明けましておめでとうございます 今年はよろしくお願いします…!
内容は少しだけシリアス寄り、でもホッコリ話です。
新年一発目は『東方紫藍談』での天空璋キャラのお披露目、紫と隠岐奈のお話です。
四コマ風なのでサクサク読めると思います。
あうん、隠岐奈、舞、里乃は登場済みですが残りの三人は初登場! 最後のおまけで一人紹介するのでそちらまでお楽しみ下さい。
それでは始まります!
【摩多羅 隠岐奈 降臨!】
今日は12月31日、大晦日。
あるものは新年の宴、あるものは家族で新年を迎えるために、あるものは宴に参加して酒を飲みたいがために。
幻想郷の住人達は新しい年を迎えるための準備で大忙し。
……の筈が
《マヨヒガ》
爾子田 里乃「やんや~♪」クルクル
丁礼田 舞「やんやー♪」クルクル
八雲 紫「…」
八雲 藍「…」
舞と里乃はマヨヒガにある屋敷の中庭に突如として出現した扉の前で何とも形容しがたい不思議な踊りを踊っている。
里乃「まったらー♪」クルリン
舞「まったら~♪」クルリン
紫、藍「……」
里乃「茗荷みょうみょうー♪」
舞「笹っと竹竹~♪」
里乃「摩多羅ー♪」
舞「隠岐奈様の~♪」
里乃、舞「おな~り~♪」スッ
ガチャッ…! ギィィ…!
バタン!
摩多羅隠岐奈「あーっはっはっはー♪」バァン
隠岐奈「摩多羅隠岐奈これにあり! 紫ぃ! 私の方から直々に来てやったぞ! お前の住処を覆っている結界を破るのは容易いが私の能力を持ってすればこうしてすり抜ける事も可能だ! …ふっ、少し危機感を持ったらどうだ? こんな弱い結界に守られている様では幻想郷の賢者として示しがつかんぞ? …あ、それより今日は博麗神社で新年の宴が」
紫「藍、年越し蕎麦はやっぱりたぬ」
藍「きつねぇー!!」クワッ
紫「!?」ビクッ
藍「たぬきなんて認めないっ! きつねが正義だと何度言ったら分かるんですか!」
紫「はぁ!? まっ…またぁ…? 去年も一昨年もきつね蕎麦だったじゃない! 毎年毎年何度も何度も口論してこっちが妥協してきたけど今度こそは私に従いなさいよ!?」
藍「そんなの関係ないんですよ紫様、あのですね? 冷静に考えれば分かるじゃないですか、たぬき蕎麦なんて物はこの世に存在しないんです、たぬきうどんもありません」
紫「…えっ…? は?」
藍「天かす? 揚げ玉? 知りませんよそんなの、こちとら油あげですよ? 甘煮で凄く美味しいんです、最強なんですよ最強」
紫「いや、あのさぁ…あなたチルノみたいな事言ってるけど根本的に…ねぇ? 油物の時点でどっちも同じみたいな物じゃない」
藍「じゃあきつね蕎麦で良いじゃないですか」
紫「私はたぬき蕎麦が食べたいの!」
藍「だから存在しない物をどうやって食べるんですか?」
紫「…!?」
藍「食べましょう? きつね蕎麦♪」ニッコリ
紫「あ、あなた…油揚げの食べ過ぎでとうとう頭が」
隠岐奈「うおぉぉい!!」
紫、藍「……」チラッ
隠岐奈「無視をするな! 来てやったと言っているんだ!」
紫、藍「…」スッ
紫「あぁ、やっと終わったの?」
隠岐奈「何?」
紫「あなたの長ったらしい茶番劇よ、毎回毎回出てくる度にやってさぁ…待ってるこっちの身にもなりなさいっての、里乃と舞を何十分踊らせてるのよ」
隠岐奈「長ったらしいだと? これは摩多羅神の為の伝統な儀式の一つだと昔に説明しただろう、里乃と舞は私への儀式を完璧にこなしただけだ、文句を言うほど呆けているのか?」
紫「あなたの方が年上じゃない…ゆかりんそんな年食ってないわぁ、ボケてもないわぁ」
隠岐奈「年齢の話は今してないだろうが!」
藍「ん''ん''っ…お久しぶりですね隠岐奈殿、こちらで少しゆっくりされるんですか?」
隠岐奈「ん? あぁ、そうだな…少しだけな」
紫「…」ジトッ
隠岐奈「露骨に嫌そうな顔をするな」
藍「では茶を…お前たちの分も用意するよ」スッ
里乃「あ、ありがとうございます」
舞「いただきま~す♪」
紫「…で? 何しに来たの?」
隠岐奈「お前に用事があるから来た」
紫「その用事を言いなさいよ今すぐに、こちとら冬眠しようとしてたのにあなたのお陰でめちゃくちゃに予定が狂ってるんだから」
隠岐奈「今回は茶でも飲みながらゆっくり話すのが定石だ、なに、大したことじゃない♪」
紫「…大したこと以外の用事であなたここに来ないじゃない」
隠岐奈「当たり前だ、大したことはお前が処理する…違うか?」
紫「はいはい、分かってるわよ」
舞「僕こういうお屋敷に住みたいなぁ…♪」
里乃「後戸の国も良いところだけど、まぁ気持ちは分かるかな」
隠岐奈「…」
紫「屋敷の一つぐらい作ってあげたら?」
隠岐奈「つ、作る暇が無いからな、はははっ…!」
紫(やる気の問題ね、これ)
【賢者悶着】
隠岐奈「あぁそうだ…用事の話をする前にお前に少し話しておきたい事があるんだが」
紫「あら♪ 奇遇ねぇ、私もあるのよあなたに話しておきたい事」
紫、隠岐奈「…」
紫、隠岐奈「お先にどう…!」スッ
紫、隠岐奈「…」
紫、隠岐奈「……♪」ニッコリ
舞「こういう時って場の空気がピリピリするよね」ヒソヒソ
里乃「そういう事は言わないの」ヒソヒソ
紫「じゃあ…私から話すわね♪ 別に深い意味も無い話だし」
隠岐奈「そうか、手短にな」
紫「そうするわ、ねぇ隠岐奈、あなたさ」
隠岐奈「何だ?」
紫「幻想郷の賢者としての誇りは捨てたの?」
隠岐奈「…」
隠岐奈「何ぃ!?」
紫「四季異変だっけ? あなたが元凶なんでしょあの異変…あれさぁ、幻想郷の賢者が異変を起こすってだけでも大問題なのはあなた分かっててやったの?」
紫「チルノが日焼けしたのは面白かったし、あなたの扉の神力と季節の魔力を霊夢と魔理沙に使わせるってのは良いことだとは思ったわよ? 二人には経験になったでしょうしね、文は…まぁ取材も兼ねてるのかしらね、まぁそれは置いといて」
紫「賢者が異変の元凶…ありえないからねマジで」
隠岐奈「違う! …いや、元凶の部分は違わないがちゃんとした理由の元で異変を起こしたのだ私は!」
紫「どうせ目立つためでしょ?」
隠岐奈「それもある」
紫「うわぁでたでた、神様特有の目立ちたがり…」
隠岐奈「それはお前に言われたくないなぁ!?」
紫「何ですって!?」
隠岐奈「少し黙れ! 話を戻させろ! …いいか? 他にも理由が二つあるのだよ」
紫「何よ!」
隠岐奈「幻想郷の賢者としての誇りを捨てたのと聞いたなぁ…!? それはこちらの台詞なのだよバカ者が! お前は幻想郷の賢者としての立場を鑑みろ!」
紫「……はぁ!?」
隠岐奈「外の世界の人間、そして一人の月の民が発端となったオカルト異変をきっかけに幻想郷を覆う結界が不安定になりすぎたのだ、外の世界への裂け目は出来るわ、月の狭間に博麗の巫女たちが取り残されそうになるわ…終いには疫病神と貧乏神の姉妹に付け入られ、夢の世界までむちゃくちゃになった」
紫「っ…! それは…」
隠岐奈「…」
紫「…事態は終息したわ、良い方向に向かってる」
隠岐奈「そうだな…だがお前の干渉がもう少し早ければ事態はもっと早くに収まったはずだ」
紫「幻想郷の異変解決は博麗の巫女…霊夢の仕事よ」
隠岐奈「知恵ぐらい貸してやれただろう」
紫「……そうかもね…でも女苑と紫苑の能力の仕組みを理解するのに時間がかかったのよ」
隠岐奈「言い訳だな」
紫「……そうね」
紫、隠岐奈「……」
紫「あなた…もしかしてわざと?」
隠岐奈「そうだ『お前は最近、賢者として弛んでいる』と私が遠回しに言うために異変を起こした、博麗の巫女たちに試練の扉まで用意させてな」
紫「…直接言いに来なさいよ」
隠岐奈「そうしたら他の二つの目的が達成出来ん」
紫「用意が良いことで」
隠岐奈「私は秘神だぞ? 秘かに作戦は練るのは得意なんだ」
紫「……悪かったわね、不甲斐ない幻想郷の管理人さんで」
隠岐奈「そこまでは言ってないが、分かれば良い」
紫、隠岐奈「……」
紫「…後もう一つは? 何なの?」
隠岐奈「あぁ、それなんだが…」
隠岐奈「後任…二人の後任を探していたんだ」
里乃、舞「!!」
紫「後任…?」
里乃、舞「……」
隠岐奈「そろそろ里乃と舞を休ませてやろうと思ってな、何十…いや、何百年と私の手足となってくれた、もう良いだろうと思い、精神力と生命力に満ち溢れた者を探していたのだ」
紫「……」チラッ
里乃、舞「! ……」
里乃と舞は顔を伏せている。
紫「…はぁ」
隠岐奈「ん?」
紫「それならそうと早く言いなさいよ…って言おうとしたけどやめるわ」
隠岐奈「…?」
紫「あなた後ろ戸に籠ってばかりいるから人間の気持ちが分からないのよ、もっと人に接しなさい」
隠岐奈「何? 里乃と舞はもう人間では」
紫「元人間でしょう?」
隠岐奈「…」
紫「二人に今までの感謝の気持ちがあるなら、本当に後任を探したかったら二人の気持ちも考えなさいよ、あなたはこの二人と後継者の事についてじっくり話したことあるの?」
隠岐奈「!」
里乃、舞「!!」
紫「…?」
隠岐奈「……」
隠岐奈「…」
紫(…? 隠岐奈のこんな顔初めて見るかも…)
隠岐奈(そんな事を言われたのは初めてだな…二人の気持ち…?)
里乃「…お、お師匠…様?」
舞「だ、大丈夫ですか? お師匠様」
隠岐奈「あ、あぁ…」
隠岐奈「……」
隠岐奈(気持ち…だと?)
紫「…?」
隠岐奈(今日中に答えが見つかるといいが…)
カラァン
藍「あの、お茶入りましたけど」
紫「! ありがとう、藍」スッ
藍「さ、どうぞ」スッ
里乃「ありがとう…ございます」
舞「ど、どうも…」
隠岐奈「……」スッ
藍「…?」
藍「何かありました?」ヒソヒソ
紫「いいえ? 別に?」ヒソヒソ
隠岐奈「…」
紫「…あなたからの話は良いの?」
隠岐奈「お前が弛んでいる云々の話だったからな、もうした」
紫「あっそ…」
紫(何よ急にしんみりして…)
藍(後で二童子に聞いておこう)
舞、里乃「…」ズズッ
【隠岐奈さんの用事】
紫「…さて? お茶も飲んだ所で聞きましょうか、あなたがここに来た用事って何?」
隠岐奈「! そうだな、それが本題だったな」
隠岐奈「よし…紫、私も博麗神社で行われる新年を迎える宴会に参加する事にしたからな!」
里乃「私たちも参加します!」
舞「僕大きな宴会は初めてだから楽しみなんです!」
隠岐奈「無礼講だからな、好きなだけ楽しむんだぞ♪」
里乃、舞「は~い♪」
紫、藍「…?」
紫「? え? 何、それだけ?」
隠岐奈「そうだが?」
紫「…何で私に言いに来るのよ、勝手に参加すれば良いじゃない、何でも持ち込み自由で参加も自由なんだから」
隠岐奈「始まるまでまだ時間があるだろう?」
紫「…何時からだっけ?」
藍「夜の21時ですね」
紫「今は?」
藍「紫様が起床なされたのが昼の14時で今は15時です」
紫「私の目覚めた時間は聞いてないわよ!」
里乃「え、遅っ…」ボソッ
舞「遅くないですか?」
里乃(聞こえる様に言っちゃったぁー!)
紫「良いじゃない、人の睡眠にケチ付けない方が良いわよ?」
隠岐奈「まぁお前の睡眠の事は仕方ないか…体質だし、昔からだからな」
紫「! ほ~らぁ!」
藍、里乃、舞(『ほ~らぁ!』 って…)
隠岐奈「話を戻すぞ? この余っている時間を私は有意義に使いたいと思ったんだ、私は異変を起こし、人里で行われた幻想郷フェスティバルだったか? という物に参加し、目立つ事には成功したがそれは摩多羅神が幻想郷にいるという噂程度の物が広まっただけなのではないか…それを思うと幻想郷の住人たちに私の存在が認知されているかの確認をしたい欲求が高まってしまってな…そこでだ」
隠岐奈「紫! 私と一緒に幻想郷を散歩しに行くぞ!」バァーン
紫「は~い三人とも早く神社に行くわよ~♪」スッ
ギュオン…! という音とともにスキマが開かれた!
藍、里乃、舞「ちょっ…!?」グイッ
隠岐奈「!? まっ、待てぇ紫ぃ!」スッ
キュオン…! という音とともに二つの小さな扉が現れた!
隠岐奈「ふん!」スッ
ガチャッ!
紫「!? 痛ったぁっ!?」グイッ
スキマに半分体を入れていた紫の体が外に引っ張り出されてしまった。
隠岐奈が作った腕が通る程の小さな二つの扉は紫の背中と隠岐奈の目の前とで繋がっていたのだ。
藍、里乃、舞「ええっ!?」
隠岐奈「! そのスキマ博麗神社に繋がっているな? 藍、里乃、舞、お前たちは先に行くといい、私たちは散歩をしてから向かうからな♪」
里乃「! はーい、分かりましたー!」
舞「了解でーす♪」
紫「ちょっ…!? 痛ったぁ…腰打った…!」
藍「では私も」ソソソ
紫「!? らぁぁぁん!! 主のピンチよ!? 助けなさいよ!」
藍「……紫様」
藍「私、まだ年越し蕎麦の事は諦めてませんので、それではまた」スッ
ギュオン…!
紫「まだ根にもってたの!? ってこらぁぁ!」
スキマは閉じてしまった
紫「…!? うっっわぁ…最悪…」
隠岐奈「ふっ♪ 見捨てられたな」
紫「あの狐ぇ…今に見てなさいよ…! 幻想郷の住人たちからたぬき蕎麦持って追いかけられる地獄を見せてやるわ…!」
隠岐奈「やめろ、子供かお前は」
紫「これからお散歩気分のお年寄りに言われたかないわよ…」
隠岐奈「…少しは藍を労え、罰が当たるぞ?」
紫「うるさいわね、もう当たってるわよ」
隠岐奈「じゃあ散歩して気分転換でもしようではないか♪ な♪」
紫「な♪ じゃないわよ、何でそんなに楽しそうなのよ全く…」
紫(幻想郷の賢者二人がお散歩なんて、それこそ昔じゃありえない事よねぇ…)
【ランダム扉】
紫「どこから行く気なのよ…」
隠岐奈「私の扉で行くぞ、お前のスキマで行くとあの空間の目玉どもの眼差しがな…私には刺激が強すぎる」
紫(あなたの事が気になってるから見てる訳じゃないんだけどね)
隠岐奈「…ふっ!」スッ
キュオン…!
隠岐奈「これは幻想郷のどこかに通じている扉だ、出る場所に法則性がなく、どこに出るかは予測が不可能だ」
紫「所謂ランダムってやつね」
紫「どこで○ドアがどこだ○ドアになったわけね」ボソッ
隠岐奈「…何か言ったか? では開けるぞ♪」
ガチャッ! ギィィィ…!
サァァァァ…!
??「ふんふふん♪ ふふ~ん♪」ワシャワシャ
??「あぁ耳洗いづらいなぁ…純狐さんが弄るから変な形になってきた気がする…」ブツブツ
??「てゐから『耳がシナシナしなんげじゃーん♪』って言われた時は腹が立ったけど言い返せなかったのよねぇ…」
??「ふっ…『しなんげいん』って何よ、私は『うどんげいん』だってのに」
??「独り言って寂しい…はぁ、今日は神社で宴会だしねぇ♪ 咲夜の料理、手伝っちゃうわよ~♪」
ガチャッ!
??「! 姫様ですか? やっぱり今のうちにお風呂に入っ」
紫、隠岐奈「……」
??「……」
紫、隠岐奈「……」
??「……」
紫、隠岐奈「えっ」
??「えっ」
紫、隠岐奈、??「……」
??→鈴仙・優曇華院・イナバ「ちょっ…!?」
紫、隠岐奈「失礼しましたー!」スッ
バタァン!
鈴仙「へっ!? はっ!? へぇっ!?」
鈴仙「はっ…!? はぁぁぁぁ!?」
鈴仙「なっ、何っ!? なんなの!? 紫!? 紫なの今の!? てかさっきの黄色の服の人誰!?」
鈴仙「!!? っ…/// て、ていうか…///」
鈴仙「ゆ、紫にがっつり見られたんだけど…///」カァッ
バタン…!
隠岐奈「……」
紫「……」
隠岐奈「…」
紫「…」
隠岐奈「は、ははっ…ま、まさか永遠亭…だったな、あそこの風呂場に繋がってしまうとはな! ははっ、あっはっはっ」
紫「スケベ」
隠岐奈「!?」
紫「スケベじゃないあなた『キャー♪ 隠岐奈さんのエッチ~♪』とか言われたことあるわよね? その扉で覗き放題なんだから余罪とかあるわよね?」
隠岐奈「言われたことあるわけないだろうがぁ! 余罪もないわぁ!」
紫「扉開ける…オープン…あぁこれが本当のオープンスケベって奴ね、魅魔が言ってたのはこれだったのねぇ…」
隠岐奈「何の話をしているんだお前はぁ!!」
紫「てか嫌なんですけど、気まずいわぁ…これから鈴仙と会うときにどんな顔して会いに行けばいいのよ、教えてくれない? ねぇ?」
隠岐奈「うっ…! そ、それは…」
紫「……」ジーッ
隠岐奈「す、すまなかった…やはりランダム扉は辞めておこう」スッ
キュオン……!
紫「最初からそうしなさいよね…全く」
紫「…」
紫(鈴仙、今頃恥ずかしがってるわよね♪ ふふっ♪)
紫(…でも気まずいのはマジであるのよね)
【隠岐散歩 序】
《妖精の森》
紫「え、チルノたちいないの?」
シュガーサテラ「はい、チルノ様は大ちゃん様、サニー様、スター様、ルナ様と供に博麗神社のご宴会に参加なさるそうで少し前にこの森を後にしました」
紫「ふーん、もう行っちゃってたか…強い妖精たちは出払っちゃってるわけね」
隠岐奈「お前は来ないのか?」
シュガー「わたくしは皆様と共に歌い、騒ぐ、という行為が苦手でして、この森で妖精の皆様と共に静かに…新しい年を迎えさせていただきます」
紫「そう…まぁあなたらしいわね」
シュガー「そう言っていただけるとありがたいです、紫様」
隠岐奈「しかし私が唯一認めた氷の妖精がいないとは…あいつに聞けば私の認知度が分かるのだが…大晦日だというのにここは変わらんな、そこら中に小さな妖精たちがふよふよふよふよと」
ガサッガサッ!!
エタニティラルバ「うっひゃー! 寒い寒いさむーい!」
紫「! あらら…♪」
隠岐奈「!? ん…?」
隠岐奈(この妖精……)
シュガー「ラルバ様、お帰りなさいませ」
ラルバ「しゅ、シュガー! ほ、ほら持ってきたよ、砂糖の材料になりそうな木! 枝!」ガタガタ
シュガー「ありがとうございます、これだけあればまた甘いお砂糖が作れます、ご足労おかけました♪」
ラルバ「歩いて探してないけどね! 寒いから!」ブルブル
紫「分かるわ~、寒いのって本当に嫌…私も寒くなると冬眠したくなるし…シュガー、あなたこんな寒い中探させてたの?」
シュガー「いいえ、ラルバ様にはいつもこの時期にお砂糖の材料になる木々等をいただいているのです、ラルバ様のお家にあるものです」
ラルバ「寒いからさぁ! 動いてないと凍っちゃうぐらい寒いからぁ! 誰かの役に立つ速度で飛び回ってた方がいいんだよね!」ブルブル
紫「スッゴい必死さが伝わってくるわ…アゲハチョウの妖精さんって大変だわ…」
隠岐奈「…」
ラルバ「あれ…? あなたたち妖精じゃないのね…! 誰?」
紫「あ、そういえば私は初めましてだったわね」
シュガー「ラルバ様、このお方は八雲紫様…ここ幻想郷の管理人をやられているお方であり、賢者様のお一人ですよ」
ラルバ「紫…? あー! あぁ知ってる知ってる! チルノがよく話す大妖怪さんだね! よろしくー♪」
紫「はいよろしく♪ 私も有名ねぇ♪ そりゃそうか」
ラルバ「いつもババアがババアがー…! って話してるのを聞くよ♪」
紫「あんにゃろうめぇ…!」プルプル
シュガー「そのチルノ様がよく話題に出すババア様と言うのは一体どんなお方なのでしょう…紫様とどういうご関係なのでしょうか、一度会ってご挨拶を」
紫「シュガー…あなたはブレないわね、純粋なままのあなたでいてね…」
シュガー「は、はい? わ、分かりました」
ラルバ「あなたは…? ええっと…」
シュガー「こちらは摩多羅隠岐奈様、隠岐奈様も賢者のお一人なのですよ」
ラルバ「隠岐奈…? あ…あー! 知ってるー! てか会ったことあるよね、チルノが黒くなっちゃった原因の人だ! チルノが黄色い神様と戦って倒したって言い触らしてたけどあなたの事だったのね!」
紫「言い触らしてたって事は隠岐奈の名前は広まってるってことね、良かったじゃない」
ラルバ「黄色い神様ってだけだよ? 名前は広まって…あ、私が広めてあげてもいいよ♪」
隠岐奈「そうかそれは助かる、私は名前から分かると思うが摩多羅神だ」
ラルバ「摩多羅神なの? へぇー…」
ラルバ「…」
隠岐奈「…」
シュガー「…?」
隠岐奈「おい」
ラルバ「なにー?」
隠岐奈「河勝、スクナヒコナという名前に聞き覚えはあるか?」
ラルバ「んー? ん~…知らないなぁ」
隠岐奈「お前の能力は何だ?」
ラルバ「え? 『鱗粉を撒き散らす程度の能力』 だよ」
隠岐奈「富、長寿、不老不死、橘の木…何か引っ掛かる言葉はあるか?」
ラルバ「え~…? う~ん…難しい事は分かんないよ~…」
隠岐奈「そうか、ならいい…変なことを聞いてすまなかったな」
ラルバ「ううん、別に気にしてないよ~♪」
紫「…」
シュガー「ふふっ♪ それではわたくし達はそろそろ…ラルバ様が凍ってしまいますので」
ラルバ「!? あー! 寒いの我慢してたのにー!」
シュガー「わたくしの家で温かいお紅茶が待ってますよ♪」
ラルバ「砂糖多めにいれてね! 苦いの嫌だから!」
シュガー「ふふっ♪ それでは紫様、隠岐奈様、ごきげんよう♪ そしてよいお年を…」スッ
ラルバ「ばいばーい♪」スッ
紫「はいごきげんよう、こっちこそありがとうねシュガー、ラルバ…よいお年を幻想郷で過ごしてね♪」
隠岐奈「…」
紫「ふぅ、妖精たちには…まぁ認知されているんじゃないの? ラルバも広めてくれるって言ってたからそれで」
隠岐奈「紫」
紫「ん? 何?」
隠岐奈「お前にはあのエタニティラルバという妖精がアゲハチョウの妖精に見えたのか?」
紫「は? 他に何に見えるのよ」
隠岐奈「チルノはお前を大妖怪だと認知しているのか?」
紫「何でいきなりチルノの話になるのよ…」
隠岐奈「答えてくれ」
紫「…まぁチョー強い妖怪の大人のお姉さん! ぐらいには思ってるんじゃないの? 大妖怪とは…思われてなさそうね」
隠岐奈「ラルバはお前の事を大妖怪だと言ったぞ? それにチルノの日焼け現象の根本は私のせいであることも見抜いていた」
紫「考え過ぎなんじゃないの? シュガーから大妖怪だって聞いてる可能性もあるじゃない、それと妖精って意外に鋭いのよ? 洞察力」
隠岐奈「…」
紫「ラルバが常世神なんじゃないか…とか思ってるんでしょう?」
隠岐奈「! 気付いてたのか」
紫「河勝の名前が出た時点で察するわよ、でもこれは考え過ぎだと思うわ『かもしれない』って疑惑の段階だし、根拠も無いじゃない」
隠岐奈「……私が摩多羅神だからそうさせるのか、ラルバがアゲハチョウの妖精だからそうさせるのか」
紫「どんな者でも裏の顔は持っている物だけどあの子からは想像できないわね、常世神としての顔があるなんて」
隠岐奈「…少し考え過ぎたか、すまない」
紫「別に…妖精は自然と共に自然に生きていてくれれば私はそれで満足よ♪」
隠岐奈「そうだな、それは同意見だ」
隠岐奈(決め付けて考え過ぎるのは私の悪い癖だ…少し改めねばな)
紫(妖怪に近い妖精はたくさん見てきたけど神に近い妖精は初めてかもね)
隠岐奈「よし、次に行く…前に少し良いか?」
紫「ん? 何よまた」
隠岐奈「シュガーサテラはあの木材をどうする気なんだ? どうやってただの木材を砂糖にする、そもそも持っている能力は何だ?」
紫「あぁ…シュガーはね、『気配を変える程度の能力』を持っているの、木材を砂糖にする能力はあの子の体質と魔力によるものよ」
隠岐奈「気配か…急に何者かが現れたり消えたり姿を変えたりしたように見せるのは思いのままか、中々面白い能力だな」
紫「五感の撹乱ならお手のものかもね」
隠岐奈「そしてなんだ、体質だと?」
紫「木を粉になるまで砕くでしょ? でその粉を両手で魔力を使いながらギュッって握ると…」
隠岐奈「砂糖の完成か」
紫「そういうこと♪ いくら魔力を込めたってそこら辺の木が砂糖に変化するなんてことはないからね、シュガーの個性みたいなものよ」
隠岐奈「…妖精はどこまでも不思議な生き物だな」
紫「私たちが言っても説得力ないわよね」
隠岐奈「それもそうだな」スッ
キュオン…!
【隠岐散歩 中】
《妖怪の山 麓》
河城 にとり「へぇ~、だから冬眠準備してないんだ」
紫「そう、そうなのよ『用事があるから冬眠は延期しろ』って一ヶ月も前に言い出してさぁ…はぁ、生活習慣狂っちゃうわ」
鍵山 雛「でもあの摩多羅神様に合わせてあげたのは紫さんのほう、懐が深いわね」
紫「分かってるわね雛♪ ゆかりん懐がめっちゃ深いからねぇ…♪ まるで私のスキマ空間の様に♪」
雛(深さの限度が…無限大?)
にとり「おっ! じゃあその懐の深さでこれを」
紫「買わないわよ」
にとり「なっ!? 何でだよぉ、買えよ~! 河童のバーゲン年末大特価セールだぞ!」
紫「嫌よ、何に使うか分からない物ばかりだし…何よこのデカイ白い箱は」
にとり「これ? これは中に入れた物が小さくなって色んな物をたくさん楽々収納出来るイッスンボックスって奴でさ、私の姉ちゃんと一緒に作った初めての作品なんだ♪」
紫「へぇ~、みとりとねぇ、最近霊夢たちと仲良くしてくれてるみたいでありがたいわ、今度お礼を…うん?」
紫「……入れた物が小さくなるの?」
にとり「そうだよ、姉ちゃんの能力を…ちょこっとだけ悪用して無理矢理作ったんだよね、ちゃんと姉ちゃんには許可は取ったんだよ? でも創作意欲には勝てなくてさ、あはは…」
紫「……」
紫「これって人間も入れたりする?」
にとり「え? ん~…たぶん大丈夫だと思うけど人間を箱にしまっちゃおうとか考える奴なんて普通いな」
紫「ふふふのふ…♪」ニヤリ
にとり「う、うわぁ…いたよここに」
紫「これ買うわにとり、いくら?」
にとり「え!? マジで!? ありがと~う♪」
雛(また紫さんが原因で何か始まっちゃうのかしら)
雛「…」チラッ
隠岐奈「! 本当か!」
射命丸 文「はい、私が取材で得た隠岐奈さんの情報を山で広めてたら神奈子さんたちの耳にも摩多羅隠岐奈の名前が知られたんですよ、まぁ神様事情は分かりませんが摩多羅神の思し召しみたいなのを説明してましたね」
文「人里でも幻想郷の賢者、摩多羅隠岐奈が現れた! と話題にもなってます、それは慧音さんや阿求さんの情報力、そしてあなたが参加したフェスによるものでもあるでしょうね」
隠岐奈「おぉ、そうか! ふふっ、異変を起こしたり行事に参加したりしたことは間違いではなかったということだな! 八坂神と洩矢神にも感謝せねば…何れ語り合ってみたいものだ」
文「異変を起こしたことはどうなんですかね…まぁ私も便乗しましたけど」
文(神様同士、目立つためには手段を選ばない…と言ったところでしょうか、お互いに良好な関係を築けるならそれでいいんでしょうけどね、阿求さんと慧音さんは仕事としてですし)
文「…それでは私はこの辺で、私も宴会に参加しますので♪ …ん? あっ! カメラを忘れてしまいました…はぁ、取ってこなければ…秘蔵写真が撮れなくなってしまいますからねぇ♪」
隠岐奈「一度山に戻るのか?」
文「えぇ」
隠岐奈「なら天魔に伝えてくれ『たまには外に出てこい』とな」
文「えぇー…私が言っても効果ないと思いますよ? それこそ対等な立場である賢者のあなたか紫さんが言わないと」
隠岐奈「あいつは堅すぎる、外交も部下任せなのも考えものだ」
文「それ天狗の上層部でよくこそこそと言われてますね…賢者の人もそう思うほどか」
文「…あ、今度の『幻想郷会議』でガツンと言ってくれませんか?」
隠岐奈「! そうだな、考えておこう」
文「よろしくお願いしますよ♪ それでは…」スッ
隠岐奈「…」
隠岐奈「……部下任せ、か」スッ
隠岐奈は目を瞑った。
隠岐奈(私も天魔の事を言えたものではないのかもしれんな、雑務等は部下の二人に任せっきり)
隠岐奈(だがそれが普通なのではないのか…? 主として、そして神として…当然の事)
隠岐奈(……)
『少しは二人の気持ちも考えなさいよ』
隠岐奈(…気持ち、か)
隠岐奈(考える…いや、聞くか? その方が早)パチッ
茨木華扇「…」ズイッ
隠岐奈「うぉっ!?」ビクッ
華扇「何をしているのですか? こんな所で」
隠岐奈「こ、こちらの台詞だバカ者が! いきなり目の前に立つな!」
華扇「いきなり声をかけるのもどうかと思いましたので」
隠岐奈「では気配を消して近付いて来るな…! はぁ、心臓に悪い…」
華扇「そんな年寄りみたいな……! …ネムノ、道案内はここまでで大丈夫ですか?」
坂田 ネムノ「あぁ助かっただよ、ありがとうな華扇」
華扇「いえいえ、どういたしまして」
隠岐奈「…? お前…山姥か?」
ネムノ「そうだが、お前はだれだ? 見ない顔だべな」
隠岐奈「!? …知られておらんではないか」
華扇(…目立つために異変を起こしたのは本当だったようですね)
華扇「摩多羅神の摩多羅隠岐奈、幻想郷の賢者の一人ですよ」
ネムノ「! 賢者……まぁ何でもいいべ」
隠岐奈「それがよくないのだよ、名前は覚えて帰ってくれ、天狗共と不可侵条約を結ぶ程、閉鎖的な種族であったとしても私の名前は覚えてくれ」
ネムノ「何をそんなに…まぁ覚えるぐらい訳ないか」
ネムノ「うちは坂田ネムノ、よろしくだべ」スッ
スタスタ…
隠岐奈「…天魔以上に山籠りしている山姥が何故麓まで来ているのだ?」
華扇「あなたの起こした異変に間接的に巻き込まれて霊夢たちと出会った結果、少しずつ見聞を広めるようになったそうです、まずは麓の河童達からだとか」
隠岐奈「! ほう…それはいいことだな、籠ってばかりいては何も変わらん、変化があるのは刺激にもなるからな…私の異変が私の知らない所でまた役に立っていたか」
華扇「ですが幻想郷の賢者が異変を起こした事は前代未聞です、とても褒められた事ではありません」
隠岐奈「紫と同じようなことを言うんだな」
華扇「言われて当然です」
隠岐奈「色々と私にも理由があるんだがなぁ…」
華扇「…」
隠岐奈「…」
隠岐奈「前のオカルト異変の時に色々と動き、解決への糸口を探って奔走していたと聞いた」
華扇「大した事はしてません、オカルト異変は霊夢が、夢の世界をも巻き込んだ憑依異変は霊夢と八雲紫たちの働きで解決に至ったのですから」
隠岐奈「博麗の巫女への助力、幻想郷を愛しているからこその行動、充分な働きだ」
華扇「…!」
隠岐奈「お前の席はいつでも空いている、好きなときに戻ってこい」
華扇「…考えておきます」
隠岐奈「…ふっ♪」
にとり「ね、ねぇ…!? いきなりその鉈で切り付けてこないよね!?」ブルブル
ネムノ「そんなことしないべ、そこまでうちは野蛮じゃないだよ」
にとり「だ、だよねぇ…」ホッ
ネムノ「…やるやつもいるが」
にとり「いるんじゃんかよぉ! ひぃぃ…! 雛ぁ! 私やっぱり山姥怖いよぉ!」
雛「で、でもネムノさんはそんなことしないと思うけど…」
ネムノ「! これで怖がるのか…冗談って難しいんだべな」
紫「山姥ジョークってやつね♪ 私は好きよ、それ」
ネムノ「じょーく…? …それより紫、うちと誰を会わせてみたいと言ったんだべ?」
紫「子供達よ、チルノとかルーミアとか…あなた面倒見がいいから仲良く出来そうかなって」
ネムノ「! 子供か…」
紫「苦手じゃないんでしょ? 昔のあなたは特に」
ネムノ「昔の話はやめてくんろ…!」ギロッ
紫「! …悪かった」
にとり、雛「…?」
スタスタ
隠岐奈「おい紫、次に行くぞ」
紫「! は~いはい、それじゃあまた…神社に来れる人は是非来てね♪ あ! 華扇もばいばい♪」スッ
キュオン…!
華扇「口が軽いようで堅い…はぁ」
ネムノ「紫の悪い癖だべな、ほんと…」
《後戸空間》
紫「灰色の御髪の巫女、ありけり、その者、聖域を作る程度の能力にて邪を滅さんとす」
隠岐奈「…? 何だそれは」
紫「大昔の…そう、遥か昔の巻物に書いてあった文よ」
隠岐奈「続きは無いのか?」
紫「それが覚えてなくってさぁ♪ ゆかりんうっかりてへぺろりん♪」
隠岐奈「動きと言い方が気色悪いな」
紫「どストレートに言うんじゃないわよぉ!」
その頃…博麗神社では…?
《博麗神社》
高麗野 あうん「霊夢さん! この酒樽はどこに置きますか?」
博麗 霊夢「それはそっちに置いて、中庭の真ん中」
あうん「了解です!」スッ
コトッ…!
あうん「置きました!」
霊夢「早いわね、助かっ…!?」
ズイッ…!
あうん「くうぅ~ん♪ 霊夢さ~ん♪」スリスリ
霊夢「あ、あぁあぁあぁー…! わ、分かった! 分かったからいちいちくっつかない! 頬擦りもしなくていいから!」
あうん「! だったらもっと褒めて下さい!」
霊夢「……偉いっ!」
あうん「やったー♪ 霊夢さんに褒められたー♪」ルンルン
霧雨 魔理沙「ふくくっ…!」プルプル
伊吹 萃香「あははははっ…!」プルプル
あうん「次! 次は何をしたら良いですか?」
霊夢「はいこれ、この桶に水汲んできなさい」
あうん「はーい♪ 分かりましたー♪」スッ
タタタタタッ…!
霊夢「…はぁ」
霊夢「笑ってないであんたらも手伝いなさいよ、大宴会なのよ大宴会!」
魔理沙「いやぁ…♪ 働き者がいるお陰で私たちの出番はないみたいだからな♪」
萃香「すまんね霊夢、今日の私は酒瓶と酒樽を空にすることぐらいしか手伝えないよ…♪」
霊夢「怠け者と飲んべえめ…全く」
霊夢「藍とあの二童子、里乃と舞だっけ、買い出し早く帰ってきてほしいわ、それと咲夜と鈴仙とアリス、妖夢も来てくれると料理が楽になるんだけど…」
魔理沙「まぁ気長に待とうぜ♪ 宴会は逃げねぇからさ」
霊夢「アリスが来たらあんたが『夫婦ごっこしてぇなぁ』って呟いてたって言ってやろうかしら♪」
魔理沙「おいそれはマジでやめろ!」
萃香「あっはははは♪」ケラケラ
霊夢「ふふふっ♪」
霊夢「…」
霊夢(藍が言ってたけど今回は紫参加するの…? 本当に来るのかしら?)
魔理沙「てかお前、マジであうんに好かれたな」
霊夢「好かれてるんじゃなくて勝手に居着いているだけよ」
魔理沙「すげぇ分かりやすくお前に好き好きオーラ出してるじゃん、レミリア以上だぞあいつ」
萃香「なんか犬っぽいよね、可愛いじゃないか」
霊夢「それよそれが問題なのよ、神霊だったみたいだけど実体を持ってから狛犬…いや犬っぽくなってきて私の膝の上に頭乗っけてくるし、頬擦りしてくるしで…しかも追い出そうとすると目をうるうるさせてこっち見てきてさ、あの目に弱いのよ、何も言えなくなっちゃう不思議な目にさ」
魔理沙「可愛いってのは否定しねぇのな」ヒソヒソ
萃香「実際気に入ってるんじゃない?」ヒソヒソ
霊夢「何で家なのかしら…神社なら命蓮寺とか守矢神社があるじゃない」
魔理沙「今更過ぎねぇかぁ♪」ニヤリ
萃香「だねぇ♪」ニヤリ
霊夢「はぁ~…」
萃香「もうさ、博麗神社のペットでいいじゃん」
魔理沙「だな、あいつ妖怪じゃなくて狛犬だし、しかも隠岐奈の魔力から肉体生成されたんだろ? 神の使いって感じでちょうどいいしな」
霊夢「! ……」
霊夢「…過剰な触れ合いを控えてくれたら考えてやらんでもない…うん…ない、わね」
魔理沙、萃香「…!」
萃香「家族が増えたね♪」
魔理沙「やったな霊夢♪」
霊夢「うるっさいわねぇ!」
【隠岐散歩 結】
《地霊殿 さとりの部屋》
隠岐奈「あまり広まっていない!?」
古明地 さとり「はい、その四季異変が起きたのは地上ですし、取材をした文さんが地底にあまり来たがらないので…しかもここ地底では四季の移り変わる感覚というのが分かりづらい事もあります」
隠岐奈「そうか…やはり地底は地上の出来事に疎いか…」
さとり「ですが幻想郷賢者の隠岐奈さんが地上に現れる様になったと聞けば話題にはなるでしょう、強い人物に興味を示す者が多い所ですから勇儀さんが広める可能性もあります、何なら私が広めてもいいですよ?」
隠岐奈「! やってくれるならやってくれ、助かる」
さとり「では…あぁ、今日はやりませんよ? 神社での新年への宴、私たちも参加しますので」
隠岐奈「すぐにやってくれとは言わんさ、時間がかかってもいい」
さとり「分かりました」
紫「床暖房が効いてて暖かいわねぇここは」
火焔猫 燐「そのお陰で眠くなっちゃうんですよね、あたい仕事終わった後とかいつもソファで寝ちゃうんです」
霊烏路 空「あ! ダメだよお燐、ちゃんとベッドで寝なきゃ風邪引いちゃうよ」
お燐「この前床で大の字で爆睡してたお空に言われたくないねぇ…」
紫「え、風邪引いたことあるの?」
古明地こいし「無いと思うよ~♪ お空とお燐は火属性だから♪」
紫「そうよねぇ」
お燐「いやいや、あたいたちその前に猫と烏ですから! 風邪ぐらい引きますよ」
お空「この前体温計が壊れるぐらいお熱出しちゃったもん…」
紫「…それ風邪じゃなくて熱暴走な気がしてきたわ」
こいし「触ったら火傷しそうだね~♪」
隠岐奈「ふっ、賑やかだな」
さとり「えぇ、そうですね♪」
隠岐奈「お前ら姉妹が妖怪の山に居たときはこういうのは嫌いだと思ってたんだがな、お前自身も周りに干渉したがらなかったと記憶してる」
さとり「何百年前の話をしてるんですか、あの頃とは回りの環境も私自身の心のあり方も変わってきているんです」
隠岐奈「それはいい方向に、か?」
さとり「その質問に対しては…こいしを見れば答えは出ると思います」
隠岐奈「…」
こいし「家にもこたつがほしいよね♪」
お燐「あぁ~ですよねぇ…あの暖房器具には本当に魔力が宿っていると思いましたもん」
お空「え~お燐ズルいよ~…私もこたつに入ってみたい!」
こいし「霊夢の家にあるから入れてもらえば良いんじゃないかな♪」
お空「あー! そうですね! やった~♪ 初めてのこたつだ~♪」
お燐「こたつでそんなに…ま、気持ちは分かるけどね」
紫「入ってもいいけど霊夢の隣は私専用だからね!」
お燐「何の拘りなんですか、それ」
隠岐奈「無意識に行動し、言葉を発しているようには見えんな」
さとり「でしょう? 最近、第三の眼がポカポカするのを感じるらしいですよ? …でもまだ私の眼からこいしの心を読むことは出来ていませんけど」
隠岐奈「…」
さとり「…」
隠岐奈「何れ出来るかもしれん」
さとり「その想いはいつも持ち続けてますよ、私の心にずっと…ずっとね」
隠岐奈「…」
隠岐奈「さとり」
さとり「はい?」
隠岐奈「私はお前が地底に行ってからどの様に過ごしているのかを聞いていなかったが…幸せそうにしているんだな」
さとり「そうですね、地底の治安も良くなってきてますし、観光地にもなりました、私たちさとり妖怪に恐れを抱くものも少なくなりました、心を許せる友達も出来ました…そして何より大切な物に囲まれてますからね、私は恵まれてます」
隠岐奈「妹にペット達か」
さとり「……そういう言い方ではないですよ」
隠岐奈「?」
さとり「私の大切な家族です」ニコッ
隠岐奈「!」
隠岐奈(家族…)
さとり「…」
隠岐奈「…」
さとり「隠岐奈さん、あなたが悩んでいる事に対して私が少し助言をするとしたらですね」
隠岐奈「! お前、私の心を勝手に」
さとり「私を前にして隠し通せると思いますか?」
隠岐奈「うっ…」
さとり「まぁただのお節介です、聞きます?」
隠岐奈「…聞かせてくれ」
さとり「あなたの悩みの種は紫さんが常日頃からやっていて思っていることです、それが顕著に現れているのは私の友達のレミリアさんです」
隠岐奈「…!?」
さとり「ふふっ…♪ 答え、ご自身で出せるといいですね」
《後戸空間》
隠岐奈「…」
紫「これで行きたい所は全部行ったんでしょ? 博麗神社行くわよ♪」
隠岐奈「あぁ…」
紫「何よその気のない返事は…はぁ、でも新年を私の霊夢と一緒に迎えるなんて何年ぶりかしら♪ 待っててね~霊夢ぅ♪」
隠岐奈「…」
隠岐奈(紫には答えが出せている…あの吸血鬼にも、か)
隠岐奈「…紫」
紫「ん?」
隠岐奈「…」
紫「…?」
隠岐奈「あの吸血鬼異変を起こした吸血鬼…レミリア・スカーレットだったか…あいつは自分の部下の事をどう思っているんだ?」
紫「部下? あのちんちくりんに部下なんていないんじゃない? …あ、強いて言うならメイド妖精とゴブリンかしら」
隠岐奈「そっちじゃない、いただろ…ほらあの、格闘に長けた紅の妖怪と紫色の魔法使い」
紫「それに司書の小悪魔さんと銀髪の人間メイド長とレミリア最愛の妹も加えておきなさいよ? ってそっか…あなた吸血鬼異変の時のレミリアしか知らないんだもんね」
紫「レミリアはね、その五人の事は部下だなんてもう思ってないのよ、思わなくなったの」
隠岐奈「どう思っている」
紫「家族、よ♪」
隠岐奈「!」
隠岐奈「…」
隠岐奈「お前も…そう思っているのか?」
紫「何を?」
隠岐奈「藍、そして藍が式とし、お前が一目置いているあの化け猫の橙の事だ」
紫「はぁ? 当たり前じゃない、家族以外の何があるのよ」
隠岐奈「…!」
隠岐奈「…」
紫「…」
隠岐奈「私が表に現れなくなってから随分と幻想郷は変わったのだな」
紫「幻想郷のルールと掟を守り、追加されたルールにも従う…人間、妖怪、神、妖精たち…それが幻想郷に生きる者達の希望、そして望みであり変わってはならない絶対的な物だけど、それがあったとしても良い方向に変化し続けるものがある」
紫「想い、気持ち…心のあり方」
隠岐奈「!」
紫「ルールが幻想郷にある限り安定し続けるけど人や妖怪の心は不安定で変化し続ける、だからこそ美しく変われる、変わっていける」
紫「心の扉を開けるのに時間はかかっちゃったけど開けることが出来た…私がそうだった様に、他の皆がそうだった様に…あなたも変われると良いわね、隠岐奈…♪」
隠岐奈「……」
隠岐奈「…」
隠岐奈「ふっ…心の扉か」
隠岐奈(私の中にもあったんだな、心の扉が)
紫と隠岐奈は博麗神社へと辿り着く。
紅魔館、白玉楼、人里、永遠亭、妖怪の山…
数多くの幻想郷住人達が紫と隠岐奈を出迎えてくれた。
そして少し時は流れて…
【隠岐奈の想い 心の扉】
《博麗神社 23時30分》
わいわい…! ガヤガヤ…!
霊夢「えっ、今年冬眠しなかった理由ってそれなの?」
紫「そうよ、大事な用事って言うから我慢してあげたのに最終的にお散歩しましょ♪ よ? やんなっちゃうわ」
西行寺 幽々子「私が冬眠しないで一緒に過ごしましょ♪ って言っても冬眠しちゃう紫がねぇ」
紫「ごめんね幽々子、隠岐奈に会うのも久し振りだったし…何事かあったら困っちゃうから」
幽々子「紫に会うのを控えて私が何事か起こしたら紫は冬眠しないでくれるのかしら♪」
紫「幽々子に会えないのはつれぇわ…てかそれ冗談でも言わないの」
霊夢「私用で何事か起こすのも厳禁よ」
幽々子「うふふふっ♪」ニヤリ
霊夢「…やりそうなんだけど」
紫「大丈夫、私の親友を信じて…? あれ?」
紫「…?」キョロキョロ
紫(隠岐奈…?)
《後戸空間》
里乃「お師匠様? どうしたんですか?」
舞「もう新年迎えちゃいますよ? 戻りませんか?」モグモグ
隠岐奈「…」
里乃「…何か食べてるし」
舞「お肉♪ スッゴい美味しいね♪ これ」
里乃「やめなさいよ、お師匠様が話をしたいって」
隠岐奈「里乃、舞」
里乃、舞「…! はい!」
隠岐奈「…」
里乃、舞「…」
隠岐奈「……ふぅ」
里乃、舞「……?」
隠岐奈(心の扉を…開け)
隠岐奈「…」
隠岐奈「私がお前たちに会ったのはお前達が人間の子供の頃だったな、遠い遠い昔の話だ」
隠岐奈「私はお前たちを一目見て確信した、この二人なら私の手足となって動いてくれると、私の力になってくれると思った」
隠岐奈「里乃、お前からは他の人間の子供になかった類い稀な精神力の高さを」
里乃「!」
隠岐奈「舞、お前からは他の人間の子供になかった類い稀な生命力の高さを」
舞「…」
隠岐奈「だからこそ私の魔力でお前たちを摩多羅神と共に歩む二童子へと変化させ、能力も与えた…私が勝手に、お前たちに無断でやったことだ」
隠岐奈「言わばお前たちは私の傀儡同然、私の言いなりに動く操り人形だ」
里乃、舞「……」
隠岐奈「…」
隠岐奈「なのだがな」
里乃、舞「…?」
隠岐奈「お前たちにそんなことをした身勝手な私をどう思う?」
里乃、舞「!?」
隠岐奈「お前たちの本心を聞きたい…正直に言ってくれ、私を蔑んだり怨んでくれても構わない」
里乃「えっ…? え…!?」
舞「……」
里乃「お、お師匠…様?」
里乃(な、何でこんなこと聞くんだろう…こんなこと聞かれたこと初めてだからどうしたら)
舞「僕は…」
隠岐奈「!」
里乃「…!」
舞「……僕はなんとも思ってませんよ」
隠岐奈「…」
舞「過去のこと全然覚えてませんし、思い出そうとしても思い出せません、だから過去の事はどうでもいいんです、お師匠様の事を身勝手だとも思ってません、僕はこれからも摩多羅隠岐奈様の傀儡でいたいと思ってます」
里乃(舞…)
隠岐奈「…」
舞「……でも」
隠岐奈「! でも…?」
舞「幻想郷の人たちとさっきまで話してて思った事があります、隠岐奈様に興味を持ってもらえた僕と里乃ってもしかして凄い特別なんじゃないかなって」
隠岐奈、里乃「!」
舞「凄い人たちばっかりだったんです、月のお姫様に紫さんの親友の亡霊さんとか…その人たちに従者として仕えている人たちとも話しました、仲良くなれたらいいな…とも思いました」
舞「その人たちって結構ズバズバ言うんですよね、自分の主への文句とか…」
舞「なんか…思ってはいけないと分かってはいるんですけどその人たちが羨ましいなって」
隠岐奈「羨ましい…」
舞「はい」
里乃「…」
隠岐奈「里乃、お前は?」
里乃「! わ、私は…」
里乃「……」
舞「…」
里乃「わ、私も…舞と同じです」
隠岐奈「!」
里乃「過去の事、幻想郷の人たちのこと…そして隠岐奈様への想い」
里乃「一緒です、舞と変わりません」
舞(里乃…)
隠岐奈「…」
里乃、舞「…」
隠岐奈「そうか、そう思ったか」
隠岐奈「…二人とも」
里乃、舞「! は、はい」
隠岐奈「その考えを踏まえた上で聞く、私の事をどう思っている」
里乃、舞「! ……」
里乃「いつもと変わりません、私たち二人のお師匠様であり」
舞「僕たちの主、摩多羅隠岐奈様その人です」
隠岐奈「…」
隠岐奈「……そうか、分かった」
里乃、舞「…」
隠岐奈「二人とも」
隠岐奈「私の事を主として見てくれて感謝する、ありがとう」
隠岐奈「これからも私の手足となり、二童子としての役目を果たしてくれ、期待しているぞ」
隠岐奈「これからも、そしてまた来年もよろしく頼むぞ! 里乃、舞」
里乃、舞「!!?」
里乃、舞「…」ポカーン
隠岐奈「? どうした、返事は?」
里乃、舞「は…! は、はい!!」
隠岐奈「うむ、よろしい♪」
隠岐奈「……はぁ~…ふぅ…」
隠岐奈(何だ言えるじゃないか、摩多羅隠岐奈…♪)
里乃「ちょっ…! ちょっと…!」
舞「なになに…!? 痛いって…!」
里乃「お、お師匠様が…私たちにお礼言ったよ…!?」
舞「は、初めて…だよね」
里乃、舞「……」
里乃、舞(何だろう…胸が暖かくなる、この気持ち)
隠岐奈「…! そうだお前たち」
里乃、舞「は、はい?」
隠岐奈「これからは頻繁に幻想郷に顔を出す事にした、私が幻想郷にいる間はお前たちの好きに動いて構わない、私の側を離れても構わんぞ」
隠岐奈「幻想郷は広く、住人も多い…見聞を広めたり住人と交流を図り深めるのも自由だ、お前たち二人の好きにしてくれ」
里乃、舞「! は、はい! 分かりました!」
隠岐奈「…ふふっ♪」
隠岐奈(二人の後継者なぞ、必要ないのかも知れんな)
隠岐奈(本当に感謝しているよ、ありがとう…里乃、舞)
新たな年を迎える僅か数分前、摩多羅神に仕える二童子
爾子田里乃 丁礼田舞
この二人の心に暖かい光が差し込んでいた。
終わり…
【おまけ アリス浄化地蔵】
《博麗神社 1月4日》
アリス・マーガトロイド「んんんん…! ん``ん``ん``っ…!」
霊夢「アリス、ハンカチ千切れるわよ? くわえるのやめなさいって」
アリス「だってぇっ…! だぁっ…!」グググ
霊夢「嫌なら見なけりゃ良いじゃない」
アリス「見るわよ! 死活問題なんだもん!」
霊夢「生死かかってんの!?」
アリス「あれぇっ…! あれを見なさいよぉっ…!」プルプル
霊夢「…」チラッ
魔理沙「年越してもさみぃなぁ…な! 成美」
矢田寺 成美「うん♪ でも慣れっこだよ、このくらい♪ それに焚き火の火が暖かいから大丈夫」
成美「魔理沙は無理しなくていいんだよ? こたつ使えばいいのに」
魔理沙「お前がこたつ使いたくないって言うからだろ、私も焚き火で暖まるしかねぇじゃん、一人には出来ねぇよ」
成美「! えへへ…♪ 魔理沙は優しいね♪」
魔理沙「はっはっは♪ 褒めるな褒めるな♪」
成美「褒めてないよ♪ 本当のことだもん♪」
アリス「くぅっ…!? くぅぅぅ…!」ビリッ
霊夢「ハンカチから悲鳴が聞こえたわよ」
魔理沙「てかお前手袋は…してるか、マフラーもしろよ、見てて寒いぜ」
成美「それはいいよ~、私には笠と前掛けがあるから」
魔理沙「首もとの寒さは防げないだろ…ほら、私の使えよ」スッ
成美「だ、ダメだよ~! そうしたら魔理沙が寒いじゃん」
魔理沙「私のことは気にすんなって、ほら」スッ
成美「ん~…あっ! じゃあさ…♪」スッ
魔理沙「おっ?」スッ
クルクル
成美「あ、やっぱり♪ マフラー長いから二人で巻けたね♪」
魔理沙「お、考えたな! あ~…♪ これ暖かいぜ」
成美「ね~♪ 二人で温かいね、えへへ…♪」
アリス「はぁっ!? ぺ、ペアマフラーっっ…!? 羨まっ…! なんっ…!! 私もまだしたことないのにぃっ!!」ブチッ
霊夢「あぁ、ハンカチがお亡くなりに」
アリス「な、何よあれはっ…! 新年早々何を見せ付けてくれちゃってんのよぉ!」
霊夢「いやあんたに見せ付けてる訳じゃないと思うわよ? 成美…あれたぶん天然で」
アリス「それは分かってるの、でも何で私の魔理沙とイチャイチャしているところを見せ付けられなきゃならないの? 生殺しよね、私」
霊夢「私に聞かれても…てかあんたさぁ、成美に嫉妬してるのかキレてるのかどっちなの?」
アリス「両方」
霊夢「両方!?」
アリス「な、なんか…あの『仲睦まじくしてる空間に私がいてもおかしくないわよね?』って自分に言い聞かせてるんだけど、どうなったらそうなるのかっていうビジョンが見えないの」
霊夢「私の魔理沙をかけて勝負よ! …とか言えば良いんじゃないの? その方があんたらしいし」
アリス「あなたは成美の怖さを知らないからそんなことが言えるのよ」
霊夢「は!?」
アリス「あぁもう我慢できない…見てなさい霊夢、私玉砕されてくるから」スッ
霊夢「ぎょ、玉砕…?」
アリス「魔理沙っ♪ と成美!」
成美「あっ、アリス!」
魔理沙「おうアリス、どうし…」
アリス「…」ギロッ
魔理沙(あ、やべぇ…暴走してるか…?)
アリス「な、成美っ!」
成美「ん? 何~?」
アリス「そのマフラー…あ、暖かそうね!」
成美「えっ? うん♪ とっても暖かいよ」
アリス「そ、そう…! あ、あーあー…! わ、私も首もとが寒くなってきちゃったなぁ!」
アリス「誰か、誰か私と一緒に巻いてくれる優しい白黒の服の金髪の女性がいないかなぁー! 誰かさんがおっ…! お邪魔しなければ私も巻けたのになぁー!」
魔理沙(あ、アリスお前…)
霊夢(若干言うの躊躇ってるわね、アリスらしいわ)
成美「…? …!!」ハッ
成美「…!」スッ
魔理沙「お、おい成美」
成美「ご、ごめんねアリス」
アリス「…!」
成美「そ、そうだよね…私だけじゃないよね…マフラーを一緒に巻いて暖まりたいって人は私以外にもいるもんね…ごめんね気付いてあげられなくて」
アリス「!?」
霊夢、魔理沙「…!?」
成美「だ、だから…私の代わりに…! 魔理沙と一緒にマフラー巻いて? ね?」
アリス「……うっ…」フラッ
ドサッ…!
霊夢、魔理沙(倒れたー!?)
成美「えっ!? ど、どうしたのアリス」
アリス「やめて…私に優しくしないで…」orz
成美「えぇ…? ど、どうしよう…」
魔理沙「またこうなったか…すげぇな成美」
霊夢「またって?」
魔理沙「いやよ、アリスは成美が天然でめちゃくちゃ優しいって事が分かってるからああなるらしい、ワザと言ってる訳じゃないってのがアリスにも分かってしまっているのがポイントだな」
霊夢「…? あんたに対する暴走が成美に効かないってこと?」
魔理沙「簡単に言うとそうだ、お前とか咲夜がツッコミをいれるのは抑制、成美は喋るだけで私への邪な感情を浄化してくれるんだ」
霊夢「へぇ~……ふふっ…♪ あんた、お地蔵様に頭が上がらないんじゃない?」
魔理沙「人間なら誰でもそうだろ? 毎日挨拶しているぜ♪」
アリス「優しくされるのって…凶器だわ」
成美「だ、大丈夫…?」
本当におしまい…!
お疲れ様でした、ここまで読んでいただいてありがとうございました!
隠岐奈からの里乃と舞への想い、そして里乃と舞からの隠岐奈への気持ち…如何でしたでしょうか。
紫やさとり、レミリアたちの他にも違うタイプの関係がある、それを表現したかったので少し長めのお話になりました。
隠岐奈は紫たちと違って里乃と舞に家族としての感情を抱くとは思えなかったのでこのような形で表現させていただきました、隠岐奈が二人にいつも仕えてくれているお礼を言った事で三人の心につっかえていた何かは晴れたのだと思います。
紫藍談の舞と里乃は『本当は後継者なんてほしくない、ずっと隠岐奈に仕えていたいけど隠岐奈が決めた事なら覚悟を決める』と思ってましたので…隠岐奈は今後、後継者を探すことは無いでしょう。
ネムノ、ラルバ、成美についても語らせていただきました。
ネムノは山姥伝説を盛り込み、ラルバは隠岐奈に常世神(常夜神)ではないのかと言われた事、成美はお地蔵さんパワー(ド天然)…です。
また紫がにとりから買った箱、幻想郷会議、幻想郷賢者の一人天魔についてはまた今度のお話で。
それから『ペンネームの変更をしました、詳しくは活動報告にて…』名前は変わりますが作者は変わりませんのでこれからもよろしくお願いいたします。
それではまた次回…!
次回は…疫病神さんが頑張るお話、お楽しみに♪