機動戦士ガンダムSEED〜日本国自衛隊〜   作:名無之助

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第二次と三次? 再構築戦争でやってます。


第四十話・第四次日本海海戦

現在日本は、尖閣諸島沖を起点にして、海上自衛隊第三、第四護衛艦群合わせて24隻と各基地防備艦隊から抽出され集結した混成艦隊8隻の合わせて32隻と二個潜水艦隊16隻の合計48隻が展開し、眼前の大艦隊に対峙していた。

 

彼らが対峙しているのは東アジア共和国海軍の東海艦隊、北海艦隊、独立艦隊の三個艦隊合計86隻と更に潜水艦12隻、大型揚陸艦20隻、輸送艦40隻から成る日本侵攻艦隊である。

 

日本がこの事態に何故陥ったのかを説明するには、2日前に遡る。

 

ユーラシア連邦海軍が、スカンジナビア王国海軍を救援し大西洋連邦海軍艦隊を撃破したとの情報は日本国首脳部も直ぐに知ることとなった。

 

そして、その日本国はその情報を得た後、国内世論から日本もリクセント公国への救援を送るべきとの声が出始める。

 

しかし、それをする以前に東アジア共和国は未だ十分な戦力を本国へ残していたため、その脅威に対しても戦力を残さなければならなかった。

 

ただでさえ既にオーブに対し日本海上自衛隊最強の第一機動艦群と第一護衛艦群、第二潜水艦隊と、航宙自衛隊の一部部隊を救援に派遣してしまっている以上、それ以上戦力を減らすことは出来ないと判断された。

 

…本来なら、これで済んだはずだった。

 

問題が起きたのは、国会であった。

 

有事における国会に関する法律というものがこの日本には存在する。

 

この法律、簡単に言うと災害時や武力攻撃事案などで国会を開いている場合でないと内閣が判断し、衆参の国会議長並びに司法がそれを認めると、司法と内閣、議長のそのどちらかが(・・・・・)その認定を取り消さない限り国会を一時的に停止し、内閣が中心となり事態に当たる…というものである。

 

もっと簡単に言えば、議長と司法がOKを出している間だけ内閣によるほぼ独裁状態を認めるというものである。

 

尚、国会期間中でなくても、武力攻撃事案では自衛隊の大規模な出動は国会の承認がいるが、国会を招集する時間がない時はこの法律が役立つ。

 

日本はその法律を使い先日から国会を途中から一時停止していたのだが、国会の議長が野党からの執拗な嫌がらせに耐えられずにその認定を取り消してしまい、国会が再開してしまったのである。

 

しかも急な再開だったため、NJの影響や戦争による地元経済の影響を自ら確認しようと地元に戻っていた与党議員が多かったために与党議員の半分が欠席し、また有事への対応に追われて総理以下有事に関係する閣僚らも欠いた状態の国会において、民心党、共鳴党、民社党の三党が、現在の情勢にもかかわらずに有り得ない事をしでかしたのである。

 

『私、福島は民心党を代表し、この国を戦争の道具にし、ただ自分のプライドのためにいたずらに外国に武力を行使する自衛隊や、現在の政府を糾弾するとともに(以下聞くに耐えない酷い演説15分)内閣不信任案を、同胞たる各党と共同で提出いたします!!!』

 

これには国会も荒れた。

 

結果的には、日本維新連盟が反対したことで辛うじて否決に成功したのだが、休憩を挟み次に出された自衛隊への戦闘停止決議、行動停止決議が可決されてしまう。

 

与党議員の何名かが戻らなかった為に起きた事件である。

 

これには日本維新連盟が与党以上に荒れた。

 

特に党首がキレた。

 

『日本を滅ぼす気かテメェら!!!ふざけんなボケぇ!今がどう言う状態か分からんくらい頭の悪い連中なんかあんたらわぁ!!!』

 

『今の現状は十分理解してます!いたずらに隣国の争いに介入し、戦争を引き起こした政権を今こそ止めるべきです!これ以上この政権をのさばらせて置くと隣国も黙ってないでしょう!だから止めるのです!!!』

 

この言葉には日本維新連盟の党首の顔が更に般若に近づき、吠えた。

 

『〜〜〜こぉの…あほんだらぁ!!!キサマこそ本当の売国奴じゃボケ!!!許さんぞ○※▽◇ふじkあyumぴGY!!!』

 

激怒しすぎて後半意味不明の言語となるほど怒りくるった彼は、国会終了後帰宅の際にも怒りが収まらずに議事堂のトイレの用具室の扉を腹いせに思い切り蹴った。

 

すると中からくぐもった声が聞こえ、不審に思い開けると…縛り上げられた与党議員らが8名ほど無理やり押し込められており、これには彼も思考が真っ白になり呆然とした。

 

 

彼はこの事態を官邸に連絡して更に警察に通報。警察はことが事だけに、東京地検特捜部との極秘共同捜査を開始するのだった。

 

これが2日前の出来事である。現在は既に国会は再度中断され、内閣の判断で決議は撤回されたものの、東アジア共和国はこの混乱具合を見て日本も制圧できる可能性があると見たようで、部隊を展開してきたのである。

 

そしてそれは狙い通りとなる。

 

この混乱さえなければ、日本は空母を有する護衛艦群を更に一個展開出来たはずだったのだが、この混乱の為に出港が丸1日遅れたが為に、東アジアの部隊が侵攻してくるまでに間に合わなかったのである。

 

それでもそんな状況で空母を有する護衛艦群2つと、元から尖閣諸島方面の監視のため集めていたとはいえ、潜水艦隊を始め各基地防備艦隊から集めた混成艦隊8隻を合流させ、東アジア共和国艦隊が領海に侵入する前に睨み合いに持ち込んだ自衛艦隊司令部の驚異的頑張りは賞賛に値すると言っていいだろう。

 

だが、その頑張りにもかかわらず開戦の足音はすぐそこまで聞こえていているのだった…。

 

---

日本国 総理官邸 危機管理室

 

「現在の状況はどうなっている?」

 

「は、現在第三、第四護衛艦群の24隻と基地防備艦隊からなる混成艦隊8隻、潜水艦隊16隻が東アジア共和国海軍艦隊86隻と対峙しており、また東アジア共和国の潜水艦12隻も現場海域にいることが確認されております」

 

「…そうか…大臣たちはまだ来ないか?」

 

「……それが総理、何名かの大臣と連絡が取れません。防衛大臣と外務大臣はトラブルで遅れたものの、習志野からヘリを出したので、間も無く到着すると思われます」

 

「連絡が取れないのは誰だ?」

 

「七瀬内務大臣です。車両が故障したとの連絡を最後に連絡が取れなくなりました。護衛のSPとも連絡ができません」

 

危機管理室で報告を受けた本田総理は、表情を険しくしながら現場海域を映し出すモニターを睨みつける。

 

官房長官はその総理の傍で、官僚から受け取った必要な情報を総理に伝えていく。

 

「総理、総理の秘書の奈良君が……発見されたよ」

 

その言葉に本田総理もモニターから視線を外し、官房長官に振り返る。

 

総理の秘書官は昨日より消息不明となっており、行方を捜索中だったのだ。

 

そして、官房長官がその秘書の代わりに総理に情報を伝えていたのだ。

 

「どこでですか?彼は……」

 

「先程、死亡が確認された……拷問された形跡もあったそうだ。彼は機密情報も知っていた……総理、この事態…そして今回の奈良君の死……日本国内の工作員が何らかの行動を起こしている可能性が高い…用心するべきだ」

 

総理の言葉を遮り、官房長官が話した内容に総理は黙って頷き、口を開いた。

 

「官房長官、それは分かった。だが私はこれでビビるような男ではない。この事態を招いたあのクソ共もだが、工作員連中にもツケは払わせるつもりだよ…それはそうと、そろそろ状況も動きそうだ…幕僚長、作戦通りに頼む…武器使用制限は、敵艦隊の行動開始を持って解除し全力で叩き潰せ…」

 

「は、了解しました。陸海空の全部隊へ連絡。武器制限は敵の行動開始を持って解除、事前の作戦事項に沿って各員行動開始!第二護衛艦群はそのまま対馬海峡にて第五護衛艦群との合流まで待機、以後作戦通りとする。以後、特別な事態以外は自衛艦隊司令部が指揮をとる」

 

 

ーー

 

同時刻、東京 民心党本部前

 

其処には現在、検察庁の車両と警察車両数台が停車し、物々しい雰囲気に包まれていた。

 

ここと同様の光景が共鳴党、民社党本部前でも見られた。

 

さらに言うと、議員宿舎にも検察、警察が乗り込んでいる。

 

『えー、現在ですが、野党第一党の民心党本部を始め、共鳴党、民社党本部に対し東京地検特捜部と警視庁の共同での家宅捜索が入っており、また、野党議員の住む議員宿舎にも、同様に捜査が入っている模様です。検察庁によりますと、現在の尖閣諸島沖での緊張状態に関連した……え?……(外患誘致罪?何それ…)あ!すいません…失礼しました!外患誘致罪という罪状での捜査ということだそうです。新たな動きや詳しいことが分かり次第またお伝えします。……え、(有罪だと極刑?マジ?)……』

 

なお、テレビリポーターの小声はバッチリ音声に拾われており、ネットでネタにされるが、それはさておき、動きはすぐにあった。

 

テレビではスタジオで話題を引き継ぎ、外患誘致罪について話されていた。

 

『外患誘致罪とは何ですか?』

 

スタジオにいる専門家が解説する。

 

 

『いやー外患誘致罪ですか…外患誘致罪とは、いわば国家反逆罪のような物で、簡単に言えば外国が攻めてくるのを手助けしたり、攻めてくるように誘導したりすると適応される物です』

 

『なるほど、そんなのがあるなんて知りませんでした。この国にそんな法律があるなんて意外ですね。あ、議員宿舎の方の現場で動きがあったようです。現場の青葉さん?』

 

そして場面が変わり、議員宿舎の映像が流れる

 

『はい!青葉です!いい情報ありますよ!?さっきですが何と、民心党や民社、共鳴党の党首と幹部議員含め野党議員数十名に外患誘致罪での逮捕状が出されたとのことです!あ、民心党党首の福島さんが捜査員に連れられてきました!福島党首!今の気持ち一言お願いしまーす‼︎』

 

そして、リポーターは捜査員に制止される

 

ーー何だあんた!離れなさい!ーー近づかないで!ーーひと言だけでも!ーーダメに決まってんでしょう!?ーーケチ!ーーハゲだと!?ーーんなこと言ってないから!あ、ちょっと!待って!一言ちょうだーい!ーーおい誰がハゲだ!ーーだから言ってないよぅーー

 

すぐにそんな音声がテレビから聞こえてくるのだった。

 

ーー

尖閣諸島沖でも動きがあった。

 

現在、自衛隊の尖閣諸島に展開する艦隊の指揮は、第三護衛艦群司令がとっている。次席として第四護衛艦群司令が次席指揮官とされ、対応している。

 

第三護衛艦群旗艦 航空母艦飛鷹CIC

 

「敵艦隊の前進を確認しました!艦載機も発進開始した模様です。敵艦載機本艦隊へ向かってきます!また、敵艦隊より多数の飛翔体分離を確認、数は…300!?ミサイル攻撃と思われる!」

 

即座に艦隊司令が命令を出し、艦長が操艦指示を出す。

 

「了解した、全艦戦闘配置!対艦、対空戦闘用意!!!」

 

「迎撃は護衛艦艇に任せ、艦載機の発艦を開始したいと思いますが…よろしいですね?」

 

「ああ、第四護衛艦群にも打電、艦載機発艦開始!護衛艦艇は、全力でミサイルを迎撃せよ!目標割り当て、第三護衛艦群は左舷及び中央左側のミサイル群に対応!第四及び混成艦隊は右舷並びに中央右側のミサイル群とする!また、迎撃終了後各自の判断で敵艦隊に対しミサイル攻撃を開始せよ!」

 

 

ーー

 

第三護衛艦群 最上型防空巡洋艦 熊野 CIC

 

「艦隊旗艦より、迎撃指示…対空戦闘用意!」

 

「対空システムの起動完了!本艦隊担当の目標をこれよりα〜η群と呼称する、本艦と割り当て、α群20!イージス艦は各二群づつ対応!三隈はζ群を迎撃する。他の艦はη群の迎撃及び近接防御に回る!行動開始!」

 

「了解!対空ぅー戦闘ぉー用ぉーい!」

 

「VLS解放!ミサイル群の目標データ入力完了!」

 

 

70式艦対空誘導弾(シースパロー)発射用意よし!!」

 

全ての準備が整い、発射の号令を出す隊員は一度息を吐き、そしてまた息を吸い、号令を出す。

 

発射用ぉーい!撃てぇー!!!

 

同時に、他の友軍艦艇からも迎撃ミサイルが発射され、空母からは艦載機の発艦が開始された。

 

 

ここに第四次日本海海戦の幕が切って落とされたのである。

---

自衛隊の艦隊から放たれたミサイルの数、凡そ128発…全てが最新の70式艦対艦誘導弾であり、これは特徴として、大型航空母艦を一撃で轟沈させるほどのデタラメな威力を持つ。

 

更に、敵の迎撃ミサイルによる迎撃に対してミサイル自体が微弱なジャミング電波を出しており、迎撃ミサイルの誘導電波に干渉して迎撃困難にしている。

 

その他にも様々な迎撃対策がされている。

 

そのため世界一凶悪な対艦ミサイルとして有名であり、その凶悪な対艦ミサイルが東アジア共和国の艦隊へ牙を剥く。

 

東アジア共和国日本侵攻艦隊 旗艦 航空母艦 鎮遠

 

 

「対空迎撃急げ!あのミサイルを受けてはならん!!!」

 

「イージス艦 イ・スンシル轟沈!!!更に僚艦にミサイル命中!!!4隻が更にやられました!尚、本艦に向かってきたミサイルは軌道上に割って入った駆逐艦 李1221に直撃!李1221が消し飛びました!!!」

 

「消し飛んだだと!!…矢張り日本は侮れん!!!……日本の第一次攻撃をこれだけ迎撃できたのは奇跡だ…」

「司令官、そんな事より早く攻撃を再開しなさい…党の命令ですよ?」

 

「分かっている!!!艦載機隊へ命令!攻撃を開始せよ!!!」

 

旗艦に乗り込んでいた政治将校の言葉に苛立ちながら、初老の指揮官は命令を発する。

 

しかし、この時彼は気づいて居なかった…既に自衛隊の作戦に嵌ってしまっている事に…。

 

ーー

 

東アジア共和国の戦闘機隊が護衛艦隊へ攻撃を仕掛けようとした時、彼らは恐怖した。

 

彼らを襲ったのは、空中の一定の範囲内に無数の散弾を撒き散らす、水中発射(・・・・)された対空弾道弾であったのだ。

 

「な、なんだよこれ……っ!」

 

目の前の僚機が散弾によりバラバラに砕かれて落ちていく光景を前にして、若い操縦士は自身の直感に従い、操縦桿を引き機体を上昇させる。

 

高度五千ftまで上がったとき、彼は僚機が周りにいない事に気づいた。

 

彼以外の戦闘機隊は、攻撃を受けた後に高度を下げる判断をしていたのだ。

 

低空でミサイルをかわすつもりだったようだが、それが裏目に出てしまい、第二波攻撃をまともに受け、気づけば一発も打たないまま、200近い数を誇っていた戦闘機は半数が既に消滅してしまっていた。

 

「あ……悪夢だ………悪夢としか思えない」

 

彼はその光景に呆然としてしまうが、直後に警報が鳴り我に返る。

 

護衛艦群から発進した戦闘機隊が混乱している東アジア共和国の戦闘機部隊を強襲。彼も自衛隊機からミサイル攻撃を受け、アラートが鳴ったのだ。

 

必死に操縦桿を操作し回避を試る…しかし無情にもミサイルは彼の機体に命中、彼は咄嗟に脱出レバーを引くが、装置が作動せずに機体と運命を共にした。

 

 

海域にいる護衛艦隊の指揮を執っている第三護衛艦群旗艦 飛鷹は、東アジア共和国の戦闘機隊が壊滅するのを確認していた。

「敵戦闘機隊の壊滅を確認、ユーラシア連邦潜水艦より入電“我、これより海域を離れ任務へ戻る。貴艦らの武運を祈る”です」

 

「返信”支援に感謝する。貴艦も任務を無事遂行されることを祈る“だ。更に作戦を次の段階へと移行する。第ニ護衛艦群へ打電…作戦第一段階終了。速やかに貴艦隊も作戦行動に入られたしとな…」

 

そのやりとりの中、日本海から海中を巨大な潜水艦が離れていくのを、自衛隊だけが知っていた。

 

その潜水艦が極めて重要な任務を持って行動していることも…。

 

そして、対馬海峡に展開する第ニ護衛艦群は第五護衛艦群と合流し、第三護衛艦群からの打電を受け行動を開始するのだった。

 

 

「攻撃目標地点、朝鮮半島にある全ての飛行場並びに港湾施設…竹島の陸自がまずミサイル攻撃を敢行、それが開始の合図だ。第五はその後撃ち漏らした敵輸送船舶や艦船を撃破。我が艦隊は攻撃完了後、東アジア共和国主力艦隊撃破に向かう…以上!」

 

「了解、全艦載機発艦開始!!!」

 

「陸自竹島警備隊対地ミサイル部隊より、ミサイル攻撃を開始との連絡!」

 

「空自攻撃部隊合流ポイントまで1分!」

 

竹島より白い筋が数本朝鮮半島へと伸びていく。

 

日本政府は、朝鮮半島に主力とは別の輸送船団が集結しているのを察知していた。

 

更に東アジア共和国は日本侵攻のための主力艦隊の相手で自衛隊の警戒網が手薄となる日本本土に対し、朝鮮半島を中心に爆撃機部隊を集結させ爆撃の準備までしていた。

 

しかし、その情報は既に潜入していた内閣情報調査局の諜報員から日本政府に知らされており、それを踏まえて日本は防衛計画を作成し、主力が東アジア共和国主力への第一次攻撃を終了後に、防衛作戦の第ニ段階として朝鮮半島への攻撃を計画し、実行に移したのである。

 

結果、空自と海自から成る総勢120機の連合部隊による空爆が行われ、朝鮮半島の東アジア共和国空軍の迎撃部隊があっさり蹴散らされた上に、港湾施設、空港、ミサイル基地が、自衛隊の燃料気化爆弾や、地中貫通爆弾による攻撃で壊滅し、輸送船団も行動不能となり、朝鮮半島は事実上無力化され、第ニ護衛艦群と第五護衛艦群は第ニ段階完了を第三護衛艦群へ打電し、合流のため行動を始める。

 

だが、東アジア共和国艦隊も黙ってはいない。

 

第三護衛艦群に対し、東アジア共和国艦隊は対艦ミサイルの波状攻撃を開始したのだ。

 

何度となく対艦ミサイルが飛来するが、自衛隊は迎撃に成功していた。

自衛隊も負けじと何度も対艦ミサイルを発射し、何隻かの撃沈に成功してはいたが、数の差は歴然であり、苦戦を強いられる。

 

さらに、敵のミサイルを無限に迎撃できるわけでもなく、数の差もあり護衛艦群は徐々に押されてきていた。

 

旗艦 飛鷹のCICのオペレーターにも疲れが見え始める。

 

「奴ら弾切れを知らないのか!?いい加減こっちも迎撃ミサイルの残弾が足りなく成るぞ!」

 

「第8波の対艦ミサイル群発射を感知!!!数は30、混成艦隊へ向かう!混成艦隊の迎撃ミサイル発射を確認……え?」

 

「どうした!?」

 

「混成艦隊の迎撃ミサイルが足りません!本艦隊からも迎撃ミサイルが発射!弾着まで10秒!……命中確認、されど10発が混成艦隊へ向かう!」

 

「敵戦闘機隊の別働隊が接近してきます。現在直掩機が迎撃中!敵機ミサイル発射、目標は本艦と思われる!!!」

 

 

 

「取舵一杯!チャフ散布、CIWS、AAWオート!!!」

 

ミサイル迎撃は間に合わないと判断して艦長が即座に指示を出す。

 

乗員たちはそれに答え素早く対応し、ミサイルは直撃の寸前に爆発し迎撃に成功する。

 

 

「敵ミサイル迎撃に成功!」

 

「司令!混成艦隊の駆逐艦 守風、平波及び沢霧にミサイル着弾!!!総員退艦が命じられた模様!!!」

 

ここで初めて損害を出した事に、指揮をとる第三護衛艦群司令は歯噛みする。

 

 

「……くそ…全艦倍にしてお返ししてやれ!!!対艦ミサイル発射始め!!!」

 

「70式艦対艦誘導弾、撃ち方始め!サルボー!!!」

 

放たれた対艦ミサイル群は80発、大半が迎撃されるが、それでも4隻の東アジア共和国の艦艇を血祭りにあげた。

 

そして対艦ミサイルはここで弾薬が欠乏。ここで第三護衛艦群司令は近接砲撃戦に移行すると決断し、全艦に指令を出す。

 

航空母艦と数隻の護衛艦以外の艦艇が敵艦隊へ向かっていく。

 

現代において、艦艇同士の殴り合いが開始されようとしていた。

 

海自潜水艦隊は海上でのミサイルの撃ち合いとは違い、静かに敵潜水艦の背後を付け回していた。

 

「…奴ら全然気付きませんね……」

 

「当たり前だ…全艦位置についたか?」

 

「はい…連中が可哀想に成りますね……」

 

「敵に同情してどうする?全く……海上の護衛艦群に仕掛けようと動いた時点で攻撃開始だ…いいな?」

 

「了解」

 

彼らはじっと息をひそめる。

 

東アジア共和国の潜水艦 藩101は、そんな彼らに狙われていることも知らずに海上の護衛艦群に対し攻撃を仕掛けようとしていた。

 

「…連中は空母を放置して砲撃戦に向かうのか…日本の空母を沈めるまたとないチャンスだ…全艦魚雷戦用意…」

 

「艦長!後方よりスクリュー音感知!魚雷です!!!」

 

「まだ撃ってないだろう!?」

 

「違います!我々のではな……っ!?」

 

「な、何じゃゴリァァ!!!」

 

 

艦長の間抜けな声をかき消すように藩101を凄まじい衝撃が襲い、艦内に海水がなだれ込む。

 

自衛隊の潜水艦隊が行ったたった一回の魚雷の一斉攻撃で、東アジア共和国潜水艦隊は葬られた。

 

海上でも戦いは佳境を迎える。

 

「砲撃戦の指揮は熊野艦長が取る!全艦最大戦速!左砲戦用意、撃ち方始め!!!」

 

「敵艦隊も砲撃を開始、命中なし!」

 

「味方戦闘機隊、敵直掩機と戦闘開始した模様!潜水艦隊より、敵潜水艦隊壊滅との報告!」

 

「分かった。それと第四護衛艦群へ打電。敵艦隊右翼へ回り込み、右翼側の敵航空母艦を集中的に攻撃されたしと伝えろ!」

 

「了解!」

 

「艦長!駆逐艦 嵐、乱菊、林に敵砲弾命中!速力低下と林は砲撃不能に陥った模様!」

 

「その三隻を直ぐに後退させろ!本土からの航空隊はどうなっている?」

 

「護衛艦群所属の部隊が、攻撃完了後に第二波として到着する予定です。ですので間も無く到着するかと…」

 

「よし、なら敵イージスに対して集中放火をあびせろ!」

 

「はっ!!!」

 

護衛艦群と東アジア共和国艦隊との砲撃戦は苛烈であった。

 

護衛艦群は東アジア共和国のイージス艦に目標を絞り、攻撃を敢行。集中的に狙われた東アジア共和国のイージス艦は、一隻、また一隻と沈んでいく。

 

護衛艦群の艦載機も東アジアの残存の直掩機を振り払い、対艦ミサイルを東アジア共和国艦隊へと発射し、多数を撃破する。

 

「司令!またやられました!イージス艦 欄021轟沈!駆逐艦 ムン・ジョインが巡洋艦 漢城に衝突し中破!漢城は衝突の影響でレーダー損傷!」

 

「損害が三割を超えてきたな……敵本土からも航空隊が迫ってきてるはずだ……もう無理だな」

 

「まさか司令は撤退するとは言わないですよね?」

 

「…いや、撤退する。これ以上は無理だ……最初から日本に戦争を仕掛ける時点で無謀だったんだよ」

 

「…許さんぞ!党の命令は絶対だ、貴様から指揮権を剥奪する!全艦日本艦隊に対し突撃だ!!!」

 

「…日本本土より多数の航空機の接近を探知!我が航空隊は壊滅状態です!」

 

「ええい、なぜ負けるのだ!なぜ!」

 

「あんたが航空隊は旗艦の防空を優先させて、攻撃は控えろとか言ってたからだろうが…」

 

「な、何を…貴様や兵士が無能なせいで、私に責任をなすりつけるつもりか!?粛清してや……っ!!!」

 

政治将校が銃を抜くより先に、司令が彼の眉間を撃つのが早かった。

 

 

「全艦退却!!!これ以上は勝ち目はない!!!」

 

東アジア共和国艦隊はこうして退却を決断。日本本土より飛来した航空隊によりさらに何隻かを撃沈された上、潜水艦隊による攻撃で揚陸艦も多数を失っての敗北となり、自衛隊は勝利を掴むことができた。

 

東アジア共和国艦隊の不幸はそれだけではない。深夜になってからだが、対馬から尖閣へ移動していた第ニ護衛艦群が進路を変えて、彼らが退却した軍港まで追撃してきたのだ。

 

第ニ護衛艦群は戦闘機隊による燃料気化爆弾の投下で港湾を破壊し、艦船も更に破壊した後、東アジア共和国の迎撃部隊に補足される前に迅速に撤退。東アジア共和国は太平洋側の艦隊戦力の壊滅という取り返しのつかない損害を追うのだった…。

 

第四次日本海海戦 戦闘結果

 

護衛艦群 (第三、第四、混成艦隊)

 

空母2隻 健在

 

巡洋艦4隻 1隻中破

 

イージス駆逐艦4隻 1隻大破 2隻中破

 

駆逐艦20隻 5隻撃沈 2隻大破 1隻中破

 

潜水艦16隻 健在

 

艦載機 72機 18機撃墜

 

本土航空隊 36機 8機撃墜

 

ーー

 

東アジア共和国艦隊

 

空母 4隻 2隻撃沈 1隻大破

 

巡洋艦 24隻 3隻大破 2隻中破 2隻撃沈

 

駆逐艦 58隻 12隻中破 5隻大破 6隻撃沈

 

潜水艦12隻 全滅

 

揚陸艦 (輸送艦と大型含め)60隻 18隻中破ないし大破 8隻撃沈

 

艦載機 310 機 192機撃墜

 




ちょっと中途半端かもですが、ここで切ります…すいません。

最近、私生活で色々有りまして……少し病んでます。

癒しが欲しい…飼い犬と遊んでも足りない…もっと癒しが欲しい……

それと、引っ越しと転職を考えてまして、落ち着いたら更新頻度とかもう少しマシになるかもしれません。



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