機動戦士ガンダムSEED〜日本国自衛隊〜   作:名無之助

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第五十話・東アジア決戦

 東アジア共和国領空を飛行する空自航空部隊、爆撃装備で飛行中のこの部隊が、自衛隊による東アジア共和国攻撃の先陣を切ることとなる。

 

 『こちら空中管制機ブルースカイ、空域の全攻撃部隊へ告げる。ニイタカヤマノボレ0614。繰り返す、ニイタカヤマノボレ0614。作戦を開始せよ』

 

 空中管制機からの通信を受けた攻撃隊は、即座に所定の行動を開始した。

 

 「アンタレス01より各機、聞いていたな?これより攻撃を開始する!攻撃対象、東アジア共和国ミサイル基地並びに軍港、迎撃ミサイルを有する対空陣地、および国防本部、レーダー施設。ただし民間施設への攻撃は許可しない。全機攻撃開始!」

 

 『『ラジャ!!』』

 

 アンタレス隊が最初に新型の空対地誘導爆弾を投下、それに続くように後続部隊も同様に割り振られた目標に対して誘導爆弾を投下していく。

 

 それらの爆弾は的確に目標目掛けて落下していく…この時点で東アジア共和国軍の防空司令部が異変に気付いたが時すでに遅く、東アジア共和国の重要な戦略拠点や首都周辺、日本海側の海岸線付近の基地、軍港が完全に無力化され、首都にある国防本部までもが壊滅。この国防本部壊滅は東アジア共和国政府や国民に致命的なまでの衝撃を与える。

 

 だが、自衛隊の攻撃はこれだけでは終わらなかった。

 

 日本の各所に展開を完了した陸上自衛隊長距離ミサイル戦群による弾道弾攻撃である。

 

 この長距離ミサイル戦群はこの戦争が開戦した後で新たに発足した部隊であるが、その装備の破壊力は自衛隊随一である。

 

 このミサイル戦群は自衛隊初の弾道弾を使用する部隊として発足した部隊で、使用する弾道弾は核弾頭では無く、東京ドーム十個分を一撃で更地にできる新型の燃料気化爆弾を搭載したものと、20階建の高層ビルを一撃で粉砕できる爆発力を持ち、岩盤を突き破ってその破壊力を解放する試作型の地中貫通爆弾を弾頭に組み込んだ弾道弾の二種類を運用する。

 

 数は未だ少なく、全部隊で合わせても10発程の弾道弾しか保有できていなかったが、この作戦で使用可能な全ての弾道弾が使用されることとなる。

 

 「作戦司令部より入電。作戦の第一次段階完了。作戦の第二次段階、弾道弾攻撃の下令を確認いたしました」

 

 「分かった、全長距離ミサイル戦部隊、弾道弾攻撃開始!!!攻撃目標東アジア共和国空軍司令部、および海軍司令部、陸軍司令部、および軍事工廠、各方面軍司令部を優先目標として入力。そのほか空港施設等を目標とし攻撃始め!」

 

 「了解、弾道弾発射準備完了、発射10秒前…カウント開始!9・8・7……3・2・1発射!!!弾道弾発射成功しました」

 

 日本本土各地に展開していた長距離ミサイル戦群が発射した弾道弾はいく筋の線となり、東アジア共和国へと向かっていく。

 

 そして、数十分とたたずに東アジア共和国軍の主な主要軍事施設は崩壊した。

 

 また、それは同時に各戦線に致命打を与え、ユーラシア連邦軍の侵攻部隊や赤道連合の侵攻部隊を辛うじて迎撃できていた各防衛線の指揮系統が消滅し、各戦線は蹂躙された。

 

 しかし、首都近郊は通信設備も軒並み特戦群が作戦に先駆けて破壊工作を仕掛けており、そのため事態の把握が出来ないという事態となる。

 

 大混乱の中にある東アジア共和国中枢だが、ただ一つだけまともに組織だって行動している部隊がいた。

 

 東アジア共和国陸軍首都防衛連隊である。

 

 彼らは、首都防衛師団が国防本部もろとも消え去った中にあって、郊外に展開していたため無事出会った。

 

 指揮を取る李大佐はこれまで何度も日本による反抗作戦の可能性を指摘していたが、上層部は日本は守るのは恐ろしく強く、もはや悪魔的とも言えるが、攻めるのは弱いので、陸軍国である我が国に攻勢に出ることなどあるはずが無いと彼の指摘を一蹴していた。

 

 そのツケが今のこの状況であるのだが、文句を言おうにもその上層部が消え失せているので、もうどうしようもない。

 

 李大佐は現時点において東アジア共和国陸軍の首都防衛に付いている部隊の中で最上位階級となっていた。

 

 李大佐は日本の攻撃がこれだけなはずがないと確信めいた予感に従い、指揮下にある部隊に警戒の指示を出し、自ら陣頭指揮を取った。

 

 そしてついにその時が訪れる。

 

 彼は上空から聞こえてきた音に上空を見上げた。

 

 そこには無数の落下傘が今まさに首都へと降り立とうとしているのが見え、李大佐は自らの職務をこなす為に傍にいた…いや、居たはずの通信兵に命令を各部隊へ伝える為に声をかけるが、反応が返ってこない。

 

 不審に思い視線を向けた瞬間、彼の意識も消失した。

 

 絶命した李大佐の周辺にいる生きている人間は、首を切り裂かれたり、眉間に穴を開けて倒れている東アジア共和国陸軍の無数の兵士達を見下ろしながら無線で話す黒ずくめの男達だけとなって居た。

 

 それから程なくして、東アジア共和国は降伏を宣言するに至るのであった。

 

 

 自衛隊の攻撃が開始された直後、宇宙でも決戦が行われようとして居た。

 

 

 東アジア共和国宇宙艦隊は自衛隊の動きを察知し、全艦隊を緊急発進させ、迎撃しようとした。

 

 後に月軌道会戦と呼ばれる戦いが始まろうとして居たのである。

 

 最初に戦端を開いたのは、第一航宙打撃艦隊を中心とする航宙自衛隊の連合艦隊からの砲撃であった。

 

 その攻撃は第一航宙打撃艦隊と第一航宙艦隊旗艦が搭載する艦首砲によるもので、威力は桁違いであり、東アジア共和国宇宙艦隊は半数がこの砲撃により消滅、そこに追い討ちを掛けるように自衛隊のMS部隊が東アジア共和国宇宙艦隊に牙を向いた。

 

 「ディアボル1エンゲージ!!!」

 

 ディアボル1はかつて部下を失った経験から、もう部下を失うまいと決意し、今まで部下と共に訓練に没頭してきた。

 

 その成果を示すように、彼と彼の部下達は見事な連携で東アジア共和国のMS部隊をまるで赤子の様に翻弄し蹂躙していく。

 

 そんな中で東アジア共和国宇宙艦隊も黙ってやられる訳にはいかないと決死の抵抗を試みる。

 

 その状況下に置いて、自衛隊の艦隊にも被害が出る。

 

 激戦の中、第一航宙打撃艦隊の戦艦、山城が艦橋と機関部、弾薬庫に直撃弾を受け轟沈。更に2隻の巡洋艦が撃沈される。

 

 第二航宙打撃艦隊が右翼から東アジア共和国宇宙艦隊の側面にMS部隊を展開して横撃を喰らわせ、第一航宙艦隊が左翼側から猛烈な砲火を浴びせ圧力をくわえる。

 

 そんな中で中央の第一航宙打撃艦隊が徐々に後退を始めたことで、東アジア共和国宇宙艦隊はそれに引き込まれるように前進してしまう。

 

 もちろん東アジア共和国宇宙艦隊も馬鹿ではない…しかし、なんらかの罠を疑って下がろうとすれば、第一航宙打撃艦隊の旗艦が搭載する超兵器による攻撃を受ける可能性がある。

 

 そのため何としても旗艦だけは沈めなければならないという、半ば脅迫観念に駆られたように追撃を掛けるが、彼らはこの時点で気づいた。

 

 自分たちが完全に包囲されてしまった事に。

 

 ディアボル1はそんな状況にある敵艦隊に哀れみを感じたが、手を抜く事はなかった。

 

 「あの大物をいただく!!!」

 

 ディアボル1の機体には新開発の対艦用ビームランチャーが右肩に背負うような形で搭載されて居た。

 

 それを発射するため、砲口を敵大型艦に向けるように砲身を展開する。

 

 「ハイゾルランチャー…シュート!!!」

 

 その一撃で大型艦…アガメムノン級は轟沈した。

 

 その直後に東アジア共和国宇宙艦隊の動きから統制がなくなり大混乱となる。

 

 それを逃さずに航宙自衛隊連合艦隊が東アジア共和国宇宙艦隊に対し、突撃するような形で攻勢に出た。

 

 その結果、東アジア共和国宇宙艦隊は壊滅し、残存艦艇は降伏した。

 

 その後、東アジア共和国宇宙軍本部月面基地も降伏した。

 

 この降伏により、万が一降伏を拒否した場合にと準備して居たコロニー群[織姫]付近の宙域にて準備されて居た特殊装備を使う必要がなくなった事に、その展開作業を支援して居た徳田新ら第三独立戦隊や関係する自衛隊員たちはほっと胸を撫で下ろしたのであった。

 

 

 宇宙での戦いの直後、東アジア共和国が降伏を宣言したが、リクセント公国に侵攻した海上部隊や陸上部隊はそれに従うこと無く戦闘を続けて居た。

 

 リクセント公国防衛隊は一時前線を押し上げたが代償は大きく、今や全部隊を合わせても一個師団に満たない戦力でしかない。

 

 それでも持ち堪えているのは、東アジア共和国リクセント侵攻部隊が内部で分裂し、同士討ちまで始めており、更にスカンジナビア王国軍が後方から攻撃を加えてくれているからであった。

 

 しかし、それでも状況は良いとは言えない。

 

 リクセント公国航空防衛隊は、今やカーヴェイ・ラウ大佐隷下の飛行教導団…それも僅か4機。それに、首都防空飛行隊の残存部隊であるガルーダ隊二機。白銀の天使と異名を取ったエクセレン少尉は攻勢に出た際に撃墜されて負傷し治療中であるため、今はこの六機の戦闘機がリクセント公国航空戦力の全てとなる。

 

 その状況下に置いて、今まさにリクセント公国防衛隊に対し攻撃を加えようと迫る大規模な爆撃機部隊が、リクセント公国陸上防衛隊に爆弾を落とそうとしたまさにその時、空が爆ぜた。

 

 『こちらユーラシア海軍特殊潜水母艦シンファクシ、これよりリクセント公国防衛隊の援護を開始する』

 

 

 『こちらユーラシア連邦海軍艦隊、東アジア共和国海軍艦隊は我が軍のシンファクシ級二番艦リムファクシが片付けた。機雷原も抜けたため、これより支援を開始する!!!』

 

 この通信にリクセント公国防衛隊は湧いた。

 

 

 増援を受けたリクセント公国は反転攻勢に出ることを決断し、スカンジナビア王国軍が後方から東アジア共和国リクセント侵攻軍へと攻勢に出るのに合わせて攻撃を開始。

 

 

 この侵攻軍との戦いは1週間もの間続き、最終的に海上自衛隊統合任務艦隊の増援によりリクセント侵攻部隊がトドメを刺される形で全ての東アジア共和国に対する作戦が完了した。

 

 これにて、東アジア共和国は歴史から姿を消すこととなった。

 

 

 ーー

 中立国家連合条約機構 損害

 

 凡ムスリム会議

 

 国防陸軍…戦力の八割消失で壊滅

 

 国防海軍…全滅

 

 国防空軍…輸送機一機を残し壊滅

 

 国防宇宙軍…損害なし(脅威なしと判断され無視された)

 

 ーー

 

 リクセント公国

 

 陸上防衛隊…戦力の七割喪失で事実上の壊滅

 

 海上防衛隊…日本に居た練習艦一隻を残して文字通り全滅

 

 航空防衛隊…戦闘機六機と管制機一機を残し壊滅

 

 航宙防衛隊…東アジア共和国宇宙軍と交戦、巡洋艦三隻、警備艇四隻を残し壊滅

 

 ーー

 

 スカンジナビア王国

 

 王国陸軍…リクセント派遣軍14万のうち、三割を喪失し壊滅判定となるが、全戦力から見たら一割の損害

 

 王国海軍… 空母マックス・マヌスを始め主力洋上艦隊の事実上の壊滅

 

 王国空軍…リクセント支援作戦にて二割の戦闘機を喪失

 

 王国宇宙軍…ニッシン級巡洋艦二隻と警備艇数隻を残し壊滅(ニッシン級は二隻とも大破、なぜ生還しているというレベルの損害を受けていた)

 

 

 ーー

 

 赤道連合

 

 陸軍…全体の一割を喪失

 

 海軍…潜水艦隊の二割喪失

 

 空軍…戦闘機部隊の三割が未帰還となり壊滅判定

 

 宇宙軍…損害なし(そもそもそこまで規模がない)

 

 ーー

 

 オーブ連合首長国

 

 国防陸軍…戦力の四割が壊滅

 

 国防海軍…全艦艇戦力の五割撃沈ないし行動不能。

 

 国防空軍…作戦機の四割を喪失

 

 国防宇宙軍…イズモ級一隻が撃沈(テロリストに乗っ取られたため)

 

 ーー

 

 ユーラシア連邦

 

 陸軍…作戦投入戦力の二割喪失、陸上戦艦二隻大破

 

 海軍…駆逐艦四隻撃沈

 

 空軍…投入戦力の一五%喪失

 

 宇宙軍…損害なし

 

 ーー

 

 日本

 

 陸上自衛隊…オーブ戦、リクセント戦合わせて投入戦力の一割を喪失

 

 海上自衛隊…オーブ戦、リクセント戦、第四次日本海海戦合わせて護衛艦六隻撃沈

 

 航空自衛隊…作戦投入戦力のうち、四機未帰還

 

 航宙自衛隊…戦艦二隻撃沈、巡洋艦二隻撃沈三隻大破、駆逐艦四隻撃沈二隻大破、MS部隊、全体の一割喪失

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 リクセント公国を助けようと各国は人知れず戦って居たようです。

 
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