に座る先生方のおかげで彼らは関節をボキボキと鳴らし、ハリーを睨み付けることしかできなかった。

 

ゴリラでもちゃんとそういうことの区別はつけられるらしいことに驚いた。

 

「そんなに言うなら僕一人でいつだって相手になろうじゃないか」

 

どうしてかドラコはハリーの言葉に少しカチンと来たらしい。何故こうも私の周りには気の短い人しかいないのか、疑問でしかない。

 

「ご所望なら今夜だっていい。魔法使いの決闘だ。お互い杖しか使わない━━━相手には一切触れないんだ。どうしたんだい?魔法使いの決闘なんて聞いたこともないのかい?」

 

小馬鹿にしたようにドラコは言う。今回は残念ながらドラコの言う通りだ。ハリーがぐっと黙り込み、代わりにロンが口を挟む。

 

「もちろんあるさ。僕が介添人をする。お前のは誰だい?」

 

ドラコは何故かちらりと私を見、そしてクラップとゴイルの大きさを比較するように2人を交互に見た。

 

「クラップだ」

 

どうやらクラップの方が大きかったらしい。

 

「時間は真夜中、場所はトロフィー室だ。あそこはいつも鍵が開いてるんでね」

 

それだけ言うと彼はふん、と鼻を鳴らし尚も見下した態度のままゴリラを引き連れて去って行った。何か簡単な呪いでも掛けてやりたい気分だったが上座には先生方が勢揃いされているのでどうしようもできず(ゴリラと同類は嫌だが流石に悪い意味で目を付けられるのはもっと嫌だ)、半分睨みながらその背中を見送った。

 

テーブルでは2人が魔法使いの決闘について話し合っていた。

 

「━━━死ぬのは、本当の魔法使い同士の決闘の場合だけだよ。僕らはまだ一年生だし、きっと、精々火花をぶつけ合う程度だ。ジーナはたぶん例外だけど━━━━」

 

聞き捨てならない言葉が聞こえた。例外って何だ例外って。それ寂しいよ、結構。

 

「ちょっと、ロン止めてよ、例外なんて」

 

「だって本当だろう?君はネビルを空中で止めたじゃないか」

 

ロンはやはりパイを口に運びながら言った。

 

「そうだけど………」

 

「ハリーだってそう思うだろう?」

 

突然話題を振られたハリーは素できょとんとした。

 

「え?あ、うん。そうだね、ジーナならマルフォイなんて敵じゃないね。それに、もしこの決闘に出るのが僕じゃなくてジーナだったら簡単に終わりそうなのに」

 

悲壮感漂う彼は既に尻込みしていた。決闘なんて今の今まで存在すら知らなかった上に1番初めに聞いたのが『死人が出ることもある』という話なのだから、当然と言えば当然だ。

 

「ちょっと、失礼」

 

私の後ろから偉そうな声が飛んだ。ハーマイオニーだ。

 

「全く、ここじゃ落ち着いて食べることもできないんですかね?」

 

ロンが嫌味ったらしく言った。ハーマイオニーはロンを完全に無視し、ハリーに話しかけた。

 

「ごめんなさい、話を聞くつもりはなかったんだけど、さっきの話が聞こえちゃったの」

 

「聞くつもりがあったんじゃないの?━━━アイタッ」

 

ロンがそう呟くので取り敢えずテーブルの下で彼の足を踏んづけた。

 

「夜、校内をうろうろするのは絶対にダメ。もし捕まったらグリフィンドールが何点減点されるか考えてよ。それに、捕まるに決まってるわ。なんて自分勝手なの?」

 

腕を組み、立ったままハリー(とロン)を見下ろし彼女は言ったがその言葉は全くと言っていい程2人には響いていなかった。

 

「大きなお世話だよ」

 

ハリーが言った。

 

「バイバイ」

 

ロンが更にトドメを刺した。

 

 

 

━━━━━━━

 

 

 

 

 

いずれにしても、ハリーの1日は「終わり良ければ全て良し」の1日になるわけもなく。

 

現在夜中の11時半、私は何故かハーマイオニーと共に灯りの消えた談話室の僅かに火の残った暖炉の前でハリーとロンの見張りをしていた。

 

正直に言おう。

 

………どうしてこうなったの…?

 

確かに私はあの時ハリーにもハーマイオニーにも口を出さなかった。何かしたといえば小言を言うロンをたしなめたくらいだ。もしかしたらその行為が、ハーマイオニーに私は味方であると思わせたのかも知れない。

 

断じて違う。私は真ん中だ。グレーだ、グレー。ブラックだけど←

 

「ねぇ、ジーナ。あなたはどう思う?」

 

「2人が本当に起きて来るかどうか?そうね、私は起きてくると思うわ。と言ってもほぼ確信に近いけど…でもハーマイオニー、こんなことしても意味はあるの?」

 

ハーマイオニーはぼんやりと幽かな暖炉の火を見つめている。その温かい光に浮かび上がる彼女の横顔はとても悲しそうだ。

 

「意味があるかなんて、私は知らないわ。止めて欲しいだけよ」

 

「本当に止めて欲しいなら私は、2人が捕まるなりなんなりして一度痛い目に遭って懲りるのを待った方が早いと思うけど?」

 

彼女から目を逸らし、私も火を見つめた。火のちらつく動きというのは、どうしてか目が離せなくなる何かがある。やはり私もそれをぼんやりと眺め、もうすぐ聞こえてくるであろうハリーたちの足音に耳を澄ませた。

 

「それじゃ遅いわよ。ここは私が知ってる世界じゃないもの。私の世界……マグルの世界よりずっと危険だわ」

 

不安が滲む。今にも掠れて消えてしまいそうな弱い声だ。

 

「でも私たちはマグルの持たない力を持ってるわ。その分だけ、なんじゃないの?」

 

「それでもっ……!……私たちはまだ一年生で、マグルとそう大して変わらないじゃない」

 

「……そうね」

 

なんの脈略もなく、気が付けば目を閉じていた。しかし目を閉じたことによりさらに聴覚が研ぎ澄まされることになり、幽かな物音が耳朶を打った。階段を降りてくる足音だ。

 

「……!ハーマイオニー、来たわ」

 

私の声と共にハーマイオニーは立ち上がり、ほぼ同時に男子寮へと続く階段の暗闇からハリーとロンが現れた。

 

 





ハーマイオニーは優しい子です。でも男子諸君には中々伝わらない模様。

閲覧ありがとうございます。

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