東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 短編もついに十話目…♪


 『東方紫藍談』を読んでいただいてくれている方が増えてきていると実感しております…本当にありがとうございます!


 今回はほのぼの…です!


 それでは始まります♪




《第10談》八雲紫の冬眠には博麗の愛を

 

 

 

 【ゆかりん…冬眠します(泣)】

 

 

 

 

 

 《マヨヒガ、一月一日、縁側》

 

 

 

八雲紫「じゃあね…藍」

 

 

八雲藍「はい、後の事はお任せ下さい」

 

 

 

 スキマを空中に展開させ、上半身だけスキマから出している八雲紫が八雲藍に話し掛けている

 

 

 

紫「橙…ゆかりん、2ヶ月ぐらい居なくなっちゃうけど本当に大丈夫かしら」

 

 

藍「大丈夫ですよ、昨日お別れ会した時に納得していたのは紫様ですよ? 何より寺子屋の友達もいますしこの私がいるじゃないですか」

 

 

紫「ご乱心がさぁ…」

 

 

藍「うっ…! だ、大丈夫ですよ! 乱心したりはしませんから!」

 

 

紫「はぁぁ…ちょー不安…不安の極みなんだけど」

 

 

藍「少しは信用してくださいよ…」

 

 

紫「ガスの元栓は?」

 

 

藍「閉めた…というか閉まってます、そんな『これからお出掛け~♪』な感じじゃないんですから閉まってますよ、それに私が家に居るんですから心配ないじゃないですか」

 

 

紫「窓は? 戸締まりは?」

 

 

藍「いや…ですから私が」

 

 

紫「はっ!? 幽々子が私が居ないー! と寂しがらないように、プレゼントとして取っておいたお食事券五万円分渡したかしら!?」

 

 

藍「渡しましたよ、というかその場に居ましたよね紫様」

 

 

紫「レミリアにカリスマが上がるだろうと取っておいた遮光性百%のサングラス」

 

 

藍「渡しました」

 

 

紫「アリスに安眠出来るようにと作った魔理沙の笑顔プリントのYES、NO枕は?」

 

 

藍「何故作ったのか分かりかねましたが一応渡しておきました」

 

 

紫「永遠亭の永琳の為に作った小型ヤゴコロインチキ爆弾は!?」

 

 

藍「わた…して良いものか分かりかねましたが、一応渡しました」

 

 

紫「あぁ…えーっとそれからそれから…」

 

 

藍(うーむ…また始まったかぁ…)

 

 

藍(我が主、八雲紫は幻想郷の中でも珍しい冬眠をする妖怪である)

 

 

藍(寒い冬を越すため、幻想郷を維持する為に覆っている結界を乱さない様にパワーを溜めるためと色々あるのだ…新年の挨拶を皆に済ませたあと一月一日の午後から三月一日の午後までの間、紫様は自分の作ったスキマ空間で冬眠をする)

 

 

藍(するのだが…)

 

 

紫「あれ…!? 私ゆうかりんにお鼻畑とか言って鼻の模型の奴が沢山くっついた向日葵あげたっけ…? 守矢の三神に『無敵要塞ユカランの設計図』渡したっけ…? 神綺ちゃんに髪の毛が引っ張られても大丈夫な様に『ヘアーガタクマシクナール』あげたっけ…? もこたんに『モコモコウール』あげたっけ…? さとりに『カフェインたっぷりのコーヒー』あげたっけ…? 秦こころに『ヤバイタイプの奴に遭遇したときの表情』あげたっけ…!? あぁ、あと萃香に酒のつまみにとフルーツの盛り合わせ二ヶ月分を…」ブツブツ

 

 

紫「二ヶ月分の霊夢への仕送りと…二ヶ月分の私の食料、遊び道具は用意した…あれ…!? したわよね!? あぁもう一回確認しないと!」ワタワタ

 

 

 

藍(何故か冬眠前の前日から心配性と物あげが酷くなる…)

 

 

 

藍(まず物あげだが…『私が二ヶ月の間冬眠で居なくなるからこれを渡します、だから私の事を忘れないでください』これが理由である)

 

 

藍(いやいや忘れる訳がないでしょう…幻想郷の住人は絶対に忘れないですって、あなたに会ったことのある者ならば忘れたくても忘れられませんよ)

 

 

藍(この事について私がツッコんだら『二ヶ月の間にゆかりんが何者かに差し替えられたらどうすんのよ! この九尾がぁ!』の一言で一蹴された事があった)

 

 

藍(えぇ…しか言葉が出なかった)

 

 

藍(普段なら『私の事を忘れるわけないでしょう?』と紫様なら自己判断出来る筈なのだが冬眠前の『極力、能力を使いたくない』と何か関係があるらしい…もし、紫様が判断力を使いたくないと言い出したら私は耳を疑う、判断力は妖力ではなく頭を使えば誰でも出来るからだ)

 

 

藍(私にそこまで思わせる程の豹変振り)

 

 

紫「ある…! 藍! 必ず霊夢に二ヶ月分の仕送り金渡しておきなさいよ!? あぁとこれは渡してあるから…そうだわ、にとりと雛に前の礼を兼ねてこれを渡しておきましょう! 後は…あぁ冬眠用の飯…ミスティアの特製弁当六十人前と藍の作ったご飯…インスタント食品も持っていかないと…!」

 

 

藍(後は心配性)

 

 

藍(夏休みに遊びに集中して寺子屋が始まる前日に宿題を片付けるチルノの如くあたふたし出す…物あげと被るところがあるが自分自信の事にまでその心配が及んでいる)

 

 

藍(紫様は正直、何に使うのかよく分からないものまでスキマ空間に持っていき冬眠する…その準備は一週間ぐらい前からしていて必要な物は全て前日に揃うのだが再確認を怠らない)

 

 

藍(怠らないのは良いことだがもう何百回としているのにまだやりますか…)

 

 

紫「あ、これも持っていきましょう…これもこれも…あ、後これも」

 

 

藍(もう…もうね…)

 

 

藍(えぇもうツッコミどころ満載です、寝てるのにインスタントどうやって食べるんだとか、食いすぎだろとか遊び道具持っていってるってことは寝てないんじゃないかとか上げたらキリが無い)

 

 

藍(オマケにこの紫様の冬眠物あげの期を狙い、魔理沙や天子たちが物をねだりに来る始末…! 紫様、この時期の彼女たちは最早物取りのそれですよ)

 

 

紫「よし! よし出来たぁ! これで完成ね♪ フカフカお布団も掛け布団もセット完了! …あれ、もう何も忘れて無いわよね…?」

 

 

藍(喜怒哀楽も激しいな…うん)

 

 

藍「…大丈夫ですよ紫様、スキマ空間に私も入って確認してるんですから」

 

 

紫「はぁ!? あなた勝手に入ったの!?」

 

 

藍「あなたが私に入って確認してって言ったじゃないですか!」

 

 

紫「うぇえ!? そ、そうだっけ!? 私…そんなこと…」

 

 

藍「言いましたよさっき、ほんの二時間ぐらい前に」

 

 

紫「……言ったわ」

 

 

藍「……大丈夫ですか?」

 

 

紫「ヤバイわ…記憶が曖昧になってきたわ、冬眠前っていつもこう」

 

 

藍「…また確認したいとか言わないでくださいよ?」

 

 

紫「……確認し」

 

 

藍「ダメ」

 

 

紫「う…」

 

 

藍「ダメ」

 

 

紫「…」ジトッ

 

 

藍「…」

 

 

藍「そんな目で見られてもダメです」

 

 

紫「なんかあなた今日冷たくない?」

 

 

藍「そう…ですか?」

 

 

紫「ふっ…あれか? 早く冬眠してくださいってか? 厄介払いか? ああん?」

 

 

藍「そ、そんなこと思ってるわけがないじゃないですか!」

 

 

藍(不貞腐れた…)

 

 

紫「てかさ、ダメダメダメダメって…そんなこと言われるともっと確認したくなるんだけど」

 

 

藍「ダメ…でなくてもう確認し過ぎたんですから大丈夫なんですよ、安心してお休みになれる環境はもう整ってるんです」

 

 

紫「確認し過ぎたって何よ…本当に大丈夫なの?」

 

 

藍「はい、渡せる物は私が責任を持って全て幻想郷の住人たちに渡しておきますし、紫様のスキマ空間での寝床の整理も完璧です」

 

 

紫「…」

 

 

藍「紫様、ですからもう安心してお休みになれられても大丈夫なんですよ」

 

 

紫「…うん」

 

 

藍(湿っぽくなった…)

 

 

紫「そう…そうなのよね…うん」

 

 

藍「はい…」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…じゃあ、後は」

 

 

藍「そうですね、後は…」

 

 

 

 ピンポーン♪

 

 

 

藍「あ、ちょうど来たみたいですね、迎えに行ってきます」スッ

 

 

 スタスタ

 

 

紫「霊夢…」

 

 

 

 

 《マヨヒガ、玄関》

 

 

 

藍「やぁ、来てくれたか…って」

 

 

博麗霊夢「ん? あぁ、こいつら? 行きたい行きたいってうるさいから連れて来ちゃったんだけど」

 

 

霧雨魔理沙「うるさいってなんだよ…よう! この魔理沙さんが来てやったぜ」

 

 

伊吹萃香「連れないこと言うなよぉ霊夢、よっ♪ 藍、紫の冬眠久し振りに見に来てやったぞ」

 

 

藍「萃香は良いとして、魔理沙…」

 

 

魔理沙「も、もうねだったりしないぜ」

 

 

霊夢「あんた完全に物取りよね、冬眠前の紫から物ねだるのは」

 

 

魔理沙「だってよ、くれって言ったら何でもくれるからさ」

 

 

萃香「くれって言わなくてもくれるけどねぇ♪」

 

 

霊夢「なんか…あの性格になるのは発作みたいよね」

 

 

藍「発作か…的を得ているかもな」

 

 

魔理沙「毎年毎年こうだもんな」

 

 

霊夢「もう慣れちゃったから別に良いけどね」

 

 

藍「足労感謝するよ、さぁ上がってくれ、紫様がお待ちだ」

 

 

魔理沙「おう、邪魔するぜー♪」

 

 

萃香「そういえばマヨヒガも久し振りにくるねぇ」

 

 

霊夢「…藍、ちょっと」

 

 

藍「?」

 

 

霊夢「やっぱ…言わなくちゃダメ?」

 

 

藍「う~ん…ダメだろうな」

 

 

霊夢「はぁ…あれさぁ、なんかねぇ…」

 

 

藍「気持ちは分かるが頼むよ、紫様の為にも」

 

 

霊夢「分かってるわよ…」

 

 

霊夢(魔理沙を連れて来たのは…やっぱりダメだったかしら)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《マヨヒガ、縁側》

 

 

 

紫「! 霊夢!?」

 

 

魔理沙「残念、魔理沙さんだぜ」

 

 

萃香「同じく萃香さんだよ♪」

 

 

紫「魔理沙、萃香…?」

 

 

萃香「紫、久し振りに見送りに来たよ」

 

 

紫「萃香…」

 

 

萃香「あはは、相変わらず冬眠前はまごまごしている感じかい?」

 

 

紫「む~、笑い事じゃないのよ? 私だってしたくてしてるわけじゃないんだからね?」

 

 

萃香「分かってるよ、でも本当にいつもの紫じゃないみたいだよねぇ」

 

 

紫「す~い~か~? おちょくりに来たのか見送りに来たのかどっちなのよ~」スッ

 

 

萃香「わひゃ!? く、口を引っひゃんなよ~♪」

 

 

紫「相変わらず毎日楽しそうにしやがるわね…あ、ほっぺすっごく柔らかい」

 

 

萃香「よく言われるねぇ♪ あっはっは♪」

 

 

萃香「あ、紫、フルーツあんがとね、あれ酒のつまみに合うんだよねぇ」

 

 

紫「え? あ、うん、どうも」

 

 

魔理沙(ついでにみたいに言ったな、おい)

 

 

紫「魔理沙、あなたは?」

 

 

魔理沙「ん? あぁ、私は」

 

 

紫「あ、まさかあれだけじゃ足りなかった!?」

 

 

魔理沙「! そうなんだよ紫ぃ♪ 地獄の古代図書館だっけ? そこから魔導書をあと五冊ぐらい」

 

 

霊夢「ふん!」スッ

 

 

 

 ゴチン!

 

 

 

魔理沙「あいたっ!」

 

 

霊夢「アホかっ! 二十冊も貰っといてまだ足りんのかい」

 

 

魔理沙「いってて…げ、ゲンコツはないだろう霊夢ぅ!」

 

 

霊夢「集りすぎだっての、少しは自分で集めなさいって」

 

 

魔理沙「うん? あ~、紅魔館から借りてこいってか」

 

 

霊夢「借りる…?」

 

 

魔理沙「おう死ぬまでな、あっはっは♪」

 

 

萃香「いつも思うけど借りてないよねぇ」

 

 

藍「本好きなら辞書で引いてみるといいぞ、『借りる』をな」

 

 

魔理沙「私の辞書でか?」

 

 

藍「本の辞書でだ!」

 

 

魔理沙「あっはっはっは♪ ま、それは冗談としてだ」

 

 

魔理沙「冬眠前の見送りってのがどんなもんなのか見に来たんだ、本くれた礼も兼ねてな」

 

 

紫「! そ、そうなの」

 

 

紫「萃香、魔理沙…ありがと…」

 

 

魔理沙(本当にいつもの紫じゃないな…やけに大人しいぜ)

 

 

紫「霊夢…」

 

 

霊夢「! 紫…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

萃香「んぐっんぐっ…ぷはぁー♪ うぃ~っ…」

 

 

藍「…」

 

 

魔理沙(…ん? 何だよこの間は…)

 

 

魔理沙(そういや霊夢もこんときは紫みたいにいつもの感じじゃなくなるんだよな…なんつーか紫の味方をすることが多くなるっつーか、しおらしくなるっつーか)

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

魔理沙(私の気のせいか?)

 

 

紫「…霊夢、よく来てくれたわね」

 

 

霊夢「別に…毎年の事だし」

 

 

紫「うん…あ、新年会の準備はどう?」

 

 

霊夢「順調よ、アリスとか咲夜とか手伝ってくれてるし、今年は地底の奴らも家の神社に来てんのよ? さとりとか勇儀も来てるわ」

 

 

紫「そうなんだ…今年も楽しそうね」

 

 

霊夢「まぁね…今年も何時もの様に代わり映えなく始まるわ」

 

 

紫「ふふっ、それが幻想郷だもの」

 

 

霊夢「そうね、それが幻想郷だもんね」

 

 

霊夢「あんたは…いつも新年会欠席よね」

 

 

紫「しょうがないわ…冬眠は私にとって外せないイベントの一つだもの…」

 

 

霊夢「そう…よね」

 

 

紫「えぇ…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

萃香「んぐっんぐっ…ひっく…うぃ~」

 

 

藍「…」

 

 

魔理沙(え…? マジか…? えっ…こ、こんな感じでいつも毎年見送りしてんのか?)

 

 

魔理沙(普通に会話してるだけなのになんでこう…なんかモヤモヤするもんがあるんだが…私だけか?)

 

 

萃香「んぐっ、ヒック♪」

 

 

魔理沙(藍は知ってるだろうし、萃香は何も考えてないとして…私のこのモヤモヤはなんだ?)

 

 

魔理沙(霊夢の態度か? それとも場の雰囲気か? な、なんか)

 

 

魔理沙(居づれぇ…)

 

 

霊夢「あんたこそ…準備はどうなの?」

 

 

紫「もう終わったわ、準備は完璧よ…後は寝に入るだけなの」

 

 

霊夢「そ…けどあんたの事だからまたあたふたしたりしてたんでしょ?」

 

 

紫「うっ…ま、まぁ」

 

 

霊夢「あたふたする理由がね」

 

 

紫「だ、だってぇ…」

 

 

霊夢「藍がやってくれてるし、あんただって事前に準備してんのにまだ確認するんかい」

 

 

紫「だってぇ…だってね? 藍が余計な物をスキマに入れてたりしないか~とか心配で…」

 

 

藍「なっ!? 私のせい!?」

 

 

萃香「余計なもん?」

 

 

紫「油揚げ一年分とか」

 

 

藍「入れるかぁ!」

 

 

魔理沙「二ヶ月間だろうがよ、一年分とか拷問じゃないか」

 

 

紫「やりかねないもん」

 

 

藍「やるわけあるかぁ!」

 

 

萃香「あっはははは♪」

 

 

霊夢「はぁ…」

 

 

紫「日頃の怨みだくらえっ! でしょ!」

 

 

藍「バカ言わないでくださいよ! そんなことしたら油揚げたちに申し訳ないです! 食されずに腐っていく油揚げの気持ちを考えたらそんなこと出来ませんよ!」

 

 

紫「何よ! 私と油揚げどっちが大事なのよ!」

 

 

藍「どっちもですよ!」

 

 

紫「へぇへぇ、どうもありがとうございましたねぇこのバカちんがぁ!」

 

 

霊夢「感謝してんのか、怒ってんのか」

 

 

魔理沙「正直どっちが大切か、みたいな質問されんの一番困るよな」

 

 

萃香「そうかい?」

 

 

魔理沙「酒と霊夢どっちが大切だ?」

 

 

萃香「どっちも! どっちも好き!」

 

 

魔理沙「流石鬼だ、なんともないぜ」

 

 

霊夢「…///」

 

 

魔理沙「霊夢、顔赤いぜ」ニヤニヤ

 

 

霊夢「!? あ、赤くない!」

 

 

萃香「すぐに顔に出るのは霊夢の良いとこだよねぇ♪」ニヤニヤ

 

 

霊夢「は、はぁ!?」

 

 

魔理沙、萃香「あっはっは!」

 

 

霊夢「あ、あんたたちねぇ…!」

 

 

 

藍、紫「…」

 

 

藍「紫様」

 

 

紫「…えぇ」

 

 

紫(楽しそうねいつもいつも、あなたたちは本当に…)

 

 

紫「ふふっ…♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《そして…》

 

 

 

萃香「寂しくなるねぇ…紫、二ヶ月後は最初に博麗神社で会おうよ、今年はサシでどっかに飲みに行こう♪」

 

 

紫「えぇ、楽しみにしてるわ」

 

 

魔理沙「ま、二ヶ月なんてあっという間だしな、忘れた頃にいきなりスキマから出てくんだろ」

 

 

紫「ふっ、なら夜中にあなたの枕元にいきなり出てやろうかしら」

 

 

魔理沙「いっ!? か、勘弁してくれよ…」

 

 

紫「ふふっ」

 

 

藍「紫様、あなたに頼まれたことと結界の維持等はお任せください、一つのミスもなくこなしてみせます」

 

 

紫「頼んだわ、藍、いつもありがとう」

 

 

藍「何を仰いますやら…」

 

 

紫「ふふっ…」

 

 

藍「お休みなさいませ、紫様」

 

 

萃香「お休み、紫」

 

 

魔理沙「…! お、お休みだ、紫」

 

 

紫「お休み…藍、萃香、魔理沙…」

 

 

霊夢「…」

 

 

魔理沙「…? おい霊夢、どうしむぐっ!?」スッ

 

 

藍「シッ…」

 

 

魔理沙「…? …」

 

 

萃香「…」

 

 

魔理沙(な、なんなんだよ…)

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「ゆ、紫…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「え…っと……」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢(恥ずかしさもある…けど…)

 

 

霊夢(…紫)

 

 

霊夢「…」スーハー

 

 

霊夢「紫」

 

 

紫「…!」

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「あなたの愛した幻想郷はいつまでもここにあり続けます、私たち幻想郷の全ての民も幻想郷を愛し、またいつまでもここにずっといて、あなたと共にあり続けます」

 

 

霊夢「幻想郷はいつまでも大丈夫です」

 

 

霊夢「だから…」

 

 

霊夢「安心してお休みなさい……紫」

 

 

 

 

 

紫「……」

 

 

紫「…」ニコッ

 

 

 紫は切なく微笑んだ後…

 

 

紫「お休みなさい… 霊夢」スッ

 

 

 ギュオン!

 

 

 スキマの中に静かに消えていった…

 

 

 

霊夢「…」

 

 

藍「…」

 

 

萃香「…」

 

 

魔理沙「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

藍「霊夢…大丈夫か?」

 

 

霊夢「な、何が…? 別にいつものことだから…」スッ

 

 

霊夢「……私、先帰ってるわ…神社の事が心配だし」フワフワ

 

 

藍「あぁ、気を付けてな」

 

 

霊夢「えぇ…」スッ

 

 

 

 霊夢はそう言うと博麗神社に飛んでいってしまった

 

 

 

萃香「なぁ、藍は新年会くるだろ?」

 

 

藍「そのつもりだ、ハメを外さない程度に楽しませてもらうよ、少し家の掃除をしたらな」

 

 

萃香「おうおう♪ なら私たちも帰ろうかねぇ、行こう魔理沙」

 

 

魔理沙「…」

 

 

萃香「? 魔理沙?」

 

 

魔理沙「少し聞いていいか?」

 

 

藍「…あぁ」

 

 

魔理沙「私は初めて紫の冬眠の見送りに来た、だからこんな感じで見送るなんて全然思ってなかった、すぐにバイバイするもんだと思ってたからな」

 

 

魔理沙「霊夢が紫に対して言ったあの伝統的? なあのセリフみたいなの…あれ毎年言ってんのか?」

 

 

藍「あぁ、毎年霊夢に言ってもらってるな」

 

 

萃香「霊夢ってか博麗の巫女に、だよねぇ」

 

 

魔理沙「? 博麗の巫女?」

 

 

萃香「毎年紫が冬眠するのは確定事項…そしてあのセリフを言われるのも確定事項なのさ」

 

 

藍「霊夢の前の先代の巫女も、その先代の先代も同じ様なセリフを言ってもらっているんだよ」

 

 

魔理沙「理由とか…あんのか?」

 

 

萃香「さぁねぇ、何代目の博麗の巫女が言い出したんだかも覚えてないしねぇ」

 

 

藍「理由、あるとしても単純な事だ」

 

 

魔理沙「?」

 

 

藍「ただただ…安心して眠りたいからだよ」

 

 

魔理沙「…ふ~ん、そっか」

 

 

萃香「別に深い意味なんてないよ…あ、でもさ、去年とセリフ変わってたよねぇ」

 

 

魔理沙「え? そうなのか?」

 

 

藍「そうだな、今回は霊夢っぽくなかったな」

 

 

魔理沙「あん? っぽいとかあんのかよ」

 

 

萃香「紫を安心させればいいだけの話だしねぇ♪」

 

 

魔理沙「前はなんて言ったんだ?」

 

 

萃香「本人に聞けば良いじゃないか」

 

 

魔理沙「……ぜってぇ教えてくれないな」

 

 

萃香「ははは♪ だろうねぇ♪ 霊夢は恥ずかしがり屋さんだからねぇ」

 

 

魔理沙「気になるぜ…」

 

 

萃香「そんなことより魔理沙、さっさと帰ろうよ、酒が私たちを待ってるよ♪ じゃあ後でね藍」

 

 

藍「あぁ」

 

 

魔理沙「おう…」

 

 

魔理沙(ヤバイ…めちゃくちゃ気になるぜ…)

 

 

藍「…」

 

 

 

藍(お休みなさいませ、紫様)

 

 

 

 

 

 

 

 《幻想郷、上空》

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢(またね、紫…♪)

 

 

 

 

 

 

 

 《スキマ空間》

 

 

 

紫「…」

 

 

紫「…」ニコッ

 

 

紫「…」

 

 

紫「 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お休みなさい…私の愛した幻想郷…

 

 

 

 

 

 

 

 

 おしまい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【オマケ】

 

 

 

 《夢の世界》

 

 

 

ドレミー・スイート「あの」

 

 

紫「何よ」

 

 

ドレミー「いや何よ、じゃなくてですね」

 

 

紫「…! 何ですか?」

 

 

ドレミー「いえ、言い方の問題じゃないんですよ」

 

 

紫「はぁ?」

 

 

ドレミー「紫さんあなた冬眠中でしょう、なんでここにいるんですか」

 

 

紫「何でって…」

 

 

ドレミー「…」

 

 

紫「冬眠してるからなのだ♪」

 

 

ドレミー「だったらここにいるのはおかしい」

 

 

紫「いや、よく考えてみなさいよ?」

 

 

紫「ここは夢の世界…寝ていて夢を見ている物しか立ち入ることの出来ない禁断の地」

 

 

ドレミー「その夢の世界を管理してる私と話している時点で夢も何も見てないですよね?」

 

 

紫「ドレドレうっさいわねぇ、ほら、ミスティアの特製弁当わけてあげるからそういうツッコミは無しよ」

 

 

ドレミー「ドレドレって…はぁ…」

 

 

紫「いらないの?」モグモグ

 

 

ドレミー「いただきます…」

 

 

 

 

 

紫「てか毎年ここ来てるじゃない」

 

 

ドレミー「いつもここに一人で居るから慣れないんですよ、なんと言いますか…自分の体内に異物が混入したみたいで」

 

 

紫「じゃあ慣れるわよ、ゆかりん善玉菌」

 

 

ドレミー「……あ、悪玉菌が飛んでますよ」

 

 

紫「あんにゃろう! ゆかりん善玉ビーム! ビビビビ!」

 

 

ドレミー「ぎゃあ! 悪玉~…」

 

 

紫「悪玉退散♪」

 

 

紫「…」

 

 

ドレミー「…」

 

 

ドレミー「楽しいですか?」

 

 

紫「ううん、つまんない」

 

 

 

 

 

紫「肉体と脳は眠っていても精神は暇なのよ」モグモグ

 

 

ドレミー「精神も休ませましょうよ」モグモグ

 

 

紫「だから精神だけこっちに送ってバカンスしてるんじゃない、熊の冬眠じゃあるまいし」モグモグ

 

 

ドレミー「ホントただ者でないですよね」モグモグ

 

 

紫「だってゆかりん善玉」

 

 

ドレミー「それはもういいです」

 

 

紫「うい」

 

 

 

 

 

 

 

ドレミー「食べ物とかどうやってこっちに持ってきてるんです?」

 

 

紫「寝る、精神体に分離、スキマ広げる、持ってくる」

 

 

ドレミー「精神体でも能力使えるんですね」

 

 

紫「まぁね」

 

 

ドレミー「精神体が食事してる件についてはどうなんですか」

 

 

紫「ん~、これは元に戻った時に私の体に還元されるから別に気にしなくていいのよ」

 

 

ドレミー「説明になってないです」

 

 

紫「…ゆかりん善玉」

 

 

ドレミー「やめて」

 

 

紫「うい」

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「さぁってと、皆の初夢でも覗きましょうかねぇ♪」

 

 

ドレミー「またですか?」

 

 

紫「毎年一緒に見てるじゃない」

 

 

ドレミー「まぁ…はい」

 

 

紫「面白かったわ、去年のMVPは物部布都の『そうであろう! なぁそうであろうよなぁ!』だったわね」

 

 

ドレミー「カオスでしたねぇ」

 

 

紫「ね、今年のMVPは誰かしら♪」

 

 

ドレミー「…紫さん、これって仕事ですか?」

 

 

紫「?」

 

 

ドレミー「皆が悪夢に襲われてないか見守ってるとか」

 

 

紫「…さぁ、どうかしらねぇ♪」

 

 

ドレミー「縁の下の力持ちとか言われません?」

 

 

紫「そんなこと言ってくれるのあなただけよ…」

 

 

ドレミー「…なんかすいません」

 

 

紫「謝んないで、空しくなるから」

 

 

ドレミー「はい…」

 

 

紫「ほら夢の管理者さん、早く夢の扉を開けなさい」

 

 

ドレミー「は~い♪ いきますよっ…と」

 

 

紫「さてさて♪ 皆の初夢見ていこー♪」

 

 

 

 

 

 本当におしまい!

 

 

 

 

 

 






 以下、補足になります。



 博麗の巫女が冬眠前の紫に言うセリフは決まってません、ただ本当に紫を安心させればそれでいいのです。

 霊夢は魔理沙が居た手前、恥ずかしがってしまったんだと思います。

 萃香と藍はその事を知っているので『今年はこんな感じかぁ』程度に思ってます。 

 魔理沙が初めてだということを霊夢が知っていた事もあのセリフが霊夢の口から出た原因の一つです。

 それと紫が居るのが日常でそれが心地好いと思っている(無自覚ですが)霊夢は二ヶ月の間、仕方がないとは言え紫が居なくなるのをあまり好ましく思ってないのでしょう。 

 『そのセリフを私が言ったら紫は冬眠して二ヶ月は居なくなってしまう、そんなの嫌だ』…とか思っているのかも…


 それではここまで読んでいただいてありがとうございました! お疲れ様でした!


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