機動戦士ガンダムSEED〜日本国自衛隊〜   作:名無之助

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最終話・地球の興廃この一戦にあり・3

 核の比では無い眩い閃光が戦場を照らした。

 それは、ジェネシスへの直接攻撃を担う2つのMA部隊、【リヒトホーフェン】【ムルーク】そしてそれを護衛するMS隊である【日本国自衛隊特殊戦技教導隊アサルト】とMAでありながら多数のMSを血祭りにあげてきた精鋭である【ユーラシア連邦第101独立航宙戦闘隊グリフィス】【ユーラシア連邦第102独立航宙戦闘隊黄色中隊】らの特別攻撃部隊の攻撃が成功したものであると、連合艦隊司令部は一時、そう判断し各部隊に伝達しようとした。

 

 しかし、次の瞬間にはそれが間違いであることを連合艦隊司令部は、ジェネシス方面に出現した大型機動兵器によるジェネシスとは異なる、陽電子砲に類似する、しかし威力がそれとは大幅に異なる大出力兵器による掃射という現実の前に、突きつけられる。

 

 先ほどの閃光は、特別攻撃隊が発射した12発の特殊弾頭弾がこの機動兵器により迎撃され、そのエネルギーが科学融合し大規模な閃光を発生させたのである。

 

 これにより発射したムルーク隊、リヒトホーフェン隊も半数以上がそのエネルギーの奔流に巻き込まれ消滅する大損害を受ける。

 

 ただ、この攻撃の影響により、ジェネシスの再発射までの時間を数分だが稼ぐことに成功する。

 

 

 そして、攻撃隊の彼らは進撃をやめなかった。

 

 特殊弾頭を装備するリヒトホーフェン、ムルーク両隊併せて残存機数僅か6機、そして、それを守り、その活路を切り開かんと吶喊する名だたるエース部隊……その彼らの眼前に立ちふさがったのは、1機の巨大MSとそれの周囲に展開するプロト02とは別種の、ザフト側の認識では”無人機”とされる未確認のMS4機、ラウ・ル・クルーゼが駆るフリーダムガンダムであった。

 

 ===

 

 機体のコクピットの中でクルーゼは傍らにいる巨大機を見て鼻を鳴らす。

 

 「フ……哀れなものだな、あのような状態でかつて守るはずだったものに牙をむく存在になり果てるとは……いや、これも人の業かね?」

 

 まるで自嘲するようにそう呟いた彼の視線の先にいる巨大機、本来であれば、のちの時代に、ザフトではなく地球軍として現れたはずのソレを思わせる、しかし決定的に違うそのMSのコクピットには、カプセルに収められ、悼ましい存在と化した“生体ユニット”が納められていた。

 

 

 人間の上半身から上が納められたカプセル内からは微かに声が漏れている。

 

 「つぶす……いやだ……守る……プチプチハハハ……ツブス……ツブス……コワス」

 

 そう呟くその存在は、四肢を失い機器に接続されかつての面影もない哀れな存在であった。

 

 クルーゼや一部の者以外は誰も認知していない、周りに展開する数機の機体も同様の存在であり、自由意志、尊厳、肉体を奪われた悼ましい兵器群が、破滅の兵器を守る最後の砦として連合軍のジェネシス攻撃部隊にその牙をむいた。

 

 

 ===

 

 戦闘はまさに激闘であった。

 

 『アサルト1より全機!これより吶喊してMA隊の活路を開く‼ユーラシア及び大西洋連邦の部隊も共同してもらいたい!』

 

 『『了解!!』』

 

 そして、アサルト1 南部響介が先陣を切り突撃を仕掛ける。

 

 そこに立ちふさがったのはクルーゼであった。

 

 『ここでアレをやらせるのは少々不味いのでね』

 

 そう言いながらクルーゼは南部機に攻撃を仕掛ける。

 

 そこに横合いから徳田の機体から射出されたスラッシュリッパーがクルーゼを襲うが、瞬時に見切り回避、迎撃されてしまう。

 

 その一連の動きを合図として他の敵も攻撃隊に襲い掛かる。

 

 

 その敵機の運動性は異常であった。

 

 凡そ人間が耐えられる動きではないその機敏さに、精鋭であるグリフィス、黄色中隊が食らいつくも瞬く間に両隊の隊長を残し部隊は壊滅、しかしそれでも4機中2機を落としている点を考えると、隊長機以外の隊員たちもまさしく最精鋭の名に恥じない力量であったと言える。

 

 そしてリヒトホーフェン、ムルーク両隊残存機は、再度の特殊弾頭弾による攻撃を試みるため、護衛部隊がつくった一瞬の隙をついて全機最大加速で突破を図る。

 

 無論、敵はそれを阻止しようと動く、クルーゼもそうである。

 

 しかし、クルーゼの直感が働く。

 

 機体に急制動をかけさらに反転し急上昇する。

 

 先ほどまでクルーゼがいた空間を巨大なビームが通り過ぎていく。

 

 『いささか、まずいかもしれんな』

 

 クルーゼのつぶやきは出れにも聞こえることはなかった。

 

 

 そのビームは巨大機から放たれたものであり、その巨大機は、無差別にビーム砲を乱射、突破を図っていたリヒトホーフェン、ムルーク両隊も狙われさらに2機を消失、しかし彼らは突破を中断することなく加速する。

 

 『リヒトホーフェン1より各機へ最大加速にて発射地点到着まで20秒!援護を頼む‼』

 

 再度の発射地点、それはリヒトホーフェン、ムルーク両隊が最初に攻撃を敢行した地点からさらにジェネシスに接近し、至近距離といっても良い地点である。

 

 『こちらアサルト4加藤!援護する!』

 

 『同じく山本!私も行きます!』

 

 この2機に続くように特殊戦技教導隊のさらに数機が彼らの援護につく。

 

 そして、この突破部隊に追いすがろうとする“無人機”2機をグリフィス、黄色の13の両機が巧みな回避術とカウンターを駆使し足止めする。

 

 クルーゼはその状況に歯噛みしながらハイマットフルバーストを行い突破を阻止しようとするが、その瞬間

 

 『やらせてたまるかよ!』

 

 そう叫びながらビームサーベルを抜き吶喊してきた徳田に気を取られ、回避する。

 

 回避する間際に直感が働き、機体を直感に従い急加速する。

 

 『外したか……』

 

 響介は徳田の吶喊でクルーゼが回避機動を行った瞬間を狙いビームライフルを撃ったが、急加速で回避されたことに舌打ちをした。

 

 そしてクルーゼが反撃しようとしたところでコクピットに警告音が鳴る。

 

 それと同時にフリーダムの周囲からビームが発射される。

 

 直感が働き回避しようとするが、回避した先にさらにビームが降り注ぎ両足が吹き飛ばされる。

 

 

 『何!?』

 

 それがクルーゼの最期の言葉となった。

 

 クルーゼの体制が崩れた瞬間、混乱しつつもチャンスととらえた徳田がビームの隙間を縫い突進、フリーダムのコクピットにサーベルを突き立てたのである。

 

 そこに、1機もMSが現れる。

 

 ヒトデのようなシルエットを背負うその機体から通信が入る。

 

 『私は、君たちの味方をさせてもらうことになった、クワトロ・バジーナというものだ。すぐに信用はできないだろうが援護させていただく』そう言いつつ、その機体は、いまだ無差別に砲撃を続ける巨大機に向かっていく。

 

 一瞬あっけにとられた響介と徳田もハッと我に返るとその後を追う。

 

 

 この戦場にて、巨大機の出現は既に第三独立戦隊も把握しており、戦隊も最大船速で前線を強行突破を図り、飛龍が突破に成功、リヒトホーフェン、ムルーク両隊に向かっていこうとするソレを確認すると、すぐに主砲を斉射するが巨大機はその砲撃をシールドを展開し防ぎきってしまう。

 

 さらに巨大機はリヒトホーフェン、ムルーク両隊への追撃をやめず、特殊戦技教導隊の複数機による妨害も限界に達しつつあった。

 

 だが、そんなことにリヒトホーフェン、ムルーク両隊は気にかけることなく、自らの職務を果たすため、最後のカウントを開始する。

 

 『リヒトホーフェン1、特殊弾頭発射まで10秒!』

 

 そう宣言するリヒトホーフェンの後ろで特殊戦技教導隊のMSが1機、MA隊の盾になるように巨大機が放ったミサイルに直撃し爆散する。

 

 さらに1機弾頭弾搭載機が撃破される。

 

 もう一機が撃墜されたところで黄色の13がMA隊に追いつく。

 

 『あと5秒!』

 

 さらに1機の搭載機がエンジンに被弾、推力が下がるのを自覚したその機体のパイロットはリヒトホーフェン1へ向かうミサイルに自ら被弾しその盾となる。

 

 そしてもう一発がリヒトホーフェンにあたる寸前

 

 『やらせるかよ!』

 

 そう叫びながらリヒトホーフェンを守りさらに1機が被弾する。

 

 『加藤さん!?きゃあ!?』

 

 それに気を取られた山本機も被弾、大破してしまう。

 

 さらにビームを放とうとする巨人機に対し戦線を突破しつつあったいくつかの艦が気が付いたのか飛龍を筆頭に砲撃をするが巨人機はそれらに反応しシールドで防いでしまい効果を上げられない。

 

 

 

 

 『やらせるものか!!!』

 

 

 再度攻撃する巨人機へ南部機、徳田機、クワトロ機が

 

 巨人機へ吶喊

 

 『どんな装甲だろうが貫く!!!』

 

 南部機がガトリング砲に被弾しながらも吶喊しシールドの隙間を縫うように懐に入るとビームサーベルを巨人機のメインカメラに突き立てる。

 

 『3秒!!!』

 

 『落ちろぉ!!!』

 

 そこに徳田機がその瞬間を逃さずビームライフルを連射しさらなるダメージを与える。

 

 それでもなお動く巨人機へすかさずオールレンジからクワトロ機がさらなる攻撃を加え完全に破壊した。

 

 『2秒!』

 

 だが、爆炎の中から1発のレールガンが発射されてしまう。

 

 『やらせん‼』

 

 最もリヒトホーフェンの至近にいた黄色の13が射線に割り込むが、レールガンはわずかにズレながらも貫通しリヒトホーフェンも被弾する。

 

 しかし、被弾しながらもリヒトホーフェンはカウントする。

 

 

 

 

 

 『1秒だ』

 

 

 

 

 火花が散り炎に包まれながらも1発の特殊弾頭弾がリヒトホーフェン1から発射される。

 

 

 それは吸い寄せられるようにジェネシスに食い込み、オレンジの大きな花弁を咲かせ、破滅の兵器が崩壊するその姿を彩る。

 

 

 『へ……きれいじゃ……ねえかよ……』

 

 

 リヒトホーフェン1はその光景を目に焼き付けながら瞼を閉じる。

 リヒトホーフェン1はジェネシス崩壊を見届け、そのまま火花が散るのと同時に空に散ったのだった。

 

 

 その直後戦域に放送が流れる。

 

 ≪戦域にいるザフト全軍、及び地球軍に申し入れます!私はプラント最高評議会議長、パトリック・ザラの子、アスラン・ザラ、父であるプラント最高評議会議長、パトリック・ザラは拘束しました。現在、プラントは臨時最高評議会において、地球軍との停戦に向け準備を開始しております、それに伴い、現宙域におけるすべての戦闘行為の停止を地球軍に申し入れます!≫

 

 

 この放送がなされた時、長く、そして暗い戦争はようやく終戦を迎える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宇宙要塞メサイア

 

 「ふぇふぇ、アウラ女帝、わしの作ったこのMS、この数を用立てたのじゃ、約束は違えんでくれよ」

 

 Y字眉毛の老人が画面越しに話しかけている相手は不敵に笑う。

 

 『心配はいらんのじゃ、プランが完成の暁にはさらに色を付けてやろうとも』

 

 

 戦乱の種はいまだに残っている。

 

 

 しかし、人類は備えるだけの時間を得ることができた。

 

 真の平和を目指す人々の戦いは始まったばかりである……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当に長らくお待たせしました。これにてseedは完結です。

続編はいつにするか未定です。

もう一つ、seedの二次やってるのとオリジナルのを完結させたいので当分先かな、あと学園黙示録の二次創作もアンケートやったきりなので早くやりたいし、来月中にはエピローグとか投稿予定です。

本当に長くお付き合いいただきありがとうございました。

できればオリジナルの方、地球連邦戦記というタイトルで連載してるので、そちらもよろしくお願いします。

続編開始までの繋ぎとして短編ssを考案中、どれ読みたいですか?

  • BLEACHオリ主
  • 学園黙示録オリ主
  • 青つなぎの伝説のホモが色んな原作を破壊
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