一日目でゆかりんハウスの施設について色々と説明があったので二日目と三日目は会話中心でいきたいと思います
普段喋らないであろう住人達の会話、そのキャラのエピソードを楽しんでいただければと思います。
それでは始まります♪
【マヨヒガ、副音声のお二人】
八雲藍『…』イライラ
八雲紫『…』シュン
紫『…ねぇ藍、チルノたちのこと観ましょう? 私もう許されてもいい筈よ?』
藍『…』
紫『…』
藍『…』
紫『…』
紫『……らんしゃま?』ウルウル
藍『ふっ…! ちぇ、橙のマネをする暇があるのなら反省をしなさいよ反省を!!』
紫『だからもう謝ったじゃないのよ、一時間の正座はつれぇわ、足の感覚が無くなってきてるんですけど』
藍『……何故あなたが私に怒られているか分かりますか?』
紫『あなたがちょっと目を離した隙にゆかりんハウスに顔出した私があなたに内緒で作った『スキマボックス』ならぬ『ゆかりんボックス』で阿求たちにお茶目なカオスを提供したからでしょ?』
藍『良く分かってるじゃないですか』
紫『ゆかりん頭良いからねぇ♪ ふふふの』
藍『ふざけてるんですか?』イラッ
紫『反省してます、はい』
藍『…』
紫『…』
藍『…阿求のアレはいつ直るんです?』
紫『ん~、14時ぐらい?』
藍『なぜ疑問形』
紫『ゆかりんマジックは人によって効果が異なるからよ』
藍『その何でも『ゆかりん着ければ許されるわよね♪』みたいなのやめてくれませんか?』
紫『……なんか今日の藍冷たい』
藍『私だって紫様にこんな事をしたくないんですよ? あなたが夜中、ゆかりんハウスに行って倉庫を設置したことはとても良いことだと思います、でも紫様、私最初に言いましたよね? カオス成分はいらないと』
紫『はい』
藍『でもあなたはカオスを提供してしまった』
紫『はい』
藍『…』
紫『…』
紫『…藍』
藍『はい』
紫『許してにゃん♪』キャピ
藍『そんなんで許されると思うなぁ!!』クワッ
紫『うにゃあ!?』ビクッ
【スキマ空間、ゆかりんハウス近くの川、12:00】
二日目の物語はゆかりんハウスの近くにある川、通称『ゆかリバー』から始まる。
華扇たち六人は朝食を食べ終えた後、麦わら帽子を被る等の熱中症対策、そしてお昼は外で食べたいというチルノとメディの提案のもと、お昼のランチを用意した上でゆかリバーに釣りに来ていた。
麦わら帽子を被っているのはメディ、チルノ、阿求の三人だ
六人分の釣り道具は華扇達が寝静まった頃、紫がゆかりんハウスの外に新たに設置したスチール製の倉庫から持ってきたものだ
一人、人二人分の間隔を開け、木で出来た橋に座って釣糸を垂らしている
チルノ「…」
チルノ「……」
チルノ「……!」ピクッ
ぽちゃん! と音を立ててチルノの釣竿のウキが沈む
チルノ「おっしゃー! きたきたぁ!」ググッ
メディスン・メランコリー「! チルノ! 逃がすんじゃないわよ!」
チルノ「あたいがぁっ…! 逃がすわけないだろっ…! ぬおぉぉ!」ググッ
紅美鈴「チルノさん落ち着いて! 竿を魚に向けてください」
チルノ「! 右ぃ…! …! 左っ!」ググッ
バシャバシャ!
茨木華扇「その調子です、魚を弱らせるのですよ」
チルノ「とりゃ! うりゃ!」ブンブン
メディ「ちょっと! そんな風にやったら切れちゃうわよ」
黒谷ヤマメ「大丈夫さ、私の糸を使ってるんだ、そんな簡単にゃ切れやしないよ♪」
チルノ「とぉ! そりゃ!」ブンブン
バシャバシャッ!
チルノ「! よし、ここだ!」スッ
チルノ「あたい流! 最強一本釣りぃ!!」ブン
ザバァン!
ヤマメ、美鈴「おっ…!」
華扇、メディ「!」
ピチピチ!
チルノ「…! よっしゃー! 釣れたぞー♪」
美鈴「やりましたねチルノさん!」
ヤマメ「やったじゃないかチルノ♪」
華扇「おめでとう、チルノ」
チルノ「おう! にっしし♪」
メディ「でも一匹しか釣れてないわよね、あんただけ」
チルノ「うっ…!」グサッ
美鈴「ま、まぁ…でもほら、まだ始まったばかりですし」
チルノ「そ、そうだそうだ!」
メディ「私と美鈴はもう三匹目だし、ヤマメと阿求は四匹目、華扇なんか六匹も釣ってるのによ?」
チルノ「ぬぐぐっ…! こ、これからだよ! これからあたいの最強釣り伝説が始まるんだ!」
メディ「ふふん♪ なら私より多く釣ってみせてよね」
チルノ「おう! もちろんさ!」
華扇「ふふっ…♪ しかし、また見たことが無い魚が釣れましたね」
美鈴「これは…? また外の世界の魚ですかね」
ヤマメ「海の魚って奴かい? ここ本当に川なのかねぇ」
華扇「この川も八雲紫が作った物、気にしたら負けと言うことなのでしょう」
美鈴「海と川と湖の魚が入り乱れてるんですね、確か海水魚と淡水魚…生態系とか魚たちの共存とか大丈夫なんでしょうか」
華扇「それも気にしたら負けですよ、大体『釣ってみてのお楽しみ♪』と言ったのは八雲紫本人ですし」
ヤマメ「何でもありだねぇ♪ あっはっは♪」
ピチピチ!
メディ「何かしらコイツ、いやに細長いわね」
チルノ「あたいの一匹目~♪ ! なぁ阿求、コイツ名前なんて言うんだ?」
稗田阿求「…!」ピクッ
阿求「…!」ギロッ
チルノ「な、なんだよぉ~! なんで睨むんだよ~!」
阿求「……」プイッ
華扇、ヤマメ、美鈴「…」
華扇「阿求、それは大人気ないです、例え理由があったとしてもです」
ヤマメ「まぁあれだ…あんたの気持ちは分かるよ? でもほら、阿求なら分かるだろ? チルノに悪気は無いってのがさ」
美鈴「阿求さん、その…答えてあげてください」
阿求「……」
阿求「…!」ワタワタ
ヤマメ「ん? あぁ大丈夫だよ、もう笑わないからさ」
阿求「! ……」
阿求「ち、チルノさん…!」
チルノ「お、お?」
阿求「…」
阿求「……!」
阿求「その魚は太刀魚ですにゃ……!? にゃっ!?」
ヤマメ、美鈴「!? くっ…! ふふっ…!」プルプル
華扇「はふふっ…!」プルプル
阿求「あー! 笑わにゃいって言ったじゃにゃいですにゃぁ!」
メディ「阿求まだ直ってなかったんだ」
美鈴「す、すいませ…! ふふっ…!」
ヤマメ「ち、ちが…! 違うんだよ阿求、分かっておくれよ」
阿求「にゃにが違うって言うんですにゃ!」
チルノ「ほぉー! お前『たちうお』って言うのか! なんかカッコいいな!」
メディ「あんたは気にしてないのね」
ヤマメ「だから違うんだよ、あんたが面白いから笑ってるんじゃなくてさ、あんたが可愛いから笑ってるんだよぉ♪」
阿求「こんにゃ取って付けた様にゃ可愛さにゃんていらにゃいですにゃ! 地霊殿のお燐さんでもこんにゃににゃんにゃん言わにゃいですにゃよ!?」
華扇「ふふっ♪ 例え取って付けた物でも可愛いと思いますよ? 阿求」
阿求「わざとですにゃ!? ワザとですにゃ華扇さん!」
阿求「にゃあ~…! 紫さんめ…! 余計にゃ事をぉぉ…!」
ホワンホワン
【数時間前 ゆかりんハウスリビング】
六人「ご馳走さまでしたー♪」
華扇「ふぅ…♪ 今日の朝御飯も美味でした」
チルノ「美味かったぞー♪」
メディ「今日も美味しかったわ♪」
美鈴「皆さんお粗末様でした」
ヤマメ「美鈴は門番も出来て家事も出来て料理も得意、いやぁ、お世話になりっぱなしだねぇ♪」
美鈴「それは褒めすぎですよ~♪ でも、ありがとうございます♪」
阿求「…」
阿求(正直、咲夜さんの料理の味と比べても遜色無い出来なんですよね…紅魔館に咲夜さんがいなかったであろう大昔、美鈴さんが家事等を担当していたのでしょうか)
メディ「あ、そういえばさ、なんでチルノとヤマメ一緒の部屋で寝てたの?」
ヤマメ「ん? さぁってねぇ? なんでだろうねぇ♪」
チルノ「あたいも良く分からないんだよなぁ…あたいびっくりしたぞ? 起きたらヤマメが目の前にいたからな」
ヤマメ「あはは、驚かしちゃって悪かったねぇ」
華扇「まさか…チルノを抱き枕にしてベッドで寝ていたのですか?」
ヤマメ「そうだよ~♪ ひんやりしてて気持ちよかったねぇ♪」
華扇、美鈴、阿求(なっ…!? なんて贅沢な…!)
美鈴(暑さ対策…!)
華扇(涼しい部屋で快適…!)
阿求(暑い気温の中で冷たい抱き枕とひんやりした部屋で布団にくるまってぬくぬく…!)
メディ「そっかぁ、私もスーさんと一緒に寝てたけどね、ね? スーさん♪」
スーさん「~♪」キャッキャッ
チルノ「ん~、でもあたい昨日ヤマメの部屋に入ったっけ?」
ヤマメ「入ったよ♪」
チルノ「ん~…?」
阿求「…まさか無理矢理」
ヤマメ「そんなことするわけないじゃないか」
華扇「流石にそこまではしませんよね、ヤマメは多少常識がある方なので」
ヤマメ「そうそう♪ …って多少は余計だよっ!」
阿求「『昨日はお楽しみでしたね♪』って言うところなんですかね、ここは」
ヤマメ、チルノ、メディ、華扇、美鈴「え…?」
阿求「いえ…なんでもないです」
チルノ「あ、でさでさ! さっきも話したけどさ、どうだ!? あたいとメディの作戦!」
メディ「作戦じゃなくて提案でしょ…どう? みんな」
華扇「ふふっ、良いと思いますよ、私は賛成です」
美鈴「私もです、釣りしながら外でお昼ご飯なんて最高じゃないですか♪」
チルノ「! だろだろ♪」
阿求「私も賛成ですけど…虫とかいないですよね?」
ヤマメ「虫、嫌いなのかい?」
阿求「気持ち悪い系の虫はちょっと…ヤスデ毛虫とかいたら悲鳴を上げると思います」
美鈴「あ~…ゲジゲジ系は嫌ですよね」
ヤマメ「ちょっと~? 私一応蜘蛛だよ?」
阿求「あなたみたいに可愛い蜘蛛いませんって」
ヤマメ「かわっ…!? い、いきなり何を言ってんだい、やめとくれよ…///」カアッ
阿求「はい、これがヤマメさんの弱点です、いきなり可愛いと言われると顔を赤らめてしまいます」
華扇、美鈴(はいって…)
チルノ「なぁヤマメ、ヤマメも行くよな?」
ヤマメ「も、もちろん行くよ、でも昨日みたいに暑いからチルノの隣にはずっと居たいねぇ」
チルノ「おう、良いぞ♪」
華扇「! そうか…昨日はミズナラの木の木陰があったから日差しを防げていましたが、今回はずっと日差しを浴び続ける事になりますね」
美鈴「熱中症対策は昨日よりも万全にしておかないと、ですね」
華扇「お昼のお弁当、水筒はもちろんの事、日光を防ぐ帽子か何か…」
阿求「それと虫除けの薬とかも欲しいです」
メディ「釣りするんなら釣竿とかいるわね」
ヤマメ「釣り用の糸なら私が出せるんだけどねぇ」
阿求「欲しい物は各々決まりましたね? では紫さんに電話するとしましょう」
華扇「お昼は…私たちで作りましょうか」
美鈴「そうですね」
阿求「それも紫さんに持ってこさせても良いんですけどね、でもお二人が作った料理の方が良いですよね」
ヤマメ「雰囲気的にもね、華扇、美鈴、お願いするよ♪」
華扇「えぇ、任せてください」
美鈴「はい、分かりました♪」
華扇「さて、外でのお昼ですからね、何を作りましょうか」
美鈴「外…う~ん…紅魔館ではお嬢様がお出掛けになるときは決まって咲夜さんはサンドウィッチを作るんですが」
華扇「サンドウィッチですか、手軽にたくさん作れて味も美味しい…良いですね、それにしましょうそうしましょう♪」
美鈴「では、玉子やハム、レタスにトマトにきゅうりを」
華扇「美鈴、それも大事ですが私はサンドウィッチの種類にフルーツサンドと言う物があると宇佐見菫子に聞いたことがあります」
美鈴「あ~…はい、ありますね」
華扇「フルーツサンド、作れますか?」
美鈴「はい、材料ならあるので作れますね、それに咲夜さんが作っているところを見たことがあるので」
華扇「ではフルーツサンドの調理は任せましたよ? 私は他のサンドを作りますので」
美鈴「え…? あぁはい、分かりました」
美鈴(わ、私スイーツ専門なんですか…? スイーツよりお肉とかの方が得意なんですけど)
華扇「~♪ 夏にはスタミナのお料理♪ サンドウィッチでもスタミナをつけていただきましょう♪」
美鈴(…華扇さん本当に甘いものが好きなんだなぁ)
阿求「ではメディさん、お願いしますね」
メディ「ババアに電話すればいいんでしょ? 任せといて♪」
ヤマメ「釣り道具と熱中症対策グッズと虫除けだね」
メディ「オッケー♪」
チルノ「あっ! 待ってメディ! あたいが電話する!」ワクワク
メディ「え? あんたが?」
チルノ「うん!」ワクワク
メディ「…」
チルノ「な、なんだよぉ!」
メディ「あんたに出来んの?」
チルノ「電話ぐらい出来るさ! あたいは最強だからな!」
メディ「最強とか関係ないわよね? あんたさ、電話してみたいだけなんじゃないの?」
チルノ「ギクッ…!」
阿求、ヤマメ(ギクッって言っちゃった…)
メディ「それにババアに頼むものたくさんあるのよ? あんた覚えてんの?」
チルノ「お…覚えてるぞ!?」
メディ「ふーん、言ってみてよ」
チルノ「ふふん! 熱中症グッズと釣竿と虫除け道具だろ!」フンス
メディ「熱中症グッズって何よ! 熱中症対策グッズよ、対策グッズ!! なんなの!? それ使えばお手軽に熱中症にでもなれるって言うの!?」
チルノ「…!! えっ…あれ?」
ヤマメ「ふははっ…!」プルプル
阿求「ははっ…! ふふふふっ…!」プルプル
メディ「あんたには任せてられないわ! 私がババアに電話するわ!」
チルノ「ま、待ってよ! あたいがババアにする! もうわかったから!」
メディ「何が分かったってのよ!」
チルノ「た、対策だろ!? 分かってるって!」
メディ「分かってないわ、電話持ったら忘れるんでしょ?」
チルノ「あたいそこまでバカじゃないよ!」
メディ「今はあんたがバカなんて一言も言ってないでしょ!」
チルノ「なんだよ!」
メディ「何よ!」
チルノ、メディ「む~…!!」
ヤマメ「ありゃりゃ…こ~ら、喧嘩はダメだよ二人とも」
チルノ「だってメディが!」
メディ「だってチルノが!」
阿求「お互いに煽り煽っていては話は解決しませんよ、二人とも少し冷静になってください」
チルノ、メディ「! ……」
チルノ、メディ「……」
ヤマメ「チルノが覚えられなくて紫に伝えられなくても、隣でメディがこっそりと教えてあげる事だって出来るだろう? 助け合っていこうじゃないか、ね?」
メディ「! ……」
メディ「チルノ」
チルノ「!」
メディ「忘れたら…わ、忘れたって素直に言いなさいよ? それとさっきはごめん…ちょっと言い過ぎたわ」
チルノ「わ、分かったよ…! それと、うん…あ、あたいの方こそごめんな? あたいも言い過ぎた」
ヤマメ「! ふふっ…! じゃあ仲直りだ、ね?」
チルノ、メディ「! うん!」ニコッ
華扇、美鈴「…♪」ニコッ
阿求「ふふっ…」ニコッ
紫「仲直りするのって難しい様で簡単なのよねぇ♪ …あら、逆だったかしら? 私としては喧嘩の仲裁の前にババア呼びに関しての注意をしてもらいたかったんだけどもねぇ」
阿求「まぁそこは……って…!?」
紫「やぁ皆おはよう♪ グッモーニング!」
阿求、美鈴「紫さん!?」
ヤマメ「おや、管理人が飛んできたねぇ♪」
チルノ、メディ「ぬあっ!? ババア!!」
紫「朝からババアはつれぇからやめなさいよぉ! てかさっきまで喧嘩してたのに息ピッタリねこんにゃろう!」
華扇「あなたは…本当に突然現れますね」
紫「ゆかりんはサプライズ大好きだからね♪」
ヤマメ「いや、理由になってないから」
紫「そんなことは置いといて、あなたたちこれから釣りに行くんでしょ?」
チルノ「おう! それがどうした!」
メディ「何よ、なんか文句でもあんの?」
紫「むっ…!? な、なんて可愛いげの無いガキんちょ達…!」
阿求「相手は子供なんですから大人の対応をしてください、それでなんです? 釣りには行きますけど」
紫「! こほん…」
紫「昨日あなた達が夜寝ている間に家の外に倉庫を設置しておきました、その倉庫には色々と遊び道具がしまってあるわ、もちろん釣竿もね♪」
チルノ、メディ「!」
華扇「いつの間に…」
美鈴「気付きませんでしたね」
紫「それと…はいこれ」スッ
紫は小さなスキマを開き、中から麦わら帽子と本を一冊、虫除けのお香、クーラーボックスを取り出した
チルノ「お!」スッ
チルノ「にしし♪ どう?」
ヤマメ「おっ♪ チルノ麦わら帽子似合うねぇ♪」
メディ「! あ、私も」スッ
ヤマメ「ははっ、メディも似合うじゃないか♪」
紫「人数分あるわよ♪ あ、でも…」スッ
華扇、美鈴「…?」
紫「あなた達二人は似合わなそうよねぇ、麦わら帽子」
華扇「余計なことは言わなくて良いんです」
紫「えぇ~…あなたに言われたくないんですけど」
華扇「それもまた余計です!」
美鈴「あはは…」
阿求「お香か…下手な虫除けよりも効きますよね、これ」
阿求「…? この本は? 分厚いですね」
紫「お魚図鑑よ、あの川は本当に多種多様の魚が釣れるの、例えば毒を持っている魚も居るっちゃ居るわね、川の水面に特殊な加工が施してあって魚影しか見えなくしてあるの、何が釣れるかは釣ってみてのお楽しみね」
阿求「なるほど、私に読んで覚えなさいと?」
紫「一通り見れば忘れないのがあなたの能力でしょう?」
阿求「まぁ、良いですけど…」
華扇「! もしかして食べられる魚も…!」
紫「もちろんいるわよ? 運良く釣れれば食べられるわね、中には脂がのっててまるでお肉の様な食感のお魚もいるのよねぇ♪」
華扇「な、なんと…!? ぜ、是非とも食してみたいものですね」
紫(……昔から本当に食いしん坊ね、華扇)
チルノ「よーし! じゃああたい釣竿持ってくる!」
メディ「あ、私も!」
紫「はいストップ♪」スッ
チルノ「むっ! な、何すんだババア!」ジタバタ
メディ「は、離せババア! 毒使うぞ!」ジタバタ
紫「……ヤマメ、この子達に八雲のお姉さんとはなんたるかってのを教育をしてあげてくれないかしら」
ヤマメ「私が? ムリだよ~♪ 紫の事を説明するのに一ヶ月ぐらいは掛かるからねぇ」
紫「はぁ、謎多き乙女ゆかりん…一ヶ月でも語り尽くせないかもしれないわ」
華扇(…)
チルノ、メディ「離せぇババア!!」
紫「ババアやめろぉ! …まぁとにかく待ちなさいって、釣りに行く前にこのゆかりんとちょっとしたゲームをしない?」
美鈴「ゲーム、ですか?」
紫「そうよ♪」
ヤマメ、阿求、華扇(なんか凄い嫌な予感がする…)
チルノ、メディ「ゲ、ゲーム…!」
紫「やる?」
チルノ、メディ「やる!」
紫「良い返事ねぇ♪」
ヤマメ、阿求、華扇(!? も、もう後には引けない…!)
美鈴「何をするんですか?」
紫「簡単よ? まず…はい、あなたたちジャンケンしなさい」
六人「えっ…?」
紫「ほら、早く♪」
六人「…」
六人「最初はグー! ジャンケンポイ!」
阿求「…! あっ!?」グー
チルノ、メディ「! 勝ったー♪」パー
美鈴「あっ」パー
華扇「一回で決まりましたね」パー
ヤマメ「運が無かったねぇ♪」パー
紫「弱いわねぇ阿求、ストレート負けなんて出来るのね♪」
阿求「! な、何かの間違いです! 仕組んだんじゃないですか!?」
ヤマメ「そんなこと出来る時間無かったじゃないかい」
阿求「こ、この私がジャンケンで…!」
華扇「往生際が悪いですよ阿求、素直に負けを認めなさい」
阿求「くっ…!」
チルノ「あたいジャンケン最強なんだ♪」
メディ「あんた色んな最強持ってるわよね」
美鈴「確かにチルノさんジャンケン強いですよね」
阿求「はぁ…それで敗者の私に何をする気ですか?」
紫「んふふのふ♪ はいこれ!」スッ
阿求「ん?」
紫は正方形の大きな箱を両手に持って阿求達に見せ付ける、箱の上の部分には丸い穴が開いていて側面には『ゆかりんボックス』と大きな字で書かれている
紫「箱の中に手を入れて中にたくさん入ってる紙切れを一枚だけ選んで取り出しなさい♪」
阿求「なんですかこのくじ引きみたいな」スッ
紫「良いから良いから♪」
阿求「はいはい…」ガサゴソ
阿求「…」ガサゴソ
阿求「…! これで」スッ
折り畳まれた紙切れが出てきた
チルノ「紙だ」
メディ「紙切れね」
紫「ふふっ♪ 阿求、その紙切れ開いて書いてある文字を読み上げなさいな」
阿求「?」ピラッ
ヤマメ、華扇、美鈴、チルノ、メディ「…?」ソッ
阿求『にゃんこの気持ち』
阿求「……は?」
華扇、ヤマメ、チルノ、美鈴、メディ「んっ…?」
阿求「…紫さんこれなん」
紫「ゆかりんマジック!!」スッ
ピカッ!!
六人「うわっ!? 眩しっ!?」スッ
紫「魔法少女ゆかりんは逃げ出した! いやんっ♪」スッ
紫はスキマの中に消えて行った…
美鈴「うっ…! み、皆さん大丈夫ですか!?」
ヤマメ「あ、あぁ…しかしなんだったんだい?」
華扇「いきなり閃光を…何を考えているのですかまったく…!」
チルノ「う~…目がチカチカする~…」
メディ「ババア~! 何してくれてんのよー!」
阿求「あぁ…! ううん…」
美鈴「阿求さん、大丈夫ですか?」
阿求「にゃあっ…! ひ、光をモロにくらいましたにゃ、にゃにがゆかりんマジックですにゃ…! みゃったくもう!」
美鈴「……えっ!?」
阿求「? にゃんですか美鈴さん、そんにゃに驚いて」
華扇「…え?」
ヤマメ、メディ、チルノ「うん?」
阿求「…? にゃ、にゃんですにゃ? ……にゃ?」
阿求「……にゃ」
阿求「……」
阿求「私は稗田阿求ですにゃ」
阿求「……」
阿求「みゃっ…!?」
阿求「にゃああぁぁぁ!?」
ヤマメ「ぶふっ!? んはははははっ!」ゲラゲラ
華扇、美鈴「ははっ! はははっ…!」プルプル
阿求「にゃっ!? にゃんっ…!? にゃんですにゃこれは!? 喋るとにゃが勝手に出てくるにゃ!」
チルノ「お? 阿求なんでにゃんにゃん言ってんの?」
メディ「にゃんこの気持ち…あぁ、そう言うことね、あんた分かんないの? これはババアの仕業よ、阿求はババアににゃんこの魔法をかけられたんだわ」
チルノ「にゃ、にゃんこの魔法だと!?」
阿求「にゃんこの魔法!? ま、まさか!?」スッ
阿求はテーブルに置いてある手鏡を手に取る
阿求「良かったにゃ…! 顔に変化はないにゃ、尻尾も生えてないにゃ…! って良くないにゃ!!」
ヤマメ「んはははははっ!」ゲラゲラ
阿求「ヤマメさん笑いすぎですにゃ!」
ヤマメ「だ、だって…! くははっ…! かっ、可愛いじゃないかい…!」
阿求「にゃっ!?」
美鈴「ご、語尾が変わるだけで随分印象が違いますね…! ふふっ…!」
華扇「い、良いじゃないですか、にゃんこの気持ちを知る良い機会です、ふふっ…!」
阿求「今ですにゃ!? 今知る必要無いじゃないですにゃ!」
ヤマメ「あぁ『阿求にゃん』だねぇ」
チルノ「阿求にゃんか!」
メディ「可愛いわね♪ 阿求にゃん♪」
阿求「やめてくださいにゃ!!」
ホワンホワン
【そして現在、ゆかりんハウス近くの川、12:30】
阿求「にゃああ…! あそこでジャンケンに負けていにゃければこんにゃ事には…!」
華扇「勝負も運、あのときの阿求には運が無かったのでしょう」
阿求「他人事だと思ってませんかにゃ?」
華扇「いいえ?」
阿求「悪意を感じますにゃ!」
ヤマメ「あたしゃ可愛いと思うけどねぇ♪ 阿求にゃん」
チルノ「あたいも!」
メディ「うん、可愛いよ阿求」
阿求「…/// い、良いですにゃ!? 幻想郷に帰っても私がにゃんこににゃってたにゃんて口が避けても言わにゃいでくださいにゃ! 魔理沙さんと小鈴には特にですにゃ!」
ヤマメ、チルノ、メディ「はーい!」
華扇「ふふっ…」
美鈴「ふっ…! ! お、来た!」スッ
バシャッ!
美鈴「釣れました♪」
チルノ「はやっ!」
ヤマメ「美鈴釣り得意なんだねぇ♪」
美鈴「えぇ、まあ」
華扇「嗜んだ経験が?」
美鈴「館の近くにある霧の湖にお嬢様達と出掛けた時に釣りをするときがあるんです、私より咲夜さんとこあさんの方が得意なんですよ♪」
チルノ「あたいの家の近くだな」
美鈴「そうですね」
ヤマメ「へぇ、メイドさんはともかくあの小悪魔さんも得意なんだねぇ♪」
メディ「ねぇ阿求、コイツは?」
阿求「これは…キスですにゃ」
チルノ「? チューか?」
メディ「そっちのキスじゃないわよ」
ヤマメ「キスねぇ…私の友達にそっくりな名前だね」
華扇「それはキスメですよね」
阿求「ちにゃみにヤマメ、という魚も存在している様ですにゃ」
ヤマメ「えっ!? そ、そうなのかい!?」
阿求「にゃ」
ヤマメ「ほぇ~、それはそれは…是非とも拝んでみたいもんだねぇ♪」
チルノ「や、ヤマメは魚だったのか…!」
メディ「蜘蛛だって分かってて言ってるのよね? そうじゃなかったらあんたバカ」
チルノ「あたいはバカじゃないぞ!」
美鈴「あはは…」
ヤマメ「そういや釣りで思い出したんだけどさ」
華扇「なんです?」
ヤマメ「私とキスメと、妖怪の山の天狗の……ほたて?」
華扇「…? はたて…姫海棠はたてですね」
ヤマメ「あぁ、そうそうそいつそいつ」
ヤマメ「んー、あれはなんだったのかなぁ」
美鈴「何がです?」
ヤマメ「ちょっと前に私たち三人揃ってあんたんとこのメイドさんに釣られたの」
美鈴、華扇「……はい?」
ヤマメ「いや比喩じゃなくてさ、本当に釣られたんだよ物理的にさ」
ヤマメ「釣られてデカイバケツに放り込まれて『この後何されるんだろう』って思ってたね」
華扇、美鈴「えぇ…」
阿求「それ狩られた…の間違いではにゃいですかにゃ?」
ヤマメ「かもね、まぁ何かされる前に偶然通り掛かってくれた竹林の狼女に助けてもらったんだけどさ」
阿求「今泉影狼さんですにゃ」
ヤマメ「そうそう、まぁ…でさぁ、本人居ないから美鈴、あんたに聞くけどさ」
ヤマメ「あんたんとこのメイドさんはたまに変なことやるときがあるのかい? 普段こういうことやらないだろう?」
美鈴「いや…えぇ…それは…」
ヤマメ「あんたでも分からないのかい?」
美鈴「咲夜さんもたまに、本当にたま~になんですけど変なことをするときがありますかねぇ…」
阿求「…例えば?」
美鈴「……すいません、私の口からはちょっと」
阿求「たまに謎ですにゃ、咲夜さん」
ヤマメ「何で私達はあの時釣られたのだろう」
華扇(幻想郷に住んでいると人間はたまに常識を逸脱してしまう事がある…東風谷早苗が言っていた様な…)
チルノ「咲夜は手品が得意だからな!」
メディ「それ謎関係ないわよね」
【美鈴の嫌いな生き物】
時刻は14:00を回り、昼食のサンドウィッチを食べてお腹を満たした六人は釣りを再開していた
華扇「よっ…!」スッ
ザバァ!
チルノ「うおっ、華扇また釣った!」
華扇「やりました♪」
ヤマメ「入れ食いじゃないか、華扇のところだけ釣れるのかもね」
華扇「人二人分しか離れていないのにそんなことあるわけないじゃないですか」
ヤマメ「むぅ…おかしいねぇ、私の釣り方が悪いのか?」
華扇「さぁどうでしょう♪ おやまた新種…阿求、この魚は食べられますか? 美味しいですか?」
阿求「名前より先に味と食べられるかどうか聞くのはどうかと思いますにゃ」
華扇「大事な事ではないですか、美味しい魚は幻想郷では食べて味わう事が困難なのですからね」
阿求「…図鑑によると食べられるみたいですにゃ、名前はオニオコゼ、あぁ気を付けてくださいにゃ、背鰭に毒があるですにゃ、因みに高級魚らしいですにゃ」
華扇、メディ「!」
ヤマメ「へぇ、毒持ちなのか」
美鈴「食べられる…? 背鰭取っちゃえば良いのかな?」
チルノ「うわぁ、すげぇ顔してるなぁ」
メディ「あんたも毒持ってるのね♪ どれどれ…」スッ
美鈴「えっ…触っちゃって大丈夫なんですか?」
阿求「メディさんなら大丈夫ですにゃ、毒を操れるんですからにゃ」
ヤマメ「あっ、そうだよ~♪ 毒持ちの魚はメディに毒を抜いてもらえば良いのさ」
阿求「良い考えですにゃ、メディさんお願い出来ますにゃ?」
メディ「えっ? うん良いよ♪ んー? あんたあまり毒強く無いわねぇ」
阿求「一応刺されると激しい痛みに襲われるらしいんですけどにゃ」
メディ「こんなので? 弱っちいわね」
華扇「高級魚ですか、なるほどなるほど♪」
阿求「スゴく嬉しそうですにゃ」
華扇「えぇ、それはもう♪」
阿求(食べる事しか頭に無いのかにゃ)
華扇「……」
華扇(オニオコゼ、か…偶然にしては)
華扇(考え過ぎですね、やめておきましょう)
美鈴「はっ!」スッ
ザバァン!
チルノ「次はめーりんかよぉ…」
メディ「あんたまだ三匹だもんね」
美鈴「ふふっ、釣れましってうわぁ!」ビクッ
プチン
チルノ、メディ「あっ!?」
ポチャン!
メディ「め、美鈴! 何してんのよ!」
チルノ「逃げられちゃったぞ! めーりん!」
ヤマメ「ありゃ、私の糸切れちまったよ」
阿求「気にするところそこですにゃ? ヤマメさん」
華扇「どうしたのです美鈴、急に驚いたりして」
美鈴「い、いやぁ…その…い、今釣れた魚なんですけど…」
阿求「? 確か…ナマズですにゃ?」
美鈴「はい、ナマズ…ですね」
チルノ、メディ「ナ~マズ~♪」
美鈴「最悪です…」
ヤマメ「えっ、なにかい? ナマズ苦手なのかい?」
美鈴「じ、実は…はい」
阿求「にゃにゃ、意外ですにゃ~」
華扇「幻想郷ではナマズなど珍しくないではないですか」
美鈴「そうなんですけどね…」
ヤマメ「食べられないとか? 舌に合わないとかなのかい?」
美鈴「それもあるんですけど…その…少し前の話になるんですが、ナマズの夢を見たことがありまして」
阿求、華扇、ヤマメ、チルノ、メディ「夢?」
美鈴「その夢が私にとってはとてつもない悪夢だったんです、人の十倍ぐらいある大きなナマズと死闘を繰り広げる夢だったんですけど、私がスペルカードや格闘技を何発も何発もおみまいしても傷一つ付けられなくて…」
華扇、阿求(大きなナマズ…?)
チルノ「めーりんが傷一つ付けられない? 中々強そうじゃん♪」
メディ「何であんた嬉しそうなのよ」
チルノ「強いヤツと戦いたいからな!」
ヤマメ「あはは、そいで?」
美鈴「それでも何とか勝とうと思ったので頑張って戦っていたんですけど、最終的に力尽きてしまいまして…疲労困憊している私にトドメを差す様にナマズが空高く飛び上がって、私が押し潰されそうになる寸前で目が覚めました」
ヤマメ「それはそれは、悪夢かもしれないねぇ」
美鈴「悪夢でしたよホント…それ以来ナマズ嫌いになりましたからね」
阿求「他の人より睡眠時間が多く、いつも幸せそうな表情で寝ている美鈴さんでも悪夢って見るんですにゃ」
美鈴「普段悪夢なんて全然見ないんですけどね」
華扇「まさかとは思いますが、その夢は門の前で立ち寝…お仕事をしている最中に見たとか言わないですよね?」
美鈴「うっ…!」グサッ
阿求「図星みたいですにゃ」
華扇「それは見て当然の悪夢と言うものです! お仕事中に眠るなど言語道断です! こうは考えられませんか!? きっとあなたが仕事をキチンとこなしてくれるようにと誰かが故意に見せた悪夢の可能性だってあるのですよ!? その気持ちを理解し、今後はその悪夢を見ない様、敢然と業務に当たるべきです!」
美鈴「ご、ごめんなさーい!」
ヤマメ「ま~たお説教かい」ヒソヒソ
阿求「昨日美鈴さんの『我慢強さを見習いたい』だとか『あなたは優しい心の持ち主』だとか言ってたですにゃ、それにゃのにお説教…」ヒソヒソ
華扇「それとこれとは話が別です!!」クワッ
阿求、ヤマメ「聞こえてたー!?」
チルノ「めーりんが勝てなかったヤツかぁ…! あたいも戦ってみたいなぁ♪」
メディ「美鈴は武術の達人? とか言うやつなんでしょ? 美鈴が倒せなかったのにあんたに倒せるかしらね」
チルノ「そんなもんやってみなくちゃわからないだろう?」
阿求「にゃ~、能力の相性と言うものがありますからにゃ、チルノさんが戦ったら勝ってたかもしれないですにゃ」
チルノ「! ホントか!?」
阿求「ナマズは寒さに弱いですからにゃ」
チルノ「おぉ~! ほらぁ!」
メディ「いや、ほらぁって言われても…」
ヤマメ「でもそいつは美鈴が見た悪夢なんだろう? 実際に居る訳じゃないんじゃないのかい?」
華扇「いえ…確か人の十倍ぐらいの大きさのナマズ、伝説の大ナマズ様なら存在している可能性がありますね」
チルノ、メディ、ヤマメ「伝説の大ナマズ?」
阿求「かつて天人が使役していたと言われる地震を起こす神様ですにゃ」
チルノ「神様なのかそーなのかー! うんうん、ますます戦いたくなってきたぞ!」
メディ「どんだけ戦いたいのよ」
ヤマメ「伝説か、なら…」
阿求「存在しているかは華扇さんも言った通り定かではにゃいですにゃ、ただ神様にゃので霊夢さんや守矢の三神に聞いてみれば存在が分かるかもですにゃ」
チルノ「帰ったら霊夢に聞きに行こうかな♪」
美鈴「やめた方が良いと思いますよ? ナマズですよナマズ…」
ヤマメ「本当に嫌いになっちまったんだね」
美鈴「もう見るのも嫌ですもん…」
華扇「またお仕事中にうたた寝していると悪夢となって出てくるかもしれませんよ?」
美鈴「そういうこと言わないでくださいよぉ!」
チルノ「なんかこう…大物みたいなヤツ、ヌシみたいなのをドカッと釣りたいなぁ」
メディ「そんなヤツ居るのかしら」
ヤマメ「ふっ…大ナマズが釣れたりして」
美鈴「しゃ、シャレになりませんよ!」
阿求「釣ってからのお楽しみですからね、大きい魚が目で視認出来ないから狙えないんですよね、魚影しか見えませんし」
華扇「大きさの話をしたら私の釣った黒鯛とかいう魚が一番ですかね」
阿求「ふっ…自慢ですか? 華扇さん」
華扇「そんなつもりはありませんよ」
阿求「華扇さん高級魚ばっかり釣ってませんか?」
華扇「私の『美味しいお魚よ! 来い!』という気持ちが高級魚を引き寄せるのでしょうね」
阿求「普通気持ちで魚釣りなんてしませんって」
ヤマメ「気持ちで釣れりゃあ世話ないもんねぇ…? ありゃ? 阿求、あんた直ってないかい?」
阿求「へっ? 何がです?」
ヤマメ「にゃんこだよにゃんこ」
阿求「!」
阿求「……わ、私は稗田阿求です!」
阿求「! おっ! おぉ~!」
阿求「やった~♪ 直りましたよ!」
ヤマメ「……あぁみんな、阿求にゃんが居なくなっちまったよ」
メディ、チルノ「え~…」ゲンナリ
阿求「えっ…? えっ!?」
メディ「可愛かったのになぁ、阿求にゃん」
チルノ「また会えるかな…阿求にゃん」
ヤマメ「わからないよ…でもこれだけは言えるよ」
ヤマメ「阿求にゃんはいつでも私達の側にいる…いつでも側にいて、私達を見守ってくれてるのさ」
メディ、チルノ「阿求にゃん…!」
阿求「……」
ヤマメ、チルノ、メディ「…チラッ♪」
阿求「『チラッ♪』じゃないですよ! なんなんですか!? その小芝居は!」
ヤマメ「なんだい、やってくれると思ったのに…」
チルノ、メディ「ぶー!」
阿求「振られてもやりませんよ!? 私はボケ担当じゃないんですからね!」
美鈴「あはは、でも阿求さん語尾に『にゃ』が付くのに段々と抵抗無くなってましたよね?」
阿求「あれは慣れただけです!」
華扇「慣れたのなら自発的に行う事も可能ですよね?」
阿求「やりませんよ!? ゼッタイにやりませんからね!」
ヤマメ「あ、これやってくれるヤツだねぇ♪」
阿求「しつこいですよ!」ピクッ
ジャボン!
阿求「っ!? なっ…!!」
ググッ!
チルノ「うわっ! 阿求!」
阿求「えっちょっ…! くぅ…!」ググッ
メディ「凄い竿がしなってるわ!」
華扇「もしかして大物!?」
ヤマメ「かもしれないね!」
阿求「うっわっ…! 重いっ…!」ググッ
阿求「! きゃっ!」グラッ
美鈴「! 阿求さん!」スッ
川に引きずり込まれそうになった阿求を美鈴は後ろから抱き止める
美鈴「大丈夫ですか阿求さん!」
阿求「あ、ありがとうございます…!」
美鈴「! これは…! かなりの大物の様ですね…!」
バシャバシャバシャ!
チルノ「スッゲェ水跳ねてる!」
ヤマメ「! みんな、阿求に助太刀するんだ!」
チルノ「おう!」スッ
メディ「うん!」スッ
華扇「えぇ!」スッ
ヤマメたちは阿求の後ろに回って、体をしっかり抱き止める
美鈴「! 阿求さん、危ないですから絶対に竿を離さないでくださいね!」
阿求「分かってっ…! ますよぉ…!」ググッ
美鈴「皆さん! いっせーのーせで引きますよ!」
華扇、ヤマメ、メディ、チルノ「了解!!」
美鈴「行きますよー! いっせーのー…!」
六人「せっ!!」ググッ
ザッバアァァァン!!
と音を立て、釣り上げられた巨大魚は阿求たちの真上を通り過ぎていく
チルノ「!! うっひょー!! スッゲェー♪」キラキラ
阿求「これは…!」
ヤマメ、メディ「でっかい…!」
華扇「なんという…」
美鈴「大物ですね♪」
ビチビチ! ビチビチ!
華扇「よかった…! 草原の方に落ちてくれましたね」
チルノ「うおぉぉぉ♪ デッケェ! カッコいい!」キラキラ
メディ「あんたまたそれ…でもカッコいいのは認めるわ、このツノが良いわね♪」
チルノ「おぉ! 分かってるなメディ!」
メディ「もちろんよ♪」
ヤマメ「凄いじゃないか阿求、こんな大物釣っちゃうなんてさ♪」
華扇「大手柄ですね、阿求」
美鈴「やりましたね阿求さん!」
阿求「! ふふっ、私一人の力じゃ無理でしたよ、皆さんが力を貸してくれたからこそ、釣り上げることが出来たんです」
阿求「助かりましたよ、ありがとう皆さん♪」
華扇、ヤマメ、美鈴「! …♪」ニコッ
チルノ「なぁなぁ阿求! コイツ名前なんて言うんだ?」
阿求「! ふふっ、これはカジキですね」
チルノ「カジキか! このツノカッコいいなぁ! 剣みたいだ♪」
阿求「味も美味しいみたいですよ、特に歯応えがあってお肉みたいな食感だとか」
華扇「なんと! それは是非とも食してみたいですね♪」
ヤマメ「そうだね♪ あっ…ねぇ、大物も釣った事だしさ、そろそろ帰らないかい?」
美鈴「そうですね、陽も落ちてきてますし」
華扇「この大きさでは八雲紫から貰ったクーラーボックスとやらにも入りませんしね」
阿求「そうしましょうか、チルノさん、メディさん、帰りましょう」
メディ「分かったわ」
チルノ「うん分かった、あっ! ちょっと待って、メディ」
メディ「何?」
チルノ「どっちが多く釣ったかだよ」
メディ「あぁ…ふふん♪ 私は五匹よ♪」
チルノ「あたいは……うっ…! よ、四匹…」
メディ「やったわ♪ 私の勝ちね♪」
チルノ「く、くっそ~…」
メディ「…ふふん、チルノ」
チルノ「!」
メディ「今回は私の勝ちよ、今度また勝負しましょ♪」
チルノ「! おう!」
華扇、ヤマメ、美鈴、阿求「ふふっ…♪」
チルノ「よーし、うんじゃ帰ろう♪」
メディ、阿求、華扇、ヤマメ、美鈴「おー♪」
阿求「あっ…! このカジキどうやって持って帰りましょうか」
美鈴「ん~……! ヤマメさん、糸でグルグル巻きにしてもらえますか?」
ヤマメ「ん? あぁ、持ちやすい様にだね、はいよ~♪」
華扇「ふふっ…♪ あぁ、楽しみですね♪」
阿求「…食べるのが?」
華扇「もちろんです」
阿求「……そうですか」
【マヨヒガ、副音声のお二人】
藍『カジキって…川に居てはいけない魚じゃないですか?』
紫『ゆかりんの川、略してゆかリバーに淡水とか海水の概念無いわぁ♪』
藍『しかもあの川の狭さに対してカジキの大きさがつり合って無いじゃないですか』
紫『ブチブチうっさいわねぇ、良いじゃないそんなこと、阿求たちは楽しんでくれたんだからさ』
藍『まぁそうなんですけども…』
紫『でもまさかカジキを釣るとは思ってなかったわ、あれ確率低めに設定してあるレア魚なのにねぇ♪』
藍『えっ? なんですかそれ、他にもレアな魚がいるんですか?』
紫『いるわよぉ♪』
藍『因みに何が釣れるんです?』
紫『んー、いっぱいいるけど二匹だけ教えてあげるわ』
藍『はい』
紫『…』
藍『…』
紫『ホオジロザメ』
藍『サメもいるんですか!?』
紫『ジンベエザメもいるよ♪』
藍『うそぉ!!?』
【ゆかりんハウス、16:00】
華扇たちは川からゆかりんハウスに戻って来ていた、各々、夕食までゆっくりと時間を過ごす事になった。
華扇と美鈴は夕食の準備
阿求は紫に頼んで持って来させた文々。新聞を読み
メディとチルノはガーデニング
ヤマメは衣服の整理をしていた
そして何故か紫が居て、スキマから両手と顔だけ出して華扇と美鈴と何やら話をしている
紫「分かった?」
華扇「えぇ、分かりました」
美鈴「色々な調理法があるんですね、魚って」
紫「そうよぉ、あなたは知ってると思ってたけど」
美鈴「魚は専門外でして、紅魔館では咲夜さん頼みなんです」
華扇「ムニエル…塩焼き…お刺身…炙り…どれも美味しそうです♪」
紫「カジキは切り分けたからもう保存は大丈夫でしょう、後は冷蔵庫に突っ込んでおきなさい、無理して全部食べなくて良いんだからね」
華扇「分かってますよ」
紫「んじゃ私帰るから」
美鈴「調理法とか色々ありがとうございました」
華扇「さようなら」
紫「さような…あ、待った、まださようなら出来ないわ」
美鈴、華扇「え?」
紫「お魚♪ 分けてくれない?」
華扇「……」
紫「良いじゃない、いっぱいあるんだからお裾分けしてよぉ♪ 私も夜は魚でご飯食べたいの♪」
華扇「普通そういうのは管理人さんがお裾分けしてくるものではないのですか?」
紫「調理法教えたじゃない♪」
華扇「…まぁ良いでしょう」
紫「やった♪ いなり寿司回避だわ♪」
華扇、美鈴「いなり…?」
紫「! な、何でもない! 貰ったら帰るからね♪」
阿求「ふむ……えっ『異変の兆候あり』ですって? う~んこれが本当ならまた幻想郷に住人が増えますねぇ」
阿求「今度はどなたが異変を起こすのやら、元々の幻想郷住人かそれとも異世界からの来訪者か…何にしても、私のお仕事は増えるんですよね」
阿求「他には…あぁそうでしたね、そろそろ幻想郷会議の時期か、今度は何処が会場になるんでしょうか」
阿求「……文さんこの『今日のワンワン』の記事作る意味あります? 椛さんの隠し撮り載せてるだけじゃないですか、訴えられたら負けますよこれ」
阿求「…? あ、幽谷響子さんも載ってる、こっちに笑顔向けてるからこれは隠し撮りじゃないんですね、可愛いじゃないですか」
阿求「……人里に設置予定の施設…? なんですこれ? 慧音さんこれ知ってるのかな?」
阿求「……ふぅ、文さんもはたてさんに触発されて良い新聞書くようになりましたねぇ、永琳さんに学級新聞呼ばわりされてた文々。新聞はもう無いんですね」スッ
阿求「ズズッ…! ふぅ…このアイスコーヒー美味しいです♪」
チルノ「ふぅ、終わった~」
メディ「お疲れチルノ、あんた意外に手際が良いじゃない♪」
チルノ「そりゃあいつも大ちゃんに『自然は大切にしなきゃダメだよ?』って言われてるからな」
メディ「そこは最強とか言わないのね…」
チルノ「? 阿求、何飲んでるんだ?」
阿求「コーヒーですよ」
チルノ「お、ルナがいつも飲んでるコーヒーか」
阿求「ルナチャイルドさんもコーヒー嗜むんですよね、砂糖とか入れて飲んでるんでしょうか」
チルノ「砂糖ならシュガーの作る砂糖が最強なんだよな」
阿求「確かにシュガーさんの作る砂糖は独特の深い甘味がありますよね、どうやって作っているのやら…」
メディ「シュガー?」
チルノ「妖精仲間なんだ、シュガーサテラっていうのさ」
メディ「ふーん」
阿求「……チルノさん、私の飲み掛けですけどコーヒー飲みます?」
チルノ「うん、砂糖入ってる?」
阿求「いいえ?」
チルノ「!? み、ミルクは?」
阿求「いいえ?」
チルノ「なっ…!? なにぃ!? お、大人のブラックだとぉ!?」ガビーン
メディ「大人のブラック?」
阿求「砂糖もミルクも入ってないコーヒーのことですよ、チルノさん飲めないんですか?」
チルノ「飲めるわけないだろう!? そんなにがにがしたもの飲めるのなんてリリー・ブラックぐらいだよ!」
メディ「ブラックもコーヒー飲むのね」
阿求「おやぁ? 最強なのに飲めないんですかぁ?」ニヤリ
チルノ「さ、最強でも引き際を弁えなければならない時もあるって魔理沙が言ってたからな!」
阿求「難しい言葉を…魔理沙さんの影響受けすぎな気がしますねぇ本当に」
メディ「…阿求、それ飲んでみて良い?」
阿求「! 良いですよ、はいどうぞ♪」
メディ「ん」
チルノ「や、やめるんだメディ! ベロがババアみたいになるぞ!?」
メディ「どういうことなのよ…まぁいいわ、いただきま~す♪」スッ
メディ「ズズッ…」
チルノ「飲んだ~!?」
メディ「……!? ゲホッゲホッ! うっえぇ…! まっずぅ~…!!」ベー
阿求「まぁ! 失礼しちゃいますねぇこんなに美味しいのに、ズズッ…」
メディ「よ、良く飲めるわね阿求…!」
阿求「まぁ私は大人ですからねぇ♪ ふっふっふ♪」
メディ「わ、私だってお、大人よ…!」
チルノ「あたいは最強だから大人とか子供とか関係ないもん…!」
メディ「さっきあんた大人のブラックとか言ってたじゃないのよ…」
阿求「ふふっ♪」
トットットッ!
ヤマメ「ふぃ~…やっと終わったよ~♪」
阿求「あ、洗濯物とかたたんでくれてありがとうございます、ヤマメさん」
ヤマメ「良いよ~♪ こういうことぐらいしか出来ないからねぇ」
阿求「…あれ? そういえば何で一階でしなかったんですか?」
ヤマメ「あぁほら、一階でやったら料理してる時の匂いとか付いちゃいそうでさ」
阿求「ヤマメさんは周囲に目を配るのが上手ですね、空気も読めますし」
ヤマメ「あははっ、そんなに褒めるな褒めるな~♪」
阿求「ふふっ、あ、そうだ、ヤマメさんもコーヒー飲みます?」
ヤマメ「コーヒー? コーヒーなんてあるのかい?」
阿求「はい、さっき棚の中漁ってたら出てきたんです」
ヤマメ「ほ~、何処かで聞いたけどコーヒーって飲んだことないんだよね、だから飲んでみたいねぇ♪」
阿求「では、今いれてきますね♪」スッ
ヤマメ「はいよ~♪」
チルノ、メディ「や、ヤマメぇ~…」
ヤマメ「うん?」
チルノ「ブラックはやめた方が良いぞ…!」
メディ「砂糖入れるべきよ…!」
ヤマメ「へ? 砂糖?」
阿求「ヤマメさんは大人ですからね、ブラックでも飲めると思いますよ、はいどうぞ♪」
阿求はコーヒーの入ったマグカップをヤマメに手渡し、華扇と美鈴の方へ向かう
ヤマメ「ありがとさん♪ ほ~…これがコーヒーか、真っ黒でチョコみたいだねぇ♪」
ヤマメ(…んっ!? な、なんか匂いがキツい…なんだいこりゃ)
ヤマメ(酒でも度数濃いと匂いがキツい物とかあるからねぇ…でもこれは阿求も飲んでたし、酒って訳でもないしねぇ、どんな味がするのやら)
ヤマメ「ズズッ…」
チルノ、メディ「! ブラックが飲まれたぁ…!」
メディ「や、ヤマメ…! どう? 飲める?」
ヤマメ「ん~…」
ヤマメ「……! お~…! に、苦いねこりゃ、なんか頭がクラクラす…」
チルノ、メディ「……?」
ヤマメ「……」
チルノ、メディ「ん?」
チルノ「ヤマメ?」
メディ「どうしたのヤマメ?」
ヤマメ「……っ!」フラッ
チルノ、メディ「!!」
阿求「あれ? 紫さん帰ったんですか?」
華扇「えぇ、調理法とお裾分けの催促をしたあと帰って行きました」
美鈴「結構簡単なんですね、お魚を捌くのって」
阿求「はぁ、それはあなたたちが料理上手だからそういうことが言え」
パリーン!!
華扇、美鈴、阿求「!?」
チルノ「うわっ! や、ヤマメ!?」
メディ「どうしたのよヤマメ!」
ヤマメ「ふぁ……」ヘタッ
チルノ「お、重いぞヤマメ~! どうして倒れてくるんだよ~!」ググッ
華扇「ど、どうしたのです!?」
メディ「ヤマメが急にフラフラしちゃって倒れ混んできたの!」
チルノ「お、重いぞ~!」
美鈴「よっ…! 大丈夫ですかヤマメさん!」
ヤマメ「ぅ……」ポケー
美鈴(! 目が虚ろで焦点が合ってない…これは…?)
ヤマメ「んっ……」ポケー
阿求「ヤマメさん、どうしたんですか!? 何が…」
華扇「原因は分かりませんが、取り敢えずヤマメを安静な場所に、そちらの和室に寝かせましょう」
美鈴「えぇ、よっと…」スッ
美鈴はヤマメを抱き抱えて和室に寝かせる
ヤマメ「んぅ~……」ポケー
チルノ「な、なぁなぁ! ヤマメどうしちゃったんだ!?」
メディ「ヤマメ大丈夫なの?」
華扇「……顔が赤く、目が虚ろで焦点が合っていない」スッ
華扇「……熱は無い様ですね、それにこれは熱中症でもない…これは一体…」
阿求「コーヒーを渡す前はあんなに元気だったのにどうして突然…」
メディ「あっ! そうなのよ! ヤマメがコーヒーを飲んだとたん突然倒れてきたのよ!」
チルノ「う、うん! そうだそうだ!」
美鈴「コーヒーですか? …いや、でもコーヒーで」
華扇「…」スッ
阿求「華扇さん、何処へ?」
華扇「八雲紫に聞きます、対処方や処置が分からない以上、私達が答えの出ない問答を繰り返している間にもヤマメは苦しんでしまいます、彼女ならヤマメが倒れた理由を知っているでしょうからね」
美鈴「…! お願いします、華扇さん」
華扇「はい」スッ
【妖怪だって土蜘蛛】
紫「コーヒーが原因よ」
チルノ、メディ、華扇、阿求、美鈴「えぇっ!?」
ヤマメ「ぅ~……」ポケー
阿求「こ、コーヒーですか!?」
チルノ「な、何でだよ! あたいコーヒー飲んでもこんなにならないぞ!」
メディ「私もよ!」
紫「そりゃあそうよ、あなたたちとは種族が違うんだから…そこは私も気を配るべきだったわね、ヤマメにコーヒーはダメよねぇ…」
阿求「ヤマメさんは妖怪じゃないですか、種族の違いなんて…」
紫「……あなたならヤマメがこうなった原因が分かる思ってたんだけどまだまだねぇ」
阿求「…?」
紫「良いかしら? ヤマメは妖怪で土蜘蛛…つまりは蜘蛛でもあるということ」
紫「妖怪と蜘蛛が合わさった様な存在なのよ? 比較的暑さに強い蜘蛛が夏の日差しを嫌い、チルノに抱き着いていたのはそのためね」
紫「そして今ヤマメが倒れてしまった原因、蜘蛛の弱点の一つ、カフェインが今回の事件の犯人よ」
メディ、チルノ「かふぇいん?」
紫「…それよ、それ」スッ
紫は割れて床に落ちてしまったマグカップの残骸を指差す
阿求「コーヒー…ですか?」
紫「そう、コーヒーにはカフェインという成分が入っているの、カフェインを摂取すると眠気覚ましだとかそういう効果が得られるの、普通の妖怪や人間ならね」
紫「でも蜘蛛にカフェインを摂取させると頭の脳の中枢神経…いえ、難しい事を言うのはやめておきましょうか、まぁ手っ取り早く言うと」
紫「蜘蛛にカフェインを摂取させると酔っ払った状態になるの、泥酔に近いのかしらね」
華扇、チルノ、メディ、阿求、美鈴「!!」
チルノ、メディ「よ、酔っ払う!?」
華扇「なるほど…だから顔が赤く、目が虚ろに…」
紫「そういうこと、ヤマメはお酒に強いからこんな状態になることなんてそうそうない事…でもカフェインだけは別よ」
紫「ヤマメは甘いものが好きでチョコレートとかも良く食べるわ、チョコにもカフェインが微量に含まれているけど微量だからここまではならないわね」
紫「砂糖もミルクも何も入れてないカフェインたっぷりのブラックコーヒーを飲ませない限りは」
阿求「…!」
美鈴「ヤマメさんをどうすれば…」
紫「酔っ払ってるのに近い状態だから無理をさせない事、静かなところで安静にさせておくことぐらいしか出来ないわね、特効薬なんてないし…酔っ払いと違うところは本人の意識がはっきりしてくる時間が速いこと、眠くならないことね、後は同じよ」
華扇「…今日一日は絶対安静ですね」
紫「そうさせた方が良いわね、本人はものすごく頭がクラクラしてて気持ち悪いだろうから」
華扇、美鈴、チルノ、メディ、阿求「……」
紫「それじゃ、後はあなたたちで…」スッ
チルノ「! バ、ババア」
紫「?」
チルノ「あ、ありがとな…」
紫「……私にお礼するよりも友達のことを気に掛けてあげなさいな」ニコッ
ギュオン…!
華扇、阿求、美鈴、チルノ、メディ「…」
ヤマメ「んぅ……」
華扇「酔っている状態と同じならこのまま寝かせておき、介抱するのが一番です」
チルノ「うん…でも…」
美鈴「それが私達に出来る最善の方法です、チルノさん、早くヤマメさんを助けてあげたいという気持ちは私たちも同じです、ですが焦ってヤマメさんを助けようとするとこの状態が悪化してしまう可能性があります」
チルノ「……」
メディ「…チルノ」
チルノ「うん…分かった…! 分かったよ華扇、美鈴」
チルノ「あたい、今日はヤマメの側にずっといて介抱するよ」
メディ「…あんただけじゃ心配だわ」
チルノ「!」
メディ「私も一緒にいてあげるわよ、チルノ」
チルノ「! ありがと、メディ…!」
阿求「…」
ヤマメ「……」
阿求「私のせい…ですよね」
華扇「阿求、それは違います」
阿求「違く無いですよ…! 私がヤマメさんにコーヒーを飲むかどうか聞いたから…! 私が、ヤマメさんに何も知らずにコーヒーを出したから…!」
阿求「私が…私がヤマメさんをこんな風に…」
美鈴「阿求さん、あなたはヤマメさんがコーヒーを飲んだらこうなると知らなかったから…」
阿求「紫さんも言ってたじゃないですか…私ならヤマメさんがこうなった原因が分かると思ってたって」
阿求「何がっ…! 幻想郷の記録係ですかっ…! 私は…!」
ヤマメ「あんたの……せいじゃないよ」
阿求、華扇、美鈴「!」
チルノ、メディ「ヤマメ…!」
ヤマメ「なんだい…みんなして辛気臭い顔してさ…♪」
チルノ「ヤマメ、大丈夫か?」
メディ「大丈夫ヤマメ!」
ヤマメ「あっはは…大丈夫…ではないねぇ…♪ 頭がクラクラするよ…でも横になってれば喋るぐらいは出来そうだ」
ヤマメ「まさかコーヒー如きにこの私がやられるとはねぇ…正確にはカフェインってやつだったっけ…? 紫が言ってたけどさ…」
阿求「ヤマメさん…私は…」
ヤマメ「知らなかったんだろう…?」
阿求「!」
ヤマメ「私も…あんたも…お互いに私がコーヒーを飲んだらこうなるって知らなかった…それだけで理由は充分じゃないかい…誰もあんたを責めたり出来ないし、しないさ」
ヤマメ「それに私の自業自得なところもあるしねぇ…しょうがないしょうがない…♪ あ、ほら…♪ あんたの本に私の弱点コーヒーって書けるよ…? あっはははっ…♪」
阿求「…」
ヤマメ「知らなかった…それに心配してくれるその気持ちだけで充分さ、あんたが悩む必要なんてないんだよ…?」
阿求「……」
阿求「私も…」
ヤマメ「…?」
阿求「私も今日はヤマメさんのずっと側にいて介抱します、これが私に出来る精一杯の償いです」
ヤマメ「…あんたは何も悪くは…」
阿求「ヤマメさんが許してくれても、私が私自身に納得出来ないんです、介抱させてくださいヤマメさん」
ヤマメ「ん、ん~…?」
華扇「人の厚意は素直に受け取っておくものですよ、ヤマメ」
ヤマメ「で、でもさ…」
華扇「あなたは仮にも病人の立場なのです、今あなたがすることは」
阿求「ちょっと! 病人のヤマメさんにまでお説教するつもりなんですか!?」
華扇「そんなことするわけがないではないですか! 私は一応病人のヤマメに看病されることのなん足るかをですね…!」
美鈴「あの…お二人とも静かにしましょう?」
阿求、華扇「!」
ヤマメ「…騒がしいのは嫌いじゃないけど今はやめてほしいかな、あはは…」
華扇、阿求「ご、ごめんなさい…」
ヤマメ「ふふっ…♪」
ヤマメ(まぁいつもの光景見ている方が元気出るのは確かなんだよねぇ、湿っぽいのは嫌だし)
チルノ「ヤマメ、あたいがついてるからな! 泥船に乗ったつもりでいてくれよな!」
メディ「おバカ! 泥船じゃ沈んじゃうでしょ! 大船よ大船!」
チルノ「ん…? あぁ! そうだ大船だった! ごめんなヤマメ! 大船に乗ったつもりでいてくれ!」
メディ「まったくもう…! ヤマメ、私もいるからね! 安心してよ?」
ヤマメ「あはは…頼りにしてるよ~…♪」
ヤマメ(なんでだろう、またちょっとだけ頭が痛くなってきた…)
美鈴「では、私達は夕飯の準備を再開しましょう」
華扇「そうですね、ヤマメの介抱は三人にお任せしましょう」
ヤマメ「あ、あのさ…私の今日の夕飯…」
華扇「今日は魚料理中心ですが、あなたには少し違うものを食べてもらいます」
ヤマメ「えぇ~…私も食べたかったなぁ…」
華扇「魚は食べさせますよ…? ですが今日は私のお粥を食べていただきます」
ヤマメ「!? ……まさかそれって修行用の…」
華扇「? いえ、八雲紫が教えてくれた料理の中に『白身魚の塩粥』なるものがあったのでそれを作ります」
ヤマメ(ほっ…助かった…)
阿求「流石の華扇さんもそこまではやりませんよ」ヒソヒソ
ヤマメ「だよねぇ…」ヒソヒソ
美鈴「では作りましょうか」
華扇「えぇ」
メディ「あんた介抱って言葉は知ってるみたいだけど意味はもちろん分かってるわよね?」
チルノ「おう、ヤマメが困ってたら助けてあげれば良いんだろ?」
メディ「間違ってないんだけど不安になるのは何でかしら…」
阿求「…チルノさん」
チルノ「お?」
阿求「タオルを濡らして持ってきてくれませんか? あぁ、言っておきますけど凍らせたりしたらダメですからね?」
チルノ「お、おう! 分かったよ」スッ
ヤマメ「…チルノがやるから凍るんじゃないのかい…?」
阿求「いえ、こういう時のチルノさんは能力をコントロールするんですよ、友達絡みの時は特にです」
ヤマメ「へぇ…」
メディ「ふーん、チルノもやるときはやるのね」
ヤマメ「……」
ヤマメ(あぁ、なんか…世話かけちゃってるねぇ…せっかくの三日間なのにねぇ…)
ヤマメ(私がこんなに弱るのって久々のような気がする…地底のアイドル黒谷ヤマメがこんなんじゃいけないよねぇ…)
ヤマメ(でも…なんか…)
華扇「お粥だけでも効果があるのに白身魚まで…これでは元気が出すぎてしまうかもしれませんね♪」
美鈴「これはこうで…よし、後はムニエルを…!」イソイソ
チルノ「タオルってこれで良いか?」
阿求「えぇ、お願いしますね」
メディ「凍らせんじゃないわよ?」
ヤマメ「……」
ヤマメ(言い方は悪いけど…私を本気で心配してくれてる、私の為に行動してくれているみんなの姿を見れたんだ、コーヒーを飲んだ事は悪いことじゃなかったのかもしれないねぇ…迷惑掛けちまってるし、まだ頭がクラクラしてるんだけどね…)
ヤマメ(……幻想郷って本当に変わったよねぇ…特に人間、まだ私たち妖怪に対する恐怖は心の何処かに残ってるんだろうけど昔に比べりゃ良くなっていってるんだろうねぇ)
ヤマメ(最初からこんなんだったら…私たちも地底に追いやられる事は無かったのかな…?)
ヤマメ(でも地底に住む事になったからこそこうやって新しい友達作ることが出来たんだ、ここに呼ばれたのは運なんだけどね)
ヤマメ(……)
ヤマメ(パルスィ、キスメ、勇儀…帰ったら私の話聞いてもらうよ…? ここであったこと全部ね♪)
ヤマメ(ふふっ…)
ヤマメ(ありがとう、みんな…♪)ニコッ
華扇と美鈴が作った魚を使った豪華な夕飯が振る舞われた、焼き魚やムニエル、魚のフライなど様々な料理が食卓を彩った。
ヤマメはまだ頭がクラクラしており、立つのも億劫であったが、皆と食卓を囲む事を望んでいたため六人全員で楽しい食事を取ることが出来た
だが、少しヤマメは少しだけ後悔した…ヤマメが断っても阿求がお粥を食べさせてあげる事を譲らなかったため、ヤマメは終始恥ずかしがりながら夕飯を食べざるをえなかったからだ。
コーヒーのせいで顔が赤くなっているのかよく分からないと華扇に突っ込まれてしまった
その後はお風呂の時間、ヤマメの体調がまだ芳しくなかったため、ヤマメ以外の華扇たち五人でお風呂に入ることになった。
お風呂から出てきた華扇たちは、ヤマメの体をぬれタオルで拭いてあげた、その際もヤマメは顔を赤く染めていた。
皆がお風呂に入っている間に紫がヤマメのところに来て話をし、暇を潰してあげた事は皆には内緒だ。
そして夜も更け…
【ゆかりんハウス、和室、22:30】
メディ「クー…クー…」zzZ
チルノ「かぁ~…くぉ~…」zzZ
阿求「スー…スー…」zzZ
ヤマメ「あはは、寝ちゃったねぇ♪」
華扇「付きっきりであなたの側に居ましたからね」
ヤマメ「風呂から出てきてすぐに来なくても良かったのにねぇ」
美鈴「チルノさんとメディさん、お風呂に入っている時ずっと『ヤマメ大丈夫かな?』って言ってましたからね」
ヤマメ「ほぉ~…! こいつらめ♪ 嬉しいぞあたしゃ」
ヤマメは指でチルノとメディの頬を優しくつつく
チルノ、メディ「むにゃ…」zzZ
華扇「それと…阿求は長風呂を好みますが、今回は烏の行水でしたね」
ヤマメ「…! 毒舌阿求は何処に行っちまったんだい? あんたは今日、ずっと私に優しくしてくれたよね♪」
阿求「スー…」zzZ
華扇「ふふっ…♪ ヤマメ、体調はどうです?」
ヤマメ「ん、まだちょっと頭がボーっとするけどクラクラしなくなったからねぇ、明日にゃ完全回復してるさね」
美鈴「それは良かったです♪」
ヤマメ「あんたたちが介抱してくれたお陰だよ、今も椅子に座れば良いものを皆で和室に来て座ってるんだからさ」
美鈴「私も含めてヤマメさんの側に居たかったからですよ」
華扇「その通りです、病人には優しくしなければなりませんからね」
ヤマメ「…! はぁ、まったく…///」
華扇、美鈴「ふふっ…♪」
ヤマメ「んじゃあ、そろそろ寝ようかい?」
美鈴「そうですね、ヤマメさん、立てますか?」
ヤマメ「それぐらい出来るよ…っと…さて、問題なのは」
チルノ、メディ、阿求「クー…」zzZ
ヤマメ、美鈴、華扇「……」
華扇「チルノは私が」
美鈴「ではメディさんは私が」
ヤマメ「阿求は私が運ぶよ」
華扇(…! 本当にひんやりしてますね、チルノ)
美鈴「メディさん軽いなぁ…」
ヤマメ「それを言ったら阿求もだよ、人間なんだからもっとたくさん食べてほしいねぇ」
【二階、寝室、扉前】
ヤマメ「華扇」
華扇「はい?」
ヤマメ「チャンスだよ♪ チルノを自分の部屋に連れていくなら今だよ♪」
華扇「! そ、そんなことはしません!」
ヤマメ「ふっふっふっ…♪」
華扇(わ、私は誘惑には屈しませんよ!)
美鈴(昨日ヤマメさんやっぱりチルノさんのこと…)
【二階寝室、阿求の部屋】
ヤマメ「よいしょっ…と、これでよし…」
阿求「スー…スー…」zzZ
ヤマメ「ふふっ…♪ 可愛い寝顔しちゃってまぁ…♪」
ヤマメ「綺麗な髪してるね阿求…サラサラだ…」
ヤマメ「……」
ヤマメ「明日が最後の日か…」
ヤマメ「今日のお礼は明日、必ず言うからね」
ヤマメ「お休み、阿求」スッ
バタン…
阿求「スー…スー…」zzZ
阿求「…ふふっ…♪」zzZ
阿求「スー…スー…」zzZ
【マヨヒガ】
藍「…う~ん」
紫「何よ」
藍「ちょっと気になる事があるんですけど」
紫「何よ」
藍「魚釣り、楽しいとは思うんですけどね?」
紫「うん」
藍「魚が釣れれば釣れるほど食料増えていくじゃないですか」
紫「うん」
藍「…食料多くありません?」
紫「そんなイチイチ細かい事を気にしてどうするのよあなたは」
藍「だって気になったんですもん」
紫「良く考えなさい、今回選ばれた中では華扇しか食いしん坊が居ないから食料が多く見えるけどさ」
紫「今度ゆかりんハウスやったときに幽々子とルーミアが同時に当たるというミラクルが起こったら」
紫「一週間分の食料が一日で溶けていくのよ?」
藍「!?」
紫「そういうのを考えてたくさん冷蔵庫に詰めてんの!! 分かるっ!?」バンバン
藍「は、はい!」
紫「不足の事態に備えてんのよ私はぁ! 管理人なめんじゃないってのよ! えぇ!?」
藍「す、すいませんでしたー!」
紫「あなた私の式で家族なのにそんなことも分からないの? らぁぁん…!」
藍「だ、だからすいませんでしたって…!」
紫「なんか私が『何にも考えてないスキマから突然現れるスーパー美少女』としか思われてなさそうでつれぇわ…あぁつれぇわぁ…!」クワッ
藍(これ以上なんか言ったら絶対にまた何か文句言うからやめておこう)
紫「藍が私の機嫌を損ねました、ゆかりんイラッとしたから」
紫「明日の天気は雷を伴った叩き付ける様な激しい雨になるでしょう」
藍「……はい?」
紫「明日チルノたちから電話掛かって来たら『これも全部あの八雲藍って奴の仕業なんです』って言おうかしら…?」
藍「!?」
紫「いや、言う!」
藍「ちょっとぉ!!?」
続く!
お疲れ様でした、読んでいただいてありがとうございました♪
大ナマズは美鈴が戦ったキャラです(夢の中での戦いだったので夢オチの展開で、しかも偽者)華扇と阿求が語った様に『かつて天人が使役していた地震を起こす神様』が本物であり、美鈴の夢の中に現れた大ナマズは偽の設定で現れてました、本物はもっと強い筈です
なので美鈴はナマズが嫌いです、見るのも嫌な程に。
本編でも語りましたが蜘蛛はカフェインを摂取すると酔っ払います、カフェインが蜘蛛の脳に作用して中枢神経を麻痺させるんだそうです、デタラメな巣を作ったりしてしまうんだとか。
ヤマメは土蜘蛛の妖怪なので酔っ払い、頭痛程度で済んでます、ヤマメはあまり自分の弱みを見せないタイプので酔ってもらうことで自分の事を語ってもらいました
次回は三日目、最後の日になります。
お別れになるのでしんみりしてしまうのは仕方ないです
それではまた次回!
それから…東方紫藍談は、読者の皆様の支えもあり、連載一年を迎える事が出来ました!
後書きという場所ではありますが、この場を借りて読者の皆様にお礼を申し上げます、読んでいただいてありがとうございます。 これからもよろしくお願いいたします♪