東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 霊夢の日常になります、霊夢を主軸に置いて話を構成していますので紫と藍はちょい役になります。



 『博麗霊夢の200のコト』で霊夢が優勝者に贈る為に作った物がどうやって出来たのかの伏線回収もしたいと思います。

 時期としては、クイズが始まるちょっと前になりますね。



 それでは始まります♪




【博麗 霊夢の日常】『楽園の素敵な巫女』

 

 

 【博麗神社 AM5:00】

 

 

 

博麗 霊夢「…ん」

 

 

 

 チュンチュン チュンチュン

 

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢(朝…)

 

 

 

 神社の側に立っている木に止まっているであろう小鳥の囀りで私は目を覚ます。

 

 

 

 私、博麗霊夢の朝は早い。

 

 

 

霊夢「ふあぁ~…あふぅ…」

 

 

 

 敷いてある布団を被りながら大きく背伸びをする…また一日が始まるのね。

 

 

 

霊夢「…」スッ

 

 

伊吹萃香「ぐぉ~… くかぁ~…」zzZ

 

 

霊夢「…毎度毎度気持ち良さそうに寝やがるわね」

 

 

 

 横を見れば半居候である鬼の萃香が布団からはみ出て寝ている、昨日の夜に布団を掛け直してやったというのに何故またはみ出ているのか…

 

 

 

霊夢「鬼ってのは何でこう寝相が悪いのかしら」

 

 

霊夢「おーい萃香ー、起きなさい」スッ

 

 

 

 私は萃香を両手で揺さぶる

 

 

 

萃香「んおー…? お~…」

 

 

霊夢「朝よ、起きなさい萃香」

 

 

萃香「…」ポケー

 

 

霊夢「…寝ぼけてる?」

 

 

萃香「ん~…寝ぼけてぇ~…ないよぉ…んふへへ…♪」

 

 

 

 寝ぼけてやがる。

 

 だから昨日は飲みすぎるなと言っておいたのに…まぁ萃香に酒を飲むな、なんて言うのは酷よねぇ…

 

 でも今日は起きてもらわないと困る。

 

 

 

霊夢「今日はちゃんと起きてもらうわよ? 今日は予定が色々とあるんだからさ」

 

 

萃香「それは~…昨日~…聞いたねぇ…」ポケー

 

 

霊夢「分かってるのなら起きなさいよ」

 

 

萃香「起きるよ~…起きるから霊夢は先に顔を洗って来なよ~…」ポケー

 

 

霊夢「…ちゃんと起きてなさいよ?」スクッ

 

 

萃香「うへ~い…」フラフラ

 

 

 

 私は立ち上がって寝室を後にし、神社の外、境内のわきにある井戸を目指す

 

 

 

霊夢「うぅ寒いわね…春になってきたとはいえまだまだ朝は寒いわ」

 

 

 

 井戸から水を汲み上げ、側にある桶にいれ、その水で顔を洗う

 

 

 

霊夢「くぅー冷たっ! くぁー!」

 

 

霊夢「うぉぉ…あ~冷たいっ…!」

 

 

霊夢「お湯で顔を洗いたいわね、にとりとかにそういうお湯にする様な機械作ってもらおうかしら…」

 

 

霊夢「…あ」

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

十六夜咲夜『冷たい水で顔を洗わないと顔が引き締まらないのよ? 肌の健康にも良いみたいだし』

 

 

霧雨魔理沙『マジかよ…私ずっとお湯で洗ってたぜ』

 

 

霊夢『へぇ、まぁ私はずっと冷たい水だから問題ないわね』

 

 

魔理沙『くそぅ、ハイテクな技術は自分の女子力を滅ぼすのか…』

 

 

咲夜『女子力…関係ある?』

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

 

霊夢「…いや」

 

 

霊夢「何でこんなこと思い出してんだろ」

 

 

霊夢「ふっ…乙女かっ…!」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「なんかノリツッコミしてるとどこぞのスキマ妖怪になりそうだわ、早く戻ろ」

 

 

 

 私は神社の寝室に戻って来ていた

 

 

 

霊夢「萃香~? あんたも早く顔を洗って来なさってこらこら」

 

 

萃香「ぐごごご~…」zzZ

 

 

霊夢「こら萃香、起きなさいよあんた」

 

 

萃香「んお~…? お~」

 

 

霊夢「いや、お~じゃなくてさ」

 

 

萃香「…お」

 

 

霊夢「…お?」

 

 

萃香「…」

 

 

霊夢「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

萃香「くおぉ~…」zzZ

 

 

霊夢「ぬぁぁ! 寝るなぁ!」

 

 

 

 

 【AM 6:00】

 

 

 いつもの時間に朝ごはん、今日は萃香がいるから少し彩りある食卓、作ったのはもちろん私。

 

 

 白米に焼き魚、豆腐に野菜の佃煮、塩漬けされた胡瓜等々。

 

 

 

 

霊夢、萃香「いただきます」

 

 

霊夢「ん…美味い♪ 我ながら良い出来だわ」

 

 

萃香「お、この佃煮美味いねぇ、ほうれん草か」

 

 

霊夢「あぁそれね、前に妖怪の山に行ったときに秋姉妹から貰ったのよ」

 

 

萃香「へぇ~、あれ? 秋じゃないのによく貰えたね」

 

 

霊夢「うん?」

 

 

萃香「今春じゃないか、機嫌悪かったんじゃない?」

 

 

霊夢「あ~、まぁ確かにね」

 

 

霊夢「でも貰えたのよ、あいつらの前を通りすぎただけなのに」

 

 

霊夢「何にもしてないのにさ『霊夢の姉御ぉ! これ受け取ってくだせぇ!』とか言われてさ」

 

 

萃香「ぶふっ! あっははは! なんだいそりゃ♪」

 

 

霊夢「なんだいそりゃはこっちの台詞なのよねぇ」

 

 

萃香「神様も大変だよね、色々と背負ってる物が大きいと精神が不安定になるからさ」

 

 

霊夢「それあいつらだけの様な気がするんだけど」

 

 

萃香「ははは、かもねぇ、まぁあいつらも秋になれば紅葉と豊穣で幻想郷を盛り上げてくれるから今は不安定のままでいさせてあげようよ」

 

 

霊夢「…最近思うんだけど、秋に仕事して溜まったストレスを冬春夏で解消してるんじゃないかと思うのよ」

 

 

萃香「それだとしても荒れすぎだよね」

 

 

霊夢「主に口調と性格がね」

 

 

霊夢、萃香「…」

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

秋穣子『秋以外認めねぇ!』

 

 

秋静葉『冬!? 夏!? 春!? 知るかどちくしょーが!』

 

 

 ホワンホワン

 

 

 

霊夢、萃香「…」

 

 

萃香「はははっ」

 

 

霊夢「ふふっ」

 

 

萃香「いやぁ、それにしても霊夢の作るご飯は美味いねぇ」

 

 

霊夢「そいつはどーも」

 

 

萃香「これがまた酒に合うんだわなぁ♪」

 

 

霊夢「えぇ…朝からいくの?」

 

 

萃香「これが私流なのさ、美味い飯に美味い酒! 最高の贅沢だねぇ♪」

 

 

霊夢「鬼流の間違いなんじゃないの?」

 

 

萃香「朝から酒飲みたくないって鬼もいるよ?」

 

 

霊夢「えっ? マジ?」

 

 

萃香「マジマジ♪ 妖怪の山に確かそんなやつがいたねぇ」

 

 

霊夢「鬼も十人十色なのか…」

 

 

萃香「んぐっんぐっ…ぷはぁ~♪ うぃー♪」グビグビ

 

 

霊夢(ん? 妖怪の山?) 

 

 

萃香「ムグムグ、おぉ、この魚も酒の肴にちょうど良いねぇ♪」

 

 

霊夢(あぁそうか昔か、今いないもんね、妖怪の山に鬼なんて)

 

 

霊夢(…いない、わよね)

 

 

 

 

 【AM 7:00】

 

 

 

 朝食を終えたら博麗の巫女としての活動が始まる。

 

 と言ってもそんなに難しいことはしない、いつもやってる事だしね

 

 

 まず賽銭箱の確認だ。

 

 

 

霊夢「…」ジーッ

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「はぁ…入ってないか」

 

 

霊夢「このままで大丈夫なのが不思議だわ、神様たちの力が弱まっていかないのが不思議…」

 

 

霊夢「賽銭が入らない理由…魔理沙とチルノとルーミアに妖怪屋敷とか言われたのは頭に来たけど事実なのよねぇ…はぁ…」

 

 

霊夢「現に今萃香居るし…でも追い出すってのもなんか」

 

 

霊夢「あれ…? 私ん家割りと本気で妖怪屋敷?」

 

 

霊夢「いや、チルノとか大妖精は妖怪じゃないし…」

 

 

霊夢「ま、まだ大丈夫よね! まだ神社は妖怪屋敷ではない!」

 

 

霊夢「…はず」

 

 

 

 自分でも何が大丈夫なのか分からなかった

 

 

 

 

 そしてお札作り、博麗の巫女の技法で書いているから私にしか書けない、結構集中力がいる。

 

 

 妖怪バスター用、弾幕用と様々な札がある

 

 

 

霊夢「…」サラサラ

 

 

萃香「ふんふん♪」

 

 

霊夢「…」サラサラ

 

 

萃香「ふん? あ、こっちか」

 

 

霊夢「…」サラサラ

 

 

萃香「これで…よし出来た!」

 

 

霊夢「…なにしてんの?」

 

 

萃香「紙飛行機作った♪」

 

 

霊夢「? ちょっ…!? それお札用の紙じゃないのよ! しかも書き終わったやつじゃない!」

 

 

萃香「ふっふっふ、霊夢、良く考えてみなよ」

 

 

霊夢「あー?」

 

 

萃香「これを妖怪に向かって飛ばせば油断させて相手を倒すことが出来る」

 

 

萃香「紙飛行機に妖怪退治の博麗の術式が書かれてるなんて微塵も思わないだろう?」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「その紙飛行機ちょっと貸しなさい」

 

 

萃香「ん? ほい」スッ

 

 

霊夢「…」ジッ

 

 

萃香「?」

 

 

霊夢「ほっ」フッ

 

 

 

 トスッ

 

 

 

萃香「あいてっ…ていたたたたた!!?」

 

 

霊夢「お」

 

 

萃香「いたたたたぁ!! 痛い痛い! お、お札がぁ!」

 

 

霊夢「…紙飛行機にしても効果あるんだ」

 

 

霊夢「それにしても当たった瞬間に自動で貼り付くとは…流石博麗の術式…♪」

 

 

萃香「れ、霊夢ぅ! 感慨してないでこいつを取っておくれよぉ! いたたた!」

 

 

霊夢「あ、ごめんごめん」

 

 

 

 

 

 そして最後、神社の境内の掃除、箒で落ち葉とかを集める作業ね

 

 

 

 

霊夢「落ち葉共め…何でこう埃の様に無限に湧いて来るのかしら」

 

 

萃香「前にも同じこと言ってたよねぇ」

 

 

霊夢「はぁ…まぁ考えるだけ無駄よね」

 

 

萃香「そうだねぇ」

 

 

霊夢「…ねぇ萃香」

 

 

萃香「うん?」

 

 

霊夢「あんた本当に今日着いて来るの?」

 

 

萃香「うん、行くよ♪ 面白そうじゃないか」

 

 

霊夢「面白くはないと思うけど」

 

 

萃香「いやぁ私は楽しみなんだよ? 霊夢と一緒に命蓮寺に行くの」

 

 

霊夢「…」

 

 

萃香「轆轤回して湯飲み作るんだろう? それも楽しみだよねぇ」

 

 

霊夢「え? あんたも作んの?」

 

 

萃香「当然じゃないか、一度やってみたかったんだよねぇ」

 

 

霊夢「ふっ、力入れすぎて轆轤装置壊すんじゃないわよ?」

 

 

萃香「勇儀じゃないんだから、平気さ」

 

 

霊夢「勇儀は壊すのね…」

 

 

萃香「あいつは不器用だからねぇ♪ あっはっは!」

 

 

霊夢「あいつらしいわね」

 

 

霊夢(でも大工出来るから不器用…って訳でもないのかしら)

 

 

萃香「それにしてもゆかりんクイズか、私も参加したかったねぇ」

 

 

霊夢「あのおバカ…最初だから解答者にはサプライズとして無理矢理連れ出して参加させるとか言ってたけどマジでやるつもりかしら」

 

 

萃香「紫だからねぇ、やるんじゃない?」

 

 

霊夢「てか誰を選ぶつもりなのかしら」

 

 

萃香「それも楽しみだよねぇ」

 

 

萃香「楽しみと言えば…優勝者への霊夢からのプレゼントだよねぇ」

 

 

霊夢「プレゼント、ね」

 

 

霊夢「…」

 

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

 

霊夢『はぁ? プレゼント?』

 

 

八雲紫『そうよ? クイズで競い会うんだから当然優勝者が出てくるでしょ?』

 

 

紫『だ・か・らぁ♪ 霊夢にはその優勝者に個人的なプレゼントを用意してもらいたいのよ』

 

 

霊夢『プレゼントって…』

 

 

紫『何でもいいのよ?』

 

 

霊夢『その何でも良いが困るのよ、誰が出場するのか誰が優勝するんだかすらも分からんのに何を用意すりゃいいのよ』

 

 

紫『霊夢が考えてくれたものならなんだって嬉しいわよ』

 

 

霊夢『それあんただけでしょ』

 

 

紫『良く分かってるわね! 流石私の霊夢!』ビシッ

 

 

霊夢『…はぁ』

 

 

紫『あ! 霊夢、個人的に私にプレゼントしてくれてもいいの』

 

 

霊夢『それは無いから安心しなさい』

 

 

紫『うえーん霊夢冷たいわ…冷たい…』シクシク

 

 

霊夢『何故泣く』

 

 

八雲藍『…霊夢』

 

 

霊夢『ん?』

 

 

藍『確かに出場者も誰が優勝するかもまだ決まってないが、プレゼント選びならこうしてみるのはどうだ?』

 

 

藍『相手に合わせようとすることが出来ないのだから自分の好きな物をプレゼントに選ぶんだ、そうすることで相手が持っていて被ってしまう事態も避ける事が出来るし、何より心が籠ったプレゼントになるだろう』

 

 

霊夢『! ふむ…』

 

 

紫『ゆかりんの好きな物とかね!』

 

 

藍『どっちにしろ霊夢任せになってしまうが…どうだろうか?』

 

 

霊夢『…』

 

 

霊夢『なるほどね、良いわね藍、その案いただくわ』

 

 

藍『ふふっ、そうか』

 

 

紫『ゆかりんの好きな物で決定ね!』

 

 

霊夢『でも私の好きな物か…むむむ』

 

 

藍『それも霊夢任せだが…』

 

 

紫『霊夢の好きな物はゆかりんも大好きよ!』

 

 

霊夢『まぁ考えておくわ、クイズが始まる前までには必ず用意するから』

 

 

藍『うん、頼んだよ』

 

 

紫『霊夢が私の為に…きゃーっ♪』

 

 

霊夢『うっさいわねあんたさっきから』

 

 

藍『少しは静かに出来ないんですか?』

 

 

紫『シクシク…霊夢と油揚げがいじめるぅ~』

 

 

藍『人のことを油揚げ呼ばわりするなぁ!』

 

 

霊夢『八雲家は静かに出来ないのかしら…』

 

 

萃香『あっははは♪』

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

 

萃香「んで湯飲みって訳かい?」

 

 

霊夢「まぁね」

 

 

霊夢「結構考えたのよ? 私の好きな物を一通り考えてみたら湯飲みに辿り着いたの」

 

 

萃香「霊夢はお茶が好きだからねぇ」

 

 

霊夢「最初はお茶の葉も考えたんだけど…それだと女子力高い組が出場して優勝なんてされたらこっちが恥を掻くじゃない」

 

 

萃香「なるほどねぇ、いやしかし霊夢は本当に優しいよねぇ」

 

 

霊夢「は、はぁ? 何処から優しいが来たのよ」

 

 

萃香「相手の事を考えてるところとかだよ♪」

 

 

霊夢「べ、別に普通じゃない」

 

 

萃香「あっはっは、そうかもねぇ♪ はっはっは」

 

 

霊夢「なんなのよ…///」

 

 

 

 

 

 【AM 9:00】

 

 

 やることが一通り終わったら、朝の疲れを癒すため朝風呂に入る、これも私の日課だ

 

 

 

霊夢、萃香「あぁぁぁ~…」チャポン

 

 

霊夢「良い湯だわ…」

 

 

萃香「極楽極楽…」

 

 

 

 地底での異変以来、神社の側に温泉が湧くようになった、頼んでもいないのに早苗や諏訪子、にとりが色々と整備してくれたお陰で無駄に広い銭湯の様になってしまっている。

 

 まぁでも私自身、温泉にはお世話になっているからなんとも言えないわね。

 

 けど私の知らぬ間に妖精や妖怪が勝手に入っていたりするのはいただけないわね

 

 あ、後あまり関係ないけど、私は結構長風呂らしい…

 

 

 

 

霊夢「そういえば萃香」

 

 

萃香「う~ん?」

 

 

霊夢「あんたって命蓮寺から出禁喰らってるんじゃなかったっけ?」

 

 

萃香「ほえ? なんで?」

 

 

霊夢「ほら、去年の夏? だったか天子と幽香と命蓮寺であんたら暴れてたじゃない」

 

 

萃香「んあ? …あ、あぁあれかぁ~」

 

 

萃香「それなら大丈夫だよ、あれで出禁喰らったのは天子だけだからねぇ」

 

 

霊夢「そうだったっけ?」

 

 

萃香「そそっ、はっきり言っちゃうけどあれは全部天子のせいだよ」

 

 

萃香「納涼祭やるって聞いて面白そうだったから私は行っただけ、幽香は納涼祭に使う西瓜を届けに来てただけ」

 

 

霊夢「天子は?」

 

 

萃香「聖と幽香に殴られたいが為…いや、殴られてみたいが為に命蓮寺で暴れた」

 

 

霊夢「あいつは…ほんっと呆れるわ」

 

 

萃香「こちとら巻き添えだったんだよ? 天子の暴走を止めようとしたら喧嘩両成敗で聖と駆け付けてきた霊夢にボコボコにされたんだもん」

 

 

霊夢「あ~…あの時は悪かったわね」

 

 

萃香「良いんだよ~♪ 中々面白かったからねぇ♪」

 

 

霊夢「私は全然面白く無かったわよ」

 

 

萃香「ボコボコにされたって言っても天子と幽香無傷だったけどねぇ」

 

 

霊夢「あんたもでしょうが」

 

 

萃香「鬼ですから♪」

 

 

霊夢「さいですか」

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「でもあんた昔個人的に命蓮寺に襲撃しに行ったことあるわよね」

 

 

萃香「あ~…あれは…」

 

 

霊夢「…」

 

 

萃香「…」

 

 

萃香「あ、挨拶が遅かったから」

 

 

霊夢「そのヤクザ思考捨てなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 【AM 10:00】

 

 

 

 この時間帯はいつも神社の縁側でお茶を飲みつつのんびり、私にとっては至福の時なのだ。

 

 

 なんだけど…

 

 

 

 

チルノ「良いじゃん! そのお酒飲ませてくれよう」

 

 

萃香「ダメだダメだ、ガキんちょにはまだ早いよ」

 

 

ルーミア「けちなのかー?」

 

 

萃香「人聞きの悪いこと言うなよ、私はケチでは無いぞ?」

 

 

チルノ「じゃあ飲ませてくれ」

 

 

萃香「ダメだって言ってるだろう、お前たちがこの瓢箪の酒を飲んだら一発でアウトだぞ?」

 

 

大妖精「あの…萃香さんごめんなさい、チルノちゃん、ルーミアちゃん、あんまり迷惑かけたら」

 

 

チルノ「大ちゃんだって飲みたいでしょ?」

 

 

大妖精「えぇ…いやぁ私は…」

 

 

ルーミア「正直になりなよ、な?」

 

 

大妖精「!?」

 

 

 

 

霊夢「こらぁ、ベタベタくっつくな!」

 

 

サニーミルク「えへへ…」ギュー

 

 

ルナチャイルド「…」

 

 

スターサファイア「…」

 

 

ルナ、スター(さ、サニーが羨ましい…!)

 

 

霊夢「レミリアかあんたは、離れろっての」

 

 

サニー「嫌です! えへへ♪」

 

 

霊夢「はぁ…」

 

 

 

 この時間帯になると何処からともなく妖精だの妖怪だのが集まってくる、全くもう…

 

 

 

 

霊夢「てかねぇ…私は至福の時を邪魔されたくないのよ、帰ってくれない? あんたら」

 

 

チルノ「なっ!? なんでそんな酷いことを言うんだ!」

 

 

サニー「そうですよ霊夢さん!」

 

 

スター「す、少しぐらい遊んでくれたって良いじゃないですか…」

 

 

ルナ「暇なんです…」

 

 

ルーミア「ドイヒーなのだー!」

 

 

霊夢「どい…何て?」

 

 

大妖精「霊夢さんごめんなさい! 直ぐに帰りますから」

 

 

チルノ「大ちゃん! ここで引いたら女が廃るって魔理沙が言ってたぞ!」

 

 

ルーミア「そーなのかー」

 

 

萃香「そーなんだー!」

 

 

霊夢以外「わはー♪」

 

 

霊夢「あんたらのその団結力はなんなの?」

 

 

霊夢「…はぁ」

 

 

霊夢「……お茶飲む?」

 

 

チルノ、サニー、ルーミア、スター「飲むっ!」

 

 

萃香(現金な子たちだねぇ♪)

 

 

霊夢「はいはい、飲んだら帰りなさいよ?」

 

 

チルノ、サニー、ルーミア、スター「はーい♪」

 

 

大妖精「もうお酒の事は良いんだね二人とも…霊夢さんありがとうございます、ご馳走になります」

 

 

霊夢「あんたはほんと礼儀正しいわよね…結構結構」

 

 

ルナ「わ、私はコーヒーの方が…」

 

 

霊夢「あぁん!?」ズイッ

 

 

ルナ「!?」ビクッ

 

 

霊夢「グダグダ言ってるとお茶の中にコーヒーの粉入れてよくかき混ぜてお出ししてあげるけど?」ニッコリ

 

 

ルナ「ひっ…!? ふ、普通のお茶でお願いします!!」

 

 

霊夢「ふふふ♪ よろしい♪」スッ

 

 

スター「ルナ、意外に美味しいかも知れないわよ?」

 

 

ルナ「一回休みはごめんだわ…」

 

 

萃香(ふっ、何だかんだ言ってももてなしてあげるんだねぇ霊夢)

 

 

萃香(そういうところが好きなんだよねぇ…ははは♪)

 

 

 

 

 【AM 11:00】

 

 

 お馬鹿共を帰してやっと一息…つけるはずもない

 

 どこぞの普通の魔法使いがまだ来ていないからだ

 

 

 

霊夢「ん」

 

 

萃香「お、来た来た♪」

 

 

 

 空を見上げるといつもの箒に乗っていつもの白黒の服装をした普通の魔法使いがこっちに飛んで来ているのが見えた。

 

 あぁ、うん…? いつもの光景…?

 

 いや…

 

 

 

霊夢「…お?」

 

 

萃香「ありゃ、一人じゃないねぇ」

 

 

 

 スイーッ

 

 

 

魔理沙「おっす霊夢! と萃香! 魔理沙さんが遊びに来てやったぜ♪」

 

 

アリス・マーガトロイド「こんにちは霊夢、あら、久し振りね萃香」

 

 

萃香「おう♪ 魔理沙、アリス、こんちは」

 

 

霊夢「…」

 

 

魔理沙「…」

 

 

アリス「♪」

 

 

萃香「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

魔理沙「…」

 

 

アリス「♪」

 

 

萃香「…?」

 

 

 

霊夢「魔理沙」

 

 

魔理沙「お?」

 

 

霊夢「ツッコミ待ち?」

 

 

魔理沙「おう、分かってくれて何よりだぜ霊夢」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「アリス」

 

 

アリス「ん? なにかしら、霊夢」

 

 

 

 

 

霊夢「どうして魔理沙の箒に一緒に乗って魔理沙を後ろから抱き締めてるの?」

 

 

アリス「え? ほら、振り落とされたら危ないじゃない♪」

 

 

霊夢「あんた自分で飛べるわよね?」

 

 

アリス「あはは、昨日ね? 足を挫いちゃって…私ったらほんとドジ♪」

 

 

霊夢「飛ぶとき足使う?」

 

 

アリス「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

萃香「…」プルプル

 

 

魔理沙「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「ふふっ♪」

 

 

魔理沙「ふふっじゃねぇわ」

 

 

霊夢「あんたってほんとぶれないのね」

 

 

萃香「あっはっはっははは!」ゲラゲラ

 

 

魔理沙「笑い事じゃねぇぞ!? ほら降りろアリス! もう神社に着いたんだからな!」

 

 

アリス「ダメよ! 魔理沙の背中は私が守るわ! いきなり後ろから弾幕が飛んできたらどうするのよ!」

 

 

魔理沙「自分の身ぐらい自分で守れるわ! てか後ろから弾幕ぶちこんで来る奴なんて幻想郷にいるかぁ!」

 

 

アリス「いるかもしれないでしょ!?」

 

 

魔理沙「例えばぁ!?」

 

 

アリス「…」

 

 

魔理沙「…」

 

 

アリス「ふ、ふふっ!」

 

 

魔理沙「思い付かねぇんだろ! 見苦しいぞアリスぅ!」

 

 

霊夢「…アリス普通に嘘ついちゃってるけど鬼から一言ある?」

 

 

萃香「いやいや、嘘とボケは紙一重と言うじゃないか♪」

 

 

霊夢「初耳だわ、それ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は四人分のお茶をいれて渡し、お茶を飲みながら話をする、いつもなら魔理沙と私の二人分なんだけどね

 

 

 

霊夢「パチュリーからお茶会の誘い?」

 

 

魔理沙「そうなんだよ、珍しいだろ?」

 

 

アリス「咲夜から招待状を渡されてね? 魔法使いだけのお茶会がしたいんですって」

 

 

萃香「へぇ、面白そうじゃないか」

 

 

魔理沙「だろ? タダで咲夜のお菓子が食えるなら儲けもんだしな」

 

 

霊夢「…それ聖も含まれてる?」

 

 

魔理沙「うん? 聖? いや、どうだろうな」

 

 

アリス「確かに彼女も魔法使いだけど…咲夜からは聞いてないわね」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢(うーん、考えすぎか、あいつは約束破るタイプの人間じゃないし)

 

 

魔理沙「うん? 何でお前が聖のことを気にするんだ?」

 

 

霊夢「べ、別に、あいつも一応魔法使いだからさ」

 

 

魔理沙「あー…まぁそうだが」

 

 

アリス「聖って魔法使いってよりか…」

 

 

魔理沙「私たちから見ればな? 聖は魔法ファイターなんだよ」

 

 

萃香「魔法ファイター?」

 

 

アリス「聖は魔法を自分の身体強化に使ってるでしょ?」

 

 

魔理沙「そうだ、だから私たちは聖をごてごての魔法使いとしてあんまり見てねぇんだよなぁ」

 

 

萃香「ほうほう、なるほどねぇ」

 

 

霊夢「確かにあんたたちやパチュリーと比べると魔法使いしてないわね…都市伝説もバイク? だっけ」

 

 

魔理沙「あれには私も驚いたぜ、自分からババアを名乗るなんて紫だけにしてくれって感じだよなぁ」

 

 

霊夢「ぷはっ…! ふふふっ!」

 

 

萃香「あっははっ♪」

 

 

アリス「ふふふふっ…!」

 

 

魔理沙「あはは、まぁ聖は茶会には呼ばれてないんじゃないかなぁ、それに命蓮寺での仕事とかあんだろうしな」

 

 

霊夢「ふっ、そうよね」

 

 

魔理沙「てか本当に何でそんなに気になんだよ」

 

 

霊夢「だから別に意味なんか」

 

 

魔理沙「あ、分かったぞ? お前も茶会に参加したいんだろ?」

 

 

霊夢「は…?」

 

 

魔理沙「ふっ、悪いな霊夢、この茶会は三人用なんだぜ」

 

 

霊夢「なんじゃそりゃ、というか私は魔法使いじゃないから行く必要がないわね」

 

 

アリス「でも聖よりかは霊夢の方が魔法使いっぽいわよね」

 

 

萃香「なんとなくわかるねぇ」

 

 

魔理沙「あぁ、わかるわかる」

 

 

霊夢「…私にはさっぱり分かんないわ」

 

 

魔理沙「夢想封印とか完全に魔法の玉飛ばしてる様にしか見えんぞ?」

 

 

霊夢「私は巫女よ」

 

 

 こういう感じでどうでもいいような事をほぼ毎日魔理沙と話す。

 

 今は客のアリスや萃香がいるから会話が弾むが、私と魔理沙二人の時は話しているときの間が結構長かったりする。

 

 共通の話題が多いし魔理沙と二人でいることが多いから余計なのかもね。

 

 

 

 

 【PM 12:00】

 

 

 

魔理沙「んじゃ言ってくるぜ、咲夜から土産を貰うかもしれんからもし貰ったら持ってくるぜ」

 

 

霊夢「はいはい、一応期待してるわ」

 

 

魔理沙「まぁ土産がなくても来るけどな、あははは♪」

 

 

アリス「お茶ご馳走さま、ありがとね霊夢、さってと…」スッ

 

 

魔理沙「まてい」

 

 

アリス「あら♪ どうしたの魔理沙」

 

 

魔理沙「また何ナチュラルに箒に乗ろうとしてんだ」

 

 

アリス「ほら…お茶飲んでいきなり動いたら気持ち悪くなっちゃうかもしれな」

 

 

魔理沙「じゃあまたな!! 萃香! 霊夢!」スッ

 

 

 

 ギューン!

 

 

 

アリス「あっ!? 待ってよ魔理沙ぁ!」スッ

 

 

 

 ギューン!

 

 

 

霊夢「…飛べるじゃないアリス」

 

 

萃香「んっはははは!」

 

 

霊夢「はぁ…さて、私たちも準備して行くわよ」

 

 

萃香「ほいほい、あ、なぁ霊夢」

 

 

霊夢「うん?」

 

 

萃香「魔理沙に今日命蓮寺に行くって何で言わなかったんだ?」

 

 

霊夢「あぁ、紫はまず間違いなくクイズに魔理沙を参加させると思ってね」

 

 

霊夢「紫からまだ黙っててって言われてるから、この事を言ったら魔理沙には覚られると思ったから言わなかったのよ」

 

 

萃香「なるほどねぇ」

 

 

霊夢「そういうあんただって黙っててくれてたじゃない」

 

 

萃香「私は気が利く女だからねぇ~♪」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「子供に気を利かせてしまうとは…私もまだまだね」

 

 

萃香「こらこらぁ! 見た目で私を子供扱いするなぁー!」

 

 

霊夢「ふふっ…」

 

 

 

 

 

 

 【PM 12:15 人里】

 

 

 この時間帯は普通なら神社でのんびりしているか、人里に散歩をしに出掛ける、でも今日はちょっと特別なのよね。

 

 

 

 私は湯飲みを優勝賞品に決めた時から聖に話をして命蓮寺にある轆轤装置を使わせてもらう事になっていた、都合の良い日を開けてもらい、この日に約束していた。

 

 命蓮寺に向かうには人里を通る必要がある。

 

 

 

萃香「そういや昼飯食って来なかったから腹減ったねぇ」

 

 

霊夢「安心しなさい、聖がなにかご馳走してくれるらしいから」

 

 

萃香「え? ほんと!?」

 

 

霊夢「ちょうどお昼時だしね、一緒にどうかって言われてたのよ」

 

 

萃香「太っ腹だねぇ」

 

 

萃香「…! ん…」

 

 

霊夢「どうしたの?」

 

 

萃香「霊夢、ちょっ…厠行ってきていい?」

 

 

霊夢「へ? あぁ、行ってらっしゃい?」

 

 

萃香「悪いね、待っててよ」スッ

 

 

 タタタ

 

 

霊夢「…」

 

 

 

 私は壁を背にし、両手を組み、目を瞑る。

 

 

 

霊夢(しかし、轆轤か…人生初だわ)

 

 

霊夢(確か作ったら小傘が焼いてくれるのよね…あいつも立派に鍛冶業やってるのかしら)

 

 

霊夢(てか、焼き物って何日かかるもんなのかし)パチッ

 

 

茨木華扇「…」ズイッ

 

 

霊夢「おぉう!?」

 

 

華扇「こんなところで何をしているのです?」

 

 

霊夢「いきなり目の前にいるんじゃないわよ! びっくりするわ!」

 

 

華扇「声は掛けましたよ? それなのにあなたが返事をせずに難しい顔をしているから」

 

 

霊夢「別に難しい顔なんてしてないわよ」

 

 

華扇「…ところでここで何を?」

 

 

霊夢「…! 別に」

 

 

霊夢(萃香もいるしここははぐらかして立ち去ってもらうか、何より説教が来たらめんどくさい)

 

 

華扇「…まぁいいでしょう、そんなことより霊夢」

 

 

霊夢「なに?」

 

 

華扇「私が近付いてくる気配にも気付けないなんて…修行を怠ってる証拠ですね」

 

 

霊夢「…あー?」

 

 

華扇「修行を怠たるなとあれだけ言っているのにも関わらずあなたは修行を怠るのですか!? 博麗の巫女として、幻想郷を支える立場としての自覚はあるのですか? 異変が起きた時に迅速な対応を取れれば早く異変を終わらせる事が出来ます、あなたのスキルアップにも繋がるというのにあなたときたら」クドクド

 

 

霊夢「だぁー! ほんっとうっさいわねあんたはネチネチネチネチと!」

 

 

華扇「ネチネチ!? 私がいつあなたにネチネチ言ったというのですか!」

 

 

霊夢「今ぁ!! 今よ! 現在進行形で言ってるのよあんたは!」

 

 

華扇「私がもしネチネチと言っているのだとしたらそれはあなたの為を思って」

 

 

霊夢「あぁー聞こえない聞こえない」

 

 

華扇「むっ…! 霊夢! 今度は哺乳類コースですよ!」

 

 

霊夢「そのコース責めやめてくんない? すっごい疲れんだけどアレ、爬虫類コースでさえめんどくさかったのにさ」

 

 

華扇「修行を怠っているからです!」

 

 

霊夢「…イージー華扇ちゃんコース」

 

 

華扇「は…?」

 

 

霊夢「イージー華扇ちゃんコースはないの?」

 

 

華扇「そんなものあるわけないでしょう!? また楽しようとして…! そんなものよりルナティック華扇ちゃんコースをおすすめします!」

 

 

霊夢「華扇ちゃんコース存在すんの!?」

 

 

華扇「先日作ったオーバードライブ華扇ちゃんコースもありますよ! さぁ!」

 

 

霊夢「さぁじゃないわよ! オーバードライブって…絶対疲れるやつじゃないそれ」

 

 

華扇「疲れない修行がありますか!」

 

 

霊夢(あぁめんどくさい…! ……魔理沙が美鈴にやったアレ、華扇に効くかしら)

 

 

華扇「聞いているのですか? 霊夢!」

 

 

霊夢(試してみるか)

 

 

霊夢「ねぇ華扇」

 

 

華扇「! なんですか?」

 

 

霊夢「あんたの後ろにさっきから四季映姫いるけど…気付いてないの?」

 

 

華扇「!!? え、閻魔様!?」クルッ

 

 

華扇「!? !!?」キョロキョロ

 

 

 シーン

 

 

華扇「…いないではないですか、まったく…冗談なら日頃の行いだけにして」クルッ

 

 

 

 ドドドドドド!

 

 

 

霊夢「敵前逃亡!」

 

 

華扇「……」

 

 

華扇「…」

 

 

 

 

 

華扇「霊夢ぅ!!」

 

 

 ドドドドドド!

 

 

 

華扇「待ちなさい霊夢! 嘘をつき、あまつさえ逃げるとは何事ですか!」

 

 

霊夢(! よし、あの角を曲がれば撒ける!)

 

 

 

 スッ タタタ ドン!

 

 

 

霊夢「あっ!」

 

 

????「おぉすまんすまん、ぶつかってしもうた、お主怪我は…うん?」

 

 

霊夢「いたた…! …あ! あんたは…」

 

 

 レイムゥー!

 

 

 

霊夢「いぃっ!? ほんとしつこいわね!」

 

 

????「! あの声…ふぉっふぉっ、察したわい」

 

 

????「手を貸してやるぞい、霊夢」

 

 

霊夢「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「はぁはぁ…! ! あなたは…」

 

 

????→二ツ岩マミゾウ「おぉ華扇、暫く振りじゃな」

 

 

華扇「えぇ久し振り…じゃなかった、霊夢! 霊夢を見掛けなかった!?」

 

 

マミゾウ「霊夢? あぁそれならば先ほど儂の横を駆け抜けて行きおったわい、挨拶も無しに行ってしまうとは…どうやらお主から逃げていた様じゃな」

 

 

華扇「! えぇ、修行をさせようと話をしていたんだけど逃げられてしまって」

 

 

マミゾウ「霊夢は修行をせんでも強いじゃろうに」

 

 

華扇「確かに、ですが精神力はまだまだ未熟です、修行が必要です」

 

 

マミゾウ「…修行の鬼じゃな」ボソッ

 

 

華扇「何か言いました?」

 

 

マミゾウ「いんや、何も言うとらんぞ? あぁそれよりも霊夢じゃが」スッ

 

 

マミゾウ「あの曲がり角を曲がって行きおった、早く追い掛けんと追い付かんぞ?」

 

 

華扇「! 感謝します!」スッ

 

 

 タッタッタッ!

 

 

マミゾウ「飛んで空から探した方が早い、と言うたら野暮かの」

 

 

マミゾウ「さて…もう平気じゃぞ、霊夢」

 

 

 ドロン!

 

 

霊夢「ふぅ助かった…感謝するわ、マミゾウ」

 

 

マミゾウ「立て札に化けさせるのは効果的じゃったな、しかし一番弱い変化の術じゃったのに見破れん華扇も華扇じゃの、狸に化かされる様では修行が足りんのう、カッカッカ♪」

 

 

霊夢「ほんとよ、あいつこそ修行が足りないわ」

 

 

マミゾウ「逆にお前さんの事を思うあまり気付かなかった、ともとれるがの」

 

 

霊夢「…」

 

 

マミゾウ「まぁ修行の斡旋も度を過ぎれば迷惑の何物でもないがの」

 

 

霊夢「えぇ、ほんっと迷惑よ…」

 

 

マミゾウ「…」ニヤニヤ

 

 

霊夢「なによその顔は」

 

 

マミゾウ「いや、何でもない」

 

 

霊夢「…そういやあんたここで何してたの?」

 

 

マミゾウ「ん? 儂か? さっきまで菫子と小鈴と鈴奈庵で語らってたんじゃ」

 

 

霊夢「あら、あいつまたこっち来てたのね」

 

 

マミゾウ「妖魔本に関心があったらしくてな、紹介がてら小鈴に会わせてみた」

 

 

マミゾウ「会話が弾んで楽しかったのう」

 

 

霊夢「あれ? 今いないけど」

 

 

マミゾウ「時間的に昼休み休憩終わりじゃろ、今どきの女学…いや、女子高生は大変じゃからなぁ、目が覚めてしまったんじゃろうな、いきなりスッと消えてしもうたわい」

 

 

霊夢「寝てる間だけこっちに、だもんね」

 

 

マミゾウ「難儀なもんじゃなぁ」

 

 

マミゾウ「うん? おぉそうじゃ、お主今日命蓮寺に用があるんじゃなかったか?」

 

 

霊夢「えぇそうよ、行く途中で華扇に捕まってたの」

 

 

マミゾウ「なるほどの、なら今から一緒に行かんか? 儂も帰るところじゃったし」

 

 

霊夢「そうさせてもらうわ、華扇の動向も気になるしってあ…」

 

 

マミゾウ「なんじゃ?」

 

 

霊夢「あ~萃香置いてきちゃったわ…はぁ、華扇に見つからないように厠に戻らないとね」

 

 

 

 その必要はないよ

 

 スーッ

 

 

 

霊夢、マミゾウ「!」

 

 

萃香「ん~…はぁ」パッ

 

 

マミゾウ(あぁ、伊吹萃香か)

 

 

霊夢「あんた…いつから霧になってたの?」

 

 

萃香「霊夢が華扇から説教受けてる辺りからかな、私まで見つかって説教されんのはごめんだからねぇ」

 

 

霊夢「こ~ら~? ちょっとは助けてくれても良かったんじゃないの?」

 

 

萃香「あははは、悪い悪い♪」

 

 

マミゾウ(ふっ…種族というもんは面倒な物に縛られるのが常なのかの)

 

 

 

 

 

 【PM 12:30 命蓮寺参道】

 

 

 

萃香「そういやお前も命蓮寺に住んでるのか?」

 

 

マミゾウ「そうじゃよ、まぁ形態的には居候の身で仏門には入っとらん、宗教の事はよくわからんからの」

 

 

マミゾウ「じゃが一宿三飯の恩義に報いるため、儂なりに色々と行動させてもらってはいるがな」

 

 

萃香「例えば?」

 

 

マミゾウ「多くは語らぬ主義じゃ、悪いが」

 

 

霊夢「最近じゃ都市伝説異変とかね、それから人里でなんか騒ぎがあった時とかに人間と妖怪の仲を取り持ったりとかしてんでしょ?」

 

 

マミゾウ「な、何故お主が知っておる」

 

 

霊夢「小鈴ちゃんからそういうの聞くのよ? とっても嬉しそうに話すんだから」

 

 

マミゾウ「こ、小鈴…/// 口止めしておいたではないか」ボソッ

 

 

萃香「へぇ~そうなのか、良いねぇ♪ あんたの事気に入ったよ」

 

 

萃香「狸はあんまり好きじゃないけどお前の事は好きだ」

 

 

マミゾウ「それ矛盾しとらんか? 儂は狸じゃぞ?」

 

 

萃香「お前の事はよく霊夢から聞いてるんだ、話しやすくて人の良い狸が命蓮寺に居るってさ」

 

 

霊夢「ちょっ…!」

 

 

マミゾウ「! ほほぅ…」ニヤニヤ

 

 

霊夢「な、何よ」

 

 

マミゾウ「いんや、お前さんが儂の事をそんな風に思ってくれとるとは知らんかったからの」ニヤニヤ

 

 

霊夢「し、知ったからなんだってのよ!」

 

 

マミゾウ「ククク… 何も変わらんよ、お主は変化を嫌うじゃろう? 儂は今まで通りじゃて」

 

 

霊夢「は、はぁ?」

 

 

萃香(! この狸もわかってんだ、ははは♪)

 

 

 

 

 【命蓮寺】

 

 

 

霊夢「相変わらず大きな寺ね」

 

 

萃香「博麗神社の五倍はあるよねぇ」

 

 

マミゾウ「元が船じゃしな、おぉそうじゃ、お主の神社改築してどでかくしてみたらどうじゃ?」

 

 

霊夢「なんでよ」

 

 

マミゾウ「妖怪や妖精がすごしやすい様に」

 

 

霊夢「何で私が妖怪とかのために神社大きくしなきゃいけないのよ!」

 

 

マミゾウ「誰かしらおるじゃろ、儂もたまに行くしな」

 

 

萃香「私は一週間に三回ペースだねぇ」

 

 

霊夢「くっ…! やっぱり妖怪屋敷なのか私の家はっ…!」

 

 

マミゾウ「カッカッカ! まぁ冗談じゃ、気にするな」

 

 

霊夢「気にするわ!」

 

 

 

 タッタッタッ!

 

 

マミゾウ「お」

 

 

幽谷響子「マミゾウさん! お帰りなさい!」

 

 

マミゾウ「ただいまじゃ、響子」

 

 

響子「霊夢さん! お待ちしてました! あれ? 萃香さん?」

 

 

萃香「おう! 久しぶりだな!」

 

 

霊夢「あ~、着いて行きたいって言うから連れて来ちゃったんだけど、もしかしてまずかった?」

 

 

響子「そうなんですね! いいえそんなことありませんよ! 大丈夫です!」

 

 

萃香「ははは、飛び入りで悪いねぇ」

 

 

霊夢(相変わらず声大きいわねコイツ)

 

 

響子「はい! それでは命蓮寺の境内に入る前に元気よく! 行きますよー!」

 

 

霊夢「は?」

 

 

萃香「え?」

 

 

マミゾウ「…お主ら響子のマネをせぇ」ヒソヒソ

 

 

霊夢「はぁ? 何で?」

 

 

マミゾウ「それからお主は耳を塞いでおけ、ええからはよう」ヒソヒソ

 

 

霊夢「えぇ?」スッ

 

 

響子「すぅぅぅーーーー…!」

 

 

霊夢、萃香(大きく息を吸い込んで…?)

 

 

響子「…」

 

 

霊夢、萃香「…?」

 

 

マミゾウ「来るぞ」

 

 

萃香「うん?」

 

 

響子「…!」グッ

 

 

 

 

響子「おっっっっはよーーーございまーーーす!!!!!」

 

 

 ゴオォォォ!

 

 

霊夢、萃香「!!?」ビリビリ

 

 

マミゾウ(今日は一段と激しいの)ビリビリ

 

 

響子「…!」ニコニコ

 

 

霊夢、萃香「…?」

 

 

響子「…!」ニコニコ

 

 

マミゾウ「おはよーございまーす!」

 

 

霊夢、萃香「!?」

 

 

響子「…!」ニコニコ

 

 

霊夢、萃香「お、おはよーございまーす!」

 

 

響子「はい! おはよーございまーす! それでは境内にどうぞどうぞ! あ、先ずは聖さんに会ってくださいね!」

 

 

霊夢「は? えぇ…?」

 

 

萃香「凄い声だったねぇ…大気が震えたな、流石山彦だ」

 

 

霊夢「頭がくらくらするわ…」

 

 

マミゾウ「挨拶は物事の基本じゃからな、挨拶しなけりゃ門前払いじゃぞ?」

 

 

霊夢「いやいやいやいや、いつから出来たそのルール」

 

 

マミゾウ「最近じゃ、これがな? 不思議と泥棒とか不純な動機で来る輩には効果覿面なんじゃよ」

 

 

霊夢「挨拶ってすげぇのね…」

 

 

 

 

 【PM12:45 命蓮寺本堂】

 

 

 

聖白蓮「お待ちしてました霊夢さん、と…」

 

 

霊夢「あぁ、連れて来ちゃったんだけど」

 

 

萃香「よっ♪」

 

 

聖「萃香さんも良く来てくれましたね」

 

 

霊夢「響子にも聞いたけど、大丈夫よね?」

 

 

聖「はい、もちろんです、ここ命蓮寺はどなたでも歓迎しますので」

 

 

聖「ですが…前の挨拶はやりすぎですよ?」

 

 

萃香「す、すまなかったって前に謝っただろう?」

 

 

聖「もうしませんか?」

 

 

萃香「当たり前じゃないか! 本当にすまなかった…」

 

 

聖「ふふっ♪ 自らの非行を認め、謝っていただきましたからね、もう私も一輪たちも許していますよ」

 

 

萃香「! そっか…」

 

 

萃香「ありがとう、許してくれて」

 

 

聖「いえいえ」ニコッ

 

 

霊夢(なんだ、前の事は謝りに来てたのね、良かったわね萃香)ニコッ

 

 

霊夢「あ~聖? 私たち来たけどこれからどうすればいい?」

 

 

聖「そうですね、先ずは腹拵えからですね」

 

 

霊夢「もしかして待っててくれたりした…?」

 

 

聖「こちらから誘いをしたこともありますし、はい」

 

 

霊夢「悪いわね」

 

 

聖「いえ…ですが、少し到着が遅くなったのは何か理由が?」

 

 

霊夢「ちょっと仙人に追っ掛けられちゃってね」

 

 

聖「!? まさか神子」

 

 

霊夢「あぁ違う違う、あいつらじゃなくて華扇の事だから」

 

 

聖「ほっ…そうでしたか、なら良いのです」

 

 

聖「それでは境内の方へ先に…私は片付けてから参ります、今日は大勢での食事になりそうですね、楽しみです♪」スッ

 

 

霊夢「…ねぇ」ヒソヒソ

 

 

マミゾウ「うん?」

 

 

霊夢「あいつ神子たちと仲悪いの?」ヒソヒソ

 

 

マミゾウ「ん~…儂の目には持ちつ持たれつに見えるがの」ヒソヒソ

 

 

霊夢「そうなんだ」ヒソヒソ

 

 

マミゾウ「まぁ、たまに喧嘩をしているのは見るが」ヒソヒソ

 

 

霊夢「あ、喧嘩はするんだ」

 

 

 

 

 【命蓮寺、境内】

 

 

 

封獣ぬえ「遅いぞ博麗の巫女! お前の遅刻のせいで私のお腹が鳴っているんだ!」

 

 

霊夢「あー? こちとら説教仙人に追いかけ回されたのよ、それにあんたの腹の虫なんか知るか!」

 

 

ぬえ「あぁん!?」

 

 

霊夢「あぁ!?」

 

 

マミゾウ「ガラ悪いぞお主ら」

 

 

秦こころ「霊夢、ぬえっちは霊夢が来るのを楽しみにしていたんだ、怒らないであげてくれ」

 

 

ぬえ「はぁ!?」

 

 

古明地こいし「ぬえちゃんは素直じゃありませんからな~♪」

 

 

多々良小傘「それに優しいんだよ? この前も驚かしに協力してもらったの」

 

 

ぬえ「お、お前ら出鱈目を言うな!」

 

 

霊夢「えぇ…それが本当だとしても逆に引くわ」

 

 

ぬえ「なんだとぅ!?」

 

 

マミゾウ「大体お主が儂をここに呼んだ理由も聖への恩返しの為じゃろうがい」

 

 

ぬえ「余計な事を言うなぁ!」

 

 

マミゾウ「ククク…!」

 

 

 

 

萃香「何してんだ?」

 

 

ナズーリン「…」

 

 

寅丸星「…」

 

 

雲居一輪「あぁ、これ? 修行なんだって」

 

 

萃香「修行?」

 

 

響子「はい! なんでも宝塔を無くさない様にする修行らしいです!」

 

 

萃香「私には正座して宝塔を膝の上に乗っけて瞑想しているだけにしか見えないんだけどねぇ」

 

 

ナズ「確かにその通りだ、だがこれが一番ご主人には大事な事なんだ、精神を研ぎ澄まし、宝塔と一体化し、宝塔を感じることで」

 

 

星「ナ、ナズ…! 私の足の感覚が無くなってきているのでそろそろ休憩を…」

 

 

ナズ「!」ギロッ

 

 

星「!? な、何でもありません…!」シュン

 

 

一輪「もう三時間もこの状態なの」

 

 

萃香「ネズミを怒らせると恐いとはこの事だったのか」

 

 

 

 ガララッ!

 

 

聖「皆、お待たせしました」

 

 

村紗水蜜「今日金曜日は村紗カレーの日だよ!」

 

 

ぬえ、小傘、響子、こいし「! わーい♪」

 

 

霊夢「わーいって…あいつがわーいって…」

 

 

マミゾウ「クククっ…!」

 

 

霊夢「てか村紗カレーってなんなの?」

 

 

聖「毎週金曜日は水蜜がカレーを作ってくれるんです、とっても美味しいんですよ」

 

 

聖「ちなみに精進料理も兼ねてますので肉は入ってません」

 

 

霊夢「そこは徹底してるのね」

 

 

星「私はお肉が入っていても良いと思うんで」

 

 

聖、ナズ「は?」ギロッ

 

 

星「!? い、いえ…」

 

 

霊夢(虎には酷なのかもね…)

 

 

こころ「二人はカレー好きか?」

 

 

霊夢「まぁ嫌いじゃないけど」

 

 

萃香「私は好きだな、でも霊夢はあんまり作ってくれないんだ」

 

 

霊夢「だって手間かかるじゃない、紫が前に寄越したレトルトだっけ? は簡単だったけど」

 

 

一輪「嫌いじゃないのね、なら大好きになるよきっと」

 

 

こころ「みなみっちゃんのカレーはやべぇからな」

 

 

霊夢「や、やべぇ?」

 

 

ナズ「一度食べたら忘れられないということだ、なに、心配しなくていい、不味い方の忘れられないではないからな」

 

 

霊夢「ふーん…とりあえず食べてみましょうか」

 

 

萃香「そだね」

 

 

 

 

 

霊夢「ん?」

 

 

水蜜「どうしたの?」

 

 

霊夢「何でカレーの鍋が二つあるのよ」

 

 

水蜜「こっちが甘口でしょ? こっちが激辛」

 

 

霊夢「…」

 

 

水蜜「早い話が天国と地獄♪」

 

 

霊夢「極端過ぎるわ!」

 

 

水蜜「あっははは、霊夢はどっちにする?」

 

 

霊夢「! …中辛は無いの?」

 

 

水蜜「無いよ」

 

 

霊夢「…甘口で」

 

 

水蜜「へぇ、ちょっと意外」

 

 

霊夢「私あんまり辛いもの好きじゃないのよ」

 

 

萃香「私は激辛で頼むよ」

 

 

水蜜「流石鬼だね」

 

 

萃香「そういうお前こそ激辛なんだろう?」

 

 

水蜜「そうだよ、この激辛カレーを食べるとね…」

 

 

霊夢「?」

 

 

水蜜「私の好きな血の池地獄の味を沸騰とさせてそれはそれは」

 

 

霊夢「食欲失せるようなことを言うな!」

 

 

水蜜「あはは♪ 冗談冗談♪」

 

 

 

 

 【PM 13:00】

 

 

 

 私と萃香を入れて十三人という宴会並みの人数で昼食をとることになった。

 

 長机の前に座布団を引いて座っている。

 

 

 

聖「皆に行き渡りましたね? 少し遅い昼食になってしまいましたが、いただきましょう」

 

 

ぬえ「ふん、それも博麗の巫女が遅れたせいだけどな!」

 

 

霊夢「しつこいわね未確認生物」

 

 

ぬえ「あぁん?」

 

 

霊夢「おぉう?」

 

 

マミゾウ「…儂を挟んでメンチ切るのはやめんか、ぬえ、お主もちょっかい出すのはやめい」

 

 

ぬえ「だって事実じゃないか」

 

 

こころ「ぬえっちぬえっち」

 

 

ぬえ「何だよ、私は今」

 

 

こころ「口避け女~♪」ベローン

 

 

ぬえ「…」

 

 

こころ「…」ベローン

 

 

ぬえ「…」

 

 

こころ「…」スッ

 

 

こころ「笑え」

 

 

ぬえ「いや無理があるだろ」

 

 

一輪、水蜜「ぷふっ…!」

 

 

こいし「あははっ、こころちゃん変な顔~♪」

 

 

聖「ふふっ…ぬえ、霊夢さんとてわざと遅れて来たわけではないのですよ、それなりの理由があるのです」

 

 

マミゾウ「さっき理由聞いてたじゃろうがい」

 

 

聖「ならばそれを容認すれば霊夢さんの気持ちもわかるでしょう」

 

 

ぬえ「…」

 

 

マミゾウ「お主だって好き好んで説教されたく無いじゃろう?」

 

 

ぬえ「…」

 

 

ぬえ「わ、悪かったな…」

 

 

霊夢「! ほ~」

 

 

ぬえ「…な、何だよ」

 

 

霊夢「あんたって謝れんだ」

 

 

ぬえ「う、うっせぇ…///」

 

 

霊夢「ふっ…♪」

 

 

星「お説教ですか、その気持ち良く分かりますよ、私だって好き好んでお説教されたくないです」

 

 

ナズ「良くもまあそれを私がいる前で言えたものだなご主人」

 

 

星「な、何のことやら…」

 

 

ナズ「おいこっちを見ろ」

 

 

聖「ふふふ…♪ それでは、こうして皆で食卓を囲める事に感謝を込めて…」スッ

 

 

全員「いただきます!」

 

 

霊夢「…!」パクッ

 

 

霊夢「あまっ…いや美味っ!? なにこれ!」

 

 

水蜜「お? 気に入ってくれた?」

 

 

霊夢「えぇ、めちゃくちゃ美味しいわ! 咲夜の作るカレーより美味いかも…」

 

 

一輪「あのメイドさんよりも上だって! 良かったじゃない水蜜」

 

 

水蜜「ふふふ…そんなに褒めてもカレーしか出ないよ~♪」

 

 

響子「確かに水蜜さんからはカレーしか出ませんよね!」

 

 

水蜜「うっ!」グサッ

 

 

小傘「この前のシチューはさでずむだったよね…」

 

 

ナズ「カレーは美味しく作れるのにシチューが何故ああなったのかが不思議だ」

 

 

水蜜「ほら…その…なんか…気力っていうか」

 

 

星「作る気力ですか?」

 

 

水蜜「そう、カレーだと湧いて来るのになんでかなぁ」

 

 

こいし「血の池地獄分が足らないんじゃないかな?」

 

 

ぬえ「何だよその成分」

 

 

聖「水蜜…貴方まだ…」

 

 

水蜜「い、いやあ…たまにですよたまに…」

 

 

聖「貴方はもうあそこに縛られる事は無いのです、行くのは構いませんが必ず帰って来てくださいね」

 

 

水蜜「! はい! ありがとうございます!」

 

 

霊夢「どう萃香?」

 

 

萃香「いや美味いねぇ、どうなってんだろこの味の深み…辛さはそんなに感じないけどねぇ」

 

 

霊夢「そういやあんたのって激辛だったわよね」

 

 

萃香「ん、一口食ってみる?」

 

 

霊夢「ありがと、あーん…」

 

 

マミゾウ「…」

 

 

霊夢「…むぐっ!?」ゴックン

 

 

霊夢「あっくっ…!? うっわっ…か、辛っっ!?」

 

 

マミゾウ「ほれ水」スッ

 

 

霊夢「! ングッングッ…!」ゴクゴク

 

 

霊夢「ぷはっ…! た、助かったわ…」

 

 

マミゾウ「そうなると思ったわい、激辛はちと人間にキツいからの」

 

 

水蜜「え? そうなの?」

 

 

マミゾウ「作った本人が言うんかい、まぁでもこの寺に人間はおらんからしょうがないのかもしれんの」

 

 

霊夢「よ、良く食えるわねあんた」

 

 

萃香「もうちょっと辛くしてくれても良いけどねぇ」

 

 

霊夢「あ、あんたたちはどっちなの?」

 

 

一輪「激辛、あ、ちなみに雲山も激辛だよ」

 

 

雲山「…」モグモグ

 

 

霊夢(頑固親父さんカレー食べるんだ…)

 

 

水蜜「激辛だね」

 

 

マミゾウ「儂は甘口じゃ、香辛料がちとキツい」

 

 

ナズ「同じ理由で私も甘口だ」

 

 

響子「私もです!」

 

 

星「激辛です、辛さでお肉が無いのを誤魔化してます」

 

 

ナズ(何故余計な事を言っていくのか)

 

 

小傘「舌にまでさでずむは嫌だから甘口なの」

 

 

ぬえ「今日はたまたま甘口だ」

 

 

水蜜「え? ぬえいつも甘口」

 

 

ぬえ「シーッ…!」

 

 

マミゾウ「バッチリ聞こえとるぞ」

 

 

こいし「激辛だよん♪」

 

 

霊夢「あんたが一番激辛似合わないわね」

 

 

こころ「激辛だ、みなみっちゃんの激辛カレーを食わないと獅子面の炎の出が悪くなるんだ」

 

 

霊夢「聖これ本気で言ってんの?」

 

 

聖「みたいですよ?」

 

 

霊夢「鈴仙が言ってたわね、プラシーボ効果?」

 

 

霊夢「聖は?」

 

 

聖「! わ、私は…」

 

 

霊夢「…?」

 

 

聖「…あ」

 

 

聖「あ、甘口…です…」

 

 

霊夢「…」

 

 

聖「…」

 

 

霊夢「ふっ…!」プルプル

 

 

聖「な、何故笑うのですか!」

 

 

霊夢「い、いや…ふっはは…! だ、だってさ…」

 

 

一輪、水蜜、星「くふふっ…!」プルプル

 

 

聖「何ですか星たちまで!」

 

 

マミゾウ「ククク…まぁあれじゃよ、イメージっちゅうもんがあるんじゃろ」

 

 

聖「い、イメージですか?」

 

 

マミゾウ「お主は激辛を好んで食べてる様なイメージがある、それなのに恥ずかしがりながら甘口とか言うから」

 

 

聖「私そんなイメージあります…?」

 

 

命蓮寺一同「うん」

 

 

萃香「ガツガツ食ってる印象あるよねぇ」

 

 

霊夢「むしろ何故激辛を食べないのか」

 

 

聖「えぇ…なんかショックです…」シュン

 

 

一輪「良いじゃないですか甘口好きでも、なんか可愛いですし」

 

 

水蜜「聖はそういうところがあるもんね」

 

 

こいし「聖さん可愛い~♪ お姉ちゃんみたい」

 

 

星「甘口と言っても聖の修行は甘口ではすまないですけどね」

 

 

ナズ「上手いこと言ったつもりかもしれないが全然上手くないからな?」

 

 

聖「…/// 何ですかもう…/// 人の事を笑うなんて、貴方たち後で座禅修行なさい…///」

 

 

一輪、水蜜、こいし、星「えぇ~!」

 

 

マミゾウ「そもそも照れながら言ってる時点で、自分の中にこうでないと笑われるのではないかというイメージが既に存在しているんじゃがの」ヒソヒソ

 

 

霊夢、萃香「イメージって大切なんだ…」

 

 

 

 

 

 【楽しい昼食後!】

 

 

霊夢「ご馳走さま、美味しかったわ」

 

 

萃香「ご馳走さん♪」

 

 

聖「お粗末様でした」

 

 

聖「さて、湯飲み…でしたね、それに関しては寺にある轆轤装置で作ってください」

 

 

霊夢「そういう約束だったわね」

 

 

聖「はい、霊夢さんと萃香さんは初めてということですのでこの二人を講師として着けさせていただきます、頼みましたよ」スッ

 

 

一輪「はい聖様」

 

 

小傘「頑張るよ!」

 

 

聖「では、私は色々と用があるのでこれで…何かあれば直ぐに駆け付けるので」

 

 

霊夢「バイクで?」

 

 

聖「境内をバイクで滑走したりはしません!」

 

 

萃香「あっははは!」

 

 

一輪「ぷっ…」プルプル

 

 

聖「ん''ん''…と、とにかく湯飲み作り頑張ってくださいね、それでは」スッ

 

 

 

 

一輪「ちょっと霊夢さん笑わせないでよ…! ふふっ…」

 

 

霊夢「いやぁ、ねぇ?」

 

 

萃香「それもイメージなのかねぇ♪ あっはっは」

 

 

小傘「この前永遠亭に聖が一人で行ったときもバイクだったよね」

 

 

一輪「夜中にね、爆走していったから何事かと思ったもん」

 

 

霊夢「騒音被害とか出てないのかしら…」

 

 

 

 

 【命蓮寺、境内通路】

 

 

 

霊夢「どこで作るの?」

 

 

一輪「物置小屋です、あぁ物置小屋って言っても心配しなくていいですよ、この日の為に片付けて轆轤装置引っ張り出したから」

 

 

霊夢「なんか悪いわね、そこまでしてもらっちゃって」

 

 

一輪「気にしないで良いよ、それに手付かずだった物置が漸く片付いたって聖様喜んでたし」

 

 

霊夢「どんな惨状だったか見てみたかったわね」

 

 

萃香「魔理沙ん家みたいな?」

 

 

霊夢「あれはまた特別よ」

 

 

小傘「魔理沙の家って汚いの?」

 

 

萃香「そりゃあもう」

 

 

霊夢「物だらけで足の踏み場がないのが普通だから、主に本とか、本とか…本とかね」

 

 

一輪「あはは、魔理沙さんの家本だらけなんだ」

 

 

萃香「最近さ、盗まれる方も盗まれる方なんじゃないかって思ってきたんだよねぇ」

 

 

霊夢「それ私も思ってたわ」

 

 

霊夢「あ、話変わるけどそれ何運んでんの? 小傘のは轆轤に使う水と土だってのは分かるけど」

 

 

一輪「これ? 甕だよ、水入れて修行とかに使ってたんだけどもう古いから物置にしまうことにしたの」

 

 

雲山「…」

 

 

一輪「雲山もうちょっとだよ、頑張って」

 

 

小傘「雲山は力持ちだよね、私にもそんなパワーがあれば驚かせられるのに…桶ぐらいしか持てないよ」

 

 

一輪「確かに小傘がこんなに大きい甕運んでたらびっくりしちゃうかもね」

 

 

霊夢(親父さんなんか応援したくなるのよね、何でだろ)

 

 

萃香「ねぇ霊夢」

 

 

霊夢「うん?」

 

 

萃香「私あのおっちゃんと戦ってみたい」ワクワク

 

 

霊夢「今度にしなさい」

 

 

 

 

 

 【PM 13:45 命蓮寺物置小屋】

 

 

 

一輪「雲山、そう、その端っこに置いて」

 

 

雲山「…」スッ

 

 

 

 ドゴッ! ゴゴォン!

 

 

 

一輪「ありがと雲山」

 

 

霊夢「音っ!」

 

 

小傘「そ、そんなに重かったんだ…人一人が入れる大きさだし、当然だよね」

 

 

萃香「あれぐらい軽い軽い」

 

 

霊夢「あんた視点で見りゃあね」

 

 

一輪「さぁ始めていきましょうか、これが轆轤装置だよ」

 

 

霊夢「見るの初めてだわ」

 

 

萃香「ほぉ~、こうなってんだ~…」

 

 

一輪「この土と水を混ぜてっと…」ペタペタ

 

 

一輪「はい、後は回して形を整えていくだけだね」

 

 

小傘「細かい事は私と一輪が教えていくから大丈夫だよ、頑張ろうね♪」

 

 

萃香「おう、やったるぞ~♪」

 

 

霊夢「一輪はともかく小傘が頼もしく見えるとはね」

 

 

小傘「! えっへん! もっと頼もしく見ても良いんだよ! …あ」

 

 

霊夢「?」

 

 

小傘「だ、ダメ! 頼もしく見るくらいなら驚いて!」

 

 

霊夢「あんたの体ってほんと難儀よね」

 

 

 

 

 

 

【命蓮寺本堂】

 

 

 

ぬえ「あれ? こいしとこころは?」

 

 

マミゾウ「こいしなら地底に帰ると言っておったな」

 

 

水蜜「私のカレーを土産に持って行ってね、お姉ちゃんたちに食べさせてあげるんじゃない?」

 

 

聖「こころは霊夢さんたちのところへ、湯飲み作りに興味があるんでしょう」

 

 

ぬえ「…」

 

 

マミゾウ「ふっ、何じゃ寂しいのか?」

 

 

ぬえ「そ、そんなんじゃない! そんなわけないだろ!」

 

 

水蜜「何で二回も言うのさ」

 

 

ぬえ「い、言ってない! 言ってないからな! あ、あーここにいると退屈だ! 響子と遊んでくる!」スッ

 

 

 ガララッ!

 

 

聖「ふふふっ…」

 

 

水蜜「響子と遊んでくる~なんて言う必要もないと思うんだけどなぁ」

 

 

マミゾウ「響子とて寺の掃除の最中じゃろうに」

 

 

水蜜「そういやさ、何でぬえって霊夢に突っ掛かるのかな?」

 

 

マミゾウ「簡単なことじゃ、あやつが寂しがり屋で素直じゃないからじゃ」

 

 

水蜜「うん? どゆこと?」

 

 

マミゾウ「霊夢は妖怪等を惹き付ける不思議な力がある、それに素直になれないんじゃ」

 

 

水蜜「…え? じゃあ本心じゃ霊夢と仲良くなりたいってこと?」

 

 

マミゾウ「ふっ…そうなんじゃろうなぁ、きっと」

 

 

水蜜「はは、ぬえも可愛いところあるよね」

 

 

マミゾウ「儂からすればそこが面白いんじゃがな、カッカッカ!」

 

 

聖「ふふっ、私もそう思います、ぬえの長所ですからね」

 

 

マミゾウ「短所も長所になり得るか、分からんもんじゃの」

 

 

聖「そうですね♪ …あら、星とナズは何処へ?」

 

 

マミゾウ「あ~…ほれ、アレじゃよアレ」

 

 

聖「アレ……はぁ~~……」ガックリ

 

 

マミゾウ「そんな大きいため息をつくと幸せが逃げるぞい?」

 

 

聖「わかってます…わかってるんですけど星、またですか…」

 

 

水蜜「そろそろいい加減にしないとまずいよね、アレ」

 

 

マミゾウ「宝塔を無くしてしまうのか、わざと無くしておるのか、それとも怪奇現象の類いか」

 

 

聖「ナズに相談されたこと、もう一度改めて検討する必要がありそうですね」

 

 

マミゾウ、水蜜「え?」

 

 

聖「永遠亭の方々に星の頭を診てもらおうかと考えていることです」

 

 

マミゾウ、水蜜「!?」

 

 

 

 

 【命蓮寺境内】

 

 

 

ナズ「何故だ、何故無くした、ん?」イライラ

 

 

星「それがわかれば苦労はしません…」

 

 

ナズ「私がな! まったく…昼食の時のどさくさで消えてしまったというのか…? あんな短時間でどこに消えたというんだ」

 

 

星「ほんとに何処に消えちゃったんでしょうねぇ、困った宝塔です」 

 

 

ナズ「あぁ?」ギロッ

 

 

星「!? す、すいません…」

 

 

ナズ「とにかく探さねば、恐らくこの命蓮寺にあるとみた、寺を隅々まで探そう」

 

 

ナズ「ご主人、手分けして探すとしよう、わかっているとは思うが宝塔をご主人が…うん、あり得ないと思うがもしご主人が見付けても触ったりするんじゃないぞ? 発見したらその場から動かずに大声で私を呼ぶんだ、良いね?」

 

 

星「はい」

 

 

ナズ「私は西側を探す、ご主人は東側を頼む」

 

 

星「わかりました、あぁナズ」

 

 

ナズ「なんだい?」

 

 

星「どっちが先に見付けるか勝負です!」

 

 

ナズ「楽しむんじゃない!」

 

 

 

 

 【命蓮寺物置小屋】

 

 

 

霊夢「…」スーッ

 

 

こころ「…」ジーッ

 

 

霊夢「…」

 

 

こころ「…」ジーッ

 

 

霊夢「見過ぎ、何?」

 

 

こころ「楽しそうだ」

 

 

霊夢「いや楽しくは無いわよ? 結構集中力いるし」

 

 

小傘「あ、こころちゃんもやってみたいの?」

 

 

こころ「うん、興味ある」

 

 

一輪「なら私の装置使いなよ、もう霊夢さんたちにはある程度教えたからさ」

 

 

こころ「おぉ、ありがとういっちー」

 

 

小傘「何を作りたいの?」

 

 

こころ「お面は作れないのか?」

 

 

小傘「お面は…ちょっと難しいんじゃないかなぁ」

 

 

こころ「残念、なら霊夢と同じものがいい」

 

 

一輪「湯飲みね、じゃあ土を盛るからちょっと待ってね」

 

 

こころ「うん、おぉそうだそうだ、これがワクワクドキドキの表情」スチャッ

 

 

霊夢(最近お面の種類がまた増えたわね)

 

 

萃香「おっしゃ出来たー♪ 三枚目~♪」

 

 

霊夢「あんたさっきから皿作りすぎなんだけど」

 

 

小傘「すごく良く出来てるよ、萃香さん器用なんだね」

 

 

萃香「伊達に霊夢の神社建て直してないからねぇ♪」

 

 

霊夢「器用なのは認めるけどそれは関係ないでしょ」

 

 

小傘「霊夢、ちょっと苦戦してる?」

 

 

霊夢「ちょっとね…皿割りして土を起こして伸ばすまでは良いんだけど、コテを使うのが難しいわ」

 

 

小傘「無理して使う必要ないんだよ?」

 

 

霊夢「これ使った方が綺麗に見えるんでしょ? だったら使わざるをえないわ」

 

 

萃香「拘るねぇ」

 

 

霊夢「悪い?」

 

 

萃香「いや、ただそんなに霊夢が拘わって作ったもんならさ、誰でも喜んでくれるんだろうなあと思ってさ」

 

 

霊夢「! …/// ゆ、湯飲みぐらいで喜ばないでしょ、別に」

 

 

萃香「どうだかねぇ♪」

 

 

霊夢「…/// ち、調子狂うわ、集中してんだから話し掛けないの」

 

 

萃香「うへーい」

 

 

小傘「あははは…」

 

 

一輪「湯飲みって熱いお茶を入れるでしょ? 薄く作ると熱くて持てなくなるから少し厚めに作るの、下の高台も作らないといけないから底も厚めに作るのよ」

 

 

こころ「ほー」

 

 

一輪「まずは土殺し、土の密度を均一にして形成しやすくするの、下準備ね」

 

 

こころ「かっこいいな土殺し、食らえ土殺しってか」

 

 

霊夢(名前だけじゃない)

 

 

一輪「よし、じゃあちょっと触ってみようか」

 

 

こころ「うん、おぉ…」ペタペタ

 

 

一輪「どう?」

 

 

こころ「ちめたい」ペタペタ

 

 

小傘、一輪(可愛い)

 

 

こころ「冷たいな、うん」

 

 

一輪「まだまだ肌寒い季節だからね、我慢我慢」

 

 

こころ「むむ、これが我慢の表情」スッ

 

 

霊夢「触るとお面に土付くわよ?」

 

 

こころ「…」

 

 

こころ「これが本当の我慢か」ゴゴゴ

 

 

霊夢、小傘、一輪(怒りの表情の面がオーラを!?)

 

 

 

 

 

 

 【そして一時間半後…】

 

 

 

 

霊夢「はぁ~、やっと出来たわ!」

 

 

こころ「出来た、完成だ」

 

 

一輪「お疲れ様、二人とも」

 

 

小傘「お疲れ様~」

 

 

萃香「随分と時間掛かったねぇ」

 

 

霊夢「確かにね、ん~、やっぱりあんたの言った通り拘り過ぎたかしら」

 

 

萃香「でも出来には満足してるんだろう?」

 

 

霊夢「まぁ…ね」

 

 

一輪「一度見せただけなのにここまで出来るのはすごいよ、霊夢さんも器用だよね」

 

 

霊夢「そう? ありがと」

 

 

萃香(霊夢は結構器用だからねぇ)

 

 

小傘「こころちゃんも初めてにしてはすごく良く出来てると思うよ」

 

 

こころ「そうか? ありがとう、陶芸というのは中々楽しいものだな、いい経験になった」

 

 

霊夢(芸術センスは神子に似なかったのね、良かった良かった)

 

 

こころ「しかしこれで終わりなのか? これを湯飲みとして使えるとは思えない」

 

 

小傘「うん、これから削りの作業をして、乾燥させたら焼く作業をするの」

 

 

小傘「それは私が責任を持ってやるからね、任せてよ」

 

 

霊夢「ほんとあんたの鍛冶スキルにはつくづく感心させられるわね」

 

 

こころ「多々良の名は伊達ではないな」

 

 

小傘「か、感心じゃなくてそこは驚いてよ~」

 

 

霊夢、こころ「…」

 

 

霊夢「驚いてる驚いてる」

 

 

こころ「これが驚きの表情」スチャッ

 

 

小傘「お、お腹が満たされてない…」

 

 

霊夢「カレー食べたから」

 

 

小傘「カレーは別腹です、色んな意味で…」

 

 

霊夢「ふふっ…」

 

 

こころ「…」ニコッ

 

 

萃香「なぁ、この皿たちも焼いてくれるか?」

 

 

小傘「もちろん、焼かせていただきますよ~♪」

 

 

一輪「五枚も作ったんですね」

 

 

霊夢「出来たらどうすんの? それ」

 

 

萃香「誰かにプレゼントでもしようかな、勇儀とかに」

 

 

萃香「あ、安心しなよ♪ 霊夢にも一枚あげるからさ♪」

 

 

霊夢「何を安心しろと言うのか」

 

 

 

 ガララッ!

 

 

 

ナズ「はぁはぁ…さ、作業中失礼する」

 

 

霊夢、萃香、小傘、こころ「?」

 

 

一輪「? ナズ?」

 

 

ナズ「…ここか」ピーン

 

 

一輪「どうしたの? そんなに息を切らしてさ」

 

 

ナズ「さっきから宝塔を探し回っていたのさ…二時間ぐらいな」

 

 

一輪「えぇ…」

 

 

霊夢「あいつまた無くしたの?」

 

 

萃香「修行の成果が出なかったみたいだねぇ」

 

 

こころ「とらっちが宝塔を無くすのは能楽にも通ずる伝統芸能だと聞いたことがある」

 

 

小傘「そんなに有名なんだね」

 

 

ナズ「やめたまえ、そんなに有名になってご主人が図に乗り出したらどうなると思ってるんだ」

 

 

小傘「どうなるの?」

 

 

ナズ「『やりました! 無くなりましたよ!』などと言うに決まってる」

 

 

霊夢「そんな馬鹿なって否定出来ないわね」

 

 

一輪「そんなことよりナズ、ここかって言わなかった?」

 

 

ナズ「あぁ、私のダウジングロッドが反応している、宝塔はこの物置小屋にあるとな」

 

 

一輪、小傘「えぇ!?」

 

 

霊夢「ここにあるの?」

 

 

ナズ「まず間違いない、悪いが捜索させてくれ」

 

 

一輪「良いよ、もう湯飲み作りは終わったからね」

 

 

ナズ「そうなのか、なら気兼ねなく探させてもらおう」スッ

 

 

霊夢、萃香、小傘、一輪、こころ「…」

 

 

萃香「なぁ、あいつ飯食う前には持ってたよな」

 

 

一輪「うん、持ってたわね」

 

 

こころ「それがいつの間にか無くなってた」

 

 

霊夢「食べ終わって片付けしてるときに無くなった?」

 

 

一輪「たぶん…」

 

 

小傘「えっ…で、でもさ! 星さんその間にこの物置小屋に入ってないよね?」

 

 

一輪「うん、その筈…星は食べ終わってゆっくりしてたからね、それに私たち以外に今日は誰も物置小屋に入ってない」

 

 

霊夢「なのに何でここに宝塔があんの?」

 

 

霊夢、萃香、小傘、一輪、こころ「…」

 

 

霊夢、萃香、小傘、一輪、こころ「何それ恐い」

 

 

ナズ「…むぅ」キョロキョロ

 

 

ナズ「ん? こっちか?」スタスタ

 

 

ナズ「…あぁ、なるほど」

 

 

ナズ「うん…うん…そうか」

 

 

ナズ「わかったぞ、この甕の中か」

 

 

霊夢、萃香、小傘、一輪、こころ「!!?」

 

 

ナズ「何でこんなところに…中に入らないと取れないじゃないかまったくも」

 

 

一輪「ま、ままままま待って!!! ナズ! 待ってナズ!」

 

 

ナズ「うん? なんだい一輪、どうし」

 

 

霊夢「あ、あんたぁ! こ、こっち来なさいこっち!」

 

 

ナズ「? 何をそんなに狼狽えているんだ?」

 

 

小傘「えっ!? ええっ!?」

 

 

萃香「い、いや…ま、まさか…」

 

 

こころ「…? ???」アタマカカエ

 

 

ナズ「いったいどうしたというんだ? ちゃんと説明を…」

 

 

一輪「ナズいいからこっち来て! 一回でいいから!」

 

 

霊夢「こっち来なさいって言ってんのよ!」

 

 

ナズ「…悪いが、先に宝塔を取らせてもらえな」

 

 

霊夢、一輪「こっちぃ!!」クワッ

 

 

ナズ「わ、わかった…! わかったから叫ばないでくれ、耳に響く…」スタスタ

 

 

霊夢、一輪、こころ、萃香、小傘「…」

 

 

ナズ「…何故円を作ってしゃがんでいる」

 

 

霊夢「あんたも座りなさい」

 

 

ナズ「…」スッ

 

 

ナズ「…説明を要求する」

 

 

一輪「恐いの」

 

 

小傘「得体の知れない恐怖だよ」

 

 

霊夢「あったらあったで恐いのよ」

 

 

萃香「心を責められるのは嫌いなんだよ」

 

 

こころ「こんな気持ちは初めてなんだ」

 

 

ナズ「すまない、説明になっていない」

 

 

一輪「その前に聞いていい? 星が宝塔を無くしたのはいつ?」

 

 

ナズ「恐らく昼食後だ」

 

 

一輪「…ナズ、説明するから覚悟してよ?」

 

 

ナズ「?」

 

 

一輪「あの甕はね? 庭の隅っこに置いといてあったものなのは知ってるよね、もう使わないからって物置小屋に移動させる気でいたのも」

 

 

ナズ「あぁ」

 

 

一輪「それで昼食後に雲山がここまで運んでくれた、その間に星が近くに来た形跡は無い」

 

 

一輪「雲山、運んでいる時に甕に違和感はあった?」

 

 

雲山「…」フルフル

 

 

一輪「甕の中に何か入ってた?」

 

 

雲山「…」フルフル

 

 

一輪「そう入って無かったんだよ、運ぶ前も運んでいるときも甕の中には何もね」

 

 

ナズ「しかし私のロッドは甕の中に反応を示しているのだが」

 

 

霊夢、一輪、小傘、萃香「それだよ!!」

 

 

ナズ「!?」ビクッ

 

 

一輪「湯飲み作りを開始する時に私と霊夢さん、萃香さん、小傘、雲山! この五人が宝塔を持っている訳がない!」

 

 

一輪「こころが後から入って来たけどこころが宝塔を持っている訳がないし、誰かがその甕の中に入れた形跡もない、それどころかあの甕に誰も近付いてすらいない!」

 

 

ナズ「ということは…つまり」

 

 

霊夢「あの中に宝塔が入っていること自体が不自然なのよ、そしてあり得ない」

 

 

萃香「でもお前が宝塔があの甕の中にあるって言った」

 

 

ナズ「…」

 

 

ナズ「…」

 

 

ナズ「それは恐いな」

 

 

小傘「でしょ!?」

 

 

こころ「だがナズーのダウザーとしての腕は一流だ、ナズーは嘘も付かない」

 

 

一輪「だから恐いって言ってるの」

 

 

ナズ「だがしかしこのままでは何も変わらない、宝塔も戻っては来ないし君たちの心も晴れないだろう」

 

 

霊夢、萃香、小傘、一輪、こころ、ナズ「…」

 

 

一輪「雲山」

 

 

雲山「!」

 

 

一輪「あなたに甕の中を確認して来てなんて残酷な事は言わないわ」

 

 

一輪「甕の上と下の部分を持って甕の中が見えるように私たちの方へ向けてほしいの」

 

 

雲山「…」

 

 

一輪「やってくれる?」

 

 

雲山「…!」グッ

 

 

一輪「! ありがとう」

 

 

霊夢「親父さん」

 

 

萃香「おっちゃん」

 

 

小傘「雲山さん」

 

 

こころ「山ちゃん」

 

 

霊夢、萃香、小傘、こころ「頑張って」グッ

 

 

雲山「…///」テレテレ

 

 

ナズ「私も覚悟を決めよう、一思いにやってくれ」

 

 

一輪「雲山、準備はいい?」

 

 

雲山「!」グッ

 

 

一輪「行くわよ…? せーっの!」

 

 

雲山「!!」グン

 

 

 ゴトッ!!

 

 

 

全員「!!!」ゴクッ

 

 

全員「!!?」ゾクッ

 

 

 

 

 【命蓮寺本堂】

 

 

 

マミゾウ「お? 水蜜はどうした?」

 

 

聖「響子とぬえのところへ、掃除でもしているのではないでしょうか」

 

 

マミゾウ「掃除と思わせておいて遊んでるに200」

 

 

聖「賭け事は禁止ですよ?」

 

 

マミゾウ「ククク…わかっとるよ」

 

 

聖「…」

 

 

マミゾウ「…」

 

 

聖「最近人里で貴方の話をよく聞きます」

 

 

マミゾウ「なんじゃ藪から棒に」

 

 

聖「人と妖怪のために行動し、時には仲を取り持ったりしているとか」

 

 

マミゾウ「…さぁて、どうじゃろうな」

 

 

聖「…ありがとう」

 

 

マミゾウ「…!」

 

 

聖「ふふっ」ニコッ

 

 

マミゾウ「不確定な噂話でお礼を言われてもな…」

 

 

聖「では、本当の事なのですか?」

 

 

マミゾウ「お主時たまに意地悪い時あるの」

 

 

聖「あら♪ その言葉、そっくりそのままお返ししますね」

 

 

マミゾウ「…ふっ、同じ穴の狢というやつじゃな」

 

 

聖「ふふふ、悪くありませんね」

 

 

マミゾウ「…」

 

 

聖「…」

 

 

マミゾウ「何故お礼を言ったのじゃ?」

 

 

聖「貴方が人と妖怪のために尽力してくれていることも、そしてそれが後々この命蓮寺のためになることに繋がる事を計算し、やってくれているのだとしたら」

 

 

聖「私からはお礼の言葉しか出ませんから」

 

 

マミゾウ「ふおっふおっ♪ たまに思うんじゃが、お主の目には全てが見えとる様な気がするぞい」

 

 

聖「森羅万象をこの目で見透す力は私にはありません、ですが…」

 

 

聖「この命蓮寺に住む者の心を見透す力はあるのかも知れません、皆、私の大切な命蓮寺の一員ですから」

 

 

マミゾウ「…」

 

 

聖「…マミゾウさん、貴方にはこれからもここ命蓮寺に」

 

 

 

 ぎゃああああああ!!

 

 

 

聖、マミゾウ「!!?」

 

 

聖「悲鳴!?」

 

 

マミゾウ「何事じゃ!?」

 

 

聖「!」スッ

 

 

 ヒュン!!

 

 

マミゾウ「速っ…!? なんて言っとる場合じゃないか」

 

 

マミゾウ「物置か…? 急ぐかのう!」スッ

 

 

 

 

 【命蓮寺、物置小屋】

 

 

 

聖「!」スタッ

 

 

聖「皆さん! さっきの悲鳴は何事で」

 

 

 

霊夢「うおおぉ! 宝塔共々封印してくれるわぁ!」ゴゴゴ

 

 

萃香「破壊しなきゃ…! これは破壊しなきゃ駄目だぁ!!」ゴゴゴ

 

 

小傘「おち…! おちおち落ち着いてよ二人ともぉ! こ、こここ腰が引けて立てないよぉ!」ガタガタ

 

 

こころ「わ、わからない…何の表情でいたらいいのかわからないがこれは狂気、そう狂気の表情フフフフフ…!」ニタァ

 

 

一輪「あ、あはは…宝塔で姐さんを助けられる訳ないじゃないですかー、何言っちゃってくれてんですかあははは」

 

 

ナズ「そうかそうだよな、お前は寅丸星が嫌いなのか、わかるようん、すごく良くわかるよ宝塔さん」ナデナデ

 

 

雲山「…!」オロオロ

 

 

 

 

聖「ど、どういう…状況です…?」

 

 

マミゾウ「ふぅやっと追い付いたわい、何事…うん?」

 

 

聖「わ、私にも何がなんだか…」

 

 

マミゾウ「な、なんじゃこの混沌とした場は」

 

 

星「? 聖? マミゾウ?」

 

 

聖「! 星…」

 

 

霊夢、萃香、ナズ「!」ピクッ

 

 

星「なんですかさっきの悲鳴、もうびっくりしちゃいましたよ~…おや皆さんお揃いで、ここで湯飲み作ってたんですか?」

 

 

星「!! あー宝塔! こんなところにあったんですね! おや、ナズ…はぁ…」

 

 

星「先に見つけられてしまいましたね、残念です…今回の勝負はナズの勝ちですね、あはは♪」

 

 

星「それよりもなんか皆さん楽しそうですね、何かあったんですか? 楽しい事なら私も混ぜてくださ」

 

 

 

 

ナズ「口だけは良く動くなぁ…寅丸ぅ!」ゴゴゴゴ

 

 

星「うひゃっ…!?」ビクッ

 

 

聖「あのオーラ…! び、毘沙門天様!?」

 

 

マミゾウ「なにぃ!?」

 

 

萃香「よくもこの私を脅かしてくれたな…!」

 

 

霊夢「驚きが過ぎて寿命が縮んだわ…!覚悟は出来てんでしょうねぇ…虎ぁ…!」

 

 

星「えっ…! い、いや! 何故そんなに三人とも怒っているんですか!? 説明をしてください!」

 

 

霊夢、萃香、ナズ「黙れぇ!」

 

 

星「!?」

 

 

聖「マミゾウさんはこころと小傘と一輪を! 私は他を回収します!」

 

 

マミゾウ「お、おう!」

 

 

 

 

霊夢「宝具『陰陽飛鳥井』!」

 

 

萃香「鬼符『ミッシングパワー』!」

 

 

ナズ「視符『ナズーリンペンデュラム』!」

 

 

星「えぇっ!?」

 

 

霊夢、萃香、ナズ「うおおぉ!!」

 

 

星「ちょっ…! な、なんでこうなるんですかぁーー!?」

 

 

 チュドーン!!

 

 アーーーーーッ!!

 

 

 

 

 

 …その時は私も皆もパニックだったのよ、まさか本気で宝塔があの甕の中に入ってるなんて思わないじゃない、覚悟してたのに…本当に寿命が縮んだんじゃないかしら。

 

 運良くあの元凶が外にいたお陰で物置小屋の倒壊は免れたわ、ただ命蓮寺の庭に大きな穴が開いちゃったけどね。

 

 聖とマミゾウが助けてくれた事もあって小傘たちは無事だったわ、でもその後ちょっと放心状態だったけどなんとか回復させたの、それと私たちが作った湯飲みも無事だった。

 

 一応丸く収まった…のよね…?

 

 

 

 

 

 

 

 【PM 17:30 命蓮寺、正門前】

 

 

 

聖「家の虎が本当にご迷惑をお掛けしました」ペコッ

 

 

霊夢「いいわよ頭下げなくても、こっちも色々としてもらったし、迷惑もかけちゃったんだしさ」

 

 

萃香「あんなことでパニクるなんてねぇ、私もまだまだだねぇ…」

 

 

霊夢、萃香、聖「…」チラッ

 

 

 

こころ「今日は新たな感情を学んだ、これが狂気に畏怖する表情だ」スチャッ

 

 

ぬえ「なんかその面気味悪いぞ!?」

 

 

 

一輪「宝塔のせいでほうとうが食べられなくなりそう…」

 

 

小傘「心にさでずむ…私が驚かされてたらもう何も出来ないよね…やんなっちゃうよ」

 

 

水蜜「宝塔恐怖症!? 二人ともしっかりしなよ!」

 

 

 

星「 」

 

 

マミゾウ「白目向いてぶっ倒れとるが…息はあるのか?」

 

 

響子「しょ、星さーん! 大丈夫ですかー?」

 

 

ナズ「宝塔よ答えてくれ、何故あんなところに…もしかして本当に付喪神と化してしまっているのかい?」

 

 

マミゾウ「ナズーリン、お主大丈夫か?」

 

 

ナズ「あぁ、私の頭は今最高に冴え渡っているよ、ふふふ、この大馬鹿者が目を覚ましたら修行のし直しだな」

 

 

 

霊夢、萃香、聖「…」

 

 

霊夢「大丈夫…?」

 

 

聖「大丈夫ですよ、命蓮寺の者は皆強いですから」

 

 

萃香「あの虎は?」

 

 

聖「星は…宝塔が絡まなければ特に問題は無いのです」

 

 

霊夢「でもあいつから宝塔取り上げたら」

 

 

聖「言わないでください」

 

 

霊夢「…わかった」

 

 

 

 

 

 【そしてお別れ…】

 

 

小傘「霊夢、萃香さん、湯飲みとお皿の事は任せてね? 私がバッチリ仕上げておくから」

 

 

霊夢「任せたわよ、小傘」

 

 

萃香「あんがとね」

 

 

小傘「うん、だいたい二日ぐらいで出来上がるからさ、出来たら神社まで届けるよ」

 

 

霊夢「ありがと♪」

 

 

萃香「だったら明後日は神社にお泊まりだねぇ♪」

 

 

霊夢「はぁ…私は博麗の巫女、私は博麗の巫女…」ブツブツ

 

 

霊夢「一輪、轆轤教えてくれて助かったわ、それと水蜜、あんたのカレー美味しかった」

 

 

萃香「轆轤も良いけどカレーもね♪」

 

 

水蜜「ふふ、金曜日はカレーの日、いつでも食べに来ていいんだよ?」

 

 

一輪「あはは、私も楽しかったよ…あの事件がなければ」

 

 

霊夢、萃香「やめろぉ!」

 

 

聖「ははは…」

 

 

 

 

霊夢「じゃ、私たち帰るわ」

 

 

萃香「また顔出すかもしれないからその時はよろしくね」

 

 

霊夢「それじゃあね」

 

 

聖「えぇ、またいつでも遊びに来てくださいね」

 

 

一輪「今度はちゃんとおもてなしするからね!」

 

 

雲山「…」フリフリ

 

 

水蜜「またねー!」

 

 

響子「さよーならー!!」

 

 

ナズ「今度はちゃんとしたご主人を用意しておこう、さらばだ」

 

 

星「 」

 

 

こころ「近いうちに神社の宴会でまた能をやらせてくれ、おっと、これがさようならの表情」スチャッ

 

 

小傘「じゃあねー! 湯飲みとお皿は期待…いや出来に驚いてねー!」

 

 

マミゾウ「帰り道、華扇に気を付けるんじゃぞー」

 

 

霊夢「不吉な事を言うなー!」

 

 

ぬえ「…」

 

 

ぬえ「こ、今度…今度寺に来たら弾幕で勝負しろ! いいな!」

 

 

霊夢「ふっ、腕磨いて待ってなさい!」

 

 

ぬえ「! おう! 覚えとけ!」

 

 

霊夢「ふふっ…」

 

 

ぬえ「ははっ…!」

 

 

 

 

 

 

 【PM 18:00 人里】

 

 

霊夢「すっかり夜になっちゃったわね」

 

 

萃香「だねぇ、っと霊夢」

 

 

霊夢「ん?」

 

 

萃香「今日は楽しかったよ、またどこか一緒に遊びに行こうよ」

 

 

霊夢「! ふっ…考えとくわ」

 

 

萃香「おう! そんじゃバイバイ♪」

 

 

霊夢「今日はどこで寝泊まりするつもり?」

 

 

萃香「今日は地底でも行こうかな、あいつらに会いに行ってくるよ」

 

 

霊夢「そ…それじゃあね」

 

 

萃香「うん、バイバーイ♪」スッ

 

 

 フワッ

 

 

霊夢「便利な能力だわね、霧になって飛んでっちゃった」

 

 

霊夢「…さて、私も帰りますか」

 

 

 

 

 

 

 【PM18:20 博麗神社】

 

 

霊夢「うん? あれ、明かりが…」

 

 

霊夢「まぁ予想はつくけど」

 

 

 

 

 

 

魔理沙「よう霊夢、随分遅かったじゃないか」

 

 

霊夢「やっぱり」

 

 

魔理沙「? てかお前どこ行ってたんだよ」

 

 

霊夢「ふふん、秘密よ秘密」

 

 

魔理沙「何だよ気になるぜ」

 

 

霊夢「まぁ別にいいじゃない私の事は、そんなことよりアリスは? 一緒じゃないの?」

 

 

魔理沙「あぁ先に帰っちまったよ、もう夜だからな」

 

 

霊夢「そういうところはアリスしっかりしてるわよね」

 

 

魔理沙「まぁ、アリスだからな」

 

 

霊夢「ふははっ…! 答えになってないわよ」

 

 

魔理沙「だが帰り際の『愛してるわ!』はいらねぇと思うんだよな」

 

 

霊夢「なんだ、いつものアリスじゃない」

 

 

魔理沙「少しは自重してほしいもんだぜ…」

 

 

霊夢「ははは…あ、ねぇパチュリーの茶会は? どうだったの?」

 

 

魔理沙「おぉそうだそうだ、それがよ、茶会とは名ばかりでさ」

 

 

霊夢「やっぱりなんか裏があったのね」

 

 

魔理沙「パチュリーが自分で料理作ったから私たちに試食してほしいって言うんだよ」

 

 

霊夢「…え?」

 

 

魔理沙「えってなるだろ? アリスも同じだったぜ」

 

 

霊夢「料理って…パチュリー料理なんか作れんの?」

 

 

魔理沙「咲夜が耳打ちして教えてくれたんだが、壊滅的らしい」

 

 

霊夢「あいつが料理してるイメージ無いもんね」

 

 

霊夢(ふふっ…♪ イメージ、か)

 

 

魔理沙「だろ? 咲夜の耳打ちと合わせて動けない大図書館の料理なんて絶対ヤバイだろってアリスと二人して思ったんだからな、これじゃ毒味会になっちまうぞってな」

 

 

霊夢「ふふっ、動かない…でしょうが」

 

 

霊夢「料理のほどは?」

 

 

魔理沙「それがよ、全部美味しかったんだよ」

 

 

霊夢「えっ、意外」

 

 

魔理沙「自分の腕で作るとアレだけど魔法で作った料理なら上手く作れることに気がついたらしい」

 

 

霊夢「気付くの遅くない?」

 

 

魔理沙「そう言ってやるなよ、料理とは無縁のぱっつぁんだ、気付くのが遅れても不思議じゃあない」

 

 

霊夢「なるほどね」

 

 

魔理沙「サンドイッチ、クッキー、パンケーキ、どれも美味かったぜ」

 

 

霊夢「へぇ」

 

 

魔理沙「ま、咲夜には負けるけどな」

 

 

霊夢「咲夜のと比べちゃうとねぇ…」

 

 

魔理沙「咲夜の料理の前ではどんな料理も霞んでしまうのか…」

 

 

霊夢「…あ」

 

 

霊夢「私咲夜より美味いカレー作るやつ知ってるわ」

 

 

魔理沙「なにっ!? 咲夜より美味いカレー!?」

 

 

霊夢「ふふっ、今度食べに行く? そいつ金曜日にしか現れないんだけど」

 

 

魔理沙「おう、是非とも食ってみたいぜ、そいつと知り合いなのか?」

 

 

霊夢「まあね、てかあんたも知ってる奴よ」

 

 

魔理沙「あー? 誰だよ」

 

 

霊夢「それは会ってからのお楽しみね」

 

 

魔理沙「むう、さっきから気になることばかりだぜ」

 

 

霊夢「ふふん」

 

 

魔理沙「…なんか私に隠し事してるな?」

 

 

霊夢「さぁ、どうかしら?」

 

 

魔理沙「教えてくれよぉ」

 

 

霊夢「嫌よ、直にわかることだから気長に待ってなさい」

 

 

魔理沙「待つのは性に合わんぜ…」

 

 

霊夢「ふふっ…さってと…晩御飯の準備でもしますか」

 

 

魔理沙「お! もちろんこの魔理沙さんの分もあるんだろうな?」

 

 

霊夢「あんたそれを狙ってここに残ってたんでしょ?」

 

 

魔理沙「な、何のことだかわからないのぜ」

 

 

霊夢「訛ってるわよ?」

 

 

霊夢「まぁ良いけどね、今作るからちょっと待ってなさ」

 

 

 ギュオン!

 

 

 

紫「はぁい♪ 霊夢♪ と、あら魔理沙」

 

 

霊夢、魔理沙「…」ジトッ

 

 

紫「え…? な、何よその目は! その『何しに来たんだお前』みたいな目は!」

 

 

魔理沙「目で会話が出来たぜ霊夢」

 

 

霊夢「私たちすげぇわ」

 

 

紫「むっ…」

 

 

紫「ゆ、ゆかりんが遊びに来てやったぜ♪」

 

 

霊夢、魔理沙「…」

 

 

紫「…ぜ♪」

 

 

魔理沙「真似すんなババア」

 

 

紫「誰がババアだクルァ!」

 

 

霊夢「紫、素敵なスキマはまだ開いてるわよ?」

 

 

紫「また遠回しに帰れって言う! ゆかりん切ないわ! 切ない!」

 

 

霊夢「切ないんかい」

 

 

魔理沙「てか本当に何しに来たんだよお前は」

 

 

紫「ふふん、これを見なさい!」スッ

 

 

 ギュオン! ゴトッ!

 

 

霊夢、魔理沙「?」

 

 

紫「ふふふのふ♪」

 

 

魔理沙「…餃子?」

 

 

霊夢「え? 何で餃子?」

 

 

紫「私の今日の晩御飯これなんだけどね? 藍が作り過ぎちゃって、お裾分けよお裾分け♪」

 

 

霊夢、魔理沙「…」

 

 

紫「あ…いらない? いらないなら」

 

 

霊夢、魔理沙「いるっ!!」

 

 

魔理沙「霊夢! お茶とご飯と醤油を頼むぜ!」

 

 

霊夢「了解!」

 

 

紫「そんなに餃子好きなの?」

 

 

霊夢「お腹空いてるのよ」

 

 

紫「! そ…」

 

 

霊夢「あぁ、紫」

 

 

紫「はい?」

 

 

霊夢「お礼にお茶ぐらい出してあげるから飲んでいきなさい、良いわね?」

 

 

紫「! えぇ、待ってるわ♪」

 

 

霊夢「よし!」スッ

 

 

魔理沙「おぉ、霊夢のやつ餃子でテンション上がっちゃってるぜ」

 

 

紫「…」

 

 

紫(プレゼント、出来たみたいね)ニコッ

 

 

紫(お疲れ様、霊夢♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「今日はいつもより美味しい方の茶葉にしようかしらね」

 

 

霊夢「ふふっ…♪」

 

 

霊夢「さぁ、食うわよ! 餃子~♪」 

 

 

 

 

 とまぁこれが私、博麗霊夢の日常である。

 

 

 このあと晩御飯を食べて魔理沙を見送り、風呂に入り、そして21時ぐらいに寝て、そしてまた明日が始まる。

 

 今日は命蓮寺に行くっていうイベントがあったけど大体こんな日常を送っているわね。

 

 私はこの日常が好き…なのかもしれないわね。

 

 私は変化が嫌いなの、些細なことでも何かが抜け落ちたりすると気になって仕方がないのよね、何でかしら。

 

 まぁ…良いか。

 

 

 だってこの日常に、私は満足してるからね。

 

 

 

 

 

 おしまい!!

 

 

 

 

 

 

 

 【オマケ、華扇のその後】

 

 

 

華扇「ひっく…」

 

 

ミスティア・ローレライ「あの…華扇さん…」

 

 

華扇「私はね、霊夢を弟子にしたい訳ではないんですよ」

 

 

華扇「ただただ、霊夢にはちゃんと修行をしてほしい…それだけなんです」

 

 

ミスティア「…」

 

 

華扇「この気持ちあなたに分かる?」

 

 

ミスティア「…ごめんなさい、わかりません」

 

 

華扇「はぁ~~…」グッタリ

 

 

ミスティア「ですが、霊夢さんが逃げる理由が厳しさから来るものなら難しい修行ばかりではなく、優しい修行も時には大切なんじゃないですか?」

 

 

華扇「…!」

 

 

華扇「イージー華扇ちゃんコース…検討してみても良いかもしれませんね」

 

 

ミスティア(なんだろう、そのコース料理みたいな名前)

 

 

華扇「あなた良い鳥よね、文とは大違い」

 

 

ミスティア「あ、ありがとうございます」

 

 

華扇「ふふっ、私に飼われてみる気はありませんか?」

 

 

ミスティア「お断りします」

 

 

華扇「はぁ~…フ~ラ~れ~た~…ひっく…」

 

 

ミスティア(華扇さん悪酔いするとめんどくさい…)

 

 

 

 

 

 

 本当におしまい!!

 

 

 






 書いてみれば命蓮寺組の出番の方が多かったですね、今回は霊夢が主人公でしたがクイズの関係もあっての構成になりました。



 それではここまで読んでいただいてありがとうございました、お疲れ様でした♪


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