ハリー・ポッターと半純血の予見者   作:ななじぃ

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2学期末テストにつき色んな媒体を取り上げられていました。

遅くなった+短くてすみません


第18話 クリスマス 中編

その日の夕食、寮の判別さえ満足にできないほど適当に並べられたいくつかのテーブルは様々なご馳走で埋め尽くされた。ハリーはまんまるの七面鳥のローストが乗った金の皿の列を見た途端、目を輝かせて私を振り返った。

 

「七面鳥だよ!僕、こんなの初めてだ!」

 

他にも山盛りのフライドポテト、ゆでポテト、大皿いっぱいのチポラータ・ソーセージ、豆のバター煮。そしてテーブルのあちこちには、魔法がかけられたクラッカーが山積みになっていた。

 

マグルのものなんて比較にならないそのクラッカーは、ハリーとフレッドが向かい合って一緒に紐を引っ張ると大砲のような轟音を響かせ青色の煙をモクモクと吐いた。耳が痛いほどの音響に思わず耳を塞いだが、ジョージはゲラゲラ笑い、ロンは笑いながらも早速飛び出した中身を確認し始めた。海軍将校の帽子と生きた二十日鼠が数匹だったようだ。

 

紐を引いた当人たちは、青い煙に巻かれてすぐにはその姿を確認できなかった。慣れているフレッドは笑っていたが、そんなことを予想すらしていなかったハリーは驚いて少しきょとんとしていた。

 

上座のテーブルではダンブルドア先生が自分の三角帽子と婦人用の花飾りのついた女優帽を交換して被り、クラッカーから出てきたジョークの紙をフリットウィック先生が読み上げるのを可笑しそうにクスクス笑って聞いていた。

 

七面鳥がそろそろ無くなり皆の手が止まり始めた頃、皿は元のぴかぴかの状態に戻った。ロンは名残惜しそうに空の皿を見つめていたが、次に出てきたプディングを見た瞬間、その顔は喜びにきらきらと輝いた。本当にロンは食べるのが好きらしい。

 

ジョージやフレッドと抜け道や秘密の通路、イタズラのことなど他愛もない会話を進めていると、彼らの向こう側でパーシーがプディングに入っていたシックル銀貨に気付かず歯を折りそうになっていた。

 

 

 

宴が終わり、皆で大広間を後にする頃にはハリーとロンはクラッカーから出てきたお土産を両腕いっぱいに抱えていた。

 

「色々と出てきたのね」

 

ハリーがぼろぼろと落とすそれらに魔法をかけて集めながら声をかけた。

 

「うん!あぁ、ありがとう。ねえ、ほら見て、僕のチェスセットだよ。これならちゃんと僕の言う事を聞いてくれると思うんだ」

 

彼は嬉しそうに言ってクリスマスカラーのパッケージに入ったセットを見せた。

 

新品なら初心者のハリーの命令でも言う事を聞くかもしれないというハリーの読みは当たっているだろう。それに、見る限りこの駒たちは初心者用の素直な駒だ。

 

「そうだと思うわ。また、明日にでも対局しましょうか」

 

「それ、いいね!あ、でもちょっとは手加減してね。君とロンの対局を観てると戦争みたいに思えてくるよ」

 

確かに、ロンとの対局はかなりと接戦で激しい攻防が続くことが多い。恐らく彼と私は同列くらいだろう。だからこそあれだけ気持よくやり切れるのであって、ハリーと対局するときに加減できるか、と聞かれると快くは頷けない。

 

「善処するわ」

 

 

 

 

寮に戻ると、オジーが深々と頭を下げて出迎えてくれた。暖炉は彼女が管理してくれていたらしく、まだ火が燃えて寮は心地いい暖かさを保っている。

 

完全に彼女の存在を忘れていたウィーズリーたちは驚いて穴からずり落ちそうになっていた。

 

「お帰りなさいませ。ハリー・ポッター様、ロナルド・ウィーズリー様、お荷物をお持ち致します」

 

両手に溢れんばかりの(ハリーは既に溢れている)クラッカーのおまけを抱えている2人にオジーはそう言ったが、ハリーは戸惑いながら首を横に振った。

 

「いいよ、悪いから……僕らにはそんな風にしなくても━━━」

 

「でも、ハリー。こいつらはこういう種族なんだって、昨日言ったろ?気にしないほうがいいぜ」

 

ロンが言った。如何にも純魔法族らしい言葉だ。ハリーのような意見に慣れているのか、オジーはにこにこと微笑んでいた。

 

「そうだけど……」

 

「俺たちもそう思うな、やりたくてやってるんだからさ。でも、いきなりこれは戸惑うよな、流石に」

 

ジョージが参戦し、ハリーは落とされたような、半分助けられたような変な顔をしていた。

 

「確かにそうね。私もここで家と同じようにするのには少し慣れないわ━━━オジー」

 

「何でございましょう、お嬢様」

 

何を言いつけられるのだろうかと目をキラキラさせながら彼女は私を見上げた。

 

「折角来てもらったのに、ごめんなさいね、私、ここでは皆と同じようにしていたいの。だから良かったらまた厨房で働いてくれないかしら。何かあったときに本当に貴女が必要になったら名前を呼ぶわ。その時はすぐに来てね。それでいい?」

 

この提案を聞き進むうちに、オジーの耳はどんどん垂れ下がっていった。終いには彼女は涙目で、泣くまいと唇を噛み締めて息を詰めた。

 

「はい、承知致しました、お嬢様」

 

バチン、という独特な音と共に彼女は姿をくらました。何か悪いことでもしたような胸糞の悪い思いが残る。

 

「ごめんね、気分を損ねるようなことになっちゃって」

 

事を見守っていたウィーズリーたちにそう言う。

 

「いや、構わないさ、親が来てるようなもんだからな……にしても、君、『ブラック』だからかなりの良家だとは思ってたけど、やっぱりそうだったんだな」

 

「俺たちとは格が違うぜ」

 

フレッドとジョージが気を利かせて話題を逸らしてくれたおかげもあってそれからは家の話題になり、最後には暖炉前の特等席に皆で集まって、各家庭(とは言っても6人中4人がウィーズリー家なのだが)のクリスマスデフォについて話に花を咲かせた。

 

パーシーは勉強をすると言ってそそくさと寮室に退散しようとしたのだが、フレッドとジョージが両腕をがっちり固めてソファに座らせることでパーシーを話の輪の中に残留させることに成功した。

 

 

 

 

「へぇ、君のお父さんって結構ユーモアがあるじゃないか」

 

7歳のクリスマスの朝にシリウス(とリーマス)によって仕掛けられた『寝起きドッキリwith my friend』という題の惨劇を話すと、フレッドが感心したように言った。

 

「お堅そうなイメージだったけどなあ」

 

ジョージだ。

 

「お堅いなんて、父さんには1番似合わない言葉ね。昔はハリーのお父様や他の友人と一緒になってやんちゃしてたそうよ」

 

「僕のお父さんと?」

 

ハリーが身を乗り出した。

 

「ええ、イタズラ仕掛け人なんて名乗っていたらしいわ」

 

「「なんだって!?」」

 

今度はフレッドとジョージが身を乗り出し、二人分の音量に、心地よく居眠りをしていたロンが肘掛け椅子からずり落ちた。パーシーは唐突のことで腕を離されたことにも気付かず、思考も追いついていなかった。

 

「君とハリーが初代イタズラ仕掛け人たちの子供なのかい!?」

 

「そうね」

 

さらりと答えると2人の口は滑稽なOの字を描き、顔を見合わせた。

 

「じゃあ『パッドフットの娘』って……」

 

少し思考が追いついてきたジョージが言いかけるが、そんなことを簡単に教えるわけもなく。

 

「さあ、どうかしら?」

 

いたずらっぽく笑ってそう言った。一方で、あまりに一度に飛び出したキーワードと突飛な話についていけていないハリーと、居眠りで話がすっ飛んで解らないロンが大量のクエスチョンマークを頭上に掲げていた。

 

「ちょっ…ちょっと待って、初代イタズラ仕掛け人って?パッドフットって?」

 

「何?何の話?」

 

 

 

 

 

 

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