CE70年 9月 内閣総理大臣 本田 元一は臨時国会で民心党の質疑に答えていた。
「民心党 福島 水菜君」
議長が名前を呼び、質疑をする議員が立ち上がり、一礼をした後質疑を行う。
福島 水菜議員は、4月1日の事件に対する報復決議に反対、民心党による国会議事堂への出入り口にバリケードの構築に参加し、議会の開始を妨害するなど、一国の議員としてどうなのか?という行動が目立つ人物だが、なぜか議員に当選してしまっている。
そんな人物だった。
「民心党の福島です。早速ですが総理、政府はMSと呼ばれる兵器を開発して配備を進めているとの事ですが、何故それが必要なのかを説明願います。
また、先日発生した連合加盟国の宇宙艦隊と、自衛隊の武力衝突に関して、私共が入手した資料には、自衛隊の現場指揮官が相手側を挑発する様な言葉を発していたとありますが、事実でしょうか?
それと、連合加盟国の艦隊はほぼ全滅に近い状態であったとの事ですが、そこまでする必要はあったのですか?」
福島議員の質問内容に入っていたMSという単語を聞いた瞬間、私は血の気が引くのを感じていた。
何故、彼女は、機密保護法に含まれている最重要国家機密を知っているのか、更には、少し考えれば分かることなのに、何故国会という公の場で其れを話してしまうのか、それが国に悪い影響を与えかねないとは考えなかったのか?
そんな事を考えていると、議長から名前を呼ばれ、答弁のため、痛くなる頭を抑えたい気持ちを我慢しながら、答弁台へと立った。
「内閣総理大臣、本田 元一です。まず第一に、福島議員の質問内容に最重要国家機密が含まれており、その情報源について後で詳しくお教えいただく事をお願いします。
どちらにしろ、近々発表する予定でしたので、議員を告発はしませんが、国会という開かれた公の場で、国家機密を暴露することで国に不利益が生じる場合がある事を議員なら自覚してください。
では、質問に答えます。」
そこまで言った所で福島議員を睨んでやると、真っ赤な顔でブルブル拳を握って青筋が見えた。
気持ち悪い
そんな感情を顔に出さない様に言葉を続ける。
「日本が現在開発しているMSですが、何故それが必要か、簡単なことです。現在ザフトが運用しているMSジンと自衛隊が運用する宇宙用戦闘機 隼IIでは、キルレシオが1対2〜3 ジンが1で隼IIが3です。
戦車に至っては、ザフトの地上戦用のMSバクゥとのキルレシオは1対10 これでは万が一ザフトが日本に攻撃を加えて来た際戦いになりません、その為、MS開発を早急にする必要があると判断いたしました。
二つ目の質問については、貴方は自衛隊の隊員を侮辱しているのかと言いたくなるほどに怒りを感じますね、まず、武力衝突の際、相手側の指揮官は、現場の基地司令に対し、寄港を許可しなければ武力で制圧すると通告しています。
三番目の質問と合わせて言わせて貰えば、自衛隊の対応に問題は何もありません、武力衝突になった原因は相手側の指揮官が暴走したためであり、責任は相手側の指揮官にあると考えます。
また、相手側艦隊が全滅に近い損害を受けたとの事ですが、相手側はコロニーへ危害を加える素振りを見せていたとの報告を受けています。現場の判断に間違いはありませんでした」
席に戻ると、福島議員がまた質問をする所で、正直、相手にしたくはないが、仕事だと割り切る。
「総理、MSの事は分かりました、要するに総理はザフトと戦争する為にMSを作っているわけですね?
あと、武力衝突で自衛隊の隊員に死傷者が出ています、それに付いてどう考えていますか?」
どう解釈すればそうなる、誰か教えてくれ…
憂鬱になりながら再度答弁台へ立ち、一息ついてから口を開く。
「福島議員、誰が戦争したいと言いましたか?私は守る為の力が必要だと言う意味で答えたつもりです。
また、戦争したいと一言も言った覚えは有りません、撤回しなさい。
又、武力衝突では、相手側、そして自衛隊の隊員に多くの犠牲が出ました、それには心から哀悼の意を表したい、戦死した自衛隊員に関しては日本国民を護り、戦ってくれた事に感謝しています。
彼らの想いを裏切らない為には、まず、国民を守りきるだけの力が必要だと言う事も事実です。
[力が無くば、何かを守ることはできない、しかして、信念なき者は力を使いこなせない、其れを理解しないものに未来はない]かつて、再構築戦争の際、自衛隊への防衛出動を命じた故 東郷 平七郎 元総理の言葉です。
福島議員、貴方はこの言葉の意味を理解していない様だ…それが残念ですね」
与党席、そして野党の一部からの拍手と、民心、生活、共鳴の三党からのヤジを聞きながら悠々と席へと戻る。
席に戻ると、福島議員が隣の議員と何やら話している様だ、というか、私の話を聞いていなかった様だ。
そして、何故かドヤ顔でまた質問してくる様だ。
私の精神を削る作戦か?
「総理、先ほど現場の自衛隊の対応に問題は無いと言っていましたが、嘘でしたね、ここに通信記録のUSBがありますが、再生して貰えますか?」
福島議員が言うと、再生する機械が設置され、USBがセットされる、私は直ぐに防衛大臣、そして、議場にいる防衛省の役人へ、確認し、通信記録の原本を持ってくる様に指示を出した。
「では再生します」
『中立国の主権を無視した今回の要求に関して、当方は応じる気はない、キム准将、もし武力でくるのなら、来るがいい、貴方の祖国とやらが我が国より高い技術を持っているなら、我々を簡単に制圧できる筈ですよね?』
「総理、これが挑発で無いと言えますか?言えないでしょう!自衛隊から挑発した事実を残念に思います。
また、総理が其れを隠そうとした事、これは総理が戦争がしたいという何よりの証拠です!以上で私の質疑をおわります。」
そう言って福島議員が逃げようとしたので、退路を断つ為に、答弁台へ向かい、議長へ発言の許可をもらい発言する。
「福島議員、これ以上罪状を重ねてどうするんですか?自衛隊の通信記録の開示は防衛省に許可なく開示するのは禁止されており、また、開示請求が出来るのは捜査機関や、国会、内閣と決められており、議員個人では認められておりません。
貴方のこの行動は、機密保護法は元より、行政機関の保有する情報の公開に関する法律、また、この通信記録から、個人を特定できる可能性があるため、個人情報保護法違反、並びに、防衛省の許可がない場合、無断で持ち出した事になりますね、インターネットからコピーしたのであっても、サイバー犯罪防止法、更には無断で持ち出しの場合では窃盗の罪に問われるものです。
……と、防衛省から通信記録の原本が届きましたね、」
そこで、防衛省の役人が耳打ちして来た内容に、私は呆れるしかなかった。
「原本を再生する前に、原本が不正に複製された形跡が確認できたそうで、この時点で、法に抵触する行為があった事が明確になった事を伝えます。
それでは再生します。」
……全て再生すると、議会内はなんとも言えない空気になってしまったが、私はスッキリした。
しかしこの後の共鳴党 生活党の質疑で何度も同じ質問を繰り返され、眩暈を覚えた。
そう言えば、報復決議の時、賛成派の議員が半分ほどいきなり反対に回ったのは何故だったのか、明日、内閣情報調査局の担当官が調査の結果報告にくるのだったな、嫌な予感がする、胃薬がほしいよ。
因みに、この日の国会質疑が終わった後、福島議員は悪名高い東京地検特捜部の捜査対象になった。
国会期間中は逮捕できないため、当分は泳がされるだろう。
因みに現時点の内閣の支持率は65% 民心?4%にこの日落ちましたが?
完結も見えてきたので、今後についてアンケートを実施します。
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destinyルートへ行く
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宇宙戦艦ルートへ行く
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連載停止中のほかの作品を続き書けや
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新連載しつつゆっくり続きでOK
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徳田くんのR18