官邸では、情報が入って直ぐに、閣議内容を変更し、緊急閣議とし、情報の詳細確認を開始した。
「現在、貨客船 星の海丸 はヘリオポリスの宇宙港において機関部が大破、狭い宇宙港内で航行不能となっている他、脱出ポッドで乗客を避難させるのも難しい状況との事です」
「機関部が大破した原因は?」
「星の海丸が入港した直後にザフトMS部隊がヘリオポリスを襲撃、その際、港湾施設にも部隊が侵入し、施設の管制室を破壊、入港していた星の海丸も緊急離脱しようとしたようですが…ザフトMSが星の海丸へも攻撃し、大破、一時港湾内で漂流しましたが、隔壁に衝突し停止、タキオン通信システムがかろうじて使用できたようで、遠距離通信にて自衛隊に通報が来たのが20分前です。なお現在も身動きが取れない状態です」
誰もが硬い表情で、声も出せない程の緊張が室内を満たすが、そんな中、総理が口を開く。
「星の海丸の乗客の人数はどの位だ?あと、最短で急行できる自衛隊艦艇はいるか?」
総理の質問に、報告を持ってきた職員がメモを直ぐに取り出し、メモに書かれた情報を伝える。
「は、はい、星の海丸の乗客は194名 乗務員34名です、付近の自衛隊艦艇は報告を受けてません」
「……白星の航宙自衛隊総監部へ通信を繋げ」
「分かりました」
スタッフが総理の指示により直ぐに通信の準備をする。
『こちら白星、航宙自衛隊総監部の藤堂宙将です」
「内閣総理大臣の本多 元一だ、早速だが、ヘリオポリスに最も近い艦艇を教えて欲しい」
『は、現在最も近いのは…海賊対策で巡回中の第二艦隊所属の巡洋艦夕凪以下駆逐艦2隻がヘリオポリスまで約1時間から2時間の位置におり、こちらも事態を把握後直ぐに進路をヘリオポリスに向けるよう指示しております、既に報告したはずですが?』
「…そうか、ならば必要なら武器使用を許可する、艦隊派遣に反対のものは?……いないようだな、藤堂宙将、一番近い所にいる主力艦隊を一部でも現場に向かわせてくれ、これは内閣の命令だ」
命令を伝えた総理は、報告を受けてませんと言った職員に目を向けると、その職員は顔を青ざめさせて総理から目を逸らした。
『了解しました、ならば訓練航海中の第一航宙打撃艦隊がおりますが、そちらを向かわせます、ただ…到着には6時間は掛かるかと…』
「了解した、頼む」
藤堂からの報告に、総理は視線を戻し、答えた。
『は、全力を尽くします』
こうして、ヘリオポリスへの艦隊派遣が決定した。
後にL3宙域会戦、又はヘリオポリスの悲劇と呼ばれる戦いが始まろうとしていた…。
この事件が日本の、そして世界の歴史の転換点となる事を知るものは、今この時はには居なかった…。
感想お待ちしてます。
完結も見えてきたので、今後についてアンケートを実施します。
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destinyルートへ行く
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宇宙戦艦ルートへ行く
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連載停止中のほかの作品を続き書けや
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新連載しつつゆっくり続きでOK
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徳田くんのR18