前々から暖めてきたこのお話を投稿出来る事に、読者の皆様に感謝申し上げます。
このお話はある読者の方から案をいただき、私なりにストーリーを構築させていただいた物になります。
リクエストや強要をされた訳ではなく、その読者の方とキチンと話し合い、纏められたお話です。
長い物語になるので【前編】【中編】【後編】と分けさせていただきました。
本当は【前編と後編】で分け、完結するつもりでしたが予想以上に構想が膨らんでしまったので『中編』を挟む形となりました、読者の皆様にはお待たせしてしまっていることと、突然に中編を挟む事になったお詫びします、申し訳ありません。 それから投稿速度を早めたいんですけどね…
タイトルから分かる通り、プリズムリバー家の秘密に迫ります、たくさんの芸術が織り成す物語でもあります、私の色々やりたかった事が詰まってます、ネタのバーゲンセールかも…この【前編】と【中編】は特にそれが顕著です。
【前編のみ、場面がコロコロ代わります】
【舞台は冬となっております】
『二次設定が多目です』
月の民の事もちょっとだけ語りたいと思います。 幻想郷の人里に新しい施設も建ちましたのでそれも紹介します。
今回の主人公は『遊来、月の民!!』で偶然仲良くなったあの四人…
ルーミア
物部 布都
堀川 雷鼓
稀神 サグメ
それでは始まります♪
永遠の時の中で 私は覚えています
これからもずっと ずっと
紡いだ糸を 離さないように
【冬 マヨヒガ、紫の寝室 12:30】
今日も今日とて八雲紫はお休み中、布団の中でヌクヌクしておりました。
八雲紫「……」モゾモゾ
紫「んぁ~…暖か~い♪ んふふ…♪」モゾモゾ
紫「……」
紫「はぁ外さっぶ…何よこれ、夏からいきなり秋通り越して冬になったんだけど」
紫「紅葉を見て楽しむ暇すら無かったわ、こんなに寒くて外に出歩けますかっての」
紫「気付けば十一月…もうすぐクリスマスじゃない、今度のクリスマスはどうしてやろうかしら」
紫「去年のクリスマスは楽しかったけどあんなサプライズはもう無いでしょうしねぇ…う~ん、自分からサプライズをやるのも悪くなさそうよねぇ♪ ゆかりん一肌脱いじゃおうかな? んふふ♪」
紫「…」
紫「……一人で布団の中で喋ってるとつれぇわ…でも布団の中から出たくないのよね」
紫「……寝よ」
紫「おやす」
ピンポーン…!
紫「……」
紫「…ふぅ……」
紫「……お休みなさい」
紫「…」
ピンポーンピンポーンピンポーン…!
紫「……」
紫「……」
ピンッ…ポーン…!
紫「らぁん…お客さんよ~…」
紫「……」
紫「……」
ピンポーンピンポーン!
紫「……?」
ピンポーン!
紫「…あれ…? 居ないの?」
紫「……幻聴って事にしましょう」
紫「……」
紫「…」
ピピピピピピピピピピピピピンポーン!
紫「んふふっ…!? 急に連打し過ぎよこのバカちんがぁ!」
紫「……」
紫「誰なのよ…」
紫「…」
紫「……お休み」
紫「…」
ピンッ…
紫「……」
紫「……」
紫「…?」
ッポーン…!
紫「……」イラァ
紫「…なんか煽られてる様な気がする」
紫「なんなのよもう分かったわよ! 出りゃあ良いんでしょ出りゃあ!」スッ
紫「しょうがないわねぇもう、うわ寒っむ~い!」
【マヨヒガ、玄関】
ピンポーンピンポーン…!
紫「出る…出るからそんなに押すのやめなさいってのに、壊れるから本当に」
紫「はいはい…何処の誰さんですか?」スッ
ガララッ!
ルーミア「わーははーのはー♪ なのかー!」
紫「…」
ルーミア「…」
紫「…」
ルーミア「…」
紫「180度~! 回転!」
ルーミア「はっ!」クルッ
紫「そのまま~…前進!」
ルーミア「はっ!」スッ
紫「いっちに♪ いっちに♪」
ルーミア「いっちに♪ いっちに♪」ルンルン
紫「…」
ルーミア「…」スタスタ
紫「はい、お疲れ様でしたぁ」
ルーミア「うぉぉ!? 待つのかー! 待ってほしいのかー!」
紫「イヤよめんどくさい、これからゆかりん二度寝タイムなのよ…はいさようなら」
ルーミア「何で魔理沙と同じ様なことするのだ! ひでぇのだー!」
紫「同じことされたんなら少しは学習しなさいな、人が気持ち良く寝てるのにインターホン連打されたら誰だって嫌な気持ちになるでしょう?」
ルーミア「魔理沙の時は朝だったのだ、今はもう昼なのだ、皆起きてるのだ」
紫「……」
ルーミア「……」
紫「えっ? 何? 私が悪いの?」
ルーミア「うん」
紫「は?」
ルーミア「え?」
紫「…」
ルーミア「…」
ルーミア「何時までも寝てんじゃねぇのだぁ!」
紫「はぁ!? ゆかりんマジでマジギレさようならぁ!」スッ
ルーミア「ま、待つのだー! 引き戸を閉めないでほしいのかー!」スッ
紫「クルァ! 戸を掴むんじゃないわよ! 手を放しなさいよぉ!」
ルーミア「嫌なのだぁ!」
紫、ルーミア「ぬぁぁぁ…!!」ググッ
【五分後…】
紫「はぁ…はぁ…!」グッタリ
ルーミア「はぁはぁ…!」グッタリ
紫「はぁ…あなたねぇ…! 何でそんなに…! はぁ…はぁ…ね、粘るのよ…! 何しに来たのよホントにぃ…!」
ルーミア「た、頼みを…! はぁ、はぁ…き、聞いてほしいのだ…」
紫「頼み…?」
ルーミア「そ、そーなのだ…」
紫「…」
ルーミア「…」
紫「朝ごはんなら藍が帰って来てからにしてくれる?」
ルーミア「ちげぇのだ、飯をたかりに来たんじゃねぇのだ、それに今はお昼なのだ」
紫「私にとっては朝ごはんなのよ…って、じゃあ本当に何をしに来たのかしら?」
ルーミア「それはこれ…はい」スッ
紫「?」
ルーミアは懐からあるものを取り出す
紫「あら、なぁにこれ?」
ルーミア「手紙なのだ」
紫「手紙? …! ちょっ…/// やぁだぁ~♪ ルーミアったら私にラブレター!? あなたも私が好きな」
ルーミア「紫に手紙なんか出さねぇのだ、しかもラブレターなんてありえねぇのだ、そんなことするやつは幻想郷に居ねぇのだ」
紫「この紙ビリビリに破いたらあなたはどんな顔するのかしらね」
ルーミア「なっ…!? 何て事をするのだ!? 酷すぎるのだー!」
紫「朝からインターホン連打しまくって私を叩き起こした挙げ句、辛辣な言葉を浴びせかけるあなたの悲痛の叫びが聞きたい気分♪」ニッコリ
ルーミア「昼だって言ってるのだ! それにそんなことしたら外道の極みなのだ! この事を皆が聞いたら好感度が下がるぞ!?」
紫「…! ……」
ルーミア「…」
紫「それは嫌ねぇ…」
ルーミア「思い止まってくれただけでも感謝してやるのだ」
紫「上から目線なのはゆかりん気になるけどね」
ルーミア「細かい事は気にしちゃいけないのだ」
紫「それで? 何で私に頼むのよ、手紙くらい自分で渡せば良いじゃない」
ルーミア「それじゃあ意味が無いのだ」
紫「じゃあ文とかはたてに頼んだら? 配達料がかかるかも知れないけどね」
ルーミア「文とかじゃ無理なのだ、私でも渡せないのだ」
紫「渡せない? 誰に出すのよコレ」
ルーミア「裏に書いてあるのだ」
紫「うん? …! あら…♪」
紫「どうして? あなたとどういう関係なの?」
ルーミア「前に友達になったのだ、布都と雷鼓も一緒にな~♪」
紫「ふふっ、何その統一感の無いお友達は」
ルーミア「友情に統一感は関係ねぇのだ~♪」
紫「まぁそうねぇ…♪ なるほど、だから私の所に来たわけか」
ルーミア「永遠亭の人でも良かったんだけど、それだと内緒で渡せないかもしれないからって雷鼓に言われたのだ、だから紫に頼むのだ」
紫「ふーん、そっか…♪」
紫(月の民の中でも私が一目置く存在、本当は彼女と霊夢が仲良くなってほしかったんだけどねぇ…でも)スッ
ルーミア「…?」
紫(胸を張って友達だと言える存在、世界が違っても友情は変わらない…時々しか会えないからこそ応援したくなるのよね、何処かの悪霊さんを見ているからかしら? ふふっ♪)
紫「…しょうがない♪ 頼まれてあげましょう♪」
ルーミア「! ほ、ホントかー!?」ニパー
紫「その代わり! 条件が二つあるわ」
ルーミア「……ケチ」
紫「ケチって言わないっ! 一つ目…手紙の内容は?」
ルーミア「明後日のアレに呼びたいのだ、見せてあげたいのだ♪」
紫「明後日…? …あ、あぁあぁ…! アレね」
ルーミア「そう、アレなのだ♪」
紫「そっか、もう明後日だもんねぇ」
ルーミア「みんなそれぞれ色んな事を練習してるぞー、準備もしてくれてるしな~♪ みんな楽しそうだったぞ♪」
紫「あらそうなの? ふふっ、なら人里にアレを建てたのは正解だったわねぇ♪」
紫(何より慧音が一番喜んでたわよね、一番は子供達の為なんでしょうけどね)
ルーミア「なぁ紫、二つ目はなんだ?」
紫「へ? あぁ…単純な事よ♪」スッ
ギュオンと音を立てて手のひらサイズの小さなスキマが開かれる
ルーミア「ほぇ?」
紫「手紙は自分で出す物よ、自分の友達になら尚更ね、このスキマの中に手紙を投函しちゃいなさい」
ルーミア「…! これに入れて本当に届くのかー?」
紫「少しは信用しなさいな…ほら早くしなさい、あいつらに気付かれるとめんどくさいから、特によっちゃんにはね」
ルーミア「! ……ほっ」スッ
ルーミアは手紙をスキマに投函した
ルーミア「……」
紫「…不安そうな顔ねぇ」
ルーミア「ちゃんと、届くかなぁって」
紫「届くわよ…手紙も、あなたの想いも」
ルーミア「…! うん、そーだよなー♪」
紫「そーなのよー♪」
ルーミア、紫「わはー♪」
ルーミア「わははは♪ なら何にも心配いらないなー♪」
紫「ふふっ、そうよ♪」
ルーミア「んふふふ♪ 紫~♪」
紫「んー?」
ルーミア「わはー♪ ありがとなー♪」
紫「はいはい、どういたしまして」
ルーミア「それじゃあなー♪ 本当にありがとうなのだー♪」スッ
紫「今度来るときはインターホン連打するんじゃないわよー」
ルーミアはふよふよと飛んでいった。
紫「……友達の輪って本当に私の知らない所で作られていくのよね」
紫(ルーミア、あなたが楽しく毎日を過ごせば過ごすほど幻想郷にも笑顔が満ちる…お世話になってるんだからお願いぐらい聞いてあげないとね♪)
紫「……」
紫「…友達、ねぇ」
紫「明後日か…呼んだら来てくれるかしら、ふふっ♪」
【一方その頃 幻想郷、人里の中心街 12:30】
霧雨魔理沙「うっは~…でっけぇなぁ」
博麗霊夢「人里のど真ん中にこんなの建てちゃってまぁ…」
上白沢慧音「どうだ、凄いだろう?」
魔理沙「いや、すげぇっつーか…なぁ?」
霊夢「えぇ、そうね」
慧音「うん?」
霊夢、魔理沙「手間かかってるなぁ~って…」
慧音「それは当たり前だろう、これからこの建物は人里の代表的な名所になるかもしれんのだからな…とは言ってももう幻想郷中にここの存在は知れ渡っているがな」
魔理沙「それはそれで良いのか? お前の寺子屋でも…」
慧音「寺子屋がそうなるのも良いが、それでは子供達が窮屈な想いをするかもしれないだろう? 寺子屋には程好い人気があれば良いのさ」
魔理沙「チルノ達の事を先に考えるのか、流石先生だぜ」
霊夢「ここさ、娯楽場と憩いの場を兼ねてるって紫が言ってたけどどういう感じなの?」
慧音「ん? 何だ、まだ中を見ていないのか?」
霊夢「えぇ、三日前に出来たってのは聞いてたんだけどね」
魔理沙「見学しようにも中に入れてくれなかったからなぁ」
慧音「あぁそうか、その時はまだ中の整備をしていたんだったな…今日は見ていくんだろ?」
魔理沙「そのつもりでここに来たんだぜ♪」
霊夢「右に同じ、よ」
慧音「おぉそうかそうか♪ まだ準備中で本当は入れないんだが特別に私が案内をしてやろう、さ、こっちだ♪」スタスタ
魔理沙「…なんか慧音めっちゃ嬉しそうじゃねぇか?」ヒソヒソ
霊夢「名所が出来たから内心凄く嬉しいんじゃないの? 寺子屋の他に人里の活性化とかに余念がないじゃない、慧音って」ヒソヒソ
魔理沙「そういやそうだったな、でもまだ名所になった訳じゃねぇんじゃ…」ヒソヒソ
慧音「おーい何をしてる、早くこっちに来い」
霊夢、魔理沙「は、はーい…」
魔理沙「外観は歌舞伎座に似てるな」
霊夢「和風造りよね、それでも歌舞伎座の三倍の大きさはあるけど」
慧音「的を得ているな、概ねその通りだ」
霊夢「中もそんな感じなの?」
慧音「似てはいるな、舞台があって観客席…座席があるな、まぁ舞台と言っても歌舞伎座以上の広さがあるし、収容人数も比ではないぞ?」
慧音「紫が言うには外の世界の体育館…? 後なんだったか…れ、レク…レクリレ…?」
霊夢、魔理沙「レクリレ…?」
慧音「……あっ! レクリエーションホールだ、それに似ているらしい」
霊夢「なんじゃそりゃ…」
魔理沙「レクなんとかは知らないが体育館は菫子から聞いた事あるな、運動しながら遊ぶ所なんだろ?」
慧音「あぁ、人里の子供達が遊べる場としても使えるな、そういう使い方をしても良い場所だ、だが大半は舞台で催し物を発表したり披露したりする場になるだろうな」
霊夢、魔理沙「ほぇ~…」
霊夢「ねぇ、これ誰が建てたの?」
慧音「企画と設計案は私と八雲紫と輝夜、守矢の三神に古明地さとり、聖白蓮と豊聡耳神子だな」
慧音「建設は伊吹萃香に黒谷ヤマメと星熊勇儀…妹紅も手伝ってくれていたな、建てた後の設備等はにとりたち河童軍団にやってもらったよ」
魔理沙「地味に多いな!? 何人がかりで建ててんだよ!」
霊夢「紫と早苗達は分かるけど、さとりと聖と神子に輝夜まで…建設はあの三人なら問題ないでしょうね、設備もにとりが居れば…うん」
慧音「さとり達は建設費の出資をしてくれたよ、白蓮と神子は嬉々として出資してくれていたな」
魔理沙「さとりは分かるが、あいつらそんな金あんのか?」
霊夢「聖達? さぁ…?」
慧音「『身内の為になるなら金も惜しまない』だそうだ」
霊夢「こころの為かしら」
魔理沙「だろうな、ここが娯楽場になるならこころもここで能を披露出来るだろうし」
慧音「ふふっ、何も能だけじゃないさ、芸と呼ばれる物は他にもあるだろう?」
霊夢「…? あぁ、音楽とか?」
魔理沙「劇とかもそうか」
慧音「まだあるだろう?」
魔理沙、霊夢「…あー?」
慧音「ふっ…♪ さ、次は中を案内しよう」
【人里、娯楽場】
霊夢「広っ!」
魔理沙「紅魔館のロビー以上だな、地下図書館には負けるが」
霊夢「天井も高いわね、なんか色々と置いてあるし…あの扉は倉庫?」
慧音「座席と舞台用の小道具諸々を収納してあるんだ、まぁ小道具は各々持参することの方が多いだろうが」
霊夢「ふーん…」
アァソレハ… コッチオイテクダサイネ!
魔理沙「ん? あれ、あいつら何してんだ?」
慧音「明後日の準備さ、話は聞いてるんだろう?」
霊夢「あそこの天狗二人が幻想郷中に配ってた宣伝ポスターを押し付けて来たからね」
姫海棠はたて「椛、もう少し左に寄せて」
犬走椛「こっちですか?」スッ
はたて「ん~…うん、オッケー♪ そこなら見栄えが良いわね」
射命丸文「えぇ~、もうちょっと右に寄せた方が良くないですかねぇ?」
はたて「ちょっと文! 私の考えに口出さないでくれる!?」
文「能やライブの公演ありますけど話をする講演だってあるんですから演台がその位置にあったら不自然じゃないですかねぇ? はたて♪」ニヤニヤ
はたて「むっ…! そ、そんなこと無いわよ! もう少し左よね!? 椛!」
文「椛、賢いあなたなら分かりますよねぇ♪ もう少し右に置くべきだと思うでしょう?」
椛「えっ…? えぇ!? わ、私に振るんですか!?」
稗田阿求「…どっちでも良いと思いますけど、それに椛さんに振った所で観客側から見てないんですから答えなんて出ないですよね?」
文「そこは椛の千里眼で何とかなると思うんですよぉ♪」
椛(文さん、私そこまで器用じゃないです…そんなこと出来ないです…)
阿求「椛さんそこまで器用じゃないと思いますけど、それに千里眼と言えど自分の目から千里眼が発動するのに観客側から見るなんて不可能では?」
椛(はうっ…!? き、気にしてる事を言われた…うぅ…)ズーン
はたて「あれ…? 椛何か落ち込んでない?」
文「阿求さんが毒舌でいじめるからですよ」
阿求「毒舌阿求は存在しません♪ 私は言いたい事を言っただけです、それにいじりの原因を作ったのは文さんでしょう?」
文「おぉ酷い酷い♪ 私の可愛い椛にそんなことするわけないじゃないですかぁ♪」
はたて「あんた確信犯よね」
椛「はうぅ…」ショボーン
阿求「何でも良いですから各々職務を全うして下さい、はたてさんと椛さんはステージのセット、文さんは観客に配る演目のリスト作りですよ」
文「私もう書き終わりましたよ? 後はコピーするだけです♪」
阿求「…早いですね」
文「新聞記者はスピードが命ですからねぇ♪ 何処かの鴉天狗と違って、ね」チラッ
はたて「! 何で私を見るのよ文ぁ!」
文「おぉ怖い怖い♪」
阿求、椛(何で煽っていくんだろう…)
慧音「やぁ四人とも」
阿求「あ、慧音さん…と」
霊夢「見学よ、邪魔はしないからね」
文「あやや、霊夢さんに魔理沙さんまで」
魔理沙「同じく見学に来たぜ、つっても大部分は見終わってる感はあるけどな」
文「なーに言ってるんですか、ステージ裏も見てって下さいよぉ♪ にとりさんが内緒で作った面白い仕掛けがたくさんあるんですよ?」
魔理沙「お♪ 面白そうじゃないか、見せてくれよ」
慧音、霊夢(内緒でって…)
はたて「ちょっと待ったぁ! その前に演台の位置をちゃんとしてからにしなさいよ!」
文「ん~、もうちょっと左で良いんじゃないですか?」
はたて「! 文のクセに良く分かって…うん? それって私が最初に言った事じゃない」
文「えぇそれがなにか? はたては最初から正しかったですよ?」
はたて「…!? あんた本当になんなのよっ!」クワッ
文「あっはははは♪」
椛「どっちでも良いから早く教えて下さいよ~!」
魔理沙「ここに来て一番初めに見た劇が天狗劇場とはな」
慧音「順調…なのか?」
霊夢「全く順調に見えないわね」
阿求「見えないですけど順調その物なんですよねぇ…後はセットの調整をして、私のコレが書き終われば終了ですから」
霊夢「何書いてるの?」
阿求「演目と演題、それから演者名を書いてるんです、ほら『次は誰が何をやります』って書いてある紙が板に貼り付けてあって、舞台の隅に置いてあるアレです」
霊夢「あぁ、めくり板ね」
阿求「それです」
慧音「ふっ、相変わらず達筆だな阿求」
阿求「ふふっ♪ 良く言われます」
霊夢「……」
霊夢「人里に大きな娯楽場…か」
阿求「娯楽場って言えるんですかね、この大きさで…劇場とでも言った方が良いかもですよ?」
慧音「劇場でもあり、遊び場でもある…娯楽場と憩いの場を兼ねてるとは良く言ったものだ」
霊夢「……人間、妖怪、神様、妖精その他色んな種族が種族の違いなんて関係なしに楽しめる憩いの場があったら素敵だと思わない?」
阿求「珍しいですね、霊夢さんがそんなこと言うなんて」
霊夢「ううん、これを言ったのは紫」
慧音「……私としてもそれは素敵な事だと思うが…霊夢、お前としては…」
霊夢「……」
慧音、阿求「…」
霊夢「……あいつさ、これを嬉しそうに…楽しそうに話して来るのよね、屈託の無い笑顔でさ」
慧音、阿求「…」
霊夢「何かあいつのそういう顔見てると不思議と何にも言えなくなっちゃうのよね…しかも何回も言ってくるのよ何回も…はぁ本当にもう…嫌んなっちゃうわ…最近、本当に…」
阿求、慧音「…」
霊夢「……まぁ私としてはこの劇場が出来ようが出来まいが別にどうでも良いのよ、でも自然とここに来て妖怪達の劇とか見る様になる訳じゃない、魔理沙達や人里の人達と一緒にさ」
霊夢「……それは博麗の巫女としては、良いのかなって」
阿求、慧音「…」
魔理沙「良いに決まってんだろ」
霊夢「!」
魔理沙「それは『博麗の巫女』としての話だろ? 人に悪さしたり害を成す妖怪を退治するのが博麗の巫女じゃねぇか」
魔理沙「『博麗霊夢』はそんなこと考えなくて良いんだよ、それにお前が妖怪…いや正確には妖怪じゃねぇけどさ、そいつに言ったこと忘れたとは言わせないぜ?」
魔理沙「大切なのは今…今が楽しけりゃそれが良い、それが『博麗霊夢』だろ?」
霊夢「…! ……」
霊夢「ふっ…何よあんた、聞いてたの?」
魔理沙「聞こえたんだよ、んで? どうなんだ?」
霊夢「……」
霊夢「あんたの言う通り…かもね」
魔理沙「…へっ!」
霊夢「あぁ! こんなことで悩むなんてね、紫が変な顔してあんな事言いまくるからいけないのよ」
魔理沙「そうだな、全部ババアのせいだぜ♪」
霊夢「……慧音、阿求、さっきの聞かなかった事にしといてくれる?」
慧音「…ふっ、聞かなかったもなにも、聞こえなかったんだが?」
霊夢「!」
阿求「最近難聴でしてね、仕事のし過ぎかもしれませんね」
慧音「私もだ、また妹紅に怒られてしまうかもな、はっはっは♪」
霊夢「ぷっ…! あんたら…♪」ニコッ
魔理沙「へへっ…♪」
阿求(霊夢さんも霊夢さんなりに考えてるんですね、傍から見れば妖怪大好き人間の霊夢さんにも悩みがあるんだなぁ…)
阿求(ふふっ、当たるかどうか分からないけどいつか霊夢さんにもゆかりんハウスに選ばれてほしいな、きっと素敵な三日間になると思いますよ♪)
魔理沙「あ、そうだ霊夢、さっき文達と話してて良いこと思い付いたんだけどよ」
霊夢「ん?」
魔理沙「明後日に色んな奴等がここに来て劇とか披露するパーティみたいなもんが開かれるだろ? その事についてなんだが…耳かしてみ?」
霊夢「…?」
魔理沙「……」ボソボソ
霊夢「……」
霊夢「…! ん~…人が多すぎてあいつ困惑しちゃうんじゃないの?」
魔理沙「そうかもしれないが良い機会じゃないか、人と妖怪が仲良くなってるってのを見せ付けるチャンスだぜ♪」
霊夢「……確かにそうね、じゃあ取り合えず妹の方に聞いてみましょうか」
魔理沙「だな、帰りに妖怪の山に寄っていこうぜ、後は紅魔館にもな」
霊夢「何で紅魔館にも寄るのよ」
魔理沙「一応アリスとも約束してるだろ? でもあいつ明後日の劇に出るらしくて忙しいんだ、だから代わりの奴と一緒に行く事にする」
霊夢「? ……あっ読めたわ、あいつも人間だしね」
魔理沙「クイズ大会で河童好きを公言した銀髪のメイドさんと一緒に行くぜ♪」
霊夢「ははっ、お嬢様がまたブチブチ言いそうね」
魔理沙「カリスマブレイクさせりゃあ大人しくなるだろ♪ そこは気にすんな、私に任せろ♪」
霊夢「はいはい…お任せするわね♪」
慧音「お、帰るのか?」
魔理沙「おう、見学面白かったぜ」
霊夢「ありがとね、あ…明後日は何時からだっけ」
阿求「朝の9:00からです」
魔理沙「は、早いな…あぁ、分かったそんじゃあな♪」スッ
霊夢「それじゃあね」スッ
慧音「あぁ、明後日に会おう」フリフリ
阿求「さようなら♪」フリフリ
慧音「さてと…阿求、手伝おうか?」
阿求「いえ大丈夫です、後四枚なので」
慧音「文もそうだが、阿求も大抵仕事が早いよな」
阿求「良く言われます」
霊夢「あんた起きれんの?」
魔理沙「9:00ぐらい起きれるぜ、気合いを入れればな」
霊夢「気合い入れないと起きられないんかい」
魔理沙「細かい事は気にしちゃいかんぜ~♪」
幻想郷の住人達が明後日に向けて各々が色々と準備を進めていた頃
幻想郷から遠く、遠く離れた所にある月
月の結界の裏側に存在する月の都では…?
【月の都 レイセンの家 13:30】
レイセン「あぁ~…んんっ…んん~っ…♪」ノビー
レイセン「ふぅ、遅めのお昼休憩終わり~…」ダラーン
レイセン「何で今日に限ってあんなに書類が多かったんだろう、書類整理も楽じゃないよ…」
レイセン「…ふふっ♪ まぁでもこれからお昼の仕事が待ってるからね、その為に頑張れる様なもんだし♪」
レイセン「今行きますね! サグメ様!」
【月の都 中層 中心街道】
月の都の町並みは中華風の建築物が道を連ねている。
建築様式、外装も含め全てが中世の中華風を維持している、都の特徴として挙げられるのが三層に分けられていることだ
月の都にとって重要なポストにいる人々が住まう上層。
綿月姉妹や稀神サグメがここに居を構えている、月人が多い。
その上層の人達を支え、戦いともなれば即戦力になり得るエリート玉兎達が住まう中層。 ここでは兵器開発等を行う部署や郵便局等の仕事場、様々な出店が立ち並んでおり、大半の玉兎達がここで日々を過ごしている。因みにレイセンの家は一軒家で中層に存在しているのだが、一軒家を与えられている事は珍しい事らしい
そして新米玉兎達が住まう下層。 下層は玉兎を兵士として育てる訓練施設で埋め尽くされていると言っても良いだろう、兵器開発部、射撃訓練施設等があり、新米玉兎達は日々訓練を行っている。
ここである一定の成績を収めたり、能力がずば抜けて高い等の判断をされた玉兎は中層に住むことを許される
文明と技術は幻想郷の遥か先を行き、外の世界の技術に勝っていると思われる物も少なくない
レイセン「そうだ、役所に言って書類を貰って来ないと…うん?」
下層を一望することが出来る橋の上でレイセンは足を止める
レイセン「あ、今日の訓練外でやってるんだ…射撃訓練かな? …あっ!? 依姫様がいる!」
【月の都 下層 玉兎訓練施設】
綿月依姫「玉兎の兵士たるもの!」
新米玉兎A「常に穢れを嫌うべし!」ビシッ
依姫「玉兎の兵士たるもの!」
新米玉兎B「常に迅速な対応を心掛けるべし!」ビシッ
依姫「玉兎の兵士たるもの!」
新米玉兎C「常に小動物を愛でるべし!」ビシッ
新米玉兎達「おまっ…!?」
依姫「ふふっ♪ そうだな! 特に私の最近のお気に入りはハムスターとか言う小動物で凄く可愛い」
新米玉兎達「えっ?」
依姫「え? ……はっ!?」
新米玉兎達「……」
依姫「……」
依姫「…///」カアッ
依姫「貴様ぁ!」クワッ
新米玉兎C「も、申し訳ございませんでしたぁ!」
依姫「謝れば済む問題ではない! わざと言ったことに問題があるんだ! 何故言ったぁ!」
新米玉兎C「そ、それは…よ、依姫様の照れたお顔が見れたらなぁって思いで…つ、つい…」
依姫「なっ!?」
新米玉兎A(あのバカ! なんで素直に言っちゃうのよ! 素直に言わなかったら言わなかったで怒られるけども!)
新米玉兎B(正直私は依姫様の照れた顔が見れて眼福なんだよなぁ♪ 後で何か奢ってあげよっと♪)
依姫「そ、そんな下らない理由だったのか!」
新米玉兎C「く、下らなくなんかありません! 依姫様の照れたお顔を拝顔することは」
依姫「黙れ! 理由なんかどうでもいい! 貴重な訓練の時間を妨害した罰として腕立て百回だ!」
新米玉兎C「は、はい!」スッ
依姫「……因みに連帯責任だからな」
新米玉兎達「えぇっ!?」
依姫「えぇっじゃない! さっさとやるんだ!」
新米玉兎達「は、はいぃ!」スッ
依姫「……はぁ」
依姫(最近の新米玉兎達は弛みすぎている…! 何とかしないと…)
依姫(しかし私の小動物好きが何故バレて居るのだ…あの時は八雲の二人とレイセンとお姉さましか……!?)
依姫(……完全にお姉さまの仕業だこれ)
【中層】
レイセン「あはは懐かしいなぁ、良く連帯責任取らされてたっけ」
レイセン「……私はずっとナンバー2だった、どんなに頑張ってもあの人には勝てなかった…」
レイセン「……」
レイセン「! 考えるのやめやめ! 今じゃナンバー2も何も無いもんね」
レイセン「良し! 書類を貰ってサグメ様の所に急がないとね♪」
【月の都、上層】
玉兎が下層から中層に住むことが決定する際、玉兎が自分の職業を選ぶ事になるのだが大抵自分の能力に合ったもが上層の月人達によって選ばれる事になっている。 玉兎達に人気の職業も存在していて、最近では団子屋が高い人気を得ている
中でも上層の月人達に関係する仕事に就く事は玉兎達にとって夢の様な職業であるとともに、ステータスでもあるのだ。
上層の月人達、豊姫以外には知られていない事がある、それは月人に関係する仕事にも人気の職業があると言うこと、その職業は…
『稀神サグメの側近兼 ボディーガード』
その職に就く事を許されたのは
レイセン「ふんふんふーん♪」
他でもないこのレイセンなのである
【サグメの自室兼、書斎】
稀神サグメ「……」
サグメ「はぁ…」
サグメ(……最近、ため息ばかりついているな)
サグメ(昨日だってそうだった、一日ため息ばかりで終わっていたな…眠りに付いた後の夢の世界でもため息ばかりついていたらしく、ドレミーにも小言を言われてしまった『どうしてそんなにため息ばかりついてるんですか?』と)
サグメ(いや、その理由が分かれば苦労はしないのだ、私とてつきたくてついている訳では無いのだからな…)
サグメ(しかし理由なぞあるのか…?)
サグメ「……はぁ…」
サグメ「……!?」
サグメ(まっ…また出てしまった…! な、何故だ…! 何故出るんだ…!?)
サグメ(まさかレイセンがいるときでもため息をついているんじゃないのか…!? い、いや…昨日もレイセンと共に仕事をしたはずだ、その時にレイセンは私のため息について言及すらしていなかった…!)
サグメ(……仕事をしていればため息をつかなくて済むのか…? ならば仕事をし続ける毎日を過ごせば良い、簡単な事だ)
サグメ(…仕事だけの毎日……か)
サグメ「……」
サグメ「はぁ…」
サグメ「……」
サグメ「!?」
サグメ「くっ! なんなんだ…! 何故出る…!」
サグメ(何とかしなければ…! 仕事中にも出たら最悪じゃないか…!)
トントントン!
サグメ「!」
サグメ様、私です レイセンです
サグメ「あっ…!? あ、あぁ…! は、入ってくれ」
失礼します!
レイセン「すいませんサグメ様、少し遅れてしまいました」
サグメ「いや…そうでもないだろう、気にすることはない」
レイセン「ありがとうございます」
レイセン(あぁ、サグメ様はやっぱり優しいな…♪)
サグメ「……」
サグメ「地獄に仏とはこの事だな…」ボソッ
レイセン「え?」
サグメ「あ…い、いや…何でもない、気にしないでくれ」
レイセン「はい…」
サグメ「それより、それは…」
レイセン「はい…仕事ですね」
サグメ「…」
レイセン「見てくださいよこの書類の量、サグメ様にばかり押し付け過ぎだと思うんですよねぇ…」
サグメ「良いんだ、気にすることじゃない」
サグメ「それに私は書類整理ぐらいしか出来ない、新しく作ってくれた月の技術のお陰で一度に百文字以内ならば言葉に出せ、能力は月でも発動しない様にはなったが、私には喋る仕事は向いていない、私は口下手だからな」
サグメ「それに戦闘能力も依姫と比べれば天と地ほどの差がある、私には書類整理がお似合いなのさ」
レイセン「サグメ様…」
サグメ「それにこの仕事は楽しいと私は思っている…貴方がいるからな、レイセン」
レイセン「!」
サグメ「いつも仕事を手伝ってくれて感謝している、レイセン…ありがとう」
レイセン「さ、サグメ様…///」
レイセン(うわぁぁ…♪ サグメ様からありがとうを頂きましたぁ! キャー♪ 超嬉しい~!)
サグメ「ふふっ…さぁ、始めようか」
レイセン「は、はい! あ、その前にお茶をいれてきますね♪」
サグメ「あぁ、頼むよ」
レイセン「はい!」スッ
サグメ「…ふぅ」
サグメ「……」
サグメ(レイセンにはいつも感謝しているからな…ドレミーに『月で心を開いているのはレイセンさんだけなんじゃないんですか?』と問われた事があったが、実際そーなのかもしれない)
サグメ(何百年と私の側近をやってくれているのだ、開かない方がおかしいだろう)
サグメ(…そーなのかー? ……なんて聞いてくれたりしないだろうか)
サグメ(……いや、誰が聞いてくれると言うのだ)
【十分後…】
サグメ(仕事と言っても私がやることは決まっている、難しい事ではない、書類に目を通してサインをするだけだ)
レイセン「これはこっち…これは…」スッ
サグメ(レイセンは書類の仕分けをしてくれている、やっていることは地味に見えるが私にとっては大助かりだ、山の様に盛られた書類を私一人では捌けない)
サグメ「……」カリカリ
サグメ「……」スッ
サグメ(…聞いてみるか)
サグメ「……レイセン」
レイセン「はい?」
サグメ「その…何だ…」
レイセン「何ですか?」
サグメ「私は…仕事中にため息をつくだろうか?」
レイセン「へ? ため息ですか?」
サグメ「あ、あぁ」
レイセン「う~ん……いいえ? 全く」
サグメ「! そ、そうか…」
レイセン「はい」
サグメ「……」
レイセン「……」
サグメ「あ…邪魔して悪かったな、続けてくれ」
レイセン「は、はい…」
サグメ(…やはり出ていないのか)
レイセン(ため息? 何だろう…サグメ様何か悩んでるのかな?)
サグメ(……)
サグメ(茶化されるのを覚悟で今日もドレミーに相談してみるか…仕事中はため息が出ないとな)
サグメ(また『その程度の事で相談しに来たんですか?』と言われそうだな…)
サグメ(何がその程度なんだ…悩みに大きいも小さいもないではないか)
サグメ「……」
サグメ(…続きをやろう)
サグメ「……」カリカリ
レイセン「ふぅ、これはこっち…これは…」スッ
レイセン「……これもこっち、か…これは……あれ?」
レイセン「あっ…! またぁ!? も~っ…!」
サグメ「…? どうした?」
レイセン「書類の間にコレが挟まってまして…」スッ
サグメ「また手紙か?」
レイセン「みたいです、はぁ全くもう…! また誰かやったなぁ…!」
サグメ(たまに…いや、かなりの頻度で書類の山から手紙が見つかる事がある、何でも玉兎の誰かが書いた私宛のファンレターらしい)
サグメ(『読ませてくれないか?』とレイセンに言うのだが駄目だと返されてしまう、なんでも『色々とアレな内容が多いので、サグメ様には見せられません』…いや、その色々ってなんなのだ、アレな内容とはなんなのだ)
サグメ(せっかく私に書いてくれているんだから読んでみたいのだが)
レイセン「熱狂的過ぎるのも困るのに…はい、これは処分処分」
サグメ(あぁ、また処分されてしまうのか)
レイセン「……ん?」
サグメ「…? レイセン?」
レイセン「あ、あれ…!? この手紙…」
サグメ「どうかしたのか?」
レイセン「これ月で作られた物じゃないです、この封筒月では売ってないですもん」
サグメ「! 分かるのか?」
レイセン「はい、私よくショップとかで買い物をするから分かるんです」
サグメ(私は玉兎のお洒落ショップで買い物をするなんて事をしたことがないから全く分からない)
レイセン「こんな不格好な…こんなんじゃ月じゃ売れないよ…ていうかこれ何処から…? 月の物じゃないなら…う~ん?」
サグメ(すまないレイセン、話についていけない…私にはキラキラ過ぎる)スッ
サグメは紅茶が入ったティーカップを手に取る
レイセン「あ、裏に何か書いてある」
サグメ「…? ズズッ…」
レイセン「『サグメへ ルーミアより』」
サグメ「ブフッ!!?」
レイセン「!?」
サグメ「げほっ! げほっげほっ! うぐっ…!? ゴホッ!」
レイセン「さ、サグメ様…!? サグメ様ー!」
サグメ「ぐっ…! げほっげほっ!」
レイセン「あぁえぇとあぁっと……! た、タオルタオルー!」ダッ
サグメ「れ、れいせ…! げほっげほっ…!」
サグメ(こ、紅茶を盛大に吹き出してしまった…!! いや、そんなことはどうでもいい!)
サグメ(る、ルーミアからのっ…! て、ててて、てっ…! 手紙だとぉ…!?)プルプル
【そして数分後…】
サグメ「……」
レイセン「……」
サグメ「……」
レイセン「……」
レイセン(書類に紅茶が掛かって無かったのは良かった、床も机も拭いたし、サグメ様も落ち着いたんだけど)
サグメ「……」
レイセン(さっきからサグメ様が何も喋ってくれない、私もサグメ様による紅茶の噴水を見てしまって……うぅ、話し掛けづらい)
レイセン「……」
サグメ「……」
レイセン(で、でも私が何とかしないと! 私がサグメ様を助けないでどうするの!? 頑張れ! 私!)
レイセン「…さ、サグメ様」
サグメ「…」ピクッ
レイセン「あ、あの…だ、大丈夫…ですか?」
サグメ「大丈夫じゃない」プルプル
レイセン「あぁ良かっ……ってえぇっ!?」
サグメ「大丈夫じゃない…大問題だ!」
レイセン「そんなにですか!?」
サグメ「だだだだっ! だってレイセン! てててってっ…! 手紙! 手紙だぞ!? ルーミアからの手紙だぞ!?」
レイセン(だって!? サグメ様が『だって』って仰られた!?)
サグメ「嬉しすぎて心臓が飛び出しそうなのを何とか理性が押し止めている状態なんだ! この気持ちが分かるか!?」
レイセン「えぇっ!?」
サグメ「あぁマズイ! 非常にマズイ! 次から次へと沸き上がってくるこの嬉しさはなんなのだ! 初めてだこんな気持ちは!」
サグメ「る、ルーミア…! どういう事なんだ…! 手紙って…! 私に手紙って…!」プルプル
レイセン(サグメ様震えてる…! あっ可愛い♪ …!? い、いやいやそんなことよりもぉ!)ブンブン
レイセン「ルーミア…ルーミアってサグメ様が幻想郷で友達になったという妖怪の事ですよね?」
サグメ「そうだ…前に幻想郷に行ったときにワープ装置の故障で私だけ別の場所に飛ばされた私を助けてくれた友の一人だ」
レイセン「もう何ヵ月も前の事ですね、懐かしいです」
サグメ「そうだな…」
レイセン(私がはぐれたサグメ様を見つけた時にサグメ様と一緒にいたあの三人の内の一人…金髪の子がルーミアだったかな、話はしてないけどチラッと見たっけ)
レイセン「…これはあの子からの手紙」
レイセン(恐らく幻想郷で書かれたであろう物が何でここにあるのか…とか考え出したらキリがないけど今しなければいけないことは)
レイセン「サグメ様…この手紙」
サグメ「処分するのか!?」
レイセン「えっ!?」
サグメ「その手紙も他のファンレターの様に処分するのかと聞いているのだ!」
レイセン「そ…そんなことするわけないじゃないですか! サグメ様のお友達がサグメ様の為に書いた手紙を処分することなんて私には出来ませんよ!」
サグメ「そ、そうか…! 良かった…」
レイセン(スゴい喜怒哀楽が激しい…)
レイセン「サグメ様…それでこの手紙」
サグメ「う、うん?」
レイセン「読むんですよね?」
サグメ「もちろんだ」
レイセン「読んで大丈夫ですか?」
サグメ「……」
レイセン「……」
サグメ「だだだっだ、大丈夫! 大丈夫だ、問題ない!」プルプル
レイセン「全然大丈夫そうに見えないですよ!? というかさっき『大丈夫じゃない大問題だ』って仰ってましたよね!?」
サグメ「!! …き、きっと大丈夫だ…!」
レイセン(ふ、不安しかないですよぉ!)
サグメ「……すまない、レイセン…」
レイセン「!」
サグメ「私は今まで友と呼べる存在から手紙を貰った事が無いんだ、だから少々取り乱してしまった…」
レイセン「あ、謝る事では…それとお気持ちは分かります」
レイセン(少々じゃなかった気がしますけど)
サグメ「嬉しすぎて心臓が飛び出しそうなんだ」
レイセン「はい…それはさっき聞きました…」
サグメ「……」
レイセン「……」
レイセン「…手紙、読みましょう?」
サグメ「あ、あぁ…そ、そうだな」スッ
【サグメVS手紙】
サグメ「っ…!」ゴクッ
レイセン(机の上に手紙を置いてずっと凝視してる…)
サグメ(単に手紙とは言うがな……)
サグメ(……)
サグメ(これは本当に手紙なのか!?)ガーン
サグメ(明らかにファンレターとは違う何かを感じる…! な、何と表現したら良いのだろうか…)プルプル
サグメ(神々しい光を放っている様にも見えるし、虹色に輝く神秘的なオーラを纏っている様にも見える、これが友からの手紙なのか…!? 言い方は悪いがファンレターよりもレベルが違い過ぎる…!)プルプル
サグメ(……)ピタッ
サグメ(果たして私はこの手紙を無事に読みきる事が出来るのだろうか)
レイセン(小刻みに震えたと思ったらいきなりピタッと停まったりしてるサグメ様がちょっと可愛い)
サグメ(……)
サグメ(どんな経緯で月にこの手紙が来たかは分からないが、ルーミアが私に宛てて出してくれた手紙…読まなければならない、例え私が私でなくなったとしても読みきる…それが友と言うものの在り方だろう…!)
サグメ(よ、良し…! い、行くぞ…!)スッ
レイセン(あ、サグメ様やっと動いた)
サグメ(先ずは封筒から便箋を取り出そう…)スッ
ペリッ…パサッ…!
レイセン(便箋を取り出しているだけなのに緊張感が凄いです)
サグメ(…! 良し、便箋を取り出せた……うん? やけに厚みが…)
レイセン(…? なんであんなに厚みがあるんだろ)
サグメ(……なっ!!?)ビクッ
レイセン(ん? あれ? 三ま)
サグメ「便箋が三枚だとぉ!?」
レイセン「!?」ビクッ
サグメ「ど、どういう事なんだ…!? 普通手紙というものは一枚なのでは無いのか!? い、いや待てそうではない! そうではないのかもしれない!」
レイセン「お、落ち着いて下さいサグメ様! そうではないのかもしれないってなんなのですか!?」
サグメ「何がだ!」
レイセン「えぇっ!? わ、私が聞いているんですけど!?」
サグメ「レイセン!」
レイセン「は、はい!」
サグメ「これはルーミアからの手紙だよな?」
レイセン「…そう…なんですよね、その筈です…」
サグメ「何故三枚もあるんだ」
レイセン(えぇ…)
レイセン「…その…ルーミアって子が、三枚…はい、三枚書いたんじゃないでしょうか」
サグメ「私のために三枚も?」
レイセン「それは…あの、サグメ様…」
サグメ「なんだ」
レイセン「読めば…分かるんじゃないんですか…?」
サグメ「! ……」
サグメ「…」プルプル
レイセン(また震えてる)
サグメ「……三枚も…書いてくれたのか」
レイセン(嬉しいんだろうなぁ…)
サグメ「……すぅ~…ふぅ~…」
サグメ「…レイセン」
レイセン「はい」
サグメ「よ、読む…読むよ…?」
レイセン「ど、どうぞ?」
レイセン(そういえば口調も安定してないです、サグメ様…)
サグメ「……」スッ
サグメ「…!」ピラッ
レイセン(ついにいった…!)
『サグメさんへ…お久し振りね。 元気にしてるかしら? 月の民の暮らし振りを見たことが無いから何とも言えないけど、サグメさんはいつもクールに過ごしているのかしら、それとも熱いビートを刻みながら毎日を過ごしているの? でもどんなサグメさんでも元気に過ごせているのなら私の心配のアクセントは弱めで大丈夫かしらね。 あ、この手紙の事なんだけどサグメさんに手紙を出すから一緒に出さないかってルーミアちゃんに誘われてね、嬉しかったわ、遠く離れた友達に手紙を書くなんて初めてだからちょっと緊張しながら書いてるのよ、あら、私らしくないかしら。 なんてね。 さて、私の事よりもこの手紙をあなたに出した理由なんだけど、たぶん布都さんとルーミアちゃんも同じ事を書いていると思うけど一応私も書いておくわね、この手紙があなたに届く日の二日後、明後日になるわね(ちゃんと届いていますように) 幻想郷の人里、私達四人が運命の出会いをしたあの場所で大規模のフェスが行われるの。 サグメさんが月には娯楽が少ないって言ってたじゃない? だから幻想郷の娯楽、幻想郷なりのもてなしであなたを楽しませてあげたいの。 ごめんなさいね、いきなりの事だから戸惑ってしまったり都合が悪くて来られないなんて事があるかもしれないけどサグメさんに見せてあげたいの、幻想郷の娯楽のビートをね。 来て損はさせないわ、それに私もフェスに参加して会場を湧かせるのよ。 サグメさん、もし良かったら明後日、幻想郷に来てフェスを一緒に楽しみましょう。 あなたに素敵な一日を過ごさせてあげたいの、時間は朝の9:00から始まるわ。 待ってるわね、サグメさん。 あなたの友人、堀川雷鼓より』
『サグメ殿へ 久し振りだの、元気にしておるか? 我は元気に太子様を支える日々を送っておるぞ、たまに屠自古から電撃をもらってしまうのだけは解せんがの、酷いと思わんか? 何故我に電撃を落とすのかが不思議でしょうがないのだ、心当りが全くないのにどういう事なのだ、まぁ我の話はこれぐらいにしてサグメ殿、月では楽しくやっておるか? 前に人里でサグメ殿と出会い、ミスティア殿の屋台で会話を交わした時は楽しかったのう、思い返せば団子から始まった我等の関係、懐かしいのう、団子と言えば月と関係あるのではないのか? 月から来たと言う青色の兎と黄色の兎が団子屋を開いておったからのう、関係しているものから関係を得る、それが友との出会いとは不思議なものだの、出会うべくして出会ったと言うならば、団子が我等を引き合わせてくれたのかの、団子に感謝せねばならんな。 してサグメ殿、我がこうしてこの書状に筆を走らせておるのはルーミアに誘われたからなのだ、サグメ殿に文を出すから一緒にどうだ? とな、文を出すなど昔はやったおったが幻想郷では初めての事だったからの、誤字に気を付けながら今も書いておるのだ、あ、こういうのは余計なのかの? 文をお主に出した理由なのだが、何やら人里に新しく娯楽場なるものが建てられたらしくての、そこでフェスだったか? とかいうお祭りみたいな物が行われるのだ、音楽は元よりこころ殿の能や雷鼓殿のライブ? をやるらしいのだ、太子様は元より我もそれを見に行こうと思っておるのだが、サグメ殿もどうかの? 思い出したのだが、サグメ殿は娯楽に縁があまりないと言っておっただろう? 我は娯楽には縁はある方なのだがハイカラの文化には疎い、見て着いていけるか少々不安なのじゃ、だから同じ仲間、いや友としてだの、一緒にフェスなるものを見に行き、ハイカラな娯楽文化を学ぼうではないか! 月から幻想郷に来るのは難しい事なのかもしれんが、お主と共に見てみたいのだ、少し我が儘な言い分だが、サグメ殿、待っておるぞ! あ、始まる時刻は明後日の朝、辰の半刻だ、それではサグメ殿、明後日に会おうぞ! 遠き国の友へ。 著、物部布都 (悪い、こういう書き方じゃ分からないかもと思ったから布都のアホの目を盗んで書いといてやんよ、辰の半刻ってのは9時の事だからな、あぁ私の事は気にすんな)』
『サグメへ サグメ元気かー? 私なのだー、その後にサグメはそーなのかー? と言うのだ、これはお約束ってやつなのだ ここまで書いてたんだけどなー? これじゃ言いたいことが伝わらないから私が一緒に考えてあげるって友達の大ちゃんに言われて一緒に書いてるのだ…手紙って書くのが難しいんだなー、書きたいことを書くのが手紙だと思ってたのだ、でも仕方がないなー、サグメ、サグメに手紙を書いたのはある理由があるからなのだ、サグメに幻想郷に来てほしいのだ、人里…覚えてるかー? サグメと私達が初めて会った場所にな? 新しく大きな建物が建ったのだ、そこで色々とみんなで出し物をやることになったのだ、けーね先生が言うにはお祭りらしいのだ、そのお祭りをみんなで見るんだけど、サグメも一緒に見ないか? と思って手紙を出したのだ、それと見るだけじゃないんだぞー? 私も参加するのだ、何に出るかは秘密なのだ、来てからのお楽しみと言うやつなのだー。 この手紙は紫に頼んでサグメの所に届ける事になったのだ、雷鼓と布都も書いてくれたんだ、きっと二人もサグメが来てくれるのを楽しみにしているのだ。 お祭りは明後日にやる事になったのだ、サグメ、私はサグメにもお祭りを楽しんでほしいのだ、サグメは月にいるから来れるか分からないけどもし来れたら、一緒に遊ぼうな、約束だぞ、サグメ 遠い月の友達へ、ルーミアより』
サグメ「……」
レイセン「……」
レイセン(読み…終えたよね)
サグメ「……」
レイセン「……」
【十分後…】
レイセン(えぇっ!?)
サグメ「……」
レイセン(いやいやいや待って待って! 怖い怖い怖い! 怖いから! 最後の三枚目を読み終えてからサグメ様が動かなくなったよ!? 三枚目の手紙を持ったまま固まってるよ!? どうしちゃったんですかサグメ様ぁ!)
サグメ「…」
レイセン(こ、声をかけるのも怖いよぉ…! で、でもこのままじゃ何も変わらないし…! え、ええいままよ!)
レイセン「サグメ様、お手紙どうでしたか? 何が書かれていたんですか?」
サグメ「…」
レイセン「…」
サグメ「…」
レイセン(えっ、無視!?)
レイセン「サグメ様…?」
サグメ「…」
レイセン(……触って大丈夫だよね)
レイセン「サグメ様、あの」スッ
サグメ「 」ユラァッ
レイセン「えっ…?」
ドサッ…
サグメ「 」
レイセン「えぇっ!? た、倒れたぁ!? サグメ様! サグメ様ぁ! 大丈夫ですかサグメ様!」
サグメ「 」ユサユサ
レイセン「サグ……!? えぇ!? う、嘘でしょぉ!?」
レイセン「この人気絶してるー!? 何でぇ!? どうしてこうなったんですかぁ!?」
ガチャッ…
レイセン「!」
綿月豊姫「何事です? レイセン、大きな声が部屋の外まで聞こえていましたよ?」
レイセン「と、豊姫様ぁ…!」ウルウル
豊姫「まぁどうしたのですレイセン、そんなに泣きそうな顔で…あら…?」
サグメ「 」チーン
豊姫「……♪ まさかの『玉兎裏切り殺月人事件』の現場に遭遇ですか♪」
レイセン「ち、違いますよぉ! 変なことを仰らないで下さいよぉ!」
豊姫「ふふっ…♪ それで? どうしてこうなったのです? サグメ様が気絶なさる程の…」
レイセン「気絶の事は私には何がなんだか…で、ですがその手紙です! 手紙が原因なのです!」
豊姫「…?」ピラッ
豊姫は手紙三枚を手にとって読んだ
豊姫「……なるほど」
レイセン「えっ…? な、何か分かったのですか?」
豊姫「レイセン、とりあえずサグメ様をソファーに寝かせてあげなさい」
レイセン「は、はい…! よいしょっ…と」スッ
サグメ「 」ススッ
豊姫「目を覚ますまでしばし待ちましょう、それから依姫に連絡を取ってここに来るように言いなさい」
レイセン「は、はい!」スッ
豊姫「……」
豊姫(サグメ様次第…と言う訳ですね)
【夢の世界】
ドレミー・スイート「あっはははははは! ははっ…! くっふふ…!」ゲラゲラ
サグメ「…///」カアッ
ドレミー「ふっ…ふふっ…! ふふふふっふふふ…! んふふふふっ…!」ゲラゲラ
サグメ「わ、笑いすぎだろう!」
ドレミー「だ…だっ…! んっふはははは!」
サグメ「…!? くっ…!」
ドレミー「ふぁ~っ…んっふふふ…♪ あ~面白い♪ 笑いすぎて涙出てきちゃいましたよ」
サグメ「面白くない! 笑うことでも無いだろう!」
ドレミー「だって…んふふっ…! な、何でしたっけ? 『お友達からの遊びのお誘いのお手紙を読んであまりの嬉しさに気絶』でしょう? んふふっ!」
サグメ「! …/// わ、悪いか!?」
ドレミー「悪いなんて一言も言ってないじゃないですかぁ♪ んふふ♪」
サグメ「……」ムスッ
ドレミー「剥れないで下さいよぉ♪ 良かったじゃないですか、心臓が飛び出さなくて」
ドレミー「一種の防衛本能なんじゃないんですかね、そのまま気絶してなかったら本当に自分の心臓を生で見ることになったかも知れませんよ♪ それに気絶したことでここに来ることも出来ましたし」
サグメ「そ、それは…」
ドレミー「レイセンさんに今の自分の状態を話すなんて出来ないでしょう? サグメさんが落ち着かなければ会話すらままならないでしょうし」
サグメ「う、うむ…」
ドレミー「ふふっ…♪ で? どうするんです?」
サグメ「な、何をだ?」
ドレミー「手紙のお返事ですよ、まぁその内容なら返事を書くよりかは行動で示した方が良いんでしょうけどね」
サグメ「…!」
ドレミー「お答えは?」
サグメ「……私は…」
サグメ「ルーミア達の想いに答えたい、幻想郷に行きたいと思っている」
ドレミー「! ほぉ~…」
サグメ「…だが……月で特殊な立ち位置にいる私が私情で幻想郷に一人で行く事など許されるのだろうか…」
サグメ「……」
ドレミー「……」
ドレミー「…! サグメさん、どうやらここまでみたいです」
サグメ「な、何…?」
ドレミー「あなたの本体が目を覚まそうとしてます、ここにいたのは十五分…気絶なら妥当な時間ですね」
サグメ「! ドレミー、わ、私は…」
ドレミー「まぁそうですねぇ、私からアドバイスをするなら…」
ドレミー「月に戻っても自分の心に嘘はつかない方が良いですよ」
サグメ「!」
ドレミー「ふふっ♪ また今日の夜…お会いしましょう、サグメさん」
サグメ「ドレっ…!」スッ
ズォォォ……
ドレミー「……」
ドレミー「サグメさんって気絶したの人生初なんじゃないかな、ふふっ♪」
【月の都、サグメの自室】
サグメ「……うっ」
依姫、豊姫、レイセン「…!」
サグメ「……」パチッ
サグメ「ここは…?」
レイセン「さ、サグメ様ぁ!」ダッ
サグメ「うっ…! れ、レイセン…」
レイセン「良かったです…! 目が覚めたんですね!」
サグメ「……?」
サグメ(! そうか、嬉しさのあまりに気絶して…夢の世界へ…)
依姫「サグメ様、お体に変わりはありませんか?」
サグメ「…! 依姫…! 豊姫まで…」
豊姫「……」
サグメ「…あ、あぁ大丈夫だ…問題ない」
レイセン「はぁ…良かったぁ~…」
依姫「驚きました、サグメ様が倒れられたと報告があったものですから…」
サグメ「…心配をかけてすまない」
依姫「無事で何よりです、サグメ様」
レイセン「はい、本当に良かったです…」
豊姫「……サグメ様」
サグメ「豊姫…?」
豊姫「このサグメ様宛のお手紙…大変失礼だとは重々承知でしたが読ませていただきました」
サグメ「!」
豊姫「依姫とレイセンは読んでいません、他の者に読ませる気もありませんから安心して下さい」
豊姫「依姫、レイセン…この手紙の事に関して詮索することは許しません、分かりましたね?」
依姫「! はっ…」
レイセン「は、はいっ…!」
サグメ「…! 豊姫、私は…」
豊姫「私はこの手紙の内容に関して何も感じておりませんし、興味もありません、そして何処からこの手紙が来たのか…それも知らない事にします」
サグメ「!」
レイセン、依姫(……します…?)
豊姫「それでですねサグメ様、貴方様に一つ質問があります」
豊姫「サグメ様は幻想郷に行きたいですか?」
サグメ「!」
レイセン、依姫「…!?」
豊姫「……」
サグメ「……わ、私は…」
サグメ「…」
豊姫「申し訳ありません答えづらいですよね、なら質問を変えます」
豊姫「幻想郷に行きたいか、それとも行きたくないか」
豊姫「どちらですか? サグメ様」
サグメ「……! ……」
サグメ「……」
サグメ(私の独断で…いや、月の民である私が…やはり……)
サグメ(……!)
『自分の心に嘘はつかない方が良いですよ♪』
サグメ(ドレミー…こういうことか…)
サグメ(……)
サグメ「…豊姫」
豊姫「はい」
サグメ「こ、答えは……っ…!」
サグメ「前者だ…行きたいと思っている」
依姫、レイセン「!」
豊姫「……」
豊姫「…♪ そうですか…♪ ふふっ♪」
豊姫「はぁ…また面倒な手続きを済ませなければなりませんね、まぁ今回はサグメ様お一人で、と言う事なので早く済ませられそうですね」
サグメ「! 豊姫…」
依姫「お、お姉さま!」
豊姫「詮索は許さないと言いましたよ?」
依姫「し、しかし…!」
豊姫「私達が八意様に会いに幻想郷へ赴く…サグメ様の今のお気持ちは私達のそれと同じ様な物です」
依姫、レイセン「!」
豊姫「ふふっ♪ そうですよね? サグメ様?」
サグメ「…! ふっ…あぁ、そうだな…」
豊姫「ふふっ…♪ う~ん、そうですねぇ…サグメ様のお仕事は依姫に引き継がせるとして…あぁそうです、レイセン、今地上の優曇華院に連絡は取れますか?」
依姫「えっ…!?」
レイセン「はい! 電波を飛ばせば連絡は容易かと…」
豊姫「では任せましたよ♪ それから八意様と輝夜にも聞こえる様にしてくださいね、私が全て話しますので」
レイセン「はい! ムムム…」ピピ
依姫「お、お姉さま! 私が書類整理をですか!?」
豊姫「たまにはやってみるのも良い経験になりますよ? あぁ、あなたの仕事は私に任せなさい♪ 新米の玉兎をしごいてさしあげましょう♪」
依姫「むぅ……しかし、あんまり飴を与えすぎない様にしてくださいね」
豊姫「もちろんです♪ あぁ、腕がなりますね」
サグメ「豊姫…」
豊姫「はい、なんでしょう」
サグメ「世話を掛ける…それと…感謝する、ありがとう」
豊姫「サグメ様にはいつもお世話になっておりますので、恩返し…と言ったところでしょうか、ふふっ♪」
豊姫「ですがサグメ様? くれぐれも穢れにはお気をつけを…」
サグメ「! あぁ、分かっている」
豊姫「…♪」ニコッ
依姫(はぁ、書類整理か…苦手なんだよなぁ)
レイセン「おおっ…繋がる…繋がりそう…! ……あっ、来た!」ピピ
【幻想郷 永遠亭、茶の間】
因幡てゐ「鈴仙、醤油取って」
鈴仙・優曇華院・イナバ「はぁ? 自分で取りなさいよ」
てゐ「醤油も取れない程余裕が無いウサか?」ニヤッ
鈴仙「っ…! はいはい取れば良いんでしょ取れば」
てゐ「最初からそうすれば良いウサ♪」
鈴仙「うっさい!」
蓬莱山輝夜「ふふっ、鈴仙は素直じゃないからね」
鈴仙「す、素直とか関係ないじゃないですか…」
輝夜「私が取ってって言ったら取ってくれるでしょ?」
鈴仙「それは…もちろんですよ」
てゐ「うわぁ、人によって態度変えるんだこの兎」
鈴仙「詐欺師の兎に言われたく無いわね」
てゐ「誰が詐欺師だ!」
鈴仙「間違ってないでしょうが!」
八意永琳「…あなたたち、お昼を食べている時ぐらい静かに出来ないのかしら」スッ
てゐ、鈴仙「!?」
永琳「このお薬…そのお茶にいれて飲んでみない?」ニッコリ
てゐ、鈴仙「し、静かにお昼をいただきます!」
永琳「よろしい」
輝夜「あら、それ何の薬?」
永琳「ただの精神安定剤よ」
輝夜「精神破壊剤の間違いなんじゃないの~?」ニヤニヤ
永琳「ふふっ、そんな薬作りませんよ♪」ニッコリ
てゐ(しゃ、シャレにならねぇウサ…!)ブルブル
鈴仙(飲んだら絶対に明日の朝日は拝めない…!)ブルブル
ピピピピ!
鈴仙、輝夜、永琳「!!」ピクッ
てゐ「…うん?」
鈴仙「あ、私宛ですね…はい、もしもし?」
鈴仙「! 豊姫様…! はい…! はい」
輝夜、永琳「…」
てゐ(ちぇっ、また月からの電波ってやつか)
鈴仙「はい…はい…! それは明後日に、はい確かに明後日に行われ…えっ? サグメ様がですか?」
鈴仙「はい…! はい、分かりました! お任せ下さい! それでは…! はい! 失礼しまーす!」スッ
鈴仙「…ふぅ」
永琳「まさかサグメが一人で来るなんてね、しかも明後日のアレを見に来るとは」
輝夜「サグメもこっちでお友達を作ったそうじゃない、会いに来る意味でも来るんでしょ?」
鈴仙「そうみたいですね、でも豊姫様何故小声だったんでしょうか」
永琳「依姫か誰かが近くに居たんじゃないかしら、周波数がレイセンの物だったから、他の者に知られていない可能性はあるわね、手紙の事も大っぴらに言えないでしょうし」
輝夜「なるほどねぇ~♪ …あら、てゐ?」
てゐ「……」ムッスー
鈴仙「何よその顔は」
てゐ「別に…」
輝夜「ふふっ…♪ サグメが明後日にこっちに一人で遊びに来るみたいなのよ、だからそれの出迎えのお話だったの」
永琳「サグメは土地勘が無いから迷ってしまわない様に案内してあげて、これが内容ね」
鈴仙「その案内役に私が選ばれたって訳よ、分かった?」
てゐ「……あっそ」
鈴仙「なんなのよ、興味無いの?」
てゐ「ふん…」
鈴仙「…?」
輝夜(実際一番素直じゃないのはてゐなのよねぇ♪ ふふっ、可愛い♪)
永琳(八雲紫が手紙を出すのに協力したのは……ふっ、これこそいらぬ詮索かしらね)
こうしてサグメは明後日、幻想郷に行くことになった
そして、その日の夜
【夢の世界】
ドレミー「ほぉ~♪ 良かったじゃないですか」
サグメ「あぁ、これで幻想郷に行くことが出来る、今回はワープ装置の故障などではなく、自分の意思で人里に行き、ルーミアたちに会うことが可能になったんだ」
サグメ「…これも貴方のお陰だ、ありがとうドレミー」
ドレミー「ふふっ♪ 私は何もしていませんよ、ただちょっと後押ししてあげただけですので」
サグメ「それにお礼を言っているのだ、貴方のあの言葉がなければ私は……後者を選び、幻想郷に行くのをやめていた可能性があった」
サグメ「本当に感謝しているよ…ドレミー」
ドレミー「……なんか最近感謝されることが多くなった気がしますねぇ、あなたからも、他の人からも」
サグメ「…?」
ドレミー「ははっ、笑っちゃいますよねぇ、夢の世界の獏が人助けだなんて…柄じゃないのに」
サグメ「笑えないぞ、それで心を救われた者もいるのだからな」
ドレミー「!」
サグメ「本気で言っているんだぞ、ドレミー」
ドレミー「…」
ドレミー(こういう時はちゃんと目を見て躊躇いなく言ってくるんですよねぇ、この人は…///)
ドレミー「どうも…本気で言っていただけてこちらも嬉しいですよ」
サグメ「そうか、ならいい」
サグメ「……」
ドレミー「……」
サグメ「と、ところで…! あ、明後日の事なのだが」
ドレミー(あ、いつものサグメさんだ)
サグメ「その…えっとだな…」
ドレミー「前日の夜に興奮して寝付けないようにすれば良いだけなんじゃないですか?」
サグメ「そんな子供みたいなことを私がするわけないだろう!? バカにしないでくれ!」
ドレミー(しそうだから言ったんですけどねぇ)
ドレミー「では何が心配なんですか? 心配することなんてもう何も無いじゃないですか、手続きが済んで明後日に行くことが決まっている、道に迷わない様に案内人もいるのに…」
サグメ「その…だな…」
ドレミー「はい」
サグメ「…」
ドレミー「……」
サグメ「明後日の日に何を着ていったら良いのかさっぱり分からな」
ドレミー「いつもの格好で行けば良いんですよ! 余計な事は考えなくて良いんです! あなたは本当に…! あんぽんたんなんですか!?」
サグメ「!?」ガーン
サグメは明後日の日に心を躍らせていた。
幻想郷住人の大半が集まる人里のお祭り、果たしてどんな催し物があるのか、考えても考えても皆目見当がつかなかった
手紙でもそうだ、布都と見ることは確定しているがルーミアと雷鼓は何を自分に見せてくれるのか
友である者が私に何かを見せてくれること自体が嬉しい
様々な感情がサグメを駆け巡っていた、それは時間が経つのを忘れてしまうほどに、そして気が付けば
【二日後 サグメの自室 午前6:30】
サグメ「…んっ」スッ
サグメ「……」パチッ
サグメ「……」モゾモゾ
サグメ「…朝…か」
サグメ「……! 時間!」スッ
サグメ「……ふぅ…まだ六時半だったか…」
サグメ「余裕を持っていけそうだな、良かった…」
サグメ「……緊張もしてない、余計な物も持っていかない、私は決してあんぽんたん等では無いのだからな…」
サグメ「……着替えよう」スッ
【その頃 幻想郷 博麗神社】
河城にとり「おっす♪ おはよう霊夢」
霊夢「おはよ、朝早くから悪いわね」
にとり「良いんだよぉ、こっちは提案してくれて寧ろってうおっ!?」
魔理沙「よっ、おはようさん」
にとり「おっ…!? 起きてる…だと…!?」
魔理沙「な、なんだよ! 悪いかよ!」
にとり「今朝の六時半だよね? 霊夢」
霊夢「時計は狂ってないわよ」
魔理沙「お前らな…」
霊夢「あれ? にとり、みとりは?」
にとり「ん? あぁ来てるよ、姉ちゃーん! 早く上がって来なよ♪」
河城みとり「はぁはぁ…ま、待ってよ…私にとりみたいに体力無いんだよ…?」
魔理沙「何で歩って来たんだよ」
にとり「ほら…寒いからさぁ」
霊夢「理由それなの…? まぁいいけど」スッ
霊夢「みとり、おはよ」
魔理沙「よっ、みとり! 久し振りだな♪」
みとり「あっ! 霊夢さん、魔理沙さんおはようございます! そしてお久し振りです!」
魔理沙「おっ? なんかちょっと垢抜けたか?」
みとり「え、えへへ…/// そ、そうですか?」
霊夢「前よりも姿勢が低くなくなったわね、それとオドオドした感じも消えてるじゃない」
にとり「姉ちゃん、前にここに来て地底に帰った後に少しずつ練習したらしいんだ、地底の妖怪たちに協力してもらってね」
魔理沙「ほぇ~…♪ じゃあ連れてっても問題なさそうだな」
みとり「ま、まだ少し不安ですけど…頑張ります」
霊夢「ふーん…♪」
霊夢(魔理沙も良い案を思い付いたわよね『良い機会だからみとりに人間と妖怪が仲良くなっているところを見せてやる』本当絶好の機会だもんね)
みとり「アリスさんが居ないのは寂しいです…」
魔理沙「あいつは劇の準備で忙しそうだったからなぁ、しょうがねぇさ、その代わりと言っちゃあなんだがもう一人来る事になってるからよ」
みとり「来るのは聞いてたんですけど…どんな方なんですか?」
霊夢「話してなかったの?」
にとり「うん、ちょっとしたサプライズさ♪」
霊夢「紫みたいなことを…」
カツンカツン…
霊夢「! 来たみたいね」
魔理沙「約束の時間ピッタリに来るんだなあいつ」
霊夢「あんたと違ってね」
魔理沙「おい!」
十六夜咲夜「おはよう、来たわよ」
霊夢「おはよ、咲夜」
にとり「おっす咲夜!」
魔理沙「よっ、カリスマの館からご苦労さん」
咲夜「…えっ?」
魔理沙「…ん?」
咲夜「嘘でしょ…起きてる…」
魔理沙「うおぉい! なんだよお前まで!」
霊夢「ぷふっ…!」
にとり「んふふふっ…!」
みとり「ふふふっ…」
魔理沙「私が起きてるのがそんなに珍しいのかよ!?」
咲夜「逆に何で起きてるのよ」
魔理沙「あー? 私に楽しみばかりの今日の日に寝てろってのか? よくそんな酷いことが言えるな!」
咲夜「そこまで言ってないでしょ、珍しいとは思ってるけどね♪」スッ
魔理沙「こ、こんにゃろう…!」
霊夢、にとり「ふっふふふっ…!」
みとり「ふふっ… あっ…!」
咲夜「えっと、あなたが河城みとり?」
みとり「は、はい!」
咲夜「霊夢と魔理沙から話は聞いてるわ、あなたがにとりの姉で半人半妖のみとりなのね」
咲夜「私の名前は十六夜咲夜、人間よ、紅魔館でメイド長をしているの、よろしくね♪」スッ
みとり「は、はい! よろしくです、咲夜さん!」スッ
咲夜(人間が苦手だったとは思えないわね、霊夢達が心を開いてあげたみたいだけど何をしたのかしら)
にとり(人間と握手か、少し前じゃ考えられなかったもんね…♪)
咲夜「…ふふっ…あなたにとりと似てるわね、姉妹なんだから当然よね」
みとり「えっ?」
咲夜「目元とかそっくりよ? 優しい目をしてるわ」
みとり「ふえっ…!? そ、そんなこと言われたの初めてです…///」
霊夢、魔理沙「…? ……」ジーッ
にとり「…? な、何さ」
霊夢「…似てる?」
魔理沙「いや、わかんねぇ…」
にとり「! ははっ、咲夜には分かんだね」
咲夜「あなたたち分からないの?」
霊夢、魔理沙「いや、全く」
咲夜「えぇ…」
みとり「に、にとり…わ、私たち似てるって言われたよ…♪」
にとり「そりゃ当然さ♪ 姉妹だからね♪」
魔理沙「アリスでも気付かなかったのにな」
咲夜「それはほら…アリスはあなたの事しかじっくりねっとりと見ないから」
霊夢「あぁ、なるほど」
魔理沙「おい納得すんな! ねっとりとか言うなよ!」
霊夢「丸で絡み付くような眼差しで?」
咲夜「ねっちょりと…?」
魔理沙「やめろぉ!」
霊夢、咲夜「ふっふふっ…!」プルプル
にとり「あっははは…!」
みとり「ふふっ…♪」
みとり(咲夜さんもなんだか霊夢さんと同じ様な不思議なオーラを纏ってる人…かな)
みとり(ツンとしてるけど、根は凄く優しい人だと思う、この人とも仲良くなりたいな…♪)
霊夢「そういえばさ、咲夜のとこは何か出し物やらないの?」
咲夜「えっ? あぁ…うん…そうね」
魔理沙「お? 祭りの参加者がいるのか?」
咲夜「…まぁ…行ってみてのお楽しみよ、うん」
魔理沙「何で目に見えて元気が無くなってるんだよ」
霊夢「これは察してあげるべきなんじゃないの?」
魔理沙「あ、分かったぜ」
咲夜「…止められなかったのよ」
魔理沙「カリスマがやらかす未来が見えるな」
みとり「…? カリスマ?」
にとり「紅魔館は知ってるよね? そこの主の事だよ、咲夜が仕えてる人だね」
みとり「え? 紅魔館の主って…確かレミリアさんって人なんじゃ」
魔理沙「いいんだよみとり、カリスマって呼んでやると泣いて喜ぶから」
みとり「えっ…?」
咲夜「お嬢様の侮辱は許さないわよ…」ボソッ
霊夢、魔理沙、にとり「声小さっ!」
魔理沙「お前、まさか説得したのか」
咲夜「えぇ少し、特にパチュリー様が『恥をかくだけだから出るな』って…でもどうしても出たいって仰るから……」
霊夢「あんた達も大変ね」
魔理沙「私は遠慮なく笑うからな」
みとり「? ??」キョトン
にとり「まぁ…会場に行けば分かるよ、姉ちゃん」
みとり「う、うん」
霊夢「それじゃそろそろ行きましょうか」
咲夜「そうね、人里まで結構あるから」
魔理沙「ん? 歩いて行くのか?」
霊夢「その方が良いでしょ? みとり」
みとり「へっ? あ、はい!」
にとり「景色とかも見たいもんね♪ 紅葉シーズンだし」
咲夜「朝の散歩も気持ちが良いわよ?」
魔理沙「そこは認めてやるぜ」
霊夢「んじゃ行くわよ~」
魔理沙「そういやよ、お前が前に言い放った大好きについてなんだが」
咲夜「!」
魔理沙「あれ何で言ったんだ?」
咲夜「い…今は聞かなくて良いでしょ!」
魔理沙「今気になったんだからしょうがねぇじゃん、あの時にいた半分の奴等は照れてたし、レミリアとパチュリーと美鈴はちょっと泣いてたし…なんだったんだよあれ」
咲夜「いいから! 今聞かなくていいから!」
魔理沙「いつ聞くんだよ」
咲夜「明日でも良いでしょ! ほら行くわよ!」
魔理沙「…霊夢はどう思う?」
霊夢「…私は別に興味ないわよ」
霊夢(あの時の咲夜の笑顔に思わず照れたなんて言えないわよ…/// ち、ちくしょう…///)
にとり、みとり「…?」
【人里 娯楽場、控え室】
ルナサ・プリズムリバー「…」
メルラン・プリズムリバー「…」
リリカ・プリズムリバー「……」
ルナサ、メルラン「失敗したらどうしよう…」orz
リリカ「今更!?」
ルナサ「いや…だってさ、こんなちゃんとしたステージがあるところでやったことないじゃん」
メルラン「いつもはほら、宴会の場とか向日葵畑でやってるから…聴いてる様で聴いてないみたいなところでやってんじゃん」
リリカ「いや、皆聴いてくれてるからね? 私達の演奏良かったって言ってくれてる人いるからね?」
ルナサ「…私それ聞いてないんだけど」
メルラン「はっ…あれなんじゃないの? 皆さ、リリカにだけ言ってんじゃないの?」
ルナサ「あっ…そっか~…リリカだけしか評価されてないんだ~…」
メルラン「リリカだけのファンクラブもあるからね…」
メルラン、ルナサ「……」
メルラン、ルナサ「マジで辛いんですけど…」
リリカ「姉さん達のその自分で自分を追い込んで行くスタイル何なの? ねぇ?」
ルナサ「はい、リリカソロライブ決定~」
メルラン「行ってらっしゃい、姉さんたち応援してるから」
リリカ「無理だよ! 私がソロライブ苦手なの分かってて言ってるよね!? 姉さん達の方がソロライブ得意じゃん!」
ルナサ「何でそうやって直ぐ嘘付くの?」
リリカ「はぁ!?」
メルラン「満員御礼のステージでいきなり演奏をやらされる私達の気持ちが分かるかっ!」
リリカ「分かるよ! いつも三人で演奏してきてるんだからさぁ!」
メルラン、ルナサ「…」
リリカ「あのさ、雷鼓さん達もいるんだから頑張ろうよ、それに私達の演奏が無いと成り立たない演目だってあるんだよ?」
リリカ「たくさん演奏するからプレッシャーが凄いけど、その分期待されてるって事なんだから頑張ろ? ね?」
メルラン、ルナサ「……」
ルナサ「はいはい、やりゃあいいんでしょやりゃあ…」
メルラン「はっはっはっはー! ……最近テンション長続きしないんだよねぇ…」
リリカ「色々と不安だけど大丈夫そうだね、うん」
九十九八橋「あれは大丈夫って言えるの? 雷鼓姐」
堀川雷鼓「大丈夫よ、リリカ達は本番に強いタイプだから、それにさっきのは自分達を鼓舞する為にやっていたのよ?」
八橋「あれが!? 自分達の鼓舞に繋がってるの!?」
雷鼓「ハートに迸る熱いビートを感じるわね♪」
八橋(まっっったく分かんない!)
九十九弁々「それ分かるわ雷鼓姐、凄絶に迸るビートがリリカ達を後押ししてるわね」ベベン
雷鼓「流石ね弁々♪」
弁々「ふっ、当然でしょ♪」
八橋(最近の姉さんの凄絶推しは何なんだろうか…)
雷鼓「……」チラッ
幽谷響子「みすちー、チューニング合ってる?」
ミスティア・ローレライ「うん、バッチリ♪」
秦こころ「ほっ…よっ…ここでクルっと回って…こうだ」
アリス・マーガトロイド「人形達の仕込みは…大丈夫ね」
雷鼓(半分以上の人達が来てるわね、他の人達とのリハーサルも昨日やったし…演目に関しての問題は無いかな)
雷鼓「…八橋、ちょっと外に出てくるわね」
八橋「あ、うん、行ってらっしゃい」
【娯楽場 客席】
ガヤガヤ ワイワイ
雷鼓(もうこんなに人が集まってるのね…ふふっ♪ これは張り切らないとね♪)
雷鼓(……サグメさん、来てくれるかしら…)
雷鼓(はぁ、ダメよ観客一人を特別扱いするなんて…でも一番観てもらいたい人が居ないとテンションがダウンしちゃう…)
雷鼓(でもまだ時間はあるから…大丈夫…)
雷鼓ー!
雷鼓「!」
ルーミア「雷鼓ー!」
布都「雷鼓殿!」
雷鼓「ルーミアちゃん! 布都さん!」
蘇我屠自古「はしゃぎ過ぎだろあいつ」
豊聡耳神子「いいじゃないか屠自古、せっかくの祭りなんだからね」
雷鼓「良く来てくれたわね♪」
布都「当たり前じゃろう、雷鼓殿のびーと? とやらをずっと見たかったからのう!」
雷鼓「ふふっ、ありがとう布都さん」
ルーミア「雷鼓、ちょっと遅れちゃったのだ…」
雷鼓「そんなこと無いわよ? まだ来て無い人もいるしね」
ルーミア「そーなのかー♪」
雷鼓「そーなのよー♪」
ルーミア、雷鼓、布都「わはー♪」
ルーミア「わはは♪ そっかー、まだ大丈夫だったか」
布都「ん? 何じゃ? ルーミアも何か出し物に参加するのか?」
雷鼓「えぇ、そうなのよ♪」
布都「なんと…!? 聞いとらんぞ~?」
ルーミア「秘密にしておいたのだ♪」
雷鼓「ふふっ、この日の為に私達と練習してきたんだもんね♪」
ルーミア「そーなのだー♪」
布都「ほほぉ♪ それは楽しみにしておこうかのう」
ルーミア「わはは♪ あっ! 雷鼓、サグメは来てるかー?」
雷鼓「! ……いえ、まだ来て無いわね…」
ルーミア、布都「!」
ルーミア「……」
布都「だが始まるまでまだ時間もあるであろう? 気長に待とうぞ、サグメ殿はきっと来てくれる筈じゃ」
雷鼓「! …ふふっ、そうよね♪」
ルーミア「そ、そうだよな! だったら待つのだ」
雷鼓(…私だけが心配してる訳じゃないのよね)
ルーミア「雷鼓、私も控え室とか言うとこにいた方が良いのかー?」
雷鼓「う~ん…そうね、そうしてくれる?」
ルーミア「分かったのだ」
布都「では…我は始まるまで外に出ていよう、サグメ殿が来たら一緒に入るでな」
雷鼓「ありがと、布都さん」
布都「それでは太子様…我はこれにて」
神子「あぁ、分かった」
屠自古「……」
神子「最近布都があなた達の事をよく話してくれるんだ、とても嬉しそうにね」
雷鼓「あら、そうなの?」
神子「布都は人との交流が苦手で幻想郷のハイカラ文化には馴染めないと自分で言っていたのだが…ふふっ、その考えは今や何処吹く風だよ」
ルーミア、雷鼓「…」
神子「これもあなた達のお陰なのだろうな、感謝しているよ、そしてこれからも布都と仲良くしてやってくれ、よろしく頼む…と月の民の者にも言っておいてくれ」スッ
雷鼓「…! ふふっ、分かったわ♪ それとこちらこそよろしくお願いするわね」
ルーミア「うん! よろしくなのだ」
神子「ふふっ…♪」
屠自古(ふん…♪ あいつも私の知らない所で他のやつらと交流深めてんだな)
神子「あぁそうだ、こころは控え室とやらにいるのかな? どれ、こころと少し話を」
雷鼓「あぁ待って…! 神子さん、悪いけどあなたとこころちゃんを会わせる訳にはいかないわ」
神子「ん? 何故だ?」
雷鼓「…こころちゃんが会いたくないって言ってるから」
神子「なっ…!? 何っ!? 私のこころがそんなこと」
屠自古「あぁ待って下さい太子様…!」スッ
屠自古「なぁ…こころ何て言ってた?」ヒソヒソ
雷鼓「『練習中に神子に話し掛けられたら気が散るから終わるまで話したくない』って」ヒソヒソ
屠自古「あぁ納得した…ありがとな」ヒソヒソ
屠自古「た、太子様! 早く座りましょう!」
神子「むっ? 屠自古、こころには親として私が舞台に立つときの心構えを」
屠自古「こころに嫌われたくなかったら座って下さい! さぁ早く!」
神子「あっ…! と、屠自古…お、押さないでくれ」
雷鼓、ルーミア「…」
ルーミア「口うるせぇ親は嫌われるのだ」ボソッ
雷鼓「本人に聞こないように小声で言う優しいルーミアちゃんが好きよ」
雷鼓「…よし、サグメさんの事は布都さんに任せて…行きましょうルーミアちゃん♪」
ルーミア「分かったのだー♪」
【そしてその頃 月の都 ワープ装置前】
サグメ「座標…永遠亭…良し」
豊姫「ふふっ…後はお任せください、サグメ様」
依姫「サグメ様、穢れには充分お気を付けを」スッ
サグメ「あぁ…」
サグメ(穢れ…か)
レイセン「……サグメ様」
サグメ「! レイセン…」
レイセン「……本当なら、サグメ様をお守りするために着いていきたい…ですけど…」
レイセン「今回はサグメ様が無事にお帰りになるよう、祈ってます」
サグメ「……」スッ
レイセン「わっ…!」
サグメはレイセンの頭を優しく撫でる
レイセン「さ、サグメ様…!?」
サグメ「その気持ちを伝えてくれたのが何よりだ…ありがとうレイセン」
レイセン「…! サグメ様…///」カアッ
サグメ「ふふっ…」スッ
サグメ「では…行ってくる」スッ
ズォォォォ…
豊姫「行ってらっしゃいませ、サグメ様♪」
依姫「留守はお任せを!」
レイセン「お気を付けて! サグメ様!」
サグメ「あぁ…♪」ニコッ
シュン…!
【幻想郷、永遠亭 午前8:00】
鈴仙「…」
ズォォォォ…!
鈴仙「おっ…来た!」
シュン…!
サグメ「……」
サグメ「…!」
鈴仙「サグメ様! お久し振りですね!」
サグメ「鈴仙…」
サグメ(つ、ついに来たな…! 幻想郷に…!)
サグメ「久し振りだな、鈴仙」
鈴仙「はい」
サグメ「…? 八意様と輝夜の姿が見えないが…」
鈴仙「あ~…その…姫様に急かされて先に人里に向かわれて…」
サグメ「そうか……あ!」
鈴仙「…? あ…?」
サグメ(い、今そーなのかーって言うべきだったんじゃないのか…!? し、しかしまだルーミアも居ないしな…)
鈴仙「サグメ様…?」
サグメ「な、何でもない…! 気にしないでくれ」
鈴仙「はぁ…わ、わかりました」
鈴仙「それではサグメ様、早速ですが、人里に向かいましょう、案内は任せて下さいね♪ こちらへどうぞ♪」スッ
サグメ「あぁ、よろしく頼む…」スッ
サグメ(幻想郷…何ヵ月振りだろうか)
サグメ(……)
サグメ(余計な事は言わない、余計な事は言わなくて良い…! 言い聞かせて置かないと雷鼓とルーミアと布都に会ったときに変なことを口走りそうだ…!)
サグメ(あ、後何十分もしないうちに会ってしまうぞ…! が、頑張らなくては…!)
【そしてそして 夢の世界では】
ドレミー「どうやら幻想郷に行ったみたいですねぇ♪」
ドレミー「昨日の夜もここに来て『お土産は持っていった方が良いのか』とか『髪型はどうしたら良いか』とか聞いてきましたけど…もう、本当にね? 普通で良いんですよ普通で」
ドレミー「余計な事はしなくて良いんですよ、そのままのサグメさんをあの三人は待ってるんですからね」
ドレミー「ふぁ~…さて、心配も無くなった事ですし…これでやっと深い睡眠ができ」
紫「やっほー♪ 八雲のゆかりん登場~♪」
ドレミー「…」
紫「…」
ドレミー「お休みなさい」
紫「ちょっ…!? 人の話を聞きなさいドレミー!」
ドレミー「あなた人じゃ無いじゃないですか」
紫「それを言われたら本当に何にも言えなくなっちゃうでしょうが!」
ドレミー「はぁ…あのね紫さん、暇をもて余しているんだったら幻想郷の人里で……あれ?」
ドレミー「紫さん本体じゃないですか、珍しい……起きてるんですね」
紫「そのいつも寝ているみたいな言い方やめて」
ドレミー(何を言っても無駄ですね)
ドレミー「はいはい、それで? ご用件は?」
紫「あぁ、えっとね? あなたも来ない?」
ドレミー「? 何処にですか?」
紫「幻想郷の娯楽場…♪」
ドレミー「! ははっ…私がですか?」
紫「そうよぉ♪ ゆかりんの特別スキマVIPルームだから見応えありよきっと♪」
ドレミー「…」
ドレミー(…まぁもう別に心配する必要は無いんですけどね)
ドレミー「良いですよ、暇でしたし…ちょっと寝不足ですけどね」
紫「あら、睡眠はちゃんとしておかないとダメよ? ドレミー」
ドレミー「はいはい」
紫「さっきからはいはいばっかりで返されてつれぇわ」
ドレミー(寝不足とは無縁の人に言われたら…まぁいいか)
紫「う~ん私とドレミー入れて、これで八人か…ギリギリね」
ドレミー「八人?」
紫「えぇ、ほら♪」
ドレミー「…? あ」
神綺「アリスちゃんの劇♪ アリスちゃんの劇ー♪」
魅魔「お前さっきからそればっかりだな」
エリス「神綺さんマジでしつけぇ☆」
神綺「ふえっ!? み、皆だってアリスちゃんの劇観たいでしょ?」
魅魔「観たいけどそれだけじゃねぇだろ?」
サリエル「……全てがアリスで回ってる…そんな訳無いでしょう…?」
宇佐見菫子「自分の娘さんの劇ですもんね、楽しみになる気持ちは分かります」
神綺「そ、そうだよね! ほら、菫子ちゃんもこう言ってるよ?」
サリエル「…菫子がそう言ってるから……なんなのかしら……」
エリス「菫子ちゃんを巻き込むなっ☆」
魅魔「菫子、神綺のペースに乗るな、バカに間違われるぞ?」
菫子「えぇ!?」
エリス「そこんとこ夢子さんはどう思ってるん?」
夢子「……」
夢子「アリスの人形劇が終わり次第、魔界に帰らせましょう」
魅魔、サリエル、エリス「あ、それだ」
神綺「ゆ、夢子ちゃん!? どうしてそんな酷いこと言うの? お母さん寂しいよ?」
夢子「うるさいんですよさっきからアリスちゃんの劇、アリスちゃんの劇、と…馬鹿の一つ覚えなんですか? これ以上言い続けるのなら毟りますよ?」
神綺「何を!?」
夢子「毛」
神綺「!? い~や~…! それだけは~…!」プルプル
サリエル「……踞ったわね…」
エリス「魅魔さんみてぇだ☆」
魅魔「うっせぇ」
魅魔「お前、神綺が何かする度にあいつのたくましい毛を毟りたがるけど…何か理由あんのか?」
夢子「特にありません、ただこれを言うと何故か怯えるので母の制御が楽なのです」
魅魔「…マジで毟った事は?」
夢子「やろうと思えば出来ます」
魅魔(こえぇよ)
菫子(話に聞いてた夢子さん…アリスさんのお姉さんだって紹介されたけど性格が全然似てない、クールでカッコいいけど)
ドレミー「揃いも揃ってまぁ…おや、菫子さんも本体なんですね」
紫「誘ったら来てくれたのよ、しんちゃんと夢子ちゃんはアリス目当て、サリエルとエリスはただの興味、菫子と魅魔は幻想郷に縁のある二人だからね、最近魅魔ったら菫子の家に入り浸ってるらしいのよ?」
ドレミー「そこまでは聞いてません」
ドレミー(三日間退屈しないな、まぁ良いでしょう、寝てばかりでもつまらないですしね)
ドレミー「では…行きましょうか? 紫さん」
紫「えぇ、行きましょ♪」
紫(今回の娯楽は私が関わっていないからねぇ♪ どうなる事やら…♪)
【幻想郷 人里、娯楽場入り口】
椛「あ、文さんやっぱり無理ですよぉ! 代わって下さい!」
文「仕事を途中で投げ出す様な天狗はいないんですよ♪ 椛♪」
椛「まだ始まってもないじゃないですか!」
文「これから始まるんですよ♪ んふふ♪」
椛(はうぅ…! む、無理! 絶対無理…! こんなこと出来るわけないよぉ…!)
はたて「…」
はたて(ここで口出ししたら本当に代わりそうだから敢えて何も言わない…)
霊夢「ん? あいつら何やってんのかしら」
魔理沙「さぁ?」
咲夜(お嬢様たちはもう中に入っているのかしら)
みとり「…! わぁ…♪」キラキラ
にとり「どうだい姉ちゃん、凄いだろう?」
みとり「うん! 凄い…! これが娯楽場って言うんだね♪」
みとり「あっ…! でも中に人がたくさん居る…よね」
にとり「そりゃあね、結構声も聞こえるし、こりゃ満員になるかな」
みとり「うっ…ちょ、ちょっと怖くなってきた…かも」
魔理沙「大丈夫だってみとり、私たちが居るだろ?」
咲夜「みとり、もし怖くなって耐えられなくなったら私たちに言ってね、それかステージだけを見続ける、私達の誰かの手を握る…これだけでも怖さは和らぐと思うから」
みとり「! はい、やってみます!」
魔理沙「霊夢の手は握り心地が良いみたいだぜ?」
霊夢「良くないわよそんなもん、確かめてもないくせに」
みとり「では握って確めてみます♪」
霊夢「! …みとり、あんた魔理沙の影響受けて魔理沙三号になるのだけはダメよ? 分かった?」
みとり「へ? は、はい…」
魔理沙「三号…? 二号が居るみたいな言い方だな」
霊夢「あんたチルノの前でそれ言ってみなさいよ」
にとり(姉ちゃんが自分でボケた…あははっ、なんか嬉しいね♪)
咲夜(魔理沙三号になれる素質はあるのかしら)
魔理沙「ま、とにかく中に入ろうぜ♪」スッ
にとり「そうだね、行こう」スッ
布都「……」
布都「霊夢殿たちはいつも楽しそうだのう」
布都「気軽に会える友と、気軽には会えぬが会えたときの喜びは凄まじい友か」
布都「いや、止そう…友情に優劣など存在しないのじゃ、気にする必要は無い」
布都「じゃが、無性に寂しくなるときはあるがそれは仕方がない……む? ……ぬっ!!」
スタスタ
鈴仙「サグメ様、着きましたよ」
サグメ「あぁ… ! これが…」
鈴仙「そうです、これが幻想郷のホールですよ♪ あ、娯楽場って言った方が良いのかな」
サグメ「……」
サグメ(ここに雷鼓達が居るのか……)
サグメ(緊張……あれ? してない…だと…?)
サグメ(何故だ…? 自然と落ち着いている自分がいるのが分かる)
サグメ(……さっきまで緊張してたのに何故)
布都「サグメ殿ぉ!」
サグメ「!?」ビクッ
布都「おぉ! サグメ殿、サグメ殿じゃ! 本物のサグメ殿じゃ! 会いたかったぞー♪」
サグメ「ふ、布都…!?」
布都「来てくれたのじゃな! ぬぉ~! 我は嬉しいぞぉ!」
鈴仙「ちょっ…! あんたサグメ様に……!」
サグメ「…! 布都…」
布都「サグメ殿、やはり来てくれたな、信じておったぞ♪」
サグメ(何故だろう…凄く落ち着く)
サグメ「あぁ、貴方達からの手紙…その気持ちに答えたかったのだ、友の気持ちに」
布都「ちゃんと届いておったか! 良かった良かった♪」
サグメ「ふふっ…♪ だからこうしてここに居るのだ、布都」
サグメ「手紙…ありがとう、とても嬉しかった」
布都「! ふふっ…♪ その言葉、雷鼓殿とルーミアにもかけてやってくれ、中におるでな」
サグメ「あぁ、もちろんだ」
布都「では参ろうぞ♪」
サグメ「! あぁ、鈴仙」
鈴仙「! はい」
サグメ「道案内、助かった…ありがとう」
鈴仙「ふふっ、どういたしまして」
鈴仙「…」
鈴仙(サグメ様嬉しそうね♪ それにしてもこの豪族とお友だちとは…まぁ私も屠自古さんと友達だから人の事は言えないわね、縁って不思議だわ)
鈴仙「…さて、私も楽しむとしますか」
【娯楽場、客席】
魔理沙「まさかの最前列を確保したぜ♪」
にとり「これで少しは緊張が和らぐよね、姉ちゃん」
みとり「う、うん…そ、そうだね」
みとり(う、後ろを振り返ったら人がたくさんだよぉ…で、でも頑張らないと…! 霊夢さんたちと劇を観るんだ…!)
咲夜「ねぇ霊夢…」
霊夢「う~ん、まぁ良いんじゃない? 最前列だってさ」
咲夜「…そうね」
咲夜(私達のために開けておいたって感じなのよね、みとりの為なのかしら…)
霊夢(たくさん来てるわね…紅魔館、白玉楼、地底、妖怪の山、命蓮寺、神霊廟、後は人里の住人達、寺子屋の子供たちね、一部居ないのは劇の参加者かしら)
霊夢(幽香とメディスンと…華扇? 何で一緒に居るのかしら…あ、藍と橙も居るわね……あれ? 紫が居ない…)
霊夢(……まぁ良いか)
【秘密のゆかりんVIPルーム♪】
紫「娯楽場の客席中央上にみんなに気付かれないスキマを開けて観るのよ♪ 最高でしょ♪」
魅魔「まぁ確かに観やすいけどよ」
菫子「うつ伏せで観る理由は?」
紫「寝転がって観るなんて最高の贅沢じゃない♪」
サリエル「…最高ね……クフフ…♪」
紫「流石ねサリエル、話が分かるわ♪」
神綺「わぁ~♪ 人がたくさんだよぉ♪ すごーい♪」
夢子「……見心地は良いですね」
ドレミー(あぁ、この体制は寝そう…)
菫子「夢子さんと、サリエルさんだけ凄い違和感が」ヒソヒソ
魅魔「言うな菫子、後がめんどくさいからな」ヒソヒソ
魅魔(……)
魅魔(魔理沙、隣に居るのは友達か? 元気そうで何よりだぜ…♪)
エリス「キャハッ☆ これが幻想郷のホールってやつかぁ☆ 結構イケテんじゃん☆」
魅魔「ホールってか学校の体育館と作りがそっくりだな、そのまんまじゃないか」
菫子「そうですね、幻想郷じゃないみたいです」
紫「何であなた学校の体育館とか知ってるのよ」
魅魔「外の世界を旅行してんだから嫌でも見るだろ、それに菫子の学校に一緒に行ったりしてるからな」
紫「え?」
魅魔「ん?」
紫、魅魔「……」
紫「魅魔…その歳で女子高生を名乗るのは流石に引くわよ」
魅魔「アホか! 霊体で周りに見えなくして行ってるんだよ! 人間体で行くわけねぇだろうが!」
紫「そ、そうよねぇ…」
神綺「じょしこーせー? 学校?」
ドレミー「菫子さんみたいな若い人間達が通う外の世界の学舎です、私達には縁の無いところですね」
神綺「そうなんだ~♪ アリスちゃんが学校に行ってたら女子高生さんになってるのかなぁ」
菫子「アリスさんは女子高生でも違和感無いですね」
魅魔「お前も違和感無さそうだな」
エリス「え? マジ?」
菫子「うん、エリスは特に、ね♪」
エリス「おぉマジかぁ☆ 菫子ちゃんと学校とか行ってみてぇ♪ キャハッ、それパネェな☆」
菫子「ふふっ♪ うん、パネェよね♪」
サリエル「……♪」ニコッ
魅魔「夢子も…ギリ行けそうだな」
夢子「そうですか?」
菫子「はい、夢子さん制服似合うと思います」
夢子「母から離れて学校に通う、面白そうですね、それ」
神綺「だ、ダメだよぉ! 夢子ちゃんが学校に行っちゃったら反抗期になっちゃうよぉ!」
魅魔「学校行ったからって反抗期にならないぞ?」
紫「ふっふっふ…ここは八雲のゆかりん十七歳が本物の女子高生を見せて」
魅魔「想像したらガチで吐きそうになったから勘弁してくれねぇかぁ」
紫「失礼しちゃうわね魅魔ぁ!」
菫子「ふふふふっ…!」プルプル
【娯楽場 控え室前 8:40】
リリカ「雷鼓さん、ルーミア、そろそろ参加者の皆で円陣を組むんだけど」
雷鼓「…ごめんリリカ、もう少しだけ待ってもらえる?」
ルーミア「お願いなのだ、ちょっとだけで良いのだ」
リリカ「…うん、分かった、後十分だけ待つね」スッ
ルーミア「……雷鼓」
雷鼓「ルーミアちゃん?」
ルーミア「な、なぁ雷鼓…! 何かの間違いで手紙が届いて無かったり、サグメに用事があって来れなくなっちゃって」
雷鼓「あら、ルーミアちゃんらしくない考えね、それにそんなに悲しげな顔をサグメさんが見たら心配しちゃうかもしれないわよ?」
ルーミア「!」
雷鼓「大丈夫よルーミアちゃん、きっとサグメさんは」
ガチャッ…!
雷鼓、ルーミア「!」
布都「…! 雷鼓殿、ルーミア」
ルーミア「布都…!」
雷鼓「布都さん…! と言う事は…」
雷鼓、ルーミア「!」
布都「ふっふっふ…♪ ささ、入るのじゃ♪」スッ
サグメ「……!」スッ
雷鼓「! サグメさん!」
サグメ「…! 雷鼓…! ルーミ」
ルーミア「サグメ~!」バッ
サグメ「わっ…!」ダキッ
ルーミア「サグメなのだ! サグメなのだ~!」ギュー
サグメ「る、ルーミア…! い、いきなり抱き着くのは…」
ルーミア「サグメ…! 待ってたのだ…ずっと待ってたのだぁ!」
サグメ「…! …♪」ニコッ
サグメ「待たせてすまなかった、ルーミア」
サグメはルーミアの頭を優しく撫でる
ルーミア「うん…でも良いのだ、サグメは来てくれたのだ♪ 来てくれて良かったのだ♪」
サグメ「ふふっ、貴方達からの手紙は確かに私に届いたよ、そしてその想いと気持ちも…本当に来れて良かったよ、ルーミア」
ルーミア「! サグメ~…」ニコッ
雷鼓「それはこれからよ♪ サグメさん」
サグメ「雷鼓…!」
雷鼓「お久し振りね♪ 来てくれて嬉しいわ♪」
サグメ「あぁ、本当に久し振りだな…また会えて嬉しいよ、雷鼓」
雷鼓「ふふっ♪ 私もよサグメさん」
雷鼓「再開の嬉しさも来れて良かった事になると思うけど、これから始まるフェス…! それを観てもここに来れて良かったと思えると思うわ♪」
サグメ「あぁ、楽しく観させてもらうとするよ」
ルーミア「そーなのかー?」
サグメ「そ、そーなのだー♪」
ルーミア、雷鼓、布都、サグメ「わはー♪」
サグメ(! や、やはり本家は違うな…ふふっ♪)
サグメ(何だろう…なんか…)
サグメ(凄く居心地が良い)
雷鼓「あぁ来たわ、ノってきたわぁ♪ 今なら最高なビートを刻めるわぁ!」バチッバチッ
雷鼓「はーっはっはっはー♪」バチバチ
布都「す、凄い迫力じゃ…!」
ルーミア「雷がバチバチしてるのだ…!」
サグメ「ほ、本気なのだな…雷鼓は」
雷鼓「当たり前でしょう!?」
サグメ、布都、ルーミア「!?」ビクッ
雷鼓「サグメさんが来てくれたこの嬉しさを和太鼓に乗せて皆に届けるわ! 観客にこのビートソウルを刻み付けてあげるわ!」
ルーミア「…まだ雷鼓のビートについて良く分かっていないのだ」ヒソヒソ
布都「我もだ…ハイカラ過ぎるからかの?」ヒソヒソ
サグメ「……勉強不足ですまない」
雷鼓「サグメさん! 布都さんも…! このフェスを楽しんで行ってね!」バチッ
サグメ、布都「は、はい…!」
雷鼓「さぁ行くわよルーミアちゃん! みんなぁ! 待たせてごめんなさいねぇ!」ゴゴゴ
ルーミア「お、おうなのだ…」スッ
ルーミア「…サグメ!」クルッ
サグメ「?」
ルーミア「…わはー♪ 楽しんで行ってなー♪」スッ
サグメ「! あぁ…♪」ニコッ
布都「それではサグメ殿、観客席の方に行こうぞ♪」
サグメ「あぁ、分かった」
サグメ(…本当に楽しみだよ、雷鼓、ルーミア)
【控え室】
雷鼓「円陣ー!! テンション上げて行くわよぉ!」
リリカ「ら、雷鼓さんさっきとテンション違くない!?」
ルーミア「良いことあったからなー♪」
リリカ「だからってここまで上がるかな…」
アリス(テンション上げる必要が無い演目もある気がするけど…ここは乗っておくべきね♪)
雷鼓「さぁみんなぁ! 張り切って行くわよぉ!」
おーーっ!!
《中編へ続く!》
取り合えずここまでです、次回の【中編】は劇の披露からプリズムリバー邸までのお話になります。
娯楽場に関しては本当に体育館みたいな場所だと思っていただければと思います
それからサグメのキャラが布都と会ってから元に戻っていますが、サグメは『一人で居るときや職場では感情が常にグルグルとしていて余計な事まで考えてしまうけれど、かなり心を開いている友達と居るときは不思議と落ち着く性格』の持ち主なんです。
サグメが思う月と地上の穢れについてもこの物語で変化があり、答えを出せると思います。
ドレミーにも心は開いていますが友達と言うよりも姉か妹に近い関係になってます、レイセンとは少しだけですが壁があるのでしょう、上司と部下の関係ですからね。
それではここまで読んでいただいてありがとうございました! お疲れ様でした!