ハリー・ポッターと半純血の予見者   作:ななじぃ

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クィディッチですねー(;・∀・)文才と語彙が足りてないです;;;;;;


第15話 クィディッチ

11月。学校を囲む山々は白金色に凍てついて、湖は冷たく鋼のように張りつめた。校庭には毎日霜が降り、朝日が差せば幻想的な朝霧がキラキラと煌めく。何週間にも及ぶクィディッチの練習も終わり、いよいよ、クィディッチ・シーズンの到来だ。

 

ハリーと私の初試合であり、グリフィンドール対スリザリンの因縁の戦いでもあるそれは、もう次の土曜にまで迫っていた。

 

当然、ハーマイオニーがハリーたちと和解できたことはハリーとロンだけでなく、私に取っても良いことだった。

 

追い付かないのだ。

 

以前は、余るほどとはいかないが2人の宿題をみるくらいの時間ならあったので1人で2人の宿題を同時に監督する、なんてことができたのだが、今ではハリーも私も練習に追われ、ハリー1人見るのでやっとだった。ロンの相手までは手が回らず、彼のことはハーマイオニーが見てくれていた。

 

以前より数段優しくなったハーマイオニーはロンとも上手くやっていた。彼らの未来を知っている身としては、早くくっつけというのが本音だが、やはり傍観も楽しいもので、何も言わないまま2人を見守ることにしたことは、私だけの秘密だ。

 

 

 

ハリーと私のデビュー戦前日、凍てつくような寒い中庭で4人は、ハーマイオニーが出してくれた鮮やかなブルーの炎をビンに詰め、それを背に、暖まりながら談笑していた。ハリーと私は専らクィディッチのことで、時折、シリウスが以前話してくれたことのある彼の在学時のクィディッチの話をしたりもした。

 

そんな時だ。高学年が薬草学で使うハウスの方からスネイプが現れた。明らかに右脚を庇うような不自然な歩き方だ。

 

ハリーはスネイプを見るなり背中を他の3人に合わせぎゅっと引っ付き、他の2人も彼の意図を酌んでぴったりくっ付いた。私も一応くっ付いたが、そんな必要は全くないのに、と不思議に思った。

 

ホグワーツの校則に校庭で魔法を使ってはいけないという項目はない。炎も同じだ。

 

それを知っている私は平然としていたのだが、どうやらハリーたちはそうではなかったらしい。目敏くそれを見つけたスネイプは私たち目掛けて進路を変更してきた。

 

彼の、凍てついた湖のように冷たい目が、ハリーの頭越しにハーマイオニーのブルーの炎を捉えた。

 

「ポッター、そこの火は何かね?」

 

一瞬、ハリーはスネイプを見つめたが観念し、背中に隠した炎のビンを差し出した。

 

「校庭での火気の使用は禁止されている。寄越しなさい、グリフィンドール5点減点」

 

「先生」

 

理不尽な校則のでっち上げに、思わず立ち上がった。スネイプは如何にも気に入らないように眉をひそめた。

 

「校則にそんな項目はありません。校庭なら魔法の使用も許されています。グリフィンドールが減点される理由も、その火を没収される理由もありません」

 

スネイプもそれをわかってやっていたのか、眉間のシワが更に深く刻まれた。

 

「今、私が没収するのを見て、校則を確認したのかね?」

 

何がなんでもハリーに嫌な思いをさせたいらしいスネイプは譲らなかった。

 

「いいえ、ですが━━━」

 

「なら信憑性は薄い。これは没収だ」

 

彼はそのままマントを翻して踵を返し、脚を引き摺りながら去って行った。無性に腹が立って、どさりともう一度座り込んだ。

 

「やっぱり、でっち上げなの?ジーナ」

 

ハリーが聞いた。

 

「ええ。私、校則なら全て確認したもの。間違いないわ」

 

暖をなくした背中が冷える。どこかに都合よくビンはないかと探したが見つかるわけもなく、仕方なく杖を取り出して近くの石をガラスビンに変え、耐熱魔法を施してもう一度ハーマイオニーと同じ火を灯した。

 

「ヤな奴だぜ、スネイプの奴」

 

「今回のでっち上げは流石に良くないわね」

 

ハーマイオニーも賛同し、ハリーとロンは少し気分を良くしたようだ。

 

「あの脚、すごく痛いといいな」

 

ハリーが呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━

 

 

 

夜、クィディッチの話題で持ち切りの談話室は騒がしく、双子が1足早いお祭り騒ぎをしていた。

 

「2人がいれば百人力だぜ!なんてったって天才だ!」

 

「あのウッドが褒めまくるんだからな!それに2人ともニンバス2000だ!!」

 

ジョージとフレッドは厨房から持ってきたらしいお菓子を金のトレイに乗せ、それをふわふわ浮かせながら言った。お菓子の中にはニンバス2000を象った可愛らしいクッキーが見えた。

 

「そんな、僕は…」

 

「ハリー!明日は頑張って!!」

 

謙遜しようとするハリーを遮ってネビルが言った。

 

「ハリーとニンバス2000のことは確かにそうだけど、私はそんなじゃないわよ」

 

笑いながら、ゆっくりと飛んできたトレイからクッキーをつまんだ。さくさくと軽い食感とほんのりとした甘さが口の中に広がった。

 

相変わらず、屋敷妖精たちのお菓子は美味しい。今度お邪魔してみようか。

 

「「ご冗談を!!」」

 

2人が素っ頓狂な声を上げる。

 

「君もハリーも天才じゃないか!」

 

双子に続きロンが言った。

 

「練習試合で70点も決めたのは君だろう!」

 

「それはアンジェリーナやケイティが上手いからよ、私だけの力じゃないわ」

 

「あなたが上手いから私たちも安心してパスを回せるのよ、ジーナ」

 

アンジェリーナは後ろから私の肩に手を乗せた。

 

「そうよ、上手いんだから、ジーナはもっと胸を張らなきゃ」

 

ケイティがひょっこりと現れた。手にはニンバス2000のクッキー。

 

「ジョージ!このクッキー美味しいわね、この試合に勝ったらまたお願いね!」

 

「お安い御用さ!」

 

 

 

 

 

━━━━━━━

 

 

夜が明けると晴れ渡った、高く青い空が窓から見えた。大して風もなく、絶好のクィディッチ日和のその日、大広間のテーブルはこんがり焼けたソーセージとトースト、様々な箒型のクッキー、それから生徒たちの期待の眼差しと落ち着きのないざわめきで満たされている。

 

「朝食、しっかり食べないと」

 

私がこんがり焼けたトーストにマーガリンを塗っている向かい側で、ハリーは何も乗っていない皿を前に項垂れていた。

 

「何も食べたくないよ」

 

「そんなこと言わないで、トーストをちょっとだけでも」

 

トーストを取りながらハーマイオニーが優しく言うが、見るからに彼には食欲がなかった。

 

「お腹空いてないんだよ。ジーナはどうしてそんなに食べられるの?」

 

ハーマイオニーのトーストを撥ね付けながらハリーは私の手元の皿を見た。ソーセージにトマト、サラダ、スクランブルエッグが乗っている。さらに皿の横にはヨーグルト。

 

あり得ないよ、とでも言いたげな視線だ。

 

「お腹が空いてるもの。ちゃんと糖分を摂らないと脳が正常に働かないわ」

 

 

 

 

 

11時、選手は皆競技用の真紅のローブに着替えて更衣室に整列していた。観客のざわめきが低い唸りのように聞こえる。

 

ウッドは咳払いをして、選手たちを見回した。

 

「いいか、野郎ども」

 

「あら、女性もいるのよ」

 

アンジェリーナが付け加え、私に微笑んだ。

 

「そして女性諸君」

 

ウッドは訂正し、続けた。

 

「いよいよだ」

 

「大試合だぞ」

 

フレッドがウッドの言葉を継ぎ、声を張り上げた。

 

「待ち望んでいた試合だ」

 

今度はジョージ。ウッドは彼らを睨み付けた。

 

ジョージの向こうでフレッドがハリーに何か言っているのが見えたが、スリザリンの観客席からの声援で掻き消された。どうやら外ではスリザリンが入場し始めたらしい。

 

「黙れよ、そこの2人」

 

ウッドはハリーを見、私を見ながら演説の続きを始める。

 

「今年は、ここ何年かぶりかの最高のチームだ。この試合は間違いなくいただきだ」

 

そして彼は、負けるなんて言語道断だとでも言うように全員を睨み付けた。

 

「よし、さあ時間だ。全員、頑張れよ」

 

その声を合図に選手たちはぞろぞろと更衣室を後にした。邪魔にならないよう髪を後ろの高い位置で1つに纏めれば、不安などどこにもない、清々しい何かが胸に広がった。自然と笑みが零れた。

 

「余裕ね、ジーナ。安心したわ」

 

前を歩いていたケイティが振り返り微笑んだ。

 

「ええ、すごく━━━楽しみだわ」

 

青々とした芝生に露が光る、グラウンド。破れんばかりの大歓声に迎えられた。ふと、観客席の上にはためく旗が目に入った。『ポッターを大統領に』という文字と共に吠える獅子が描かれている。しかしそれは次の瞬間には違う文字になった。

 

『ブラックは我らがプリンセス』

 

絶対にフレッドとジョージだ。すぐ後ろにいる彼らを見れば、イイ笑顔で親指を立てていた。あとで2人の部屋に二フラーでも離してやろうかと思ったが、それではルームメートにまで被害が及ぶので思い直し、後で何か他の策を考えようと心に決めた。

 

競技場の真ん中にはマダム・フーチと、既に入場して整列しているスリザリンの選手が箒を手に立っていた。

 

「さあ皆さん、正々堂々戦いましょう」

 

明らかに彼女は、スリザリンのキャプテンであるマーカス・フリントに向かって言っていた。きっと前科があるのだろう。

 

「さあ、箒に乗って━━━」

 

選手たちが箒に跨り、高く蒼い空を見上げた刹那、マダム・フーチの銀の笛が高らかに鳴り響いた。開幕だ。

 

15本の箒が空へ舞い上がる。高く、さらに高く。

 

赤いクアッフル、一対の黒いブラッジャー、そして金のスニッチが空に放たれた。すかさずアンジェリーナがクアッフルを取った。

 

「さあ!クアッフルはたちまちグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソンが取りました━━━━なんて素晴らしい選手でしょう!そのうえかなり魅力的でもあります!」

 

スリザリンのゴツい選手━━━名前はさっぱりだ━━━が彼女に突進しようと身を屈める。

 

「ジョーダン!」

 

対して私の方は1年のヒヨッ子だからか、ガラガラだ。

 

「失礼しました」

 

さっとアンジェリーナの左に出た。彼女は目の端で私を確認しクアッフルを投げた。それは一直線に私に飛んだ。

 

「レジーナ・ブラックに鋭いパスが飛ぶ━━━━取りました!オリバー・ウッドは良い選手を見つけたものです!1年生です━━━━」

 

前はガラ空き、周りを見渡せばスリザリンの選手たちはアンジェリーナやケイティの方にいる。さらには揃って顔をしかめていた。何人かは私より下を飛んでいたので恐らくクアッフルを取り落とすとでも思ったのだろう。

 

箒の柄にぴったりと伏せ、スピードを上げた。目指すは真ん中のゴールポスト。風が唸る。辛うじて視界の端にいた緑のローブを纏った選手も、すぐに消えた。全てを引き離し、疾走する。

 

「ブラック選手、突っ走る! 一体どこまで行ってしまうのか━━━おっと!?」

 

ビュッと風を切る音。練習で散々聞きなれた、ブラッジャーの足音だ。

 

いつもと同じ動きでそれを避ける。箒にぶら下がった瞬間、黒い弾丸は私の頭があった辺りを通りすぎて行った。

 

「素晴らしい動きです!ナマケモノ型グリップロールでしょうか━━━━ブラック選手、まだ突っ走ります!他の選手もやはりニンバス2000には敵わない!」

 

体勢を戻すと、ゴールはすぐそこだ。右に逸れた━━━相手のキーパーも右に付いてくる━━━

 

「━━━今だ、ジーナ!」

 

ジョージが遥か後方で叫ぶのが聞こえた。赤いボールは真ん中のゴールを貫いた。

 

「ゴォオオオオオル!!!グリフィンドール先取点!」

 

選手と同じ真紅の応援席から大歓声が上がった。スリザリン側からは野次が飛ぶ。

 

私より遥かに高い所で、ハリーが2、3度宙返りをするのが見えた。

 

だがすぐに彼から目を逸らし、ゴールから離れた。スリザリンのゴールキーパーからグリフィンドール側に向かって高くクアッフルが投げられる━━━━━キャッチしたのはフリントだ。

 

すぐにクアッフルを追いかける。

 

「今度はスリザリンの攻撃です!マーカス・フリントはブラッジャーを躱し、双子のウィーズリーを躱し━━━この2人は人間ブラッジャーとも呼ばれています━━━アンジェリーナを━━━アイタ!ジョー……いや、フレッド・ウィーズリーがフリント選手の後頭部にブラッジャーを叩き込みました!イイ笑顔です!」

 

フレッドはバットを担ぎ私にグッドサインを送りながら清々しいほどの笑みを浮かべていた。

 

その間にケイティがフリントが取り落としたクアッフルを取り、ゴールポストに飛んだ。

 

先取点を入れたことにより私はすでに厳重警戒されている。

 

ゴール前、ケイティからアンジェリーナにパスが渡る。

 

「ベル選手からジョンソン選手!ゴールも近い━━━━ノーマークだ!行け!アンジェリーナ!」

 

キーパーがクアッフルに飛びついた。

 

「あぁあああ!残念!ブレッチリーが止めました!!」

 

クアッフルを得意気に掲げ、彼は大きく振りかぶった。それとほぼ同時に急上昇を始める━━━━クアッフルは高く投げられた。当然私はその軌道上にいる。難なくキャッチし、ゴールに投げ返した。それはまたも真ん中のゴールポストを射抜いた。キーパーは動くことさえできていない。

 

「う━━━嘘だろう!?ブラック選手、完全に動きを読んでいたようです!グリフィンドールの得点です!!」

 

「流石は我らがプリンセスだな!」

 

近くでブラッジャーのように飛び回っていたジョージが言った。

 

「じゃあそのプリンセスから後で直々にイタズラしてあげる」

 

いたずらっぽく笑ってそう言い、すぐさまその場を離れた。後にはジョージだけが残った。

 

「グリフィンドール連続で得点していますがどちらもブラック選手です!1年生とは思えない動きです!さて、試合は続行、スリザリンの攻撃です!次もブラック選手の読みは当たるのか━━━━」

 

ジョーダンの実況はギリギリアウトで中立ではない気がした。

 

ブレッチリーがまた振りかぶる。今度は私を警戒してか、高くは投げなかった。当然私も二度は同じことはしない。

 

低く箒に伏せ、クアッフルを追う。

 

「クアッフルはエイドリアン・ピュシーに渡ります━━━これもブラックの読み通りでしょうか、上には飛びませんでした━━━ピュシーはブラッジャーを2つ躱し、ケイティ・ベルも躱して……おっと、ブラック選手迫ります!流石はニンバス2000…………ちょっと待ってください━━━あれはスニッチか?」

 

ピュシーは耳元を掠めた金色の閃光に気を取られ、クアッフルを取り落とした。すかさずそれを拾う。

 

観客がスニッチにざわつき、ハリーと相手のシーカーが急降下を始めた。チェイサーたちはほとんど、自分の役目を忘れてしまったように2人の攻防を見守った。

 

だがその中でただ1人━━━━フリントだけが動いていた。

 

彼はチェイサーの1団から少し離れたところにいた。故に、誰も彼がシーカーの近くに行くまで彼の動きには気が付かなかった。

 

グワーン!とグリフィンドールから怒りのブーイングが飛んだ。ハリーはスニッチを追っていた軌道から弾き飛ばされ、スリザリンのシーカーもその妨害によりスニッチを見失ったようだ。

 

「反則だ!」

 

グリフィンドール生が口々に叫ぶ。マダム・フーチはフリントに厳重注意を与え、グリフィンドールにフリーシュートを与えた。

 

 

 

 

「えー、誰が見ても胸糞が悪くなるようなインチキの後━━━」

 

「ジョーダン!」

 

彼ももう、中立を保つことが出来なくなっていた。マクゴナガル先生が凄みをきかせ、彼にあくまでも中立でいるように言った。

 

「えーっと、大っぴらで不快なファールの後━━━」

 

「ジョーダン、いい加減にしないと━━━━」

 

「はい、はい、了解です。フリントはグリフィンドールのシーカーを殺しそうになりました。誰にでもあり得るようなミスですね、きっと。そこでグリフィンドールのペナルティシュートです!」

 

持っていたクアッフルをアンジェリーナに渡そうとすると、何故か拒否された。

 

「貴女が投げて。代々、フリーシュートはその試合で一番調子のいい選手が投げることになってるのよ」

 

「そんな」

 

結局彼女に背中を押され、ゴールポスト前に進み出た。深く息を吐き出し、その輪を見据える。

 

「おっと、投げるのはブラックです」

 

ジョーダンの声が小さくなり、ぶーんと耳が鳴った。狙いを定め、振りかぶる。

 

「ブラック、投げました━━━━━決まった!!さあゲーム続行です!クアッフルは依然、グリフィンドールが持ったままです!ジョンソン選手が飛びます!」

 

アンジェリーナがスリザリンの間を縫うようにジグザグに走り、その近くをケイティと2人で固める。ブラッジャーが前から飛んで来るが身を捻って躱すがそれは耳を掠り、シュッと熱が走った。

 

ゴールは目の前━━━その時だ。

 

ちょうど斜め上、ギリギリ見えるところにハリーがいた。だが様子がおかしい。1人でジグザグに動いたり、上下したり………まるで箒がハリーを振り落とそうとしているかのような動きだ。

 

「アンジェリーナ!ハリーがおかしい━━━少し抜けるわ!」

 

彼女の返事も聞かず離脱し、ハリーの元に向かう。

 

「ジョンソン選手が……おっと、ブラック選手は離脱して……ハリー・ポッターの方に向かう模様━━━おや?ポッター選手、様子がおかしい。コントロールを失ったのか?」

 

「タイム!タイム!!」

 

グラウンドの向こう側でウッドが叫んだ。だがジョーダンや、今はスリザリン側のゴールポストの辺りを飛んでいるマダム・フーチには聞こえていない。皆おかしな動きをするハリーを見ていた。

 

「ポッター選手どうしたのでしょうか……まだ治まらないようです」

 

彼のニンバスは休みなく暴れ続けた。

 

ハーマイオニーは━━━グリフィンドールの観客席を見れば、彼女の髪が階段下に消えるところだった。まだ時間がかかる。

 

「ハリー、落ち着いて。無理なら手を離しても構わないから━━━」

 

ローブに忍ばせていた杖を取り出しながら彼に声をかけた。だが聞こえていないのか、ハリーは必死に箒にしがみつき、奥歯を噛み締めていた。

 

まだか、ハーマイオニーは。

 

ハリーの遥か下ではフレッドとジョージがぐるぐると円を描くように飛んでいた。落ちてきたらキャッチするつもりらしい。

 

観客席から悲鳴が上がった。スネイプのマントが燃えていたのか、ぷすぷすと白い煙を上げていたが炎は見えない。

 

「ハリー!大丈夫━━━━」

 

声をかけたその刹那、ハリーはしっかり箒に跨り直すと突然急降下を始めた。その先には金の尾を引くスニッチの影。

 

地面に向かって落ちていく、紅のローブ。またも観客席から悲鳴が上がる。地面に激突する━━━━その瞬間、ハリーは箒の柄を引き上げ、そして地面に転がり落ちた。パチンと口を押さえるのを見た。今にも吐きそうな顔だ。

 

ハリーの何度目かの嗚咽のあと、ポンっと、それは彼の手のひらに落ちた。

 

「ハリーがスニッチを取った!!」

 

ハリーがそれを高く掲げるのを見、眼下でジョージが叫んだ。彼の手の中で、スニッチは太陽の光を受けて金色に輝いた。

 

 

 

突然の試合終了。大混乱ではあっても、結果は変わらない。

 

例えマーカス・フリントが20分以上も「あいつは取ったんじゃない!飲み込んだんだ!」と喚き続けたとしても。

 

その間リー・ジョーダンは叫び続けていた。

 

「グリフィンドール、260対0!!完全勝利です!!!」

 

 

 

 

 

 






>>>文才と語彙が尽きた模様<<<
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