今回最初だけですが紫の口が悪いです、冬眠前なので不機嫌なのです。
イライラしていて、まともな思考になってませんが紫の口から説明してくれます。
スペシャルと言うことで一つのお話で完結ですが、今回は長めです。
紫と鈴仙の活躍にご期待ください!
それでは始まります! ゆっくり読んでいってください!
《短編スペシャル》ゆかりんとうどんげのクリスマス
クリスマス…それは一年に一度訪れる聖夜…
あるものは家族と、あるものは友人と、そしてあるものは異性と…
語らったりプレゼントを贈り合ったり、美味しい物を食べたりして過ごす。
人間の、人間による、人間の為のスペシャルイベントであるのだ。
幻想郷の住人たちも外の世界の例に漏れずクリスマスを楽しむ…家族、気の会う友人と共に楽しい一日を過ごすだろう。
そう、過ごす筈なのである…
《幻想郷、人里、12月24日、PM 13:00》
八雲紫は人里の川の流れる橋の上で川とにらめっこをしていた。
八雲紫「…」
紫「…」
紫「…」
紫「つれぇんだけど」
紫「え、いや、割りとマジでつれぇんだけどもさ」
紫「今ってクリスマスイブじゃない? だからゆかりんもさ、クリスマスイブを楽しむわけじゃん? 八雲家でさ、あの名前分かんないヒラヒラした飾り付けして、ツリー飾って、ミスティア特製のクリスマスケーキだのタンドリーチキンだの買って私と藍と橙でクリスマスイブを過ごすのよ」
紫「んで深夜になったら橙の枕元にプレゼント置いて、明日になったらサンタさんだやったぜ! …ってなるのが私の考えるクリスマスの理想でいつもの事なんだけどさ」
紫「…」
紫「何で朝から藍が行方不明なのか」
紫「藍だけじゃないのよ、霊夢、魔理沙、アリス、橙、白玉楼、紅魔館、永遠亭…それに関わる住人が行方不明」
紫「彼女等の所在を妖怪の山、命蓮寺とかの連中に聞いても知らないの一点張り」
紫「え? ちゃんと探したのか? もちろん探したわよ」
紫「クリスマスだから朝の5:00起きでつれぇけどワクワクのゆかりんは探したわよ、自分の足でね? マヨヒガ出て歩いて探したわよ、紅魔館とかの中にも入って探したのよ」
紫「人の子一人も見当たらなかったけどね」
紫「え? だったらスキマとか空間いじって探しだせばいいじゃないかって?」
紫「私は必ず1月1日に冬眠するんだけど…その前の二週間、色んなパワーを溜め込んで冬眠しないといけないから余計なパワーを使いたくないの、だからスキマは開きたくないの」
紫「わかって? イライラするのよ…余計なパワー使っちゃうと…」
紫「でもそれは心にも同じ事なのよ、私は心にゆとりを持って、楽しんで遊んで喜びに満ち溢れたまま冬眠したいの」
紫「なのに!!!」バンッ!
紫「クリスマスという大イベントが始まらない!? 八雲家でのパーティーは!? 橙の喜ぶ顔は!? 皆のクリスマスを楽しむ笑顔は!?」
紫「…割りとマジでつれぇんだけど」
紫「そもそも何故に皆が行方不明なのか」
紫「異変…それも考えたけど人里の人間や妖怪の山、命蓮寺諸々の住人が平然としているのがおかしい…」
紫「というか…何で朝に最初に見るであろう藍がいないのかが分からない」
紫「みんな…どこ行っちゃったの…?」
紫「…これはあれか? クリスマスボッチを楽しめという藍からの嫌がらせかしら…?」
紫「今年は藍に仕事を押し付け過ぎたから…その腹いせ? メリークリスマスならぬ滅入り苦しみます状態にさせることで私を懲らしめようと…」
紫「あり得る…」イライラ
紫「あんにゃろう…とうとう反撃の狼煙を上げたわね、でもまさかこんな形でやってくるとは…」
紫「だからここまで考えたゆかりんは藍を出し抜く為に策を練りました」
紫「行方不明は恐らく藍が仕掛けた罠、何より霊夢たちが行方不明はまず有り得ない、藍とグルになって私をはめようとしてる」イライラ
紫「根回しも完璧、他の住人たちに一言『紫様を懲らしめるため協力してほしい』と言えば済む話」
紫「? あぁ、策? それはね」
紫「人通りの多い人里で張り込んで藍の協力者が通り掛からないか探す! これよ!」
赤蛮奇「…何でそれを私に延々と話すんだろう」
紫「だって誰かに聞いてほしかったから…あなたは協力者ではないって言ってくれたし」
赤蛮奇「あなた…仮にもあの八雲紫さんだよね?」
紫「そうよゆかりんよ、どっからどう見ても八雲のゆかりんその人よ」
赤蛮奇「…」
紫「…何よ」
赤蛮奇「いや…」
赤蛮奇(初めて会話をしたがこんなにフレンドリーだとは思わなかった…大妖怪、八雲紫がこんなにも人間臭いとは)
紫「…ねえばんきっき」
赤蛮奇「赤蛮奇で結構、何か?」
紫「あなた首を飛ばすタイプのろくろ首よね?」
赤蛮奇「はい」
紫「その能力で藍の協力者探し手伝ってくれない?」
赤蛮奇「悪いけど…力にはなれないよ、私はこれから用があるので」
紫「用事ってなに」
赤蛮奇「…」
赤蛮奇「聞いて怒らない?」
紫「イライラしたくないから怒らない」
赤蛮奇「わかさぎ姫と今泉影狼を知ってるかな?」
紫「人魚と狼の」
赤蛮奇「そう、今日二人に誘われてね、竹林の影狼の家でクリスマスパーティーを」
紫「ばんきっき」
赤蛮奇「?」
紫「ごめん、クリスマスのクの字当たりからイラッとしてしまったわ」
赤蛮奇「…」
紫「話聞いてくれてありがとう、さっさとクリスマスパーティーを楽しみやがれこんにゃろうが」
赤蛮奇(!? 怒りと感謝が混ざり合っているだと!?)
赤蛮奇「…策の成功を祈っている」スッ
スタスタ
紫「ありがとう、おとといきやがれチキショーめぇ」
赤蛮奇(イライラしてなければ協力しても良かったのだけど予定もあるし…仕方ない)スタスタ
紫「…つれぇんだけど」
紫「ろくろ首には逃げられ、人里で張り込んで早2時間…そろそろ成果がほしいところだけど…」
紫「そういえば地底には行ってないわね、さとりはクリスマスは必ず家族と過ごす筈、藍の協力者ではない」
紫「…ダメ元で協力してもらいに行くか、さとりの前ならどんな嘘も無意味、藍の協力者を吐かせるのに頑張ってもらいましょう」スッ
紫(藍め…見てなさいよ、必ずとっちめてやるか…ん…?)
タッタッタッ!
紫(あ、あれは…!!)
タッタッタッ!
鈴仙・優曇華院・イナバ(はぁ、はぁ…まったくもう、何で私が買い出しなんて行かなきゃならないのよ!)
鈴仙(うぅ、買い出しジャンケンなんかに参加しなきゃよかったわ…まさか負けるなんて思わなかった…)
鈴仙(咲夜の私が行って来ましょうか? の一言が身に染みるよー…うぅ、でも負けてしまった私がいけないんだし…)
鈴仙(はっ!? 考えてる時間はないわね、外に出れば四面楚歌状態…回りは口止めしてるけど一度紅魔館に探りに来た八雲紫…あれは神出鬼没…見つからない様にしないと私の幻想郷人生がまた短くなる)
鈴仙(えーっと…苺とかぼちゃと…日本酒!? これ魔理沙の字! 自分で買いに行きなさいよ! ここぞとばかりに色んな物を書くんじゃないわよ!)
鈴仙(! 早くしないとダメね、この先の店で日本酒を)
謎の美女「あの…」
鈴仙「え!? あ、はい?」キキキー
謎の美女「あっ…! ご、ごめんなさい、急いでいますよね…」
鈴仙(うわー…明らかに困ってます感の人に捕まった~!!)
謎の美女「あの、す、すいません…他を当たります…!」スッ
スタスタ
鈴仙「え!? ちょっ…!」
謎の美女「…」スタスタ
鈴仙(後味悪いわ! 私顔に出てたかしら…く、くそぅ!)
鈴仙「あ、あの!」
謎の美女「…はい?」
鈴仙「何かお困りの様ですが…良かったら私に訳を話してくれませんか?」
謎の美女「…ですが」
鈴仙「私こう見えても医者の弟子なんです、そんな私が何に急ごうと困ってる人を見過ごすわけないじゃないですか」
鈴仙「さぁ話してください、何にお困りなんですか?」
謎の美女「…ありがとう、ございます」
鈴仙(ヤバイ状況だけど見過ごせないわね…)
謎の美女「実は私の飼っていた動物がいなくなってしまいまして」
鈴仙(いーやー! これは時間かかるやつだー!)
鈴仙「ど、動物ですか…?」
謎の美女「はい、人間の顔と体格で頭には獣耳、尻尾が9本あって鳴き声がちぇぇぇぇぇぇんの狐なんですけど…ご存じありませんか?」
鈴仙「ほ、ほおほお…狐…うん?」
鈴仙(え…? これ藍さんじゃ…)
鈴仙「あ、あの~…こ、これって」
謎の美女「はい?」
鈴仙「これって八雲藍の事ですよね? 何故あなたが…」
謎の美女「…勘のいい奴は嫌いだよ」ボソッ
鈴仙「え? 何か言いましたか?」
謎の美女「あ、な、なんでもありませんよ、ところで…」
鈴仙「…?」
謎の美女「さっきからあなたの後ろにいる方はあの八雲紫さんですよね?」
鈴仙「えっ!!?」スッ
グルン!
鈴仙「…!? …! …」キョロキョロ
鈴仙(い、いない…けど)
ガシッ!
鈴仙「!!?」
謎の美女「情けないわねぇ…元月の軍人さん♪」
鈴仙「いっ!?」
スーッ パッ!
謎の美女→紫「私の変身を見破れないなんてねぇ♪」
鈴仙「なっ!!?」
紫「後ろにゆかりんは居たでしょう? 振り替えればゆかりんここにあり」
紫「兎狩りって結構楽チンなのねぇ♪ ふふふ♪」ニタァ
鈴仙「 」ポカーン
鈴仙(お、終わった…私の幻想郷人生終わった…)
紫「これから楽しい尋問よ♪ でも大丈夫! ゆかりん優しいから」
紫「本当の事をすぐに話せば耳毛1本で済むわ」
鈴仙「!!?」
紫「では、スキマ空間にごあんな~い♪」スッ
ギュオン!
鈴仙「い、いやあぁぁ!!」ジタバタ
ギュオン!
??「た、大変ウサ…! 鈴仙が捕まった!」
??「お師匠様たちに報告だ!」ザッ
《スキマ空間》
紫「あぁぁイライラするなぁこんにゃろう!」イライラ
鈴仙「ひぃ!」ビクッ
紫「冬眠前に余計な体力使わせやがって…! なめとんのか!? あ``ぁ``!?」ゴオッ
鈴仙「うひぃ!」ビクッ
紫「怯えてるの? 可愛いわねぇ…ところで今私はあなたの首根っこならぬウサ耳根っこ掴んでるわけだけど…」イライラ
紫「もしも今から私が質問することに嘘ついたり、口答えしたり余計な事を言ったりしたら」イライラ
紫「この可愛いらしいウサ耳を引きちぎる」イライラ
鈴仙「!!!??」ゾクッ
紫「真実だけを語ってくれたら耳毛1本で我慢してあげるわ♪」イライラ
鈴仙(どっちにしろ私の耳に痛みと変化が伴うのは確定なの!?)
紫「あなたが今出来ることは私の質問に首を縦に振るか横に振るかの2択…それ以外は認めない、良いわね?」
鈴仙「そ、そんな…」
紫「んーーーー?」ニッコリ
鈴仙「ひっ!?」ビクッ
紫「何か言った?」ニッコリ
鈴仙「!」ブンブン!
紫「そう…ふふふ…♪ ならいいのよ♪」
鈴仙「…!」ガタガタブルブル
鈴仙(に、逃げられない!)
鈴仙(耳根っこ掴まれてるしスキマに連れ込まれた…! 私の能力を使っても逃げられないのは明白…)
鈴仙(なにより…)
紫「藍! 墓穴を掘ったわね! 待ってなさいよ! 私をクリスマスボッチにさせようなんて900年早いわ! あはははは♪」
鈴仙(あ、相手が悪すぎる!!)
紫「さぁ、うどんちゃん♪ お姉さんとゆっくりお話していってね♪ ね?」
鈴仙(詰んだ…)
紫「返事ぃ!!」
鈴仙「!!」ブンブン!
紫「よーし♪ なら何から尋問…いやいやお話しようかな~♪」
鈴仙(うぅ…師匠、姫様、藍さん、みんな…ごめんなさい…)
鈴仙(みんなの努力…無駄になっちゃった…)
《??????》
???「はぁ!? 鈴仙が紫に捕まった!?」
??「うん、この目でハッキリ見たよ、スキマに引き込まれて行った」
??「あのバカ…」
??「やっぱり私が行けば良かったかしら」
??「で、でも鈴仙は口を割らない筈だよ」
??「…いえ、相手はあの八雲紫、どんな手を使ってでも聞き出すでしょうね、それに家の鈴仙じゃまだまだ力不足、簡単に口を割るわ」
?「鈴仙…」
??「…」
??「ねぇ、私に良い考えがあるんだけど」
???「お、流石月の賢者だな」
?「…?」
??「要は夜に行う様にすればいいだけの話、計画は少し変更するけど支障はないわ、そのために…」
??たち「??」
??「鈴仙には犠牲になってもらいましょう」
??たち「え!!?」
??「サプライズにしたいんでしょう? なら尊い犠牲よ」
??「さらっと身内売ってる事については触れない方がいいのかしら」
???「おい、作戦通りになるようにしてくれよ?」
??「善処するわ」
?「…どうする気だ」
??「まずは…」
??「…」
《スキマ空間》
紫「え…えぇ!?」
鈴仙「うぅ…」
紫「う、嘘よ…!! だってそんな…/// ま、まさかそんなこと…」
鈴仙「嘘じゃないわよ! 全部真実なの!」
紫「誰が喋って良いと言ったぁ!!」
鈴仙「ひいぃ!?」ビクッ
紫「この兎の解答を全て信じると辻褄が合ってしまう…むう」
紫「私に月の兎の言うことを信じろっての…? いや、でも…」
紫「…」
鈴仙「…」
紫「兎」
鈴仙「!」
紫「私なりに整理して答えを見つけたんだけど聞いていいかしら?」
鈴仙「!」ブンブン
紫「そ、なら聞くわ」
紫「『八雲藍及び霊夢、魔理沙、アリス、紅魔館組、白玉楼組、永遠亭組は今日、八雲紫の為のクリスマスパーティーを開催しようと現在紅魔館でパーティーの準備をしている』」
鈴仙「!」ブンブン
紫「『このパーティーの主催者は八雲藍、会場は紅魔館、私が能力を使いたくないという状況を逆手にとり、したことのないサプライズパーティーを準備中』」
鈴仙「!」ブンブン
紫「……マジ?」
鈴仙「…」ブンブン
紫「……」
鈴仙「…」
紫「…」
紫「…///」カァ
鈴仙(え…!?)
紫「…///」カァ
鈴仙(えぇ!? 顔赤っ!! めっちゃ照れてる!)
紫「な、何よ藍ったら…/// 私の為にそこまで…/// しかも私の霊夢までそんな事…/// それに幽々子あなたまで…///」
鈴仙(い、以外な反応ね…『隠し事なんて千年早いわぁ!』とか言って会場に乗り込んで行くかと思ったけど…)
紫「…ん? でも待ちなさいよ」
鈴仙「?」
紫「兎、私は紅魔館に偵察に行ったけど誰もいなかったんだけど…それはどう説明してくれるのかしら?」
鈴仙「…」ブンブン!
紫「…あ?」
鈴仙「!! …!」ブンブン!
紫「…」
鈴仙「!!」ブンブン!
紫「首振ってるだけじゃ分かるわけないだろうがぁ!」イライラ
鈴仙(えぇ!?)
鈴仙「じゃ」
紫「喋るな兎ぃ!」
鈴仙(えぇー!?)
鈴仙(じゃどうすりゃいいのよ! 何をして伝えればいいの!? 理不尽すぎるわよ!)
紫「チッ あぁ…ほら、あれよ、あれしなさい」イライラ
鈴仙(舌打ち!?)
紫「ジェスチャー、ジェスチャーしなさいそれならいいから」
鈴仙(ジェ、ジェスチャー!? ええと…)
鈴仙「!」カクカク
鈴仙「!」ワタワタ
鈴仙「!」ワチワチ
紫「これっくらいの」
鈴仙「!」ワタワタ
紫「お弁当箱に♪」
鈴仙「!」ワチャワチャ
紫「おっにぎりおにぎり♪ ちょいと積めてってゴルァ!!!」
鈴仙「!?」
紫「私はおにぎり大っっ嫌いなのよ!! あぁぁおぞましい!! 流石元軍人! テロはお手の物ねぇ! 飯テロとはまさにこの事だわね兎ぃ!!」
鈴仙(そんなジェスチャーしてないぃ!! 誰か助けてぇ!!)
《5分後…》
紫「…」イライラ
鈴仙「うぅ…」シナシナ
紫「ウサ耳しなるんだ…」
鈴仙「…」グッタリ
紫「…はぁ、喋りなさい…」
鈴仙「…!」
紫「もう喋っていいわよ、自分の策が成功したからちょっと有頂天になってたわ、藍をとっちめる為に自棄になってた…まあとっちめるけど」
鈴仙(藍さんをとっちめるのは変わらないのね…)
鈴仙「…いいの?」
紫「いいわよ」
鈴仙「もうこの際だから全部言うけど…さっきあなたが私に聞いた通りよ、あなたの為にクリスマスパーティーを開催しようとしてたの、主催者は藍さん、霊夢や魔理沙たちもあなたの為にお酒やら料理やらを作ってた、場所は紅魔館、みんな集まってパーティーの準備をしてた」
鈴仙「理由は…藍さんから聞いたけど今までしたことなかったからやってみたかったらしいわ、それで協力してくれる人を集めてたんですって」
鈴仙「あなたが紅魔館に行ったとき誰もいなかったのはサプライズのため…あなたの為のパーティーの準備を気取られたらサプライズにならないから、咲夜と姫様の能力でパーティー会場の空間を切り取って上手く隠してたのよ…当然その会場に私も含めて全員いたわ、朝からみんなが雲隠れしてた理由もサプライズのため、幻想郷民の根回しもあなたが思ってる通り」
紫「手が込んでるわねぇ」
鈴仙「今のあなた能力というか…あんまり力を使いたくないんでしょ? 冬眠前の八雲紫は少し力の強いおばあさんだから大丈夫だって魔理沙が言ってたけど本当だったのね」
紫「魔理沙ぁ…あの子最近私に対するババア属性付与が著しいわね…」
紫「…もう1つ質問よ」
紫「橙…私の為のサプライズパーティーなら当然橙もいるわよね?」
鈴仙「あぁ、あの子たちね」
紫「たち?」
鈴仙「実はチルノたち六人もパーティー参加者なの、でも何かの不注意であなたに会ってしまったらチルノなら簡単に口を割ってしまう…サプライズだからそれを許す訳にはいかない、だから今は純狐さんたちの家で匿われて…もとい遊んでる筈よ、あそこは仙界だから力を使わないあなたでは辿り着けない、私が頼んだのよ、純狐さんと私仲良いから」
鈴仙(まぁ…私の耳が大変な事になるんだけどね)
紫「ふーん…あなたはチルノと同等ねぇ」
鈴仙「だ、だって…! あなたがあんな形相で尋問なんかしてくるから」
紫「口を割ったのは事実、こりゃまたいじられの日々が始まるのかしら♪」
鈴仙「言わないで…覚悟出来てないの…」orz
紫「ふふっ…」
鈴仙「でも…あなたはいいの? 確かに私があなたに出会ってしまって、喋ってしまった事が100%悪いとしても…あなたの気持ちは」
紫「? 平気よ、あなたから何も聞かなかった事にしてパーティーが始まる時に堂々と紅魔館に突撃してやるから」
鈴仙「…」
紫「正直嬉しいのよ? サプライズパーティー、クリスマスに私のためにやってくれるみんなに感謝しかないわ、例え元、月の連中が絡んでいようとも…」
鈴仙「…」
紫「まぁこの時期にやってはほしくなかったかも…冬眠前だから色々とイライラは嫌だし、だから藍はとっちめる」
鈴仙(変わらないんだ、それは)
紫「…うどん」
鈴仙「せめてうどんげ呼びにしてよ」
紫「あなたもクリスマスパーティーの協力者…ならあなたにも感謝しないとね」
鈴仙「…!」
紫「それと…個人的にあなたに謝礼もしてあげる♪」
鈴仙「え…?」
紫「こんなところに拉致ってしまった謝罪も込めてね、えーっと…パーティーはいつ始まるのかしら?」
鈴仙「午後22:00からよ、21:30ぐらいになったらあなたを霊夢が迎えにいく事になってるの」
紫「あらあら♪ 私の霊夢が!? きゃっ♪」
鈴仙(私の霊夢て)
紫「ふふふ♪ ならまだ時間あるわね♪」
紫「ちょっと付き合いなさいな♪」
鈴仙「ふぇ…?」
ギュオン!
《人里、定食屋、PM14:30》
紫「私たぬきそばね、うどんはやっぱり焼きうど」
鈴仙「月見そばで」
カシコマリィッ!
紫「えぇ…マジで?」
鈴仙「何よ」
紫「焼きうどんとかじゃないんだ」
鈴仙「あなたさ…てゐと同じこと言うのやめてよ、うどんげがうどん食わないなんてどうかしてるとか言われた私の気持ち考えてよ」
紫「ごめん、まったく分からない」
鈴仙「そうよねぇ…はぁ…」
鈴仙「あなたこそきつねうどんじゃないのね」
紫「やめて」
鈴仙「?」
紫「もう油揚げは懲り懲りなの」
鈴仙「え?」
紫「今だからたぬきそばを注文出来たけど藍と一緒にこういうとこ来てたぬきそば注文してみなさい」
鈴仙「どうなるの?」
紫「前に…」
ホワンホワン
八雲藍『たぬきっっっっ!!』
紫「!?」ビクッ
藍『天かすだとぉ!? そんなもんはカス以下の以下だ!!』
紫『はぁ!?』
ホワンホワン
紫「こうなるから…私にきつねうどん、そば以外の選択肢無いから」
鈴仙「えぇ…藍さんどうしたの…?」
紫「ほら、狸と狐は仲悪いから」
鈴仙「食べ物じゃない、てかあれ噂じゃなかったんだ」
紫「真実よ、まぁ私から言わせてみればしょーもない喧嘩よ、狸の方は全然相手にしてないんだから」
鈴仙「喧嘩すらしてないわよね、それ」
紫「ふふっ、確かに」
鈴仙「…あなたたちって持ちつ持たれつって感じよね」
紫「まあ家族だしねぇ…ここに橙を加えるとハッピーにしかならないんだけどね」
鈴仙(…家族、か)
紫「うどんのところはどうなの?」
鈴仙「…」
鈴仙(話してもいいものなんだろうか…)
紫「…別に話したくないならいいけどね」
鈴仙「…」
鈴仙「毎日…楽しくはやってる」
紫「話してくれるんだ」ニヤニヤ
鈴仙「あ、あなただけ話して私が話さないってのは…あれだから…///」
紫「律儀ねぇ…それに優しいし」
鈴仙「なっ!?」
紫「変身していた私、さっきの謎の美女のお困り事を聞いてあげてくれたじゃない」
鈴仙「自分で美女って言う? そ、それにあれは普通よ…///」カァ
紫「うどん可愛い♪」ニヤニヤ
鈴仙「か、からかわないでよ!」
紫「ふははは♪」
鈴仙「まったくもう…///」
鈴仙「…あなたのからかい方姫様にそっくりね」
紫「輝夜に?」
鈴仙「私が何かしたらやれ可愛いだの、やらかしたら可愛いさ余ってなんとやらとか言ってくるとこ」
紫「あなた今自分のこと可愛いアピールしてる?」
鈴仙「してない!! それよ! そういうとこ姫様にそっくり!!」
紫「ふーん、輝夜もノリが良いわよね面白いし…もこたん柄みは特に♪ ちょっと嬉しいわ」
鈴仙「…! ねぇ」
紫「ん?」
鈴仙「あなたって月の民の事嫌い…なのよね?」
紫「? えぇ嫌いよ?」
鈴仙「だったらなん」
オマセタシマシター!
紫「お、きたきた♪」
鈴仙「あ…」
紫「まだパーティーには早いし腹拵えよ♪ あ、私今幽々子みたいなこと言っちゃった… 嬉しい♪」
紫「うどんは七味掛ける?」
鈴仙「い、いらない」
紫「そんじゃ、いっただきまーす♪」
鈴仙「…」
鈴仙(謎だわ…)
鈴仙「いただきます…」
《30分後、人里の外れ》
鈴仙「はぁ、はぁ、急がなくちゃ!」
鈴仙「…」タタタ
ホワンホワン
紫『あなた買い物途中だったのね、なら私と会ったことは言わず、買い物をこなして何食わぬ顔で紅魔館に戻りなさいな』
紫『遅れた事に関しては八雲紫を人里で発見して紫の目から逃れるのに必死だったと言えば良いわ、私に会ったことさえバレなければ良いのだから』
鈴仙『うん、ありがとう』
紫『何でお礼?』
鈴仙『そばのお礼』
紫『律儀ねぇ』
鈴仙『あなたはどうするの?』
紫『口止めの根回ししてようが普通に接してくれるでしょうから、河童のところで将棋とかして暇を潰してるわ』
紫『それじゃまた後でね、うどんげ♪』
鈴仙『えぇまた…って、え…?』
ホワンホワン
鈴仙「なによ…/// いきなり呼び方変えて…///」カァ
鈴仙「…///」
鈴仙「は、早く紅魔館に戻ろ…」
《カリスマの館、紅魔館》
鈴仙「ふぅ…やっと着いた…って、え…?」
紅美鈴「…! おや、鈴仙さん」
鈴仙「あれ? 美鈴、あなた何で門に」
美鈴「へ? 何でって…私がここの門番だからですけど」
鈴仙「…? え? いや、だって今日は」
美鈴「今日?」
鈴仙「え?」
美鈴「はい?」
鈴仙「…?」
美鈴「? おやその荷物… ! あぁ、分かりましたよ薬の補充ですか」
鈴仙「は…?」
美鈴「さぁどうぞどうぞ、薬のことは咲夜さんに言ってくださいね」スッ
ガチャ ギィィィ~
鈴仙「え? え!? ちょ、ちょっと美鈴押さないで!」
美鈴「ではではごゆっくり♪」
バタン!
鈴仙「ちょっ…!?」
鈴仙「…居眠りが過ぎてるのかしら」スタスタ
《紅魔館、パーティー会場》
ガチャ
鈴仙「戻ったわよ、まったく魔理沙! あなた日本酒だけでなくつまみだのなんだの書いてまったくどういうつも…り…」
シーン
鈴仙「…!? は? え!?」
鈴仙「だ、誰もいない…? 料理とかもなくなって…はっ!」
鈴仙「姫様! からかってるんでしょう!? んもうやめてくださいよー! 遅れたのには訳があるんですからー!」
鈴仙「咲夜も乗らなくて良いから! ほら、材料買ってきたんだから受け取ってよ」
シーン
鈴仙「……」
鈴仙「あ、あははは…ちょっとー! ふざけすぎてませんかー! 師匠も何とか言って」
十六夜咲夜「そこで何しているの?」
鈴仙「うひゃっ!?」ビクッ
咲夜「…」
鈴仙「いきなり後ろから声かけないでよ! あーびっくりした」
咲夜「鈴仙…あなた、ここで何してるの?」
鈴仙「は? 何ってほら買い出しよ、ジャンケン負けて買い出し言って来たから、はいこれ」スッ
咲夜「…」
鈴仙「言っとくけど必要な物は全部買ってきてるからね、間違えて変なの買ってきたりなんかしないんだから、てかさ、八雲紫もいないんだからさっさと能力解いて」
咲夜「…鈴仙」
鈴仙「?」
咲夜「あなた…大丈夫?」
鈴仙「……はい?」
《レミリアの部屋》
鈴仙「はぁ!?」
レミリア・スカーレット「咲夜、この兎は大丈夫なの?」
咲夜「えぇ…」
レミリア「兎、お前の戯言に付き合ってる暇は無い、だからもう一度だけ言うが」
レミリア「私たちはこれから家族でクリスマスパーティーをするんだ、家族でだ」
レミリア「八雲紫のクリスマスパーティー? 何故我々がそんなことをしなければならない、紫とて八雲家でのパーティーがあるだろう、それに今日の館への来客はお前が最初だ」
鈴仙「? ??」
咲夜「……さっき美鈴に聞いて来たけどあなた薬売りに来たんでしょう? 薬なら買うから用が済んだら帰りなさい、疲れてるのよあなた」
レミリア「仕事熱心な事だ、そういえば永遠亭でのクリスマスパーティーはいったいどんな感じ」
鈴仙「ふざけないでよ!!」
レミリア、咲夜「…」
鈴仙「なに!? なんなの!? 戯言だの疲れてるだの! ここまで手が込んでるイタズラは初めてよ!」
鈴仙「咲夜! あなたは私に苺とカボチャがほしいから買ってきてってさっき私に頼んだわよね!? 買い物ジャンケンもあなたは参加してたし、料理担当のアリスと妖夢と一緒に料理を作ってたじゃない!」
咲夜「…」
鈴仙「それとレミリア! 私がここを出る前に霊夢と一緒にいられる~とか言って霊夢にくっついてたわよね! 紫の為のパーティーの会場をうちにしないかと言ったのもあなただって藍さんから聞いたけど!? それに会場で一番はしゃいでいたのはあんたとフランドールだった!」
レミリア「…」
鈴仙「他の! 他のみんなはどこにいるのよ! はぁ、はぁ…」
レミリア「…咲夜」
咲夜「はい」
咲夜「……鈴仙、それ以上訳の分からない事を言い続けてお嬢様を困らせるのならここから摘まみ出すわよ、例えあなたでも容赦しないわ」
鈴仙「な…!?」
レミリア「狂気の瞳だったか…? くくく、自分の能力に溺れたか?」
鈴仙「な…何を言って…! そんな…そんなことが...」
鈴仙(! 落ち着きなさい鈴仙…! 絶対におかしい…! 私はおかしくなんかない! 私をはめようとしているのは確実! 恐らくてゐか姫様、師匠、魔理沙…数え上げたらキリがない!)
鈴仙(そっちがその気なら反抗してやるわ! 私の能力使って波長を…)スッ
ブゥン!
咲夜、レミリア「!」
咲夜「…」スッ
パチン!
鈴仙「…え?」
咲夜「…なんのつもりかしら」
鈴仙の喉元には咲夜のナイフが突き着けられていた
鈴仙(時を止めて一瞬で…)
咲夜「あなたの能力の怖さは分かってる、発動なんかさせたらナイフを喉に押し込むわよ」ゴオッ
鈴仙「…!」ゾクッ
レミリア「あっはっは♪ 見事、咲夜」
咲夜「…」
鈴仙「さ、咲夜…本気なの…?」
咲夜「…あなたの事は親友だと思ってる、けど…」
咲夜「お嬢様の事をこれ以上困らせないで」
鈴仙「っ…!」スッ
タタタ バタン!
咲夜「…」
レミリア「…」
《紅魔館》
バンッ!
美鈴「あ、鈴仙さんもう終わったんです」
鈴仙「…!!」ダッ
タタタタ!
美鈴「あっ! 鈴仙さん!」
タタタタ!
美鈴「…」
パチン!
咲夜「…」
美鈴「咲夜さん…」
咲夜「心が…痛いわ…」
美鈴「…」
《人里の外れ》
鈴仙「はぁはぁ! っ! はぁはぁ…!」
鈴仙「はぁ…はぁ…うっ…」
鈴仙「はぁ…はぁ」
鈴仙「なん…なのよ…! 何がっ…!」
鈴仙「イタズラじゃないの…? なんなのよ…! 咲夜もレミリアも…!」
鈴仙「私は…!」
鈴仙「全部最初から…そんな…」
鈴仙「…そんなわけない! 絶対に違う…!」
鈴仙「…でも、どうしたら…」
鈴仙「…! 八雲、紫…」
《妖怪の山、麓、PM16:00》
河城にとり「え! じゃあ全部知ってんだ」パチン
紫「そうよ」パチン
にとり「へぇー、んじゃ私たちがもう隠す必要も無いわけだ」パチン
紫「そうなるわねぇ」パチン
鍵山雛「でも、分かった上でよく楽しめるわね」
紫「それがゆかりんよ♪」
にとり「サプライズなのにねぇ」パチン
紫「私の為にしてくれるってだけで、私は満足だし~」パチン
雛「寛大ね」
にとり「私は隠し事は性に合わないし紫が楽しんでるならそれでいいんじゃない?」
紫「どうも…はい、王手よ」パチン
にとり「ありゃ!?」
雛「ふふっ、紫さんの勝ちね」
にとり「ぬおぉ…ま、まさか負けるとは」
紫「えぇー…私に勝てると思ってたの?ちょっと心外」
にとり「だって紫って将棋やってるイメージないから…」
紫「あのね…古今東西の有りとあらゆるゲームを遊び尽くした私が将棋をやってないはずないでしょう?」
紫「それに将棋は兵法に通ずる物があるからね、昔に幽々子と散々やったわ」
にとり「くそぅ…てか兵法学ぶ意味あんの?」
紫「今は無いかもね♪」
雛(自由な人…)
にとり「紫! もう一回! もう一回勝負だ!」
紫「良いわよぉ♪ 夜までは暇の極みだからとことん付き合って」
ガサガサ!!
紫、にとり、雛「?」
鈴仙「はーっ…! はーっ…!」
にとり「ひゅい!?」
雛「きゃっ!」
紫「? あら、うどんげじゃない♪」
鈴仙「はーっ…! はぁ、はぁ…! !? ゆ、紫…!」
紫「何でここに? まだパーティーには早い」
鈴仙「た、助け…! はぁ…はぁ 助けて!」
紫「…?」
にとり「はいはい、ちょっと待ちなよ…」ガサゴソ
にとり「これ飲みな、河童印のエナジーウォーター、そんな息切らしてたら何を助けてほしいか分からないだろう?」スッ
鈴仙「あ、あり…げほっげほっ! ありがとう…」
雛「永遠亭の兎さん…? よね、何があったのかしら」
紫「…うどんげ、ゆっくりで良いから話なさい」
鈴仙「うっ…げほっ、うん…」
《うどんげ、説明中…》
紫「…」
にとり「ん? なんじゃそりゃ」
雛「どういうことかしら」
鈴仙「こっちが聞きたいわよ…! もう何がなんだか…どうしていいか、分からなくて…」
雛「ん~…なんか突っ込みたいところが山のようにあるんだけど」
にとり「うん、あのさ、それがマジだとして蓬莱人の気配とか感じなかったの?」
鈴仙「感じなかったわ…もしあの場に姫様がいたら気配すら消し去るわ」
にとり「証拠が逃げたのかな…んでもあの咲夜がそんなことするわけが、ないか…」
雛「本気の殺意だったのね…」
鈴仙「うん…」
紫「…」
紫「にとり、雛」
にとり、雛「?」
紫「私のクリスマスサプライズパーティーをやるから紫には黙ってて…かしら? これ誰から聞いたの?」
にとり「え? そうだな…私は魔理沙だよ」
雛「私はアリスさんから」
紫「ふーん…覚えてる、か…」
にとり、雛「え…?」
雛「どういうこと?」
紫「いえ? 藍のところに強力な協力者がいないか確かめただけよ」
にとり「覚えてるって、当たり前じゃんか」
紫「その当たり前が大事なの、それとにとり、あなた今にとりんレーダー持ってる?」
にとり「うん? あぁ、持ってるけど」
紫「じゃあこの妖怪の山の麓付近、妖怪の山在住じゃない奴がいるか探して」
にとり「お? お、おう、分かった」スッ
ピコンピコン
紫「うどんげ」
鈴仙「…!」
紫「バカねぇ、その場で逃げなかったらあなたの勝ちだったのに…」
鈴仙「え…」
紫「にとりと雛が覚えてる、そしてあなたの話…この時点であなたが私をはめようとはしていないという事と、パーティーはきっかり夜の22:00に始まるのは確定した」
雛「何故鈴仙さんがあなたをはめようとするの?」
紫「根回しまでして私を一人ボッチにしようとした奴等よ? 紅魔館に戻ったうどんげを操って私のとこに行かせて嘘をつかせる、もしくはうどんげに咲夜たちの幻影を見せ、不信感でいっぱいにしたあと泳がせる、または咲夜たちの記憶を消す」
雛「そ、そこまでするの?」
紫「やりかねないわよ、相手には月の賢者がいるからね…あれは怖いわよ~、たまにぶっ飛ばしたくなるぐらいにね」
紫「んでさっきの答えだけど、うどんげが会った紅美鈴、十六夜咲夜、カリスマ幼女は本物、幻影でもなんでもない」
鈴仙「え…?」
紫「パーティー会場がなくなってたのは輝夜と咲夜の能力で空間ごと切り取っていたから、そしてパーティー会場には誰もいなかった、本当に誰もいないのよ」
鈴仙、雛「??」
紫「恐らく奴等は一度作戦を練り直した、そしてその作戦の最中でクリスマスパーティーの準備はもう整ってる、だから一旦解散してるの、霊夢も魔理沙たちもみんな自分の家に戻ってるのよ」
鈴仙「自分の家に戻ってる…!?」
紫「そうよ、藍もマヨヒガにいるでしょうし幽々子と妖夢も白玉楼に戻ってる…紅魔館以外のところにあなたが一人で行ってもきっと同じ対応をされた筈よ、私に干渉してこないのは優しさ有っての事かしら、私が本元だからかしらね」
紫「うどんげ、あなたがこんな目にあっているのはなんでか分かる?」
鈴仙「……」
紫「…簡単に最初から言ってあげる」
紫「藍が私の為のクリスマスパーティーを計画、これに賛同したのは、霊夢、魔理沙、アリス、紅魔館の6人、白玉楼の二人、橙を含めた子供たち6人、あなたを含めた永遠亭の四人」
紫「パーティー準備の中サプライズにしたほうが面白いと誰かが言い放ち、これに全員が賛成『ゆかりんクリスマスイブにボッチだったけど最後にはみんなお友達計画』がスタート…私が冬眠前で力を極力使いたくないのを良いことに人里、妖怪の山、命蓮寺の者に根回しをし始める」
鈴仙「…」
紫「イブの今日に計画施行、橙たちを純狐の仙界に預けた後、橙たちを除く全員が紅魔館でパーティーの準備、作戦通りクリスマスボッチを過ごすゆかりん…だけどここで計画にある狂いが起こる」
紫「うどんげ、ジャンケンに負け買い出しに…その最中私に見つかりスキマに落とされて尋問される」
鈴仙「…」
紫「うどんげを紅魔館から尾行し、それを見ていた何者か、紅魔館に戻りそれを報告」
鈴仙「な…!?」
紫「何者かから報告を受けた紅魔館にいた者たちは計画を変更、私だけでなくうどんげもはめる計画を提案、実行する」
にとり「その計画を提案したのは?」ピコンピコン
紫「八意永琳♪ あ、ついでに尾行の『何者か』は因幡てゐの可能性大ね」
鈴仙「!?」
紫「私に見つかって不甲斐ないうどんげに罰を…と言ったところかしら? うどんげが私に口を割ることまで見抜いてるから恐らく八意永琳よ、尾行がバレなかったのも因幡てゐの能力を持ってすれば簡単なこと」
紫「計画はうどんげを私と過激な方法で同じ状態にすること、その為に一度解散して紅魔館を元の紅魔館にすることが必要、パーティー会場の空間だけはどこかに切り取っておいて後は普通にしてるだけ」
紫「紅美鈴と十六夜咲夜、レミリアはあなたに演技をしたのよ、もしあの場にあなたが一人だったらあなたは自分の能力を使って波長の揺らぎを見抜き、パーティー会場を探し当てる事が出来たはずだから」
鈴仙「演技…」
雛「二人の為にここまでするのね…」
にとり「愛されてんだか弄ばれてんだかわかんないね」ピコンピコン
紫「少なくとも私に今直接干渉してない者は傍観しているということ、さっきも言ったけどそれは優しさあってのことよ、ゆかりんそこは嬉しいわ」
紫「もう1つ、これは大事な事ね、咲夜の演技は悪ノリしたレミリアの指示よ、大方…作戦と言う言葉にウキウキして咲夜に無理を言ってやらせてるのね、こういうとこにバカリスマが発動するのはあのちんちくりんの悪いとこ」
紫「友達なんでしょう? 信じてあげなさいな」
鈴仙「!! …そっかぁ…あはは…」ドサッ
紫、にとり、雛「…?」
鈴仙「咲夜…演技だったんだ…良かったぁ…」ニコッ
雛「…喜ぶところかしら」
にとり「いやいや! いいわ…いいのかなぁ?」ピコンピコン
紫「良いんじゃない? 本人が良ければ、ね♪」
紫「それはそれとして…ねぇうどんげ、あなた悔しくないの?」
鈴仙「!」
紫「私に拉致られただけでこんな目に合わされて、挙げ句の果てに友達の咲夜を間接的に利用されて…あなた悔しくないのかしら? 今のは推測に過ぎないとは言え辻褄が合いすぎてる、これは真実よ」
鈴仙「…! そ、それは…」
紫「…」
にとり、雛「…」
鈴仙「く、悔しいわよ! 元はと言えば私の蒔いた種だけど…! 師匠とはいえ私の友達を…悔しい…けど」
紫「相手が悪い?」
鈴仙「…」コク
紫「誰を目の前に首を縦に振るの?」
鈴仙「!」
紫「これは永遠亭の問題だから~とか思ってる? バカね、これは私の為のクリスマスパーティーと偽ったうどんげへの質の悪いイタズラになってるのよ?」
紫「そんなことされてる私の身になってみなさい、楽しくクリスマスパーティー出来ると思う? 『えーりんありがとう!』…なんてここまで口が裂けてる私でも口が裂けても言えないわね」
鈴仙「……紫…」
紫「あなたと一緒に食べたご飯、美味しかったわ、それに楽しかった…ボッチになってた私には至福の時だった」
鈴仙「…!」
紫「うどんげ、私と一緒に永遠亭の連中、いや、八意永琳を少し懲らしめてみない?」
鈴仙「!」
鈴仙「…」
紫「…」
にとり、雛「…」
鈴仙「……」
鈴仙「…やる」
紫「…!」
鈴仙「やるわ! やってやるわよ!」
紫「! 良く言った!」
鈴仙「でもどうするの? 仕返しと言っても何をするのよ、相手は師匠だから並大抵のことでは…」
紫「あぁ、あなたは何にも心配いらないわ、あなたの今後の事についてのアフターサービスも完璧、私に全部罪がくるようにするから、この事であなたがずっと言われ続ける様な事にはさせないから」
鈴仙「え…?」
紫「作戦はあるんだけど穴がある…その穴を埋めるために」スッ
紫「にとり、雛、あなたたちにも手伝ってほしいの」
にとり、雛「……」
紫「協力、お願い出来ないかしら」
にとり「はっ…あのさぁ、ここまで聞かされて協力しない~なんて言えると思うのかい?」
鈴仙「!」
にとり「それに面白そうじゃん♪ 月の賢者に河童の科学力を見せてやるよ!」
雛「私がどこまで手伝えるか分からないけど…」
雛「兎さんの厄払い、してあげるわ♪」
鈴仙「ありがとう…にとり、雛さん」
紫「感謝するわ…このお礼は私のクリスマスパーティーに参加でどうかしら?」
にとり「おっ! 良いねぇ♪ ならお金の請求はやめておこう」
雛「こらにとり、お金取る気だったの?」
にとり「じょ、冗談だよ~」
鈴仙「…! 紫、この二人がパーティーに参加したら今からやる仕返しに協力したとバレるんじゃ…」ヒソヒソ
紫「私がボッチ中に彼女たちと遊んでてついでに…よ、大丈夫、そこの道筋までちゃんと考えてるから」ヒソヒソ
鈴仙(い、いつの間にそんな…)
紫「にとり、レーダーの結果は?」
にとり「とっくに出てるよ、ここら辺にはいないね」
紫「よし…尾行等は今は無い、良い? これから作戦を簡単に説明するから良く聞きなさい」
にとり、雛、鈴仙「…!」コクコク
紫「本当に簡単なの、あの薬剤師への仕返しは奴の心を攻めればいいんだから」
紫「あれを盗み出せば勝ったも同然よ♪」
にとり、雛、鈴仙「??」
紫「ふふっ♪ 取り合えず作戦会議場所に移動しましょうか」
《永遠亭、入り口前 PM18:00》
鈴仙「…」
【数分前…作戦会議場所、○○の家】
紫『うどんげ、あなたの役割は八意永琳、因幡てゐの注意を引き付ける事よ、二人は私とうどんげが会ったことは知ってるけどその後の事は知らない、尾行はスキマに落とされた時点で終わってるから私と一緒にご飯食べて紅魔館でカリスマ劇団に騙された後、私とにとりと雛で仕返しに来ているなんて微塵にも思ってないでしょうね』
紫『ポイントはあなたがまだ騙されている感覚を持っていること、オーバーリアクションでいいから二人と会話なさい、家族だからって手を抜いたら反撃されるからね? これがあなたにしか出来ない役割、頼んだわよ』
鈴仙『…分かったわ』
紫『その間に私と雛で永遠亭宝物庫に潜入、あるものを盗み出す』
紫『問題なのは永遠亭にあるであろう侵入者対策の罠、因幡てゐの能力、見張りの妖怪兎、蓬莱山輝夜の無限回廊の術』
紫『因幡てゐは『人間を幸運にする程度の能力』だけどこれをあの兎は自在に操っている、幸運を分け与えられるんだから物や罠にまで幸運にすることが出来て『幸運にも八雲紫がトラバサミに引っ掛かった』とかの幸運を呼ぶことが出来るから厄介、これを破るために雛、あなたが必要なの』
紫『幸運にも私に降り注ぐ罠…言い替えれば、私にとっての厄が降り注いでくる…因幡てゐの能力を厄として溜め込む、それがあなたの役割』
雛『待ってそれは無理よ、そんな一瞬で終わる厄を吸収なんて出来ないわ、その厄を吸収するなら…厄を間近で見るか私の回りで起こさないと直ぐには』
紫『私と一緒にってさっき言ったじゃない』
雛『えっ!?』
紫『疲れるけど…私のスキマを使ってあなたの溜めた厄が私に来ないようにあなたに密着すればいいのよ』
雛『み、密着!?』
紫『そう♪ 肌と肌が触れ合うぐらい♪』
雛『えぇっ…!? で、でもやるからにはやらなくちゃね…///』
紫『ふふっ♪ …にとり、あなたはここに残って機械を駆使して見張りの妖怪兎どもの逆監視、あなたの光学迷彩スーツと私の術があろうとも近くで匂いを嗅がれたら終わりだからそこんとこ頼むわね、私に発信器と通信機、うどんげに発信器と盗聴機を渡しなさい』
にとり『おうさ! 監視のヤマメンロボ30体と…はいこれ、通信機と発信器、盗聴機ね♪ 服の中に入れときゃ絶対にバレないから安心して良いよ! 通信機は脳の電波を読み取るから喋らなくていい優れものさ! 思い浮かべるだけでこっちに思いが伝わるように作ってあるのだよ、念波みたいなもんだね』
紫『ほ、本気ね…ありがと…あぁ、心配しなくて良いわよ? 輝夜の無限回廊の術は私がバレない様にこじ開けていくから…よし、作戦はこれで決まりよ、何か質問とかある?』
にとり『あ、鈴仙の方にてゐがいるけど鈴仙に対して何か運が働いたりしないの?』
紫『うどんげの事を今は舐めてるだろうからそれはないわ、運の無駄遣いはしない…因幡てゐのやり方よ』
紫『他にある?』
鈴仙、雛、にとり『…』フリフリ
紫『説明は以上よ、あ、後…』
紫『作戦会議場所の提供、ありがとねもこたん』
藤原妹紅『もこたん言うな! それに良いって言ったろ? 月の奴等に一泡吹かせる会議ならいくらでも家でしてくれて構わないんだぞ?』
紫、にとり『もこたん優しい~♪』
妹紅『もこたんはやめろぉ!』
雛『こっちの蓬莱人さんは優しいのね』
鈴仙『…妹紅ありがとう、家、上げてくれて…』
妹紅『鈴仙ちゃん…』
妹紅『作戦成功するといいな、私はここで見守らせてもらうよ』
鈴仙『…! うん!』
紫『もこたんはこれから慧音先生とパーティーだもんねぇ、良いわねぇラブラブで』
妹紅『アホか! そんなんじゃないよ!』
紫『やっぱあれなの? そのままお泊まりの流れに』
妹紅『なるかぁ!』
雛『もこたん?』
にとり『妹紅のあだ名なんだって、良いよね分かりやすいあだ名でさ』
雛『にとりは工場長だもんね』
にとり『雛ぁ!』
雛『ウフフ♪』
鈴仙『…あのさ、紫』
紫『ん?』
鈴仙『…』
紫『大丈夫』
鈴仙『!』
紫『月の柵? 今はそんなもの関係ない、日頃の鬱憤を晴らすつもりで堂々とやりなさい』
鈴仙『…ありがとう、紫』
紫『ふふっ、よ~し! 作戦開始よ!』
おーっ!!
鈴仙「…」
鈴仙「行くわ…!」スッ
《永遠亭》
鈴仙「師匠! 師匠居ますか!?」
八意永琳「あらうどんげ、戻ったのね」
因幡てゐ「おっ帰り~♪」
永琳「どこに行っていたの? こんなに遅くまで、そろそろ夕飯の支度という名のクリスマスパーティーを」
鈴仙「夕飯!? 何を言っているんですか!? 八雲紫へのサプライズクリスマスパーティーはどうしたんですか!?」
てゐ「は? 八雲紫のクリスマスパーティー?」
永琳「うどんげ…それはこちらのセリフよ、あなた一体何を言っているの?」
鈴仙「え…?」
てゐ「プクク…! 鈴仙、薬のやり過ぎウサ? どうして私たちが八雲紫の為にパーティーしなきゃならないウサ」
鈴仙「私を危ない人みたいに言うのやめて! その取って付けた語尾もやめなさい!」
永琳「うどんげ、てゐの言う通りよ、どういうことなのかしら」
永琳「八雲紫にサプライズ? それは私たちがあの妖怪の為に用意したと言うことかしら?」
鈴仙「そうですよ!! 師匠たちさっきまで紅魔館に居たのになんで」
てゐ「は? 私たちここにずっと居たんだけど」
鈴仙「なっ!?」
永琳「紅魔館? なんであの館が出てくるの?」
鈴仙「!!? し、師匠…! 何を…! 言って…」
てゐ「クク…鈴仙、マジで大丈夫?」
鈴仙「わ、私は…! 大丈夫よ! 師匠! あなたもてゐも姫様も紅魔館…………」
ピー、ガガガ
紫、にとり、雛、妹紅「…」
紫「ここまで清々しいと逆に笑えてくるわね」
雛「なんか燃えてきたわ…厄を移してやりたいほどに」
妹紅「永琳とてゐをぶっ飛ばしたいと思ったのは初めてだ…ここまでやるのか?」
にとり「……よし…!」カタカタ
にとり「モニター機器の感度良好、ヤマメンロボ設置完了、光学迷彩スーツのエネルギーMAX、いつでもいけるよ」
紫「分かったわ、雛、スキマを繋げるからこっち来なさい」スッ
ギュオン!
雛「んっ…」
紫「よし…よいしょっと…」スッ
グイッ!
雛「えっ……えぇっ!?」
紫「雛、能力の発動はお願いね♪ にとり、こっちは頼んだわよ」
にとり「お、おう」
雛「ゆ、紫さん! こ、これは…///」
紫「悪いけどこのまま行くからね、この方が動きやすいし…んじゃ作戦通りにね♪」スッ
雛「うぅ…///」
紫「光学迷彩、スイッチオン!」スッ
カチッ ブゥン!
紫「うーわ本当に見えなくなるのね…んじゃ、行ってくるから」
にとり、妹紅「お、おう…」
妹紅「…お姫様抱っこする必要はあんのか?」
にとり「お雛様なのにね、あ、お雛様抱っこじゃん」
妹紅「そこじゃない、突っ込むとこそこじゃないから」
《永遠亭、裏口、宝物庫への道》
紫「雛、もっとくっつきなさい、こう腕を私の首に回して…あ、厄の吸収頼んだわよ」ヒソヒソ
雛「わ、分かってるわよ…///」ヒソヒソ
雛(厄を…集中して…溜め込む…!)
にとりだよ、聞こえてる?
紫(えぇ、聞こえてるわ、こっちの声は?)
聞こえてるよー♪ 流石私! 河童の科学力は世界一ぃ!
紫(にとり、そんなことより敵の数を教えて)
そんなことって…むー… えっとねぇ見張りの妖怪兎は全部で15羽、紫の言ってた赤い扉の宝物庫の近くにはいないけどその道中に4羽居るね
紫(4羽ぐらいならどうとでもなるわね、宝物庫にいないのはラッキーだわ)
鈴仙は頑張ってくれてるよ、ただ月のお姫様がヤマメンロボじゃ探知できないんだけど…
紫(…輝夜なら自分の部屋に居る可能性が高いわね、そこは見張らなくていいから、何か変な動きがあったら伝えて?)
りょーかい
雛(ムムム…)ゴゴゴゴ
紫(その調子よ雛、堂々と歩いても罠が不発で終わってる…凄いわね厄神様の本気)
雛(厄いわね…ここの罠、トラバサミ、タライ、巨大ネズミ取り…)
紫(厄いのね…でも妙ね、無限回廊の術が無いのは計算外)
紫(まぁ、楽だからいいけどね)
紫と雛は妖怪兎とてゐの仕掛けたトラップを掻い潜り、宝物庫の扉の前にたどり着いた
紫(思いのほかあっさりと着いたわね)
雛(えぇ、急ぎましょう、兎さんの為にも)
紫(そうね、ここに来るまで5分、ちょうど半分…)
雛(この扉鍵穴が無い…何かの封印術みたいなのが使われているみたいね、どうやって開けるの?)
紫(心配無用よ)スッ
ギュオン! ブゥン!
紫(ほらこの通り)
雛(! どうやったの?)
紫(この封印は月の技術の産物、ただ単純に結界で覆うだけの結構古いタイプの封印、こんなもん力を込めれば簡単に解けるわ)
雛(月の宝物が眠っている場所なのに…)
紫(…それじゃ中に入りましょう)
どうやら中に入れたみたいだね、敵には気付かれてないから今のうちだよ
紫(了解よ)
《永遠亭、宝物庫》
紫(あった…これね)
雛(この壺なの?)
紫(中身が重要なのよ、これをスキマにしまってと)スッ
ギュオン!
紫(っ…!)
雛(紫さん?)
紫(…なんでもないわ、用も済んだし早く撤退よ)
雛(…えぇ)
任務完了だね♪ …ん? あ、待って!
雛(にとり?)
紫(?)
紫、雛! なんか宝物庫前辺りに変な動きがある! なんか空間が歪んでるというか…
雛(えっ!)
紫(空間…)
紫(にとり大丈夫よ、通信はそのままでいいけどそっちからはコンタクトしないでね)
分かった
《宝物庫入り口》
紫(…)
グワングワン
雛(!? 空間が歪んでる)
紫(雛、何があっても喋っちゃだめよ)
雛(!)コクコク
グワングワン! ブゥン!
蓬莱山輝夜「…」
雛(あれは…!)
紫(輝夜…)
輝夜「…!」
輝夜「…」
雛(こ、こっちを見られているような…)
紫(シッ…)
輝夜「…」
紫、雛(…)
輝夜「…月が綺麗ね…」
紫、雛(!)
輝夜「こういう日は、永遠に紅い幼き月の元で月見酒も悪くないわね」スッ
スタスタ
紫、雛(…)
雛(い、行っちゃった…)
紫(…やっぱりね)
紫、雛、輝夜が離れていったよ、てかやっぱりって?
紫(宝物庫の封印、これ輝夜がやってるんだけどあの子めんどくさがって弱っちい封印術しか施してないのよ)
紫(封印が解けたから様子を見に来たんでしょうね、そして私たちの存在に気が付いた、いくら光学迷彩でも輝夜なら見破るわね)
雛(えっ!?)
何ぃ! ヤバイじゃんか!
紫(いいえ? 私たちの存在に気が付いた時点で永琳なりなんなり呼ぶはずでしょう? でもそれをしない、それにさっきの言動)
紫(輝夜はこのうどんげいじりには中立なのね、敵でも味方でもない、霊夢たちみたいに傍観してるのよ)
雛(でも自分の家の宝物を盗まれているのに何で…)
紫(うどんげいじり作戦に本心では反対…盗まれた物を把握して私たちの企みに気付いて賛同…)
紫(紅魔館のパーティー会場を切り取ってまでサプライズに協力してるけど輝夜はどっちかって言ったら私たちの味方…)
雛(助けられたって事よね、でもよく分かったわね、輝夜さんが中立の立場だなんて)
紫(輝夜ってうどんげの事そんなにいじってないのよ、軽く話の中でからかうぐらいでね)
なんにせよ任務完了だね 早くこっちに戻っておいでよ
紫(分かったわ、行くわよ雛)
雛(えぇ、えっ…/// また抱っこ?)
紫(行きはヨイヨイ帰りもヨイヨイよ♪)
雛(うぅ…/// 恥ずかしい…///)
紫(あなたふんわり服なのに以外に軽いわよね♪)
雛(どういう意味よ…///)
《永遠亭》
てゐ「ああもうしつこいウサ!」
永琳「うどんげ、あなたいい加減になさい」
鈴仙「いい加減にするのは師匠の方ですよ!! みんな紅魔館で八雲紫のクリスマスパーティーの準備をしていたじゃないですか!」
てゐ「だーかーらー…! 何で私たちがあの妖怪の為にそんなことしなきゃならないのさ」
鈴仙「姫様が面白そうだから行かないかと提案したからでしょ! 覚えてないの!? そうだ…! 姫様! 姫様はどこですか!?」
てゐ「姫なら部屋で休んでるよ、今日はずっと部屋にいたじゃんか」
永琳「あの妖怪の為に姫が能力を? そこまでするかしら? うどんげ、よく考えてみなさい」
鈴仙「…!?」
永琳「あなた今日八雲紫に会ったの? もしパーティーをやるとしてあなたがそこまで混乱しているのなら彼女を頼る…何か話したの?」
鈴仙(! 探られてる…!)
永琳「大体あなた紅魔館には行ったの? パーティー参加者の博麗の巫女とかに会ったの? 話の内容の重要な部分が所々抜けてるわ、落ち着いて詳しく話してほしいものね」
鈴仙(もう限界ね…これ以上はもう)
てゐ「鈴仙、一番強い精神薬ウサ、これ飲んで一旦落ち着くウサよ」
鈴仙(こ、こいつ…!)
鈴仙「わ、私は…!」
永琳「うどんげ…」
永琳「質問しても何も答えないつもりかしら? なら自白剤という手もあるけど?」
鈴仙「! 私は…!」
鈴仙「わ、私はおかしくなんかない!」スッ
タタタ!
永琳、てゐ「…」
てゐ「あーあ、逃げちった」
永琳「ふふっ…これで懲りたかしら」
てゐ「おー怖い、お師匠様も人が悪いよね」
永琳「良い薬にはなったでしょ、最近平和ボケしすぎてるのよあの子」
てゐ(お師匠様は敵に回したくないウサ…)
てゐ「鈴仙どこ行ったんでしょうね」
永琳「さぁ? でも最終的には紅魔館に行かざるを得ない…そこでネタばらしよ、ふふっ、どんな反応をするかしら♪」
てゐ(こえぇウサ…)
《迷いの竹林、藤原妹紅の家》
紫、にとり「いえ~い♪」ハイタッチ
雛「やったわね♪」
妹紅「うまくいったな! 良かったじゃないか」
鈴仙「…」
にとり「ヤバイ…私月の奴等出し抜いたわ…これから河童の時代くるわ…」ジーン
雛「スリルがあって楽しかったわ♪ お姫様抱っこは勘弁だけど…///」
妹紅「私も参加してりゃよかったかな」
紫「ダメ、もこたん輝夜の事見たら特攻していくから計画台無し」
妹紅「ぬぐっ…い、言い返せない」
鈴仙「み、みんな!」
紫、にとり、雛、妹紅「!」
鈴仙「その…えと…」
鈴仙「私のために…あ、ありがとうございました!」
紫、にとり、雛、妹紅「…!」
紫「…おりゃ♪」スッ
パチッ
鈴仙「あいたっ」
紫は鈴仙の額に小さくデコピンした
紫「なーに辛気臭い顔でお礼言ってんの? 成功したんだからあなたももっと喜びなさいな」
紫「優しすぎる所はあなたの悪いところようどんげ、今のこの状況を楽しみなさいよ」
鈴仙「!」
にとり「お礼の気持ちぐらい素直に受け取ったらどうなのかねぇ」
雛「優しいのって逆に長所なんじゃないかしら」
妹紅「鈴仙ちゃんははしゃぐとかそういうタイプじゃないからなぁ」
鈴仙「で、でもさ! もとはといえば私が」
紫「それはさっき聞いたわ! 笑え! うどんげぇ!」スッ
鈴仙「い、いひゃいいひゃい!」グニー
にとり、雛、妹紅(口引っ張って無理矢理笑わそうとしてる…)
紫「おらぁー♪ 笑えうどん…! っ…!」ユラッ
鈴仙「!? えっ…」
にとり、雛、妹紅「!?」
ドサッ…
鈴仙「ゆ、紫!?」
にとり「紫!」
雛「紫さん!?」
妹紅「お、おい…! 何で倒れんだよ! 大丈夫か!?」
紫「…」
鈴仙「!!」ハッ
紫『冬眠前に余計な体力使わせやがって…!』
紫「うっわ…ダルっ…」
にとり、雛「へ…?」
紫「怠いわ…ごっつダルい」
妹紅「だ、ダルい?」
紫「冬眠前にこんなに力を使ったことなかったから分からなかったけど…ダルい、気持ち悪っ…」
妹紅「な、なんだ、おどかすなよ」
雛「そういえば疲れるとか言ってたものね」
にとり「あーそっかぁ、もうすぐ冬眠の時期だもんね」
紫「あなたたち今心配して損したって思ってない?」
にとり、雛、妹紅「思ってない」
紫「…つれぇわ、今日戦友になったのに優しくないわ」
にとり「心配してるって言ってるじゃないか!」
紫「あー、ダルくて耳が遠くなってきたわ」
にとり「おばあちゃんかっ!」
紫「なんですって!?」
妹紅「聞こえてるじゃないか」
鈴仙「…紫」
紫「ん? あぁうどんげはこのあとどうする? 霊夢が私を迎えに来るのは変わってないだろうから霊夢が来るま」
鈴仙「ビックリするじゃない…」スッ
紫「ん? 何ようどん…!?」
ギュッ
にとり「お」
雛「あら♪」
妹紅「…ふっ♪」
鈴仙は倒れている紫を優しく抱きしめた
鈴仙「私を助けてくれたのは凄く嬉しい、嬉しいけど…倒れるほど無理しないでよ…バカ」
紫「…!」
鈴仙「ありがとう、紫」
紫「……ふふん…///」
鈴仙と紫の姿を見て、傍らの三人は静かに微笑んでいた
紫の回復を妹紅の家で待った後、五人は竹林を後にし人里に到着した。
妹紅は上白沢慧音の家にクリスマスパーティーをしに行くため、紫たちとはここで別れることになった。
そして八雲紫へのサプライズクリスマスパーティーの時が近付いてきた…
《人里、PM21:25》
にとり「ここで待つのかい?」
紫「ここにいれば霊夢に早く見つけてもらえる気がするの」
紫「うどんげ、橙たちはもう紅魔館に居るのね?」
鈴仙「えぇその筈よ、師匠たちの計画にはあの子たちは含まれていないだろうから手筈通り、純狐さんが紅魔館まで送り届けてくれているわ」
紫「そ、なら良いわ」
雛「紫さんにとっては凄く長い一日になったわね」
紫「ほんとにね、朝の5時から起きてて本当に…まぁこれからが本番よね、歌って騒ぐのはゆかりん諦めない」
鈴仙「また倒れたりしないわよね?」
紫「宴で倒れるとかであるゆかりん経験ないわぁ」
鈴仙「…」
紫「そんな目で見ないの、大丈夫大丈夫…ん?」
ヒュウ!
博麗霊夢「紫、探したわよ…ってうん?」
にとり「おっす霊夢」
雛「今晩は♪」
鈴仙「霊夢…」
霊夢「にとり? 雛? ! 鈴仙…」
鈴仙「霊夢、私は」
霊夢「鈴仙…ごめん」
鈴仙「!」
紫「霊夢が謝る事ではないでしょう? 元はと言えばあの月の賢者の仕業じゃない」
霊夢「! そっか、もう全部分かってんのね」
紫「えぇ」
霊夢「鈴仙、咲夜と美鈴とレミリアがあんたに言いたい事があるそうよ、パーティー中に話を聞いてあげなさいね」
鈴仙「! うん!」
霊夢「あんたたちは?」
紫「霊夢、この二人…私のボッチ中に遊んでくれたのよ、この二人も参加させてもいいでしょう?」
霊夢「ボッチ中て…まぁ、あんたの為のパーティーだしあんたが良いなら…にとり、雛、歓迎するわ」
にとり「おう、よろしくな!」
雛「ありがとう、霊夢」
霊夢「しかし…やっぱあんた相手にサプライズなんて…無理な話だったのかもね」
紫「そんなことないわよ? してくれるその気持ちが嬉しいのよ、それに…」
霊夢「?」
紫「楽しい事、色々あったわ…早起きもたまには悪くないわね」
霊夢「…そ、ならいいけどね」
紫「うん♪ あ、うどんげ、あなたはまだ騙されてる体でいなさいね、そうしないとバレちゃうから♪ 当然私もだけど♪」
鈴仙「! えぇ、もちろん」
霊夢「? …じゃあ行きましょうか、紅魔館に」
《紅魔館、パーティー会場扉前、PM22:00》
霊夢「さ、入りなさい、みんな待ってる」
紫「えぇ…」スッ
にとり、雛、鈴仙「…」
ギィィ~…
パアン!パアン!パアン!
紫「!」
チルノ、ルーミア、フラン「紫!メリークリスマース!!」
大妖精「ちょっ! 三人ともまだ零時になってないよ!?」
橙「あぁ、紫様! ごめんなさい! まだ早いですよね」
ミスティア・ローレライ「良いんじゃない?」
リグル・ナイトバグ「イブだってクリスマスの一部だし」
大妖精、橙「よくないよ!」
霧雨魔理沙「よう! 待ってたぞ紫!」
アリス・マーガトロイド「紫、どうかしら? 素敵な飾り付けでしょう?」
西行寺幽々子「紫ぃ~♪ ングング 待ってたわ~♪」
魂魄妖夢「あぁ、幽々子様! まだ食べちゃダメですよ!」
他、紅魔館の面々、永遠亭の面々が勢揃いしていた
紫「…!」
クリスマスパーティーが行われる事は分かっていたとはいえ…その会場は紫の想像していた物よりとても絢爛豪華なものでした
色とりどりの料理、可愛い飾り、巨大なクリスマスツリーと上げたらキリがありません。
ですがそれ以上に紫が心に嬉しさと喜びを感じたのは…
自分の愛した幻想郷の住人たちが自分の為にこんな素敵な催しをしてくれた事でした。それを今、目と心で見て、感じることが出来る…彼女にとってそれは言葉で表現することの出来ないとても素敵な思い出になるのでしょう
藍「紫様…」
紫「! 藍」
藍「色々と申し訳ありませんでした…サプライズとは名ばかりですが…どうか、このクリスマスパーティーを楽しんでいってください」
紫「…藍」
藍「はい…」
紫「私こんな気持ちになったの初めてかも…」
藍「!」
紫「ふふっ♪」
紫「みんな…私の為にどうもありがとう! 私とっても嬉しいわ」
紫「私の為のパーティーになってはいるけど…みんなも今宵のクリスマスパーティーを存分に楽しんでほしいわ!」
紫「みんな!グラスを持って!」
チルノ「おー! ついについに!」
ルーミア「くるのかー♪」
紫「いくわよ! せーのっ!」
カンパーイ!
こうしてクリスマスパーティーは始まった、初期の計画から大部変更のあったパーティーにはなったが、パーティー事態は何事も無く行われた。
魔理沙「やっぱお前相手にサプライズは無理があったか」
霊夢「それ私も言ったわ」
藍「最初から無理があった、そう言うことだ」
アリス「あの時ああ言ったのは子供たちの前だったからなのね」
紫「そう、でもまだ一つ分からない事があるわ」
紫「パーティーをしたいと考えたのは藍として、最初にサプライズにしようと提案したのは誰?」
霊夢「それは…」
霊夢、アリス、藍「…」チラッ
魔理沙「…!」
紫「魔理沙」
魔理沙「な、なんの事だか分からないのぜ!」
紫「訛ってるわよ」
魔理沙「! だ、だってそっちの方が面白そうじゃんか!」
紫「はぁ…あなたねぇ、あなたのせいで私は…」
紫「…」
紫「…良い経験が出来たわ」
魔理沙「あ? え?」
霊夢「怒んないの?」
紫「えぇ、怒る必要ないし」
アリス、藍「?」
紫「ふふっ♪」
にとり「おいこら! くっつくな!」
チルノ「工場長! 遊んでくれよう!」
ルーミア「遊べ~♪」
にとり「ここでも工場長かよ!」
ミスティア「美味しい…これどうやって作ってるのかしら…」
幽々子「あらあら♪ それ私が作ったのよ♪」
リグル「へーそーなのかーって、えぇ!?」
妖夢「驚かれるのも無理ないよね…」
大妖精、橙「おぉ~…」
雛「な、何かしら?」
大妖精「雛さんってこういうところにいると…」
橙「お姫様みたいです! 服装が!」
雛「えぇ!? た、確かにお姫様抱っこはされたけ」
大妖精、橙「え?」
雛「な、何でもない!」
鈴仙「えぇ!? じゃあ…」
てゐ「そうウサ♪ 全部鈴仙を騙すための演技ウサ」
永琳「鍛練を怠ってはいけないということを理解してほしいのよ」
鈴仙「で、でも酷いですよぉ…ここまでするなんて」
輝夜「…」
永琳「油断してやられたんじゃ意味ないの、分かりなさい」
鈴仙「あうぅ…」
鈴仙(…酷いなぁ、ほんとに)
輝夜「鈴仙、ちょっと」
鈴仙「は、はい?」
輝夜「…耳かして?」
鈴仙「…?」
輝夜「紫が何をするのか楽しみにしてるわ♪」ヒソヒソ
鈴仙「え…!?」
輝夜「あ、そうそう、レミリアたちがあなたを呼んでたわよ? 早く行ってあげなさい」
鈴仙「へ? あぁ、はい!」
輝夜「一皮剥けたわね、鈴仙」
永琳、てゐ「?」
レミリア、咲夜、美鈴「ごめんなさい」
鈴仙「…」
美鈴「すいませんでした鈴仙さん…サプライズの為とは言えあなたに酷いことを…」
咲夜「ごめん…本当にごめんなさい鈴仙…私、貴方にあんなこと…」
鈴仙「美鈴、咲夜…」
レミリア「わ、悪かったわね! 少し遊びすぎたわ」
小悪魔(こあ)「お嬢様…もう少し丁寧に謝った方がよろしいかと」
パチュリー・ノーレッジ「今回、月の賢者の入れ知恵であなたが調子に乗って鈴仙を苦しめたのは事実、咲夜も美鈴もあなたの頼みは断れないもの、これは紅魔館側の不手際とも取れるわよ? レミィ」
フラン「お姉様! あれはダメだよ! 流石にやりすぎだよ! 咲夜も美鈴も…あんなことしたら可愛そうじゃない!」
レミリア「! …鈴仙…ごめんなさい…」
レミリア「咲夜と美鈴は悪くないわ、全ての責任は私にある、演技させたのも私の指示…あなたの心を傷付けて弄んでしまった…」
レミリア「私の事は許さなくていい…でも咲夜と美鈴の事は許してあげてください…本当にごめんなさい…」
鈴仙「…! …」ニコッ
鈴仙「あなた、そういう謝りかたも出来るのね」
レミリア「!」
鈴仙「美鈴、私は薬売りの時しか紅魔館に来ちゃダメかしら?」
美鈴「え!? いえいえ! そんなことありませんよ!」
鈴仙「そ、なら今度近くに寄ったら薬売りの時でもここに寄ろうかしら、あなたとちょっとした立ち話をするためにね♪ あなたとの会話は楽しいのよ♪」
美鈴「! はい!」
鈴仙「咲夜…あれは怖かったわ…私とっても怖かった…心も…痛くなった…」
咲夜「! 鈴仙…」
鈴仙「でも…本当にお互い大変よね、上の立場の人を信頼してると何が良いのか悪いのか分からなくなっちゃう」
鈴仙「お互い同じ悩みを持つもの同士、これからも仲良くしていきたいの、だから…」
鈴仙「だから私、咲夜を許せちゃうのよね…咲夜、これからも友達としてよろしくお願いします」
咲夜「!! 鈴仙、許してくれるの…?」
鈴仙「あなたのあれが演技だって分かった時、良かったなって思ったのよ? 怖い目にはあったし心苦しかったけどそれは咲夜をどこかで信じていられたからだと思うの」
鈴仙「幻想郷に来てこんな気持ちになったの初めてだったから…私、咲夜のことを許します」
咲夜「うぅ…! グスッ! 鈴仙!」バッ
鈴仙「わわっ!」
咲夜「ごめん! 本当にごめんねぇ…! グスッ! 鈴仙! うぅ、グスッ…!」
鈴仙「な、泣かないでよ…! てか抱きついて…///」
咲夜「うぅ…! ありがとう…! れいせん…!」
鈴仙「咲夜…」ニコッ
パチュリー「気持ちに整理が出来ていないのよ、あなたに感謝、謝罪…そして様々な気持ちが咲夜の中で駆け巡ってる、一つ一つがあなたに対する愛のような感情ばかりだけどね」
鈴仙「そ、そんな的確に言わなくても…///」
咲夜「鈴仙…」
鈴仙「! なぁに? 咲夜」
咲夜「これからも…グスッ…友達でいてください」
鈴仙「! ふふっ、もちろんよ♪」
咲夜「! ありがとう、グスッ…」
フラン「…なんかいいなぁ、こういうの」
こあ「きっと妹様にも鈴仙さんと咲夜さんの様に、素敵な友人関係を築ける時がきますよ♪」
フラン「! うん! 私も友達を大事にする! 咲夜と鈴仙みたいになるように頑張ってみるよ!」
美鈴「良かったですね! 咲夜さん、鈴仙さん!」
パチュリー「…さて、これ以上の感動をどう見せてくれるのかしらね、レミィ?」
レミリア「うっ!? え、えっと…」
鈴仙「…レミリア、あなたさぁ」
レミリア「!」
鈴仙「…」ジーッ
レミリア「うぅ…」
鈴仙「…あなた演技力凄いわよね」
レミリア「! …へっ?」
鈴仙「あのカリスマバリバリの佇まい、あれ演技だったの? 凄かったわ、レミリア本人じゃないみたい」
レミリア「うえぇ!?」
咲夜「確かに…お嬢様とは思えませんでしたわ」
レミリア「ちょっ!?」
鈴仙「あ、ならあれレミリアじゃなかったのかしら」
咲夜「偽者…有り得るわね」
鈴仙「あ~ならレミリア悪くないじゃない、レミリアに対して怒る必要もないわね♪」
鈴仙「レミリア、私あなたを怒る必要全くないわ、だから許すわ、まぁ何を許すのかすらもう分からないけどね」
咲夜「良かったですね、お嬢様」
レミリア「う? うー?」
こあ「お嬢様、何だかんだで許してもらえましたね」
美鈴「良かったですね! お嬢様」
レミリア「え? え? うんまぁ、うん?」
パチュリー(気が利く兎ね…ありがとう)
フラン(お姉様チョロすぎじゃないかなぁ…でも鈴仙、許してくれてるからいいかぁ♪)
レミリア「鈴仙、今度紅魔館に遊びに来てほしいわ…ゆっくり紅茶でも飲んで語らいたいの、咲夜の為にも」
鈴仙「えぇ、是非♪」
レミリア「約束よ」
鈴仙「約束、ね」
レミリア、鈴仙「ふふっ♪」
こうして夜が更けていった…そしてクリスマスまで後10分に迫った時、紫が声を上げた
紫「はいはーい♪ みんな注目♪」
紫「みんな私のためにこんな素敵なクリスマスパーティーというプレゼントをくれてどうもありがとう!」
紫「お返しといってなんだけどみんなに私からクリスマスプレゼントをあげるわ♪」
霊夢「プレゼント?」
魔理沙「お! マジか! 何くれんだぁ?」
藍「紫様、何を…?」
紫「そこ、真ん中開けて? そこに落とすから」
全員「?」
紫「それではー! スキマオープン!」スッ
ギュオン! ガゴン! ゴン!
永琳「…!? !!?」
てゐ「えっ…!? あれは…!」ボソッ
輝夜「…」ニヤッ
紫「メリークリスマスよ♪」
アリス「まだ早いって…な、何これ?」
幽々子「壺? よねぇ…紫~、これはなんなのかしらぁ?」
紫「中、中身を見て?」
レミリア「きゅ、急に爆発するんじゃないでしょうね!」
紫「んな訳あるか! 早く開けてみなさいな」
藍「では、私が…」スッ
ガパッ!
藍「! ? 水?」
幽々子「いえ…これはお酒ね♪」
魔理沙「おぉ♪ 酒とは良いプレゼントだぜ! では早速味見を」
永琳「ま、待ちなさい!」
魔理沙「ん? なんだよ永琳」
永琳「そ、そんな…ま、まさか…」
魔理沙「あー? なんだよ?」
霊夢「? 紫、このお酒名前とかあんの?」
紫「え? えーっとそうねぇ…確か…」
紫「月琳酒…だったかしらねぇ…」ニヤッ
永琳「!!?」
霊夢「げつりん? 聞いたことないお酒ね」
紫「そりゃそうよ♪ だってそれは誰かさんが自分の為だけに丹精込めて作ったお酒だもの」
幽々子「へぇ~…誰かさん、ね♪」
永琳「! …!」
紫「偶然に偶然を重ねて私の手に届いてね、こんな美味しいお酒を私が独り占めするのもあれだしせっかくだからみんなでいただきましょう♪ 私からのクリスマスのプレゼント受け取って!」
霊夢「では… ズズッ…! うまっ!? 何これ!」
魔理沙「あっ! ズルいぞ霊夢! 私にもくれよぉ!」
アリス「ま、魔理沙! 私にも魔理沙の口が付いた柄杓で飲ませて!」
魔理沙「さらっとセクハラだなアリスぅ!?」
藍(月琳酒…? 名前が…いや、まさかな)
チルノ「あたいにも飲ませろ!」
ルーミア「飲むのだー♪」
ミスティア「少し持って帰ったら…ダメ?」
リグル「ダメ…じゃない? それにここでなくなりそうだし」
大妖精「わ、私たちが飲んで良いのかなぁ?」
橙「絵面は気にしないでって紫様が言ってたよ? 飲もう大ちゃん!」
レミリア「うー☆んまい♪ 何これ!ワインよりも味が深いわね」
フラン「美味しいー♪」
美鈴「くーっ、キツイけどこれは美味ですね♪」
こあ「美味しい! ささっ、パチュリー様もどうぞ♪」
パチュリー「うっ…お、美味しいけど、度数がキツいわね」
妖夢「これは…うん? なんか似たような味のお酒を飲んだことがあるような…」
幽々子「気のせいよ♪ う~ん♪ 美味しいわぁ♪」
にとり「! おー中々良い水使ってんね! 味に深みが出てるよ♪」
雛「本当! 口当たりが良くて飲みやすい♪」
にとり、雛(一仕事終えた後だから余計にね♪)
てゐ「お、お師匠様…あれってお師匠様の」
永琳「やられたわ…いつのまに…でもどうやって」
輝夜「ん、美味しい♪ ねぇてゐ、永琳、鈴仙、あなたたちもどう?」
鈴仙「あ、はい! いただきますね♪」
てゐ「わ、私は遠慮しとこうかなぁ…あははは」
永琳(…姫がまさか八雲紫にこれを…いえ、これは八雲紫が単独で…? でも宝物庫には見張りと結界が)
紫「知りたい?」ボソッ
永琳「!?」
紫「ズルいじゃない独り占めなんて…幻想郷に住んでいるのだからもう少し人に分け与えるという優しさを学んでほしいわねぇ」ヒソヒソ
永琳「…あなたがそれを言えるのかしら」ヒソヒソ
紫「えぇ言えるわよ? だって今日は優しくされてばかりだったし」
永琳「…? いつから盗んだの…?」
紫「今日よ、あなた私をまた見くびったわね?」
紫「いくら冬眠前だろうと力は使えるのよ? ちょっと疲れるけどね♪」
永琳「…!」
紫「私はねぇ幻想郷に住む全ての住人を愛しているの、もちろんあなたもよ、だから…」
紫「時々イタズラしてあげたくなっちゃうのよねぇ…」ニタァ
永琳「…!?」ゾクッ
紫「ふふっ♪」
鈴仙「…!」
鈴仙が紫に視線を向けると紫は鈴仙に片目を瞑り、ウインクして見せた、紫の隣にはプルプルと体を震わせている自分の師匠が目に写った
紫「…」クイッ
鈴仙「…!」
紫は永琳に気付かれぬ様、鈴仙にそっちの方に視線を向けろと、指で合図した…そこには
にとり「…」グッ
雛「…」ニコッ
鈴仙にしか分からぬ様に小さく親指を立てているにとりと、微笑みを浮かべる雛の姿が見えた
鈴仙「…」ニコッ
鈴仙(紫、にとり、雛さん)
鈴仙(助けてくれて…ありがとう…!)
おしまい!
《おまけ》
《紅魔館エントランス》
鈴仙「うっ…の、飲みすぎた…」
紫「調子に乗って飲みすぎるとか医者の弟子とは思えないわねぇ」
鈴仙「だ、だって姫様が進めてくるから」
紫「あのお酒輝夜が一番飲んでたような…」
鈴仙「故郷のお酒に似てたからかも…師匠の作ったお酒だから月の技法で作ってるだろうし」
紫「隠れてこそこそお酒作りねぇ、薬剤師がお酒作る時代になったのね、物騒」
鈴仙「なにそれ」
紫「薬剤師ならぬ、ヤクザ、医師」
鈴仙「ぷっ…あはは♪」
紫「おー怖い怖い♪」
鈴仙「ちょっ…わ、笑わせないで! あははは!」
紫「ふふっ♪」
紫「…ねぇ、さっき故郷って言ってたけど」
鈴仙「うん」
紫「月が恋しくなるときはないの?」
鈴仙「…無いと言えば嘘になるわね」
鈴仙「でも私はそこから逃げてきた…故郷を捨てたのよ」
紫「…」
鈴仙「だからもう一度帰って住む…なんて資格ないし今はもう帰りたくないもん」
鈴仙「私にはもう…帰る場所と故郷があるから」
紫「!」
鈴仙「地上に降りてきた時…一人で怖かった、寂しかった…幻想郷の事を知って住み始めて師匠に拾ってもらって…姫様と再会して…てゐとかと知り合って…」
鈴仙「異変を起こして霊夢たちに会って、知り合って…友達になって……親友が出来て…」
紫「…」
鈴仙「あ、ごめん…何か一人で盛り上がっちゃって…」
紫「別にいいのよ、気にしてないし」
鈴仙「…」
紫「…」
鈴仙「…」
紫「あなたは私の愛した幻想郷を故郷だと言ったわね」
鈴仙「えぇ」
紫「…♪」
紫「鈴仙」
鈴仙「え…!?」
紫「ありがとう、その言葉だけで私はあなたの事とっても好きになったわ、だから…」
紫「これからも私の幻想郷とここに住む住人たちと仲良くしてね♪」
鈴仙「!」
紫「それと…個人的にこれからもよろしくね、鈴仙」
鈴仙「なっ…!? なぁ…///」
紫「あらぁ♪ ウサ耳がピーンと立ってるけどどうしたのかしら♪ それに顔赤いけど大丈夫? お薬飲む?」
鈴仙「な、なんなのよ! 紫ぃ!」
紫「おほほほ♪」
鈴仙「…!」
鈴仙はこのとき気付いた、二人でご飯を食べているときの会話の意味を
紫は月の民は嫌い、でも月の民だった者、そしてこの幻想郷を愛してくれる者は嫌いじゃないんだと
例え師匠の様に月にコンタクトを今でもしていようとも…紫は師匠の事までも愛しているのだと
でも今は…
鈴仙「ちょっと! 何でいきなり鈴仙呼びに変わったのよ!」
紫「はぁ? 別に良いじゃないそんなこと」
鈴仙「私にとっては重要なのよ!」
紫「うっさいわねぇ、そんなにガタガタ言うならイナバって呼ぶわよ?」
鈴仙「!?」
紫「因幡てゐと区別付かなくなるわねぇ♪ あーめんどくさい♪」
鈴仙「れ…///」
紫「ん?」
鈴仙「れ、鈴仙呼びでいいわよ…///」
紫「ふふふ♪ 結構結構♪」
紫「あぁそうだわ、もう一ついい忘れてた」
鈴仙「…?」
紫「メリークリスマス、鈴仙」
鈴仙「め、メリークリスマス…/// 紫」
紫、鈴仙「ふふっ…」ニコッ
紫の鈴仙呼びの方が気になる鈴仙なのでした。
本当におしまい!
熱が入り込んでしまってかなりの文字数になってしまいましたがいかがでしたでしょうか…楽しんでいただけたら幸いでございます!
でもこのお話かなり疑問点がありますよね、輝夜の封印を解いたとき鈴仙と会話していようが永琳なら気づくとか、上げたらキリ無いですけど…
永琳には今回悪者役をやっていただきましたが鈴仙との仲は悪くありません、鈴仙も永琳を嫌ってる訳ではないですよ
では…本当にここまで読んでいただいてありがとうございました! お疲れ様でございました!
以下、にとりの発明品
《にとりんレーダー》手のひらサイズの魚群探知機みたいなもの、スイッチを押して地面に置くだけでそこから1㎞の範囲に何がいるかを探ることが出来る。
《ヤマメンロボ》黒谷ヤマメをモチーフにした2㎝ほどの小型監視カメラ、蜘蛛の様に地面、壁、挙げ句には糸を吐いてターザン張りに動く超ハイテクなロボ
《にとりんモニター》ヤマメンロボの見ている映像を写し出せるモニター、電池式で一度に十個の映像を写せる、ボタンを押せば最大30のヤマメンロボと映像をリンクできる
《発信器、盗聴器、通信器》外の世界と基本は同じものだが逆探知不可、どんな電波の妨害をも遮断出来る、にとりが言うには、ペットボトルの蓋と同じサイズ、中でも通信器はにとりの自信作で、耳の穴に入れて置けば喋らずとももうひとつの通信器に電気信号として言葉を飛ばす事が出来る。