機動戦士ガンダムSEED〜日本国自衛隊〜   作:名無之助

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上手く書けてるか自信がないですが…最新話です。

一応、これで次からは地上編です。


第二十話・低軌道会戦(後編)

ワイアット中将麾下の第10艦隊が到着すると、戦況はそれまでザフトに傾いていたのが、地球軍の増援にザフトの一部の部隊が混乱したこともあり、地球軍側へと傾きつつあった。

 

 

 

 

ワイアットがとった戦術はいたってシンプルである。

 

艦隊の全艦とMA部隊の半数をザフト艦隊に向け前進させ、MA部隊の中で精鋭の部隊を主力とするもう半分のMA隊を、4機のGを含むMS隊に攻撃されている第8艦隊の方へ向かわせたのである。

 

「このまま艦隊を密集隊形のままビームを前方に射撃しながら前進、ドレイク級並びに直掩MA隊は接近してくるMSへの対処に専念せよ。第8艦隊への救援隊の全指揮はグリフィス隊(・・・・・・)にまかせる、諸君、礼儀知らずな客人にマナーという物を教えてやろう」

 

 

ワイアット中将麾下の艦隊は、ザフト艦隊の直掩MS隊による迎撃を受けながらも、ザフト艦隊に対し徐々に損害を与え始め、ワイアット中将の指揮の元、着実にザフト艦隊…クルーゼを追い込もうとしていた。

 

そして、ワイアットが第8艦隊に向けたMA隊も、第10艦隊がザフト艦隊に損害を与え始めた所で、4機のGを含めたMS隊の主力と戦闘を開始していた。

 

 

「グリフィス1、エンゲージ!」

 

『グリフィス2エンゲージ!』

 

『グリフィス3〜12、エンゲージ!』

 

グリフィス隊は4機のGに対し、即座に接近は危険と判断して遠距離からの一撃離脱を徹底、ザフトのエリートであるはずの赤服が乗った4機のGを翻弄した。

 

『クッソー!!!ちょこまかとぉーー!!!邪魔をするなあ!!!』

 

『いい加減落ちろよ!!!』

 

デュエル、バスターは連携し、指揮官と思われる一機のMAに射撃を行う…だがしかし、2機の射撃は正確にMAに当たる軌道で、普通なら回避は不可能なものであったが、そのMAはあろうことか、逆噴射をかけながら機体を回転させ、ビームの軌道に合わせて機体を逸らすというアリエナイ方法で回避したのである。

 

もう一度言おう、アリエナイ、これがデュエル、バスターのパイロット、イザークとディアッカ、そしてそれを目撃した敵味方の兵士たちの頭の中を埋め尽くした感想…そして、イザークとディアッカはその衝撃に、思考が停止し、隙を作ってしまう。

 

それを好機と見て、グリフィス隊は2機に対し集中的に、リニアガンによる波状攻撃を仕掛けた。

 

無論、他のMSが黙っていたわけではないが、イージスは機体の両側が黄色く塗られたMA隊に阻まれ、ブリッツは…ミラージュコロイド中に背後から接近してきたMAと衝突し、大破、後退していた。

 

しかし、それでも、限界はある、いくら精鋭であっても4機のGを抑えながら他のMSを相手にするのは厳しいものがあった。

 

それでもなお、第8艦隊は彼らの戦いぶりに士気を取り戻し、積極的に反撃に出始めていた。

 

しかし、ここで思いもよらぬ事態が発生する。

 

原因は、MAに反撃しようとしてディアッカの放った高出力のビームが、避難民のシャトルへの直撃コースであったことだ。

 

それに気づいた退避中の護衛艦が、ビームがシャトルに直撃するのを阻止しようと射線に艦を割り込ませシャトルをかばったために大破し、操舵不能に陥ってしまったのである。

 

それから事態が急変した。

 

「機関部に深刻な損傷!艦の落下止まりません!!!」

 

「これまでか、総員退かーー」

 

「艦長!本艦の落下軌道、アークエンジェルへの衝突コース!!!艦の自壊前に衝突する可能性あり!!!」

 

「しまった!!!……アークエンジェルへ警告!!さらに、メネラオスに本艦への砲撃、破壊要請を出せ!!!アークエンジェルは降下体制で本艦への砲撃は精度が下がる!メネラオスに本艦を破壊してもらう!」

 

メネラオスのハルバートンは、味方艦隊の、そしてMA隊の奮戦により、自身の率いる艦隊も体制を立て直しつつある事に対し、安心にも似た感情を抱いていた。

 

これで、アークエンジェルとシャトルを無事に地球へ降ろせる。

 

そう考えていた時、オペレーターの叫びにも似た報告に、途端に厳しい表情となる。

 

「閣下!護衛艦マイケル・モンスーアより緊急!!!【我、操舵不能、落下止まらず、アークエンジェルへの衝突コースにより、旗艦による本艦の破壊行動を要請する】です!」

 

「なんだと!!!……マイケル・モンスーアの位置は?」

 

「本艦の右舷後方、90度回頭すれば、主砲の射角に収めることは可能ですが……」

 

「90度回頭、主砲、マイケル・モンスーアに照準」

 

指示を出すハルバートンは、血が出るほどに強く奥歯を噛み締め、苦渋の決断を下した。

 

「回頭完了しました。閣下……っ」

 

「………撃て」

 

メネラオスが放ったビームは正確にマイケル・モンスーアに命中し、轟沈させたが、その破片の一部がシャトルへ衝突、シャトルを救援しようとしたためにアークエンジェルの軌道がずれてしまうと言う事態となってしまう。

 

ハルバートンがそれに気づいた時には既に遅く、アークエンジェルの面々も、既に軌道を元に戻せないのは覚悟していた。

 

彼らは、それまで関わった司令官たちとの経験から、そして彼らの感情的にも、シャトルを見捨てる選択肢は最初からなかったのである。

 

そして、彼らは、降下の最終段階へと入った。

 

 

クルーゼは、既にアークエンジェルが手出し不能な高度に達したと知ると、即座に撤退を決断するが、簡単にはいかなかった。

 

「……流石は、英雄(・・)ワイアットと言った所か、前回(・・)といい、なかなかにやってくれる……」

 

「隊長…」

 

「……アデス、撤退する…なあに、足付きが降りた所で遣り様はある。その前にここで被害を増やすことこそ、避けるべきではないかね?」

 

「は、了解しました!」

 

ザフト艦隊は撤退するべく反転するが、それを見はからうように、第10艦隊の直掩に当たっていたMA隊がザフト艦隊へと殺到した。

 

ザフト艦隊が後退するのを旗艦バーミンガムから見ていたワイアットは、紅茶を飲んでいた。

 

「紳士は常に先を見据えて行動するものなのだよ。まして民兵風情が調子に乗って好き放題するのは、英国紳士として中々に腹立たしくてね。ここで出来れば退場してほしいものだな、ラウ・ル・クルーゼ」

 

紳士な提督は紅茶を飲みながらそのように語ったが、副官に即座に紅茶を取り上げられる。

 

「戦闘中に飲まないでください。子供でも我慢を覚えるのに、閣下は紅茶に関しては小さい子供以下ですか?我慢できない大人ですか?いっそ紅茶提督とお呼びしますか?」

 

「……紅茶は英国紳士として、譲れなーー」

 

「…………何か?」

 

「……いや、うむ、戦闘後に楽しむとしよう…………と、それよりザフト艦隊の後退に合わせ艦隊を扇状に展開、ザフト艦隊を包囲殲滅す……」

 

「ザフト艦隊よりMS一機!本艦隊に突撃してきます!」

 

「命令を変こーー」.

「勝手なことをするな!!!命令はそのまま!弾幕を正面に展開!MA隊を直掩に戻せ!!!」

 

副官が咄嗟に命令を変えようとしたが、ワイアットは普段からは想像できないような怒気をこめてそれを止め、別の指示を出した。

 

「閣下⁉︎」

 

「NJ下での命令の連発は混乱を招く危険が高い、君も経験しているはずだがな…」

 

「……申し訳ありませんでした」

 

「………次は無い……」

 

結果として、MA隊が迎撃にあたり、突撃してきたMSを押しとどめたことでワイアットは難を逃れたが、追撃のために前進していた艦隊が散々にかき回され、ワイアットの第10艦隊は少なかざる損害を受けたため、追撃を諦め、大破した艦船やMAの生存者救援にシフトするのだった。

 

 

因みに、イージス、バスター、デュエルは辛うじて撤退に成功し、ブリッツはそもそも大破し既に後退済みで、生還した。

 

また、第8艦隊は戦力の6割が喪失したが、ハルバートンは生還し、艦隊の再建に掛かる、

 

損傷したシャトルはアークエンジェルが救援したが、アークエンジェルとともに、ユーラシア連邦とザフトの戦線のザフト側へと降下してしまい、新たな波乱を呼ぶこととなるのだった…。

 

 

 

 




修正の必要な箇所とかあったらどんどん感想に書いてください。

ここをこうしたらいいとかも、ただし、誹謗や中傷は無しで、

ブリッツが大破した状況

「オメガ11、エンゲ…イジェクト!!!」

「…は?…うわぁーー!!!」

「ニコル⁉︎」

て感じ?(じょうだんですよ?

あと、皆んなのトラウマ(エスコン勢)がチラッと…出ましたね。

完結も見えてきたので、今後についてアンケートを実施します。

  • destinyルートへ行く
  • 宇宙戦艦ルートへ行く
  • 連載停止中のほかの作品を続き書けや
  • 新連載しつつゆっくり続きでOK
  • 徳田くんのR18

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