このお話は紫が冬眠から目覚めるちょっと前に藍と橙が何をしていたのか…になります
冬眠の経緯については『短編、第10談』にて触れていますが読んでいなくても大丈夫です!
当然普通の日常ではなく様々な試練が藍と橙を待ち受けます…そして『いや、冬眠しなよ』『寝なよ』と誰もがツッコミたくなります
ついにはあの人たちまで登場してしまいます
今回も新キャラ多め、二次設定多めです
それでは始まります!
【三月一日 朝 マヨヒガ】
幻想郷の皆様、私です、八雲藍です
紫様のいないこの二ヶ月間いかがお過ごしだったでしょうか…冬が終わり、春の季節に向かおうとしている今日ですが体調等はお変わり無いでしょうか
そうだ、紫様が何故かバレンタインの時に出て来てた様な来てなかった様な気がしますが紫様は冬眠はなさっていたようです
紫様ですからね、あまり深く考えないでください
さて、私は今日マヨヒガで橙と一緒に楽しく大掃除をしていたのですが…
八雲藍「…」
橙「…」
橙「藍様…」
藍「うん分かって…分かってはいるんだよ橙」
橙「もう見つけてから二十分も経っちゃってます」
藍「…覚悟を決めるよ」
橙「はい、私も覚悟は出来てます」
橙と大掃除をしている最中、軒下に隠されていた謎の箱を発見してしまい、私たちは居間で二十分もの間この箱を見つめ、この箱の存在に首を傾げている
箱は手のひらサイズの小さな箱だ
え? 何故首を傾げているのかって? それは…
藍「それじゃあ開けるよ、橙」
橙「はい、藍様」
スッ パカッ!
藍、橙「…!!」
箱の表面に貼ってある紙に
『冬眠中のゆかりんを目覚めさせるたった一つの方法』と書かれているからです
発見したときは目を疑いました
『えっ、今回は自分で起きてこないの?』これが最初に頭をよぎりましたから、橙も恐らくそう思ったのでしょう、開けるのを躊躇っていたのは恐いもの見たさで箱を開けたく無かったんです
…さて、肝心の箱の中身ですが
橙「これは…封筒? あ、中に手紙が入ってます」
藍「手紙か…紫様、また何を企んで…」
橙「えっ、紫様が何かを企んでるんですか?」
藍「あ…い、いや…た、企んでいると言っても気にしてはいけないよ、紫様が橙に何か酷いことをするような事は決して無いからね」
橙「は、はい! それは心配してないです! けど…」
藍「…ごめんね橙、心配させるようなことを言ってしまって…冬眠中に紫様がこんな箱を隠していただなんて知らなかったんだ、しかもこんなものを残して冬眠なさるのは初めての事だから私も少し混乱しているんだ」
藍(また何を私に無茶振りさせるつもりだろうというのが本音だが…橙はそんなことは知らなくていいんだ、うん)
橙「そうなんですか?」
藍「うん…そうだね、冷静に考えてみようか」
藍「箱の表面の紙からして冬眠中の紫様を目覚めさせる方法がこの手紙には記されているんだろう」
藍「そして手紙に書かれている事を実行しなければ紫様はお目覚めにならない」
橙「! そ、それでは紫様がお目覚めになるかは私たちの手にかかっているという事ですか!?」
藍「そうなるね」
藍(そうしないと『ゆかりん目覚めてやらないんだからぁ☆』みたいなことを考えているんだろうなぁ…くそぅ、私だけならともかく橙まで巻き込まないでくださいよ! …しかし今日ここに橙がいたのも箱を発見したのも偶然ならば仕方がない…か)
橙「ならなんとしてでも成功させないといけないですね…!」
藍「そうだね、うん…」
藍(だけどこれは確実に紫様の悪ふざけだ、これをやらなくても普通に目覚めてくるだろうな、あの人の事だから)
藍(……いいや、ダメだ、やらないという手もあるがやらなかったらやらなかったできっと拗ねて拗ねて拗ねりの極みになるに決まってる…それに橙も成功を望んでいるし)
藍「では橙、手紙を読んでみようか」
橙「は、はい!」
藍、橙「…」
私が手紙を手に取り、橙と共に読み始めた
『私の可愛い可愛い藍へ愛を込めて…あ、もしかして橙、そこにあなたもいるのかしら? うふふ、橙も最強可愛いわよ』
藍「…」
橙「…」
藍「書き出しがこれですか…///」
橙「ゆ、紫様から可愛い…/// あうぅ…///」カァ
藍「私はともかくとして橙が最強可愛いのは決まっている事なのに…書く必要なんて無いではないですか」
橙「…///」モジモジ
藍「!?」
藍(グフッ、あぁ可愛い…可愛いなぁ橙…♪ ……はっ!!? い、いかんいかん…紫様が冬眠中の時のご乱心だけは絶対にやってはいかんのだ)
藍「つ、続きを読むよ橙」
橙「は、はい…///」
『藍…いるとしたら橙も…この手紙をあなたが読んでいるという事は私はもうこの世にはいないでしょう』
橙「えぇっ!?」
藍「橙、落ち着きなさい、紫様は今スキマの中で冬眠中なんだからこの世にいないのは当然の事なんだよ」
橙「はっ! そ、そうですよね…! ほっ…」
藍(どうして人を不安にさせるような事を書くんだこの人はぁ…!)イラッ
『そりゃあいないわよ、だってゆかりんスキマの中で冬眠中だもの♪ おーっほっほっ♪』
藍「…」
橙「…」
藍「ね?」
橙「はい」
藍、橙「…」
『私は楽しく冬眠しているわ、そっちはどうかしら? 霊夢たちは元気? あなたたちは楽しく過ごしてる? 幻想郷はいつでも平和だけど体調管理には気を付けてる? ふふっ、心配し過ぎかしら? でもね…あなたたちが健やかに日々を送ってくれているからこそ八雲紫は安心して冬眠が出来るの、それを忘れないでほしいの、私は幻想郷に住まう皆を愛しているのだから』
藍「…」
橙「紫様…」
藍「…」
藍(ふふっ…本音…かな)
藍「お目覚めになったら冬眠中、幻想郷に何があったのか…一つずつ話してあげないとね」
橙「! はい、藍様!」
藍「ふふっ…」
『そう、愛しているわ…愛しているのよ』
藍、橙「…」
『愛し……あれ? ちょーっと待ちなさいよ? 良く考えたら』
藍、橙「え?」
『橙はともかくとして藍って私の事を愛してくれているのかしら?』
藍、橙「…」
橙「えっ…!?」
藍「は…?」
『八雲紫は八雲藍を愛しています…これは、うん、事実…そう、こうやって手紙を書きながら愛してるって思ってるんだから愛してるに決まっているのよ、それは本当なの、でも八雲藍は八雲紫を愛しているのかしら…あれれ~? ひょっとして愛されてない? …あ、そうだ、思い返してみれば良いのよ』
『私が去年の三月から今年の一月までの冬眠に至るまでの過程の中、そこから私は藍が本当に私を愛しているのかを思い返してみました』
『いなり寿司地獄が一月一回、これは変わらなくても量が年々増えた事』
『ツッコミが年々増えててたまに暴言が多い! ゆかりんプンスカよ!?』
『ご乱心が自重しない、隣に橙がいるなら今謝っときなさい!』
『年寄り扱いするようになってキツイとかスキマァ! とか言ってくるけどなんなの? そのうち魔理沙やチルノみたいにババア呼ばわりしそうで怖い』
『寂しいから一緒に寝てやろうと思ったのに拒絶された』
『幽々子の満腹に付き合ってる途中でリタイアし、私を満腹地獄の渦中に一人にした』
『幽々子の恐ろしい特技に私がやられているのに助けもしない』
『昔は可愛かったのになぁ』
『ゆかりんより橙の方が好き、分からんでもないけど寂しい!』
『何か最近私に隠してる、これには鈴仙と命蓮寺のネズミが関わってると見てるが詳細不明』
『狸と仲良くしなさい』
『私からのブラッシングを最近嫌がりやがる』
『ピクニック…あぁ、これは私が悪いんだったわね、ゆかりんてへぺろ♪ …橙、ごめんね?』
『度重なる私へのサプライズの失敗、もっと私を楽しませろ!』
『あなた忠誠心って言葉知ってる?』
『あ……これ愛されてないわ…つれぇわ…』
藍「…!」プルプル
橙「ら、藍様!」
藍「なっ…なに…何を言っ…!」プルプル
橙「つ、続きを読んでみましょう!」
『でもこれだけではまだまだ判断材料にはなりそうにないわね、藍が私を愛してないのではないか…そう思ってしまった瞬間から私はそれを確かめたくて仕方がなくなってしまいました、そ・こ・で♪』
『冬眠を利用して藍が本当に私を愛しているのかどうか確かめさせてもらう作戦を立てました! 拒否権はありませんし出来ません、何故ならば三月一日に八雲紫が目覚めなければ幽々子や閻魔様等が疑問を抱き、ここに来てあなたを問い詰めるからです』
『閻魔様から問い詰められたらありがたい…いや、とってもうざったいお説教の嵐よ? あなたがちゃんとしっかりしていないから八雲紫は目覚めないのです! とかなんとか言うわよきっと、おお怖い怖い♪』
『さて、本題に入りましょうか…箱の表面に貼ってある紙に書いてある通り、この手紙にはゆかりんを目覚めさせるたった一つの方法が書いてあるわ』
『方法はとっても簡単よ♪ ゆかりん優しいもの、あなたが私に対し、愛していると証明すれば良いだけの話』
『そのためには誠意と行動力を私に見せなさい、今から下に書く物をマヨヒガで供物とし、ゆかりん愛してると心の中で三回唱えるのだ、さすればゆかりん復活し、幻想郷に再び明るい未来が訪れる』
『人里の団子屋、清鈴屋のみたらし団子』
『人里のミスティアの屋台でたまに提供される雀酒』
『ゆうかりんが持っている菜種油で揚げたふきのとうの天ぷら』
『紅美鈴が作った麻婆豆腐』
『死神界にあるという幻の米から作るごはん』
『以上…あなたのゆかりん愛を見せてご覧なさい、藍なだけに…うふふっ、期待してるわよ♪ ゆかりんから藍へ愛をこめて』
『PS 橙? もしあなたが側にいたとしても藍を手伝ったりしたらダメよ?』
藍「…」
橙(こ…これは…!)
橙(紫様むちゃくちゃに書きすぎでは…!? こ、これには流石の藍様でも怒っ…)チラッ
藍「…」プルプル
橙(てる…? あ、藍様の体が震えて)
藍「橙」
橙「! は、はい!」
藍「少しの間一人にしてほしい…居間から出て耳を塞いでいてくれないか」
橙「へっ…えっ!?」
藍「お願いだ、三分ぐらいでいいから」ニコニコ
橙「は、はい!」
タタタッ!
橙(ら、藍様の笑顔が怖かった…やっぱり怒って)
くうううおおおおああああぁぁぁぁぁ!!!!
橙(!!?)
スキマァァァァ! おんどれぇぇぇぇ!!
なぁにが…!! なぁにが愛じゃクルァァ!!
橙(ひぇっ…!? 耳塞いでも聞こえちゃうぅぅ!)
赤いき○ねぇ!! 緑のた○きぃ!!
橙(えぇっ!?)
【三分後】
橙「ら、藍様!!」
藍「橙、ありがとう…なんというか私の心から、いや魂からの声が絶え間無く出て来てしまってね、でもそのお陰で晴れやかな気分になることが出来たよ、はぁ…スッキリした」スッキリ
橙(なんか藍様が一気に老けた様な…はっ!? い、いやいや、こんなこと思ってはいけない!)
藍「…」
橙「うっ…」
橙(聞き辛いけど…き、聞かないと…!)
橙「藍様、その…紫様の手紙の事なのですが」
藍「大丈夫、分かっているよ」
橙「!」
藍「まるで飴と鞭の様な手紙だったね、まぁ鞭のしなり方が異常だったけど」
藍「まったくどこまでも手間の掛かることを…こんなことしなくても私はあなたを…」ブツブツ
橙「…? 藍様?」
藍「! あぁごめんね橙、それで手紙の事なんだけど」
藍「橙も読んだから分かると思うけどこれは紫様の…悪戯に相当するものだ、でも愛の事や私への供物の事は本気だろうね」
藍「あの人は言い出したら最後まで止まらないからね、だからこそ私はこの挑戦を受けよう」
藍「八雲藍は八雲紫様を愛しているのだと認めさせるんだ、そのための供物だろうが復活の儀式だろうがなんでもやってみせるさ」グッ
橙(手紙であんなに罵られ、結構な無理難題を押し付けられているのに藍様は決して紫様を裏切らない…)
橙(私が藍様の立場だったらとっくに心を折られてる、藍様は心が強くて立派だなぁ…たまに乱心してしまうけど)
藍(……なんて橙の前ではかっこつけてしまったが手紙にも書いてある通り私には拒否権がない…むむ、ここはこのまま)
藍「橙、私は早速この供物を集めに行って来るよ」
橙「! えっ、あっ…」
藍「橙はここマヨヒガで待っていなさい、すぐに」
橙「藍様!」
藍「橙?」
橙「わ、私も一緒に行きます!」
藍「…! その気持ちだけでも私は嬉しいよ」
藍「でもこれは私の試験みたいなものだ、それにPSにも書いてあったが私を手伝ったりしたら紫様に小言」
橙「それでも! それでも私は藍様のお手伝いがしたいです!」
藍「橙…しかしだな、紫様の言うことに逆らうとめんどくさ」
橙「私も藍様と紫様が好きです!」
藍「…!」
橙「あっ…あの…愛とかそういうのはまだ良く分からないんですけど…私はお二人のことがすっ、好きだから…だから…」
橙「紫様には冬眠から目覚めてほしいですし藍様のお手伝いもしたいんです! だから私は紫様がダメと仰られても藍様のお手伝いをしたいんです!」
藍「…橙」
私は橙の側に近寄り、優しく抱き締め、耳元で優しく語りかけた
藍「ありがとう…私は嬉しいよ橙」
藍「紫様の言うことだけが全てでは無い、もしかしたら橙がそうやって自分の意見を押し通し、気持ちを表してくれることを紫様は狙ってああいう風に書いたのかもしれない」
橙「!」
藍「橙、着いてきてくれるね?」
橙「! はい! 藍様!」
藍(…すまない橙、正直そんな確証は無いんだ)
藍(でもわざわざああいう風に書いたのだからあながち間違ってはいないのかもしれない…だが今重要なのはそこじゃない)
藍(橙に好きだと言われた瞬間から我慢していたのだが私のこの無様なにやけ顔を見られる訳にはいかない、だから橙に抱き着いて顔を見せないようにしているのだ、鏡は見ていないが自分の顔が今どうなっているのかぐらい分かるさ、ご乱心を体験したことのある者ならば大抵察しがつく)
藍「よ、よーし橙、まずは人里から行こうか」
橙「はい藍様!」
橙「あ、あの…藍様?」
藍「なんだい橙」
橙「い、いつまで…抱き着いているのですか」
藍「後二分」
橙「え?」
藍「後二分で顔が戻りそうなんだ、それまでは抱き着くことを許してくれ」
橙「は、はい…」
【そして二人は人里へ…】
藍「清鈴屋…? こんな名前の団子屋があったかな?」
橙「はい、ありますよ」
藍「橙は行ったことあるのかい?」
橙「チルノたちとたまに行くんです、人里の大通りにあるんです、二人の兎さんがお店をやっていてつい最近出来たばかりなんです」
藍「兎…? あれ? だとするとあの二人か?」
【人里、清鈴屋】
藍「あ、やはりお前たちか」
橙「こんにちは~」
清蘭「あっ! いらっしゃい!」
鈴瑚「むぐっんぐっ…! い、いはっはーい!」モグモグ
清蘭「こらぁ鈴瑚ぉ! 食べながらの接客応対はよくないっててゐさんに教わったじゃない!」
鈴瑚「ングッ…! 大丈夫だよ清蘭、これ客に売る方の団子じゃなくて私用の団子だから」モグモグ
清蘭「ちがーう! 食いながらの接客は金にならないっててゐさんからも教わったでしょ!」
鈴瑚「…それを大声で言う?」
清蘭「はぁ!? …あっ」
藍、橙「…」
清蘭「い、いやぁ…あ、あははは…」
藍「ま、まぁ…まだまだ開店したばかりなんだろう? 失敗は誰にでもあるさ、それに私たちはそんなことは気にしないから大丈夫だ」
清蘭「お、お心遣い感謝します…」
鈴瑚「ぷっ…! 清蘭の口は災いの元よね」
清蘭「あんたの口は団子しか入らないクセに」
鈴瑚「あ、褒めてくれてありがとう♪」
清蘭「! く、くそぅ…これは悪口にならなかったか…!」
藍「なあ、注文をお願いしてもいいか?」
清蘭「あっ、は、はい!」
鈴瑚「どうぞ~♪」モグモグ
藍(何本とは指定されていないからな、ならば)
藍「では、みたらし団子を十本いただこうかな」
清蘭「はい! かしこまりました! 鈴瑚、今日はあなたが調理担当なんだからね! しっかりやってよ?」
鈴瑚「はいはい、喜んで~♪」
清蘭「はいは、一回っ!」
橙「あはは…」
藍「ふふっ」
藍(確か…最近起きた月の異変の後に幻想郷に移り住んだんだったな、月の玉兎の二人組…青い服の方が清蘭、黄色い服の方が鈴瑚だったか)
藍(月の玉兎とはいえ幻想郷を頼り、生活している…紫様は来るものは拒まずの精神だからな、彼女等が楽しくしてくれればそれでいいんだろう、無論私もそう思う)
藍「なぁ、少し聞いてもいいかな?」
清蘭「はい、なんでしょう」
藍「確かお前たち二人は別々で団子屋を経営していたのを記憶してるのだが…どうして二人で経営することになったんだ?」
清蘭「その事ですか、確かに私たちは別々で団子屋やってました『私の清蘭屋』と『鈴瑚の鈴瑚屋』ですね」
藍(名前がまんまなのはつっこむところなのだろうか)
清蘭「幻想郷で団子屋やるからには私と勝負がしたいって鈴瑚が言い出したのでお互いに売り上げを競い合っていたんです、私がちょっと…ほんのちょっとだけ負けてたんですけどね」
清蘭「で…競い合う日々が続いてたある日、あのお方が店に来て私たちにこう言ったんです」
藍、橙「お方?」
清蘭「…」
ホワンホワン
因幡てゐ『はっ! 片腹痛いわ!』
清蘭、鈴瑚『!?』
てゐ『お前ら金をなんだと思ってるんだ!? ああん!?』
てゐ『いいか!? 売り上げで争うなんてバカのすることだ! 争うのを今すぐやめて売上を上げる事だけを考えろ!』
てゐ『一に金、二に金! 三に金で四に金だ! 金が全てだということを理解しろ!』
てゐ『それが分かったら今すぐお前たちのそれぞれの店を合併し売り上げを伸ばせ、集客や接客のやり方は私が教えてやる! 幸い、お前たちは可愛いからそこを意識しろ! 迷っている客がいたら媚びろ! それだけで売り上げはうなぎ登りだ! 分かったか!?』
清蘭、鈴瑚『は、はいぃ!』
てゐ『はっはっは♪ そうかそうか分かってくれたならそれでいいんだ♪ いいか? もし『何で合併したんだ?』とか『どうして一緒に店をやりだしたんだ』とか聞かれたらこの因幡てゐから教わったと言うんだぞ? それも分かったかな?』
清蘭、鈴瑚『わ、わかりました~!』
てゐ『…』
てゐ『ククク…ウ~サウサウサ♪』ニヤリ
ホワンホワン
清蘭「てゐさんの言う通りにしたら本当に売り上げが伸びて…てゐさんには本当に感謝してるんです」
藍(あ、あの守銭奴ウサギ…! 結局最後は自分の利益に繋がっているではないか!)
橙「わぁ~! てゐさんは助けてくれたんですね」
清蘭「うん、てゐさんには頭が上がらないよ、あははは♪」
清蘭「それに…合併したことで鈴瑚と争わなくてすむ様になったしさ」
藍「!」
清蘭「元々鈴瑚が勝負しろって言い出したから勝負してただけで…本当は私、鈴瑚とこうやって一緒に団子屋やりたかったんだよね」
橙「夢も叶えてくれたんですね」
清蘭「あはは、そうなるかな…♪ あっ! これ鈴瑚には内緒にしてね♪」
藍(利益には利益で、か…狙ってやったのかそうでないのかは定かではないが丸く収まっているのならそれでいいか)
鈴瑚「はーい、みたらし団子十本おまちどー♪」
橙「わぁ! 美味しそう~!」キラキラ
藍「おぉ、これは中々…では持ち帰るからこのタッパーに入れてくれ」
藍(みたらしの醤油の匂いが食欲をそそるな、団子の大きさも一口サイズで食べやすそうだ)
鈴瑚「はーい…ってお持ち帰りのお客さんだったんですか…清蘭?」
清蘭「! うっ…! き、聞き忘れただけだもん」
鈴瑚「はぁ…接客担当が不安だわ」
清蘭「うぐっ…き、気を付けるわよ…」
藍「あはは、では勘定良いかな?」
清蘭「は、はい! えーっと、十本ですので五百円になります!」
藍「ん、随分安いな」
鈴瑚「値段もうちの売りですからねぇ」
藍(これも因幡てゐの指示なのかな)
橙「安くお団子が食べられるからおやつ感覚で食べられるんです」
清蘭「そういえばあなたよく妖精さんたちと来てくれるよね」
鈴瑚「ありがとね、今後とも清鈴屋をよろしく~♪」
橙「! はい!」
藍「ではお代だ、今度はお使いではなく個人的に店に食べに来るよ、ではな」
橙「さようならー」
清蘭「はい! ありがとうございまーす!」
鈴瑚「またどうぞー!」
藍「今度は二人で食べに行こうか、橙」
橙「はい、藍様と橙も食べに行きたいです」
藍「ふふっ、私もだよ…よし次はミスティアのところに行こうか」
橙「はい!」
藍(う~ん、しかし何故紫様はこれを供物に選んだんだろうか)
清蘭「ねぇ鈴瑚」
鈴瑚「ん~? ングッハグッ」モグモグ
清蘭「また食ってるし…まぁいいわ…それよりさ、今日あの二人来ないね」
鈴瑚「ん~まだ早いんじゃない?」モグモグゥ
清蘭「そうかなぁ、いつもこの時間に…あっ」
鈴瑚「噂をすればってやつかな?」
純狐「ねぇねぇうどんげちゃん♪ 今日はきな粉団子にする? それともゴマ団子?」ギュー
鈴仙・優雲華院・イナバ「い、いやぁ…も、もう何でも良いですよ純狐さん…てか抱き着くのやめてもらってもいいですか…」シナシナ
純狐「そう♪ ならみたらし団子にしましょう♪ 今日も私が食べさせてあげるからねうどんげちゃん♪」
鈴仙「あははは~…もうどうにでもな~れ~…」シナシナ
清蘭「来た~…鈴仙また耳がシナシナだし目が死んでる…」
鈴瑚「また抱き着きながら食べさせ合いという名前の一方的な赤ちゃんプレイが始まるのかな」
清蘭「言わないであげて」
【ミスティアの屋台】
ミスティア・ローレライ「雀酒ですか?」
藍「あぁ、もしあったら売ってほしいのだが」
橙「ある? みすちー」
ミスティア「う~ん…あっ……たかなぁ」
ミスティア「最近出てないからなぁ…あっ、ちょっと待っててくださいね、今在庫確認しますから」
藍「あぁ、分かった」
橙「みすちー、私も手伝うよ」
ミスティア「ありがとう橙、じゃあここの棚の中を…」
橙「うん」
藍(雀酒…確か雀が墓に供えられていた米粒をくわえて持ち帰り、それを青竹の切り株に溜め込んだ物がそのまま放置され、切り株になり水が溜まって発酵が進んで酒になったものだったな)
藍(最初の酒とまで言われた伝説の酒…供物にはピッタリだな、踊らずにはいられないほどの味がするらしいが…あまりの美味しさに気分が高まるのだろう)
藍(霊夢と魔理沙が飲んだ後の様が地獄絵図だったらしいが…どんな感じになったんだろうか)
橙「あっ! みすちー! これは?」
ミスティア「ん? あーっ! あったー♪ これだよ橙!」
藍「おっ、あったのか」
ミスティア「はい、橙が見つけてくれました」
藍「ふふっ、お手柄だったね、橙」
橙「! えへへ…///」
藍「では買い取らせていただこうかな」
ミスティア「ふふふ♪ そうだなぁ…橙が見付けてくれたからまけてまけて…六万五千円になりますね」
藍「! や、やはり高いな」
橙(うわぁ、高いなぁ)
ミスティア「そりゃあそうですよ手間に手間がかかってますし、それにお持ち帰りのお客様には雀酒を注ぐこの…よいしょっ…! 竹のコップもお付けしてますから」
藍「なるほど…そう考えると良心的な値段に思えてきたな」
藍「うん、では…これで」スッ
ミスティア「えーと…はい、丁度ですね♪ ありがとうございました~♪」
藍「よし、なんか良い買い物をしたな、橙、次に行こう」
橙「はい! じゃあねみすちー、今度皆で焼き鳥食べに来るからね」
ミスティア「うん、待ってるよ♪」
ミスティア(わ、私に対して焼き鳥食べに来る…い、いやぁ確かに売ってるけどなんか…うん)
ミスティア(…まぁいいか、これも商売商売…)
藍(うん? そういえばまけてもらってはいたが雀酒の瓶一本の本来の値段はいくらなのだろうか)
数は少ないが、人里に貼られているミスティアの屋台宣伝ポスターにはこう書かれている
あの伝説の雀酒!! 一升瓶一本、竹のコップ付きで六万五千円!!
ミスティア「~♪」
橙「藍様、次はどちらに?」
藍「そうだね、次は紅魔館かな」
藍が紫を目覚めさせる為の供物集めに奔走し、苦労している同時刻
幻想郷とは別の世界である『夢の世界』ではとある一人の少女が不思議な体験をしていた…
【夢の世界】
幻想郷の皆さん、いかがお過ごしでしょうか…
私は宇佐見菫子、幻想郷の外の世界で暮らしている現役の女子高生
私が計画したオカルトボールの異変が記憶に新しいかしら? その異変の首謀者であるこの私、オカルトボールの力を利用して幻想郷と外の世界である私の存在している世界を繋げようとした宇佐見菫子
だけど最近聞いた話によるとこれには月の人たちが関係…というか私のオカルトボールを逆利用されて…いや、でも私のしたことは許されることじゃないよね
そんな異変をやらかしたのにも関わらず霊夢さんや魔理沙さん、マミゾウさん、華扇さんは許してくれた…あの四人が許してくれなかったら今ごろ私は…あの四人には感謝しても仕切れないわ
そんな私だけど何故か寝ている間だけ、外の世界で眠りについている時に幻想郷に来られる様になったの、幻想郷と外の世界は結界で隔離されているのによ? その原理は色々と判明してきてはいるんだけど…まぁそれは今度にしときましょう
正直外の世界はつまらなくてね、幻想郷にいた方が刺激が沢山あって楽しいからずっと居たいぐらいなの
それで今日、また幻想郷に行こうと思って意気揚々と寝たんだけど…
宇佐見菫子「…」
八雲紫「しんちゃん、頑張って!」
ドレミー・スイート「何を頑張れって言うんですか」
魅魔「おい、さっさと引かせろって」
神綺「ダメーっ! 待って魅魔ちゃん!」
サリエル「夜が明けちゃうわね…あ…いま昼……?」
エリス「キャハハ♪ 神綺さん早く往生しろよって☆」
菫子「…」
目覚めたら何故かここ、夢の世界だったの…博麗神社の辺りで目が覚めて霊夢さんに会おうとプランを立ててたのに何故か夢の世界
そして何故か今私は口に出すのも憚られる様な凄い人達と卓を囲み、トランプでババ抜きをしている…
『幻想郷の管理人 八雲紫さん』
『夢の世界の管理人 ドレミーさん』
ここまでは分かるのよ、紫さんのことは霊夢さんから聞いてるし、ドレミーさんも獏の妖怪でたまに会うし…
『魔界の創造神 神綺さん』
『大昔に博麗神社に取り憑いていた悪霊 魅魔さん』
『魔界に住んでる死の天使 サリエルさん』
『その死の天使の付き人の悪魔 エリスさん』
はい…紫さんからざっくり説明されたけど濃すぎる人達
うん、正直ね? 私凄い場違いなのは自分でも分かってるの、でもね?
幻想郷だと思って目を覚ましたら何故だか夢の世界で目が覚めて、紫さんとドレミーさんに会って『ここは夢の世界ですわ♪』って簡単に状況説明されて、そして何故だか紫さんがいきなり『友達呼んでいい?』なんて言い出して、紫さんの能力で神綺さんたちがここに来て、私が持ってたトランプで皆で遊んでる…てか何でトランプのルール知ってるんですかこの人達
…もう展開が急過ぎて付いていけないの
菫子(なんなのこれは…! 異変やらかした罰かなんかがまだ続いてるの!?)
魅魔「いい加減にしろよお前は」
神綺「だって~! ババ持ってるの私だし魅魔ちゃんにババ以外の取られちゃったら私の敗けだもん!」
魅魔「んなことは分かってんだよ、いつまでその二枚を後ろ手でシャッフルしてんだ! さっさと引かせろ!」
神綺「くぅぅ~…はいっ!」バッ
魅魔「……こっち!」パッ
神綺「!? はわわっ!!」
魅魔「…! よっしゃ勝ったオラァ!」バァン
紫「はーい、しんちゃんの負け~♪」
神綺「ふえ~ん…! シクシク…また負け…」
魅魔「やったぞー♪」
サリエル「神綺、あなた弱すぎよ…」
ドレミー「ババ抜きで五連敗なんて普通出来ないですよ」
エリス「ね~☆ 弱っちいよね、菫子ちゃんもそう思うっしょ☆」
菫子「あははは…」
菫子(魔界の創造神に弱っちいなんて言えるかっ!)
神綺「むぅ~、ねぇ他のやろうよ」
魅魔「ババ抜きでも私は満足なんだけどねぇ♪」
神綺「どうして?」
魅魔「お前が絶対負けるから」
神綺「!? 助けてゆかりん! 魅魔ちゃんがいじめる!」
紫「魅魔…あなた」
魅魔「うん?」
紫「……良く分かってるわね!」グッ
魅魔「だろぉ?」グッ
神綺「!? さ、さっちゃん! えっちゃん! ドレちゃん!」
サリエル「いじられていじられて…いじられて死ぬ運命」
エリス「運命には逆らうなっ☆」
ドレミー「いじられ役を買う趣味は無いです」
神綺「れ、れっこちゃん!」
菫子(えぇ!? 変なあだ名付けられたぁ!!)
菫子「……諦めてください」
神綺「はわわっ!!? うえーん! 助けてアリスちゃーん!」
魅魔「お前そればっかりじゃないか」
紫「そこ夢子ちゃんじゃないのね」
サリエル「……でも流石に五回連続は飽きてきたわね…」
エリス「だったら七並べなんてどうかな☆」
ドレミー「あっ、良いですね」
サリエル「いい提案ねエリス…死地並べ…クフフ…」
菫子(なんか字が違うような気がするなぁ!)
魅魔「七並べか、それならお前でも勝てそうだなぁ?」
神綺「ニヤニヤしないでよ魅魔ちゃん!」
紫「1と13が手札に四枚ぐらいあったときの絶望はスゴイわよね」
エリス「わかるわかる☆」
サリエル「六と八が四枚あったときは優越感に浸れる……クフフ♪」
魅魔「お前それ絶対やるなよ? パスの嵐になるんだからな?」
エリス「やったら嫌われちゃうよ☆」
サリエル「……」
サリエル「それは嫌ね…」
菫子(えぇぇ…死の天使がそういうの気にするの?)
紫「はい、菫子、また山札切ってくれる?」
菫子「は、はい」
ブゥン… パラララッ!
エリス「スゲーな☆ 手を使わないでシャッフルするなんてさ、菫子ちゃんって本当に人間なん☆」
菫子「い、一応ね」
サリエル「最近の人間は器用ね……人間もやれば出来るのね……」
ドレミー「さっき聞いてましたよね、菫子さんの能力なんですから人間だったら彼女にしか出来ないんですよ?」
魅魔「サイコパワーだっけか、魔法とはまた別の…いや、それも魔法にしか見えんな」
神綺「魔法と言えばアリスちゃん♪」
魅魔「アリスちゃんから離れろ親バカが」
神綺「シクシク…」
紫「マジシャンは良いわよね、あ、そういえば咲夜も手品が出来るって言ってたわねぇ」
菫子(褒められてもリアクション取りづらい…)
神綺「家の夢子ちゃんも手品出来るよ!」
魅魔「家庭ネタから離れろバ過保護」
神綺「バ過保護!? ふぇぇ! 魅魔ちゃんがいじめる~!」
魅魔「いじめてはないだろ」
紫「しんちゃん、こういうのはいじりって言うのよ」
サリエル「いじっていじっていじり倒してるのよ……」
ドレミー「そういうのを世間ではいじめって言うんじゃないですか?」
エリス「紙一重だなあ☆ でも面白ければオッケー☆」
神綺「オッケーじゃないよぅ!」
菫子「…ねぇ、配って良い?」
エリス「オッケーよ☆」
神綺「それはオッケーだけども…」
菫子(異界の人ってメンタル弱いのかな?)
サリエル「魔法……魅魔も魔法使えたわよね……」
魅魔「あぁ、でも菫子みたいに器用な魔法は撃てないな」
菫子(魔法じゃないんですけど)
エリス「相手をぶっ潰す魔法しか出ないもんな☆」
魅魔「おいこら人聞き…んまぁそうか」
魅魔「てかお前らもその気になれば魔法っぽいの使えるだろ、能力使えばなんとかなるし」
サリエル「……私のは使う=死だから…」
エリス「星の力(物理)だし~☆」
ドレミー「夢の力で変化とかも出来ますね」
神綺「大事なのは創造力♪」
紫「ゆかりん魔法少女だからスキマからは人を幸せにする魔法しか出ない♪」
魅魔「一人だけすげぇ嘘つきがいるんだが」
紫「誰っ!? ゆかりんが成敗して」
魅魔「確信犯じゃないか」
菫子「…配り終わりましたよ」
紫「ふっふっふ、さぁて始めましょうか」
サリエル「本当の七並べを見せてあげるわ……」
エリス「キャハッ☆ 偽物の七並べを見てみたい件☆」
サリエル「……エリス、左手の親指の爪から壊死させるわよ……?」
エリス「ちょっ、シャレにならねぇ☆」
魅魔「地味に痛いことすんなよ」
ドレミー「何でちょっとキレてんですか」
神綺「あ~♪ さっちゃんの怒りんぼさん♪」
サリエル「……神綺……右手のひ」
神綺「ストーップ!」
紫「言わせなかったからセーフ!」
サリエル「……チッ…」
魅魔「舌打ちすんな」
菫子(か、会話の輪に入れない…!)
魅魔「おし、さっさと始めるぞ」
神綺「七並べなら負けないもん!」
サリエル「……フラグ?」
エリス「フラグだね~☆」
神綺「違うよぉ!」
魅魔「あっはっは! 笑える♪」
紫「超笑える♪」
神綺「ふぇぇ~!」
菫子(れ、霊夢さん助けて~!!)
そのころ…幻想郷
【紅魔館、キッチン】
紅美鈴「ほっ! よっ! はっ!」
橙「わぁ♪ 美鈴さん凄いです♪」キラキラ
美鈴「ふっふっふ…! このぐらいちょちょいのちょいですよ」
藍(ふむ、供物の中に何故紅美鈴の麻婆豆腐なのかと首を傾げていたが中華鍋を操る技量、そして味付け…素人の腕ではないな)
藍「料理の心得があったんだな、驚いたよ」
美鈴「あはは、よく言われますね」
美鈴「今では咲夜さんが家事全般とを担当してますが、昔は私がやっていたんですよ」
藍「? 一人でか?」
美鈴「まさか、私一人ではこの館を掃除できませんよ、掃除は妖精メイドたちに…やってたのは料理の方です」
レミリア・スカーレット「中でも中華料理においては美鈴の右に出るものはいなかったわね、悪いけど中華料理の味を比べたら咲夜のより美鈴の方が美味しいのよね、紫が目を付ける気持ちも分かるわ」
藍「…居たのか」
レミリア「居たわよ」
美鈴「お、お嬢様!」
レミリア「ふふん、キッチンから良い匂いがして立ち寄ったらあなたがキッチンに立っていた、その姿を見るのは久し振りだから見に来てあげたわよ」
橙「見に来る気持ちも分かります! 美鈴さんの料理の匂いを嗅いだらお腹が空いちゃいますもんね」
レミリア「そうそう♪ 少食の私と言えど美鈴の中華料理なら何皿でも…」
藍「いけるのか?」
レミリア「……ごめん、一皿は無理」
美鈴「無理しないでくださいよ?」
レミリア「食には敬意を払うものよ、それに作った側の気持ちも考えたら残さずにはいられないじゃない、例え量が多くて食べられなくてもよ」
藍、橙(律儀だなぁ)
美鈴「そう言っていただけると嬉しいです!」
レミリア「咲夜には毎日のように言ってるわ」
レミリア「あぁ、なんか本当にお腹が空いてきたわね… ! そうか、もうお昼時なのね」
レミリア「美鈴、今日のお昼はあなたが作ってくれるかしら、紫の分を作り終わったらでいいからさ」
美鈴「はい! わかりました!」
レミリア「あなたたちも食べていく? お昼まだなんでしょ」
橙「…あ、はい」グゥー
藍「んっ…そうだが、良いのか?」
レミリア「良いのよ良いのよ♪ 食卓は大勢で囲んだ方が楽しいしね♪」
パチュリー・ノーレッジ「懐が深いわね、またカリスマが上がったみたいよ」
レミリア「ふははは♪ その通りよ! この懐の深さこそがカリスマの証っ…!」
パチュリー「まぁ上がるカリスマがあなたにあるのかは分からないけどね」
レミリア「また意地悪したわねパチェー!」
パチュリー「ふふふっ…♪」
橙「藍様、どうしましょう」
藍「ふふっ、ここは館の主の言うことを聞いておこうか」
橙「はい、藍様!」
美鈴(これは期待されてますねぇ、張り切って腕を振るわなくてはいけませんね♪)
レミリア「食べてくのね、なら咲夜たちも呼ばないと」
パチュリー「そう言うと思ったからここに来る前に妹様とこあに呼びに行かせておいたの、探知結界って本当に便利」
レミリア「流石ね、パチェ」
パチュリー「魔法使いに不可能は無いのよ、レミィ」
【紅魔館、門前】
十六夜咲夜「…」
咲夜(料理のために門番代わってあげたけど)
咲夜(暇…)
咲夜(……良い天気ね……)
咲夜(……)
咲夜(…)
咲夜(…zzZ)カクン
咲夜(! はっ!?)
咲夜(…い、いや…/// ね、寝てない、寝てないから)
咲夜(美鈴じゃあるまいし…/// こんなところ誰かに見られたら恥ずかし…!)チラッ
小悪魔(こあ)「…」ジーッ
フランドール・スカーレット「…」ジーッ
咲夜「…!?」
フラン「咲夜首がカクンってなってたね」
こあ「咲夜さん寝てましたね」
フラン「咲夜も油断してると寝ちゃうんだね♪」
こあ「咲夜さん可愛いですね!」
咲夜(うわぁぁ…! 見られたぁぁ…!)orz
こうして供物の一つである麻婆豆腐を手に入れ、紅魔館の面々と中華料理を満喫した藍と橙なのでした
そしてまた夢の世界
【夢の世界】
魅魔「…おい」
紫「うん?」
菫子「どうしたんですか?」
魅魔「さっきからダイヤの6出さないで止めてる奴は誰だ」
サ、エ、ド、神、紫、菫「…」
サリエル「神綺……」
神綺「違うよ!? 私じゃないよ!?」
紫「じゃあドレミー」
ドレミー「じゃあってなんですか、じゃあ紫さんですね」
エリス「まさかの菫子ちゃん☆」
菫子「ち、違いますよ!」
魅魔「…」
魅魔「!」
スッ...!
全員「!」
エリス「…キャハッ☆」
魅魔「お前じゃないか!!」
紫「よくもまぁ黙ってたものね」
ドレミー「流石悪魔ですね」
エリス「だってぇ、なんかダイヤって出したくないんだもん☆」
菫子「出したくない?」
エリス「ほらぁ、ダイヤと星って似てるから☆」
魅魔「似てないだろ」
ドレミー「似てませんね」
紫「似てないわね」
菫子「似てないと思います」
神綺「に…てるかもしれないよ? ほらここの出っ張りとか」
魅魔「いいよ無理矢理答え探さなくて」
サリエル「……似てるわよ」
エリス「さっすがサリエルさん、話がわかるぅ☆」
魅魔「自分の付き人だからって庇うなよ」
サリエル「……庇ってなんてないわ…何故ならエリスは私の付き人だから私が守るのは当然……」
魅魔「…そういうのを庇ってるって言うんだろ?」
サリエル「……そうよ」
魅魔「おいこいつぶっとばしていいか?」
紫「落ち着きなさい魅魔」
エリス「キャハハッ☆」
魅魔「笑うとこじゃないからな?」
ドレミー「サリエルさんをぶっとばしたら壊死しますよ?」
神綺「ぼ、暴力はダメだよ?」
魅魔「…本当お前が一番厄介だよサリエル」
サリエル「……クフフ♪」
菫子「フフッ… !!?」
菫子(な、なんか馴染んできている私がいる…!?)
またまた幻想郷
【太陽の畑】
風見幽香は太陽の畑に二階建てのログハウスを構え、暮らしている
ログハウスの二階からは太陽の畑が一望できるテラスがあり、そこで洒落た木の椅子に座り、紅茶を飲みながら寛ぐ幽香の姿を目撃したという報告は後を絶たない、そしてその傍らには金髪の幼い少女が笑顔で寄り添っているという報告もだ
藍「そこをなんとかお願いできないだろうか」
風見幽香「嫌よ」
橙「お、お願いします!」
幽香「…嫌だと言っているでしょう?」
幽香「何故私があのスキマ野郎の為に私の菜種油を渡してやらなきゃならないのよ」
幽香「おまけにふきのとうを天ぷらにして? はっ…冗談はスキマ野郎の顔だけにするのね」
メディスン・メランコリー「そうだそうだー! 厚化粧のクソババア!」
橙「ゆ、紫様は化粧なんてしないよ!」
メディ「えっ、してないであの顔なの?」
橙「そうだよ?」
メディ「…ねぇ幽香、ババアってもしかして美人なのかな?」
幽香「やめなさいメディ、どうせスキマでいじって整形かなんかしてるのよ」
メディ「あっ! そうか! なら偽物の顔じゃない!」
橙「そんなこと紫様はしないよ!」
藍(私の口からはなんとも言えないのが辛いところだな…)
幽香「ともかく…諦めることね」
幽香「良い機会じゃない、供物を捧げなければアイツは目覚めない、目覚めなければアイツが何かをやらかすこともなくなる、あなたたちの負担も減る」
幽香「前の天邪鬼のノートの事件、忘れたとは言わせないわよ?」
藍「そ、それは…」
橙「うっ…」
メディ「…」
幽香「分かったら帰りなさい」
メディ「…ねぇ幽香、なんか可哀想じゃない?」
幽香「八雲紫が関わってるのなら話は別よ、これだけは譲れないわね」
メディ「…」
橙「…」
橙「た、確かに紫様は突然常人を超えた摩訶不思議なことをやってしまうかもしれませんが」
橙「私は紫様がお目覚めになるのを楽しみにしているんです、紫様はとっても優しいお方だから…毎日側にいたいんです!」
幽香「毎日? 無理ね、一日の半分を眠りに費やし、挙げ句やりたい放題のアイツの側に毎日なんて無理よ、それに冬眠で二ヶ月は眠りこけている」
橙「だからこそ! お目覚めになった紫様が寂しくない様にできる限り毎日お側にいてあげたいんです!」
幽香「……」
藍「橙…」
ピンポーン!
メディ「! あっ、私出るよ」
藍、橙「…」
幽香「…こればっかりは諦めなさい、私がアイツの為に何かをしてやるなんてあり得な」
メディ「幽香幽香! お客さんだよ♪」
幽香「…? !」
アリス・マーガトロイド「こんにちは幽香…ってあら、藍と橙じゃない」
藍「アリス…」
橙「アリスさん…」
幽香「……何しに来たのかしら」
アリス「遊びに来たのよ、でも…」
アリス「この雰囲気…なんかもめてたりした?」
幽香「別に何も」
メディ「ねぇ聞いてよアリス、実はね?」
幽香「ちょっ…メデ」
アリス「あら何かしら、気になるわね♪」
メディ「実はさぁ…♪」
ヒソヒソヒソヒソ
幽香「…! はぁ…」
藍(幽香に喋らせない様に間髪入れずに会話を…)
【メディ、説明中…】
アリス「なるほどね、あなたたちも大変ね」
藍「まぁ、な」
アリス「この状況、虎穴に入らずんば虎子を得ずだもんね」
幽香「誰が虎よ」
アリス「あなたの事を虎だなんて言って無いでしょ、そんなことより幽香、少しキッチン借りるわね」
幽香「…まぁ、別に好きにしなさい」
アリス「えぇ♪ じゃあ好きにさせてもらうわね♪」
幽香「……!?」
アリス「幽香、私の荷物の中にメディスンの新しい服とあなたにあげようと思って持ってきた洋菓子とバゲットが入ってるから見てみてくれるかしら?」
メディ「お♪ やったわ♪ 新しい服♪」
アリス「気に入ってくれると良いんだけど、あぁ幽香、それと交換で菜種油とふきのとう貰うわね♪」
藍、橙「!!」
幽香「! アリス…! さっきから何を勝手に…!」
メディ「ダーメ♪」
幽香「! ど、退きなさいメディ!」
メディ「ダメだよアリスの邪魔したら、それに今の商談成立って言うんでしょ? 幽香受け取っちゃったんだからさ、ね?」
幽香「ね? じゃないわよメディ、いいから退きなさい」
アリス(駄目押しね)
アリス「上海、蓬莱」クイックイッ
上海「シャンハーイ♪」
蓬莱「ホラーイ♪」
幽香「!? こ、こらっ…! は、離れろっ…!」
藍「お、おいアリス」
橙「アリスさん!」
アリス「幽香の菜種油とふきのとうを使えとは言われてるけど『幽香が作った』とは言われてないんでしょ? だったら私が作っても同じよね?」
アリス「前のクイズ大会のお礼よ♪ 結構楽しかったもん♪」
藍「!」
橙(…? クイズ?)
幽香「くっ…メディ退きなさい! コイツらも引き剥がしなさい」
メディ「そんな可哀想なこと出来なーい♪」
上海「シャンハーイ♪」
蓬莱「ホラーイ♪」
アリス「よし、準備出来たわ、後は揚げるだけね」
藍「相変わらず手際が良いな」
橙「流石アリスさんです」
アリス「そりゃあ伊達に花嫁修業してないからね、あっ! でも魔理沙が望むなら私は婿になっても…うふふふふっ♪」
藍「おい、大丈夫か?」
アリス「はっ!? だ、大丈夫大丈夫…あははは…」
アリス「ここなら大きな声を出さなければ私たちの声は聞こえないわね、揚げてる間少し暇だから少し面白いこと教えてあげるわ、でもあんまり詮索しないでね? それから他言無用よ」
藍、橙「?」
アリス「幽香の弱点その一『人形を破壊できない』その二『自分が心を許してる相手には本気で攻撃するとき以外は無意識に手加減する癖がある』その三『家族には絶対に手を下さないけど軽度のお仕置きはする』」
藍、橙「えっ…?」
アリス「二は最近私が発見したの、一と三は…ふふっもう見れば分かるかしら?」
幽香「…はぁ……分かった…分かったわよメディ、もう止めないわよ」
メディ「やったー♪ 私たちの勝ちー♪」
上海「シャンッ…ハーイ!」
蓬莱「ホラーイ!」
幽香「…アリス、後片付けはちゃんとしておきなさいよ」
アリス「! 分かってるわ、キッチン貸してくれてありがとね幽香」
幽香「フン……」
橙「…幽香さんはメディちゃんの事を家族だと思っているってことですか?」
アリス「こーら、詮索はしない約束よ」
橙「あっ! ご、ごめんなさい」
藍「…」
藍(紫様は幽香をどう思っているんだろうか…出会えば小言の言い合いしかしない二人だが…)
藍「アリス、私の間違いでなければ聞き流してくれて構わないんだが」
アリス「?」
藍「幽香は紫様の事を嫌いではないのか?」
アリス「……私から言えることは」
アリス「幽香は『紫の事が嫌い』なんじゃなくて『気に入らない』のよ」
藍「! そうか…!」
アリス「えぇ♪」
藍(気に入らない…嫌いと似ているが幽香にとっては大きな違いなのだろう、紫様はこれをご存知なのだろうか)
メディ「わぁ、可愛い服♪」
幽香「…来なさいメディ、着せてあげるわ」
メディ「うん♪」
幽香「…♪」
上海、蓬莱「! ~♪~♪」
藍(…ふっ、それこそ余計な詮索、か)
こうして藍と橙はアリスの助けもあり、幽香の作った菜種油で揚げたふきのとうの天ぷらを手に入れた
そしてその頃、摩訶不思議な夢の世界
【夢の世界】
トランプゲームを満喫した紫たちは少し遅めのお昼を食べていた
神綺「おいし~♪ このヨーグルトのお菓子私好き♪」
紫「でしょ? 手作りには負けるけど中々の美味しさなのよね♪」
魅魔「またドサドサとスキマからお菓子出したがこれ幻想郷の外の世界のもんだろ?」
紫「そうよ」
魅魔「怪奇現象だろ、いきなり店から商品消えたら」
紫「失礼ね、ちゃんとお代は払ってるわよ!」
魅魔「スキマでだろ? 充分怪奇現象じゃないか」
紫「良いじゃない別に、それにゆかりんが直々に買いに行ったら店員さんがゆかりんのあまりの美貌に気絶しちゃうからお買い物どころじゃないもん♪」
魅魔「おぇっ…」
紫「失礼しちゃうわね魅魔ぁ!」
エリス「うまっ☆ この星形のチョコうまっ☆ でもこの箱に書いてあるこのへんちくりんのピンク色の恐竜の絵はなんなんだろ、チョーうける☆」
サリエル「……プリン…」パクッ
サリエル「……美味い…クフフ♪……」
菫子(これ近所のコンビニにあるやつだ…てかサリエルさんが食べてるプリン、あれだけ高級プリンじゃん…そりゃあ美味いよ)
ドレミー「ケーキ美味しいです♪」
神綺「ドレちゃんはケーキみたいにぽわぽわしてるもんね♪」
ドレミー「私以上にぽわぽわしてる人に言われたくないんですけど」
神綺「わ、私そんなにぽわぽわしてないよ?」
魅魔「ぽわぽわの塊だろお前は」
紫「ぽわぽわしてないとしんちゃんっぽくないもんね」
サリエル「ぽわぽわしてない神綺などいない……」
エリス「してないって言い張ってるなら偽物かなっ☆」
神綺「わ、私は本物だよ!」
魅魔「だろうなぁ、好き好んでお前のマネなんてしたくないもんなぁ」
神綺「魅魔ちゃんさっきから酷いよ!?」
魅魔「んふふふ♪」
菫子「ふふっ…!」
神綺「!」
菫子「…! あっ…ご、ごめんなさい! 笑ってしまって」
神綺「ううん良いの、それよりも菫子ちゃんやっと笑ってくれたね♪」
菫子「えっ…?」
エリス「なーんだ☆ 笑えんじゃん☆」
サリエル「……笑いの感情が死んでるのかと思ってたわ…」
魅魔「そんな人間いるわけないだろ」
ドレミー「もしかしてずっと緊張されてたんですか?」
菫子「はい…実は…」
菫子「死の天使とか悪霊さんとか創造神とか…そんな人たちと初めて会ったので少し…」
ドレミー「紫さんがざっくり説明し過ぎなのがいけないんですよ」
魅魔「お前、私たちの事なんて説明したんだよ」
紫「名前と職業と種族をざっくりと」
魅魔「ちゃんと説明してやれよ、性格とか能力とか色々あんだろうが」
神綺「ゆかりんがちゃんと説明してたかと思ってたよ~」
紫「むぅ…分かるかと思ったのに」
魅魔「わかんねぇよお前じゃないんだから」
紫「ん~、じゃ改めて菫子に自己紹介でもしますか、お菓子でも食べながらね」
エリス「良いね☆ 菫子ちゃんもそれでいい?」
菫子「は、はい!」
ドレミー「では、私から…この夢の世界を管理している獏の妖怪、ドレミー・スイートです『夢を喰い、夢を創る程度の能力』を持ってます」
ドレミー「夢の世界の秩序を守るため、私は夢を悪用されないように監視しているのです」
菫子「夢…」
サリエル「夢を上手く扱う事が出来れば何でも出来てしまう……そういう輩が秩序を乱さないよう監視しているのよ……」
エリス「誰にでも出来る仕事じゃねえぞ☆」
菫子(夢か…他人事じゃないわよね…)
紫「ゆかりんは永遠の十七歳♪ 今日も幻想郷の管理人としてバリバリ働く霊夢が大好きな普通の女の子よ♪ てへっ♪」
菫子「……」
魅魔「あぁ気にしなくていいぞ、こいつの言動の八割は全部適当だからな」
神綺「えっ!?」
紫「魅魔ちゃんドイヒー」
魅魔「真実だろ、てか何でお前驚いてんだ」
菫子「霊夢さんから紫さんのことは良く聞きます、いきなり出てきてテンション高くてめんどくさくて場をわきまえなくてとってもウザいけど退屈はしないやつだって」
紫「いやぁん♪ 霊夢ったら…そりゃあもう退屈なんてさせてあげませんとも♪」
魅魔「前半ボロクソに…いや、やめとくか」
神綺「私は神綺っていうの♪ 魔界で創造神をやってます♪ パンデモニウムってところに館を構えてそこに住んでます♪ 能力は…えっと…『創造して実現する程度の能力』…だよね?」
紫「私の見た感じではそうよ、しんちゃん」
神綺「とっても可愛くて綺麗で美人な自慢の娘が六人いるの♪ 仲良くしてね♪」
菫子「能力も凄いですけど娘が六人ですか!?」
神綺「そうなの♪ サラちゃんルイズちゃん、マイちゃんユキちゃん夢子ちゃん! そして…アリスちゃん♪」
菫子(創造神だから創ったのかな? それとも…あ、でも神は無機物からも…いや、これはやめておこう)
菫子「アリスさんとは会ったことがあります、霊夢さんのところとか人里によく来るので」
神綺「! そうなの!? アリスちゃん私の事なんか言ってなかった!?」
菫子「…いえ、特には」
神綺「ガ~ン…はうぅ…」ショボーン
魅魔「素で口からガーンって言うやつお前ぐらいだよな」
紫「アリスはしんちゃんに対してもっと親孝行した方が良いと思うのよねぇ」
エリス「私はエリス、魔界で飛び回ってイタズラしながら遊んでた悪魔だよ☆ 今はサリエルさんの付き人やってるけどね☆ 『星の力を借りる程度の能力』かな? よろしくー☆」
神綺「エリスちゃんは魔界一番のイタズラっ子なのよね♪」
菫子「えっと…エリスさんは」
エリス「ちょっとちょっと☆ エリスで良いって菫子ちゃん☆」
サリエル「…遠慮することはないわ……」
菫子「では…エリス、エリスは何でサリエルさんの付き人に?」
エリス「ん~それ聞いちゃう? んとね、別にずっとイタズラの毎日でも良かったんだけどさ」
エリス「飽きてきちゃったんだよね、だからそろそろ私も落ち着きたかったの」
菫子「落ち着きたかった?」
エリス「そそ、私より強い人の下でさ、その人の事ずっと支えてやんの、そういうの昔から憧れてたんだよね」
エリス「んで私の条件に合いそうな人探してたら魔界の端っこにいたサリエルさんと偶然出会って、今に至る訳☆」
菫子「そうなんだ、偶然っていうか運命的な出会いってやつだったのね」
エリス「キャハハ☆ そーとも言うかもね~☆」
サリエル「……」
魅魔「…ふっ、嬉しそうだな?」
サリエル「…そう見えてしまったのならあなたの左足の中指の爪から壊死させるわよ…」
魅魔「照れ隠しでいちいち恐いこと言うな」
サリエル「サリエルよ…魔界の端っこに位置する靈異殿の主…能力は『生と死の狭間を操る程度の能力』…なの? 紫…?」
紫「サリエルの能力はそうね、私の親友の能力に似ている…かしら、でも幽々子は一瞬で死に追いやるけどサリエルのは毒の様な感じでジワジワいくタイプね、生も操るから生き返らすって芸当も出来なくはないのよね」
菫子(だから壊死させるとか言ってたのね、それに生すらも…あの大天使サリエルが実在していただけでも驚きなのにね)
神綺「サリエルちゃんのお家は私のお家からは結構離れているのよね、後私のお家並みに家族が多いの」
サリエル「…エリスに…家事担当のキクリ…警備のマガン…門番の兄妹、神玉…それから今はいないけど…コンガラ…」
魅魔(あいつ家事担当だったのか…)
エリス「コンガラさんは武者修行の旅に出てるんだよね☆」
紫「魔界でサリエルとサシで殺り合える人はしんちゃん、コンガラ…あ、夢子ちゃんもいけるかな?」
魅魔「夢子か…あいつも結構強いよな」
菫子(魔界の人たちは想像の遥か上をいくわね…)
魅魔「名前は魅魔、まぁ見ての通り霊だ、能力は『あらゆるものに取り憑く程度の能力』、能力の他にも魔法を幾つか使える」
紫「悪霊だけどねぇ」
魅魔「昔…博麗神社に取り憑いてちょっと悪さしてたな、あー…趣味は旅行だ、色んなところを見て回るのが好きでな」
紫「ちょっとどころじゃなかったんですけど?」
魅魔「いちいち水指すなよ」
紫「取り憑いて三代目博麗の巫女を操ろうとしたくせに! 私まだあの事根に持ってるんだからね!」
魅魔「もういいだろ!? お前らに見つかってこてんぱんにされたし謝ったじゃないか!」
エリス「ポルターガイスト魅魔さんってか☆」
魅魔「うっせぇ」
菫子(三代目って…何百年前の話なのかな)
神綺「旅行は最近外の世界が主流なんでしょ?」
魅魔「ああ、あ…そういや岩山に囲まれたでけぇ滝がある観光スポットでルイズに会ったぞ」
神綺「えっ!? 本当!? はぁ~、ルイズちゃんも最近帰ってきてくれないのよね…」
魅魔「便りが無いのは良い便りなんだろ? アイツも旅行好きだしな」
神綺「でも寂しぃ~…」
紫「そんな魅魔なんだけどね? これでもあの魔理沙のお師匠さんなのよねぇ♪」
菫子「へぇ~……えっ……? ええぇ!!?」
魅魔「おい! 余計なこと言うな!」
紫「事実じゃない」
魅魔「じじ…! いや事実じゃないだろ、魔理沙は私の事を覚えてないんだろ!?」
紫「でもあなたから貰った本を今でもとても大事そうにしてるのはなぜかしらねぇ?」
魅魔「! ……」
サリエル「…頭が覚えていなくても心と体は覚えているものよ…」
エリス「良いね♪ そういう話は好きだよ☆」
ドレミー「たまに魅魔さんの夢を魔理沙さん見てるみたいですよ? ただ魅魔さんが出ていても黒いモヤが顔にかかっているせいで顔は確認出来ないみたいですけどね」
神綺「魅魔ちゃんと魔理沙ちゃんの絆ね♪」
魅魔「……」
菫子「ちょっ、ちょっと待ってください! 魅魔さんが魔理沙さんの師匠!?」
紫「えぇ、まぁ形だけ…だけどね」
菫子「形だけ……あの、魅魔さん」
菫子「良かったら話してくれませんか? 凄い気になっちゃって…」
魅魔「…」
紫「…話してあげなさいよ、菫子は口が固い子らしいし、魔理沙の友達なんだからさ」
魅魔「……」
魅魔「他言しないと約束してくれ、お前らもだぞ?」
エリス「りょーかい☆」
菫子「! はい」
魅魔「十年ぐらい前になるか…旅行から幻想郷に帰ってきて体を見えなくして人里を散歩してたら急に私の目の前に箒を握り締めた小さい人間のガキが飛び出してきてな」
おいこのあくりょうやろー! このわたしがせーばいしてくれる!
魅魔「てなこと言いながら私に向かってブンブン箒をブンまわしてきやがってな」
く、くそー! 何であたらないんだよー
魅魔「そりゃ当たるわけないよな、悪霊なんだから実体を無くすなんて容易だし、姿消してるしな」
こんのくそババアめ!
魅魔「…これには流石の私もカチンとしちゃってな、そのガキに電撃落としてやったんだよ」
ぎにゃあああぁぁぁ!!
魅魔「見事に決まった、黒こげにしてやったよ…まぁ手加減はしたけどな、悪ガキには丁度良い仕置きだ」
うぐぅ…
魅魔「私はガキが気を失ったのを見届けてからその場を立ち去ったんだ…んで次の日、また人里を散歩してたらな?」
おいこのあくりょうやろー!
魅魔「また出やがったんだよ、同じ場所で同じ台詞で箒を握り締めた悪ガキが」
うぉりゃあー!!
魅魔「あぁまたか、また箒をブンまわしてくんのかコイツ、私には効かないってのを学習しないのかこのガキは」
魅魔「なんて思ってたんだがな…そのガキ、私の予想を遥かに越える行動をしやがったんだ」
とぅ!
魅魔「何しやがったと思う?」
わたしをでしにしてくれ!
魅魔「華麗なジャンピング土下座を決めたあと『私を弟子にしてくれ』って言ったんだ」
あくりょうのおねーさんみたいなすげぇまほーつかいになりたいんだ!
魅魔「あぁ、コイツはすげぇと思ったね」
魅魔「最初から凄かったんだよ、姿を消していたのに私の姿を視認出来、私の実力をこのガキは肌で感じ取り、そしてこの私に弟子入りを申し出たんだ…悪霊であるこの私に弟子入りなんてな…私自身、初めての事だったから少し嬉しさがあったんだと思う」
魅魔「だから私は人目の付かないところでみっちり一ヶ月の間修行をつけてやった」
魅魔「ガキの成長は目覚ましかったよ、始めて三日で集中するって技術は身に付けたし、十日で魔法玉を放てる様になったし、二十日で密度の小さなレーザーを撃てる様になった」
魅魔「だがいつまでも悪霊であるこの私と一緒にいるわけにはいかなかったんだ…あの伝説の悪霊、魅魔と一緒にいるなんて知れたらガキにまで退治のお触れが出るんじゃないかと思ってな…基本、ガキの親が黙ってないだろうし」
魅魔「十年前の幻想郷は今の何倍も治安が悪かったからな、私はそんなもん気にしないがこのガキには罪はない」
魅魔「だから修行開始からちょうど一ヶ月目の朝…そのガキと別れる事にした」
「な、なんでだよ! もうしゅぎょうはおわりなのかよ!」
「あぁ、お前にはもう私から教える事は何にもないからな、ここでさよならだ」
「ま、まだいっかげつだぞ!」
「充分だろ、お前には魔法の才能がある、その気になりゃあ夢の魔法使いにだってなれるさ」
「ほ、ほんとうか!?」
「あぁ、基礎は教えてやった、んでお前は覚えた、だから後は自分の好きなように学べ、魔法ってのは自分のスタイルにあった学び方があるんだ、自分を知ってもっと強くなれ」
「じぶんを、しる…」
「…まぁもし、もしもだぞ? もしも自分のやり方が分からなくなったらこの本を読め」
「ほん…? うわぁ、なんだよこれ、よめないじばっかりだ」
「お前みたいなガキにはまだ早いからな…それは私が旅しながら書いた自作の魔導書だ、無くすんじゃないぞ?」
「! うん、わかった!」
「…それじゃあな、またいつか…」
「! ま、まって!」
「?」
「し、ししょー! ま…またあえるか?」
「! ……」ニコッ
「そういやまだ聞いてなかったな、お前名前は?」
「! ま、まりさ! きりさめまりさ!」
「魔理沙、か…よし魔理沙、その本の最後のページ開いてみろ」
「うん! …うわっ、またよめないや」
「この最後のページには私の最強の魔法の名前とやり方が書いてある」
「!」
「いつか…いつかお前がこの魔法を使えるようになったら…この魔法を自在に扱えるような大魔法使いになれたら」
「会いに来てやるよ、魔理沙のところにな」
「! うんっ!」
「いいか? これで最後だ、お別れ前に見せといてやるからしっかりと目に焼き付けろよ?」
「おう!」
「ふっ、いくぞっ!」
「マスター……!! スパーク!!」
菫子「…」
魅魔「…その後で別れた、んで現在に至る訳だ」
紫「その後私に『魔理沙って面白いガキがいる』って言いに来たのよねぇ、あれは何故?」
魅魔「…別に」
紫「別になんてことないでしょう? あなたなりに私に魔理沙を気にかけてやってくれっていう魔理沙に対しての愛情表現に見えたけど?」
魅魔「…分かってんだったらいちいち口に出すんじゃないよ、お前の悪いとこだ」
紫「あなたの悪いとこはそうやって自分の気持ちを素直に口に出して言わないとこね」
魅魔「どの口が言うんだよ」
紫「ふふっ、お互い様ね♪」
魅魔「ったく…そういう事にしておいてやるよ」
魅魔「…あ~、んまあこんなとこだ、悪かったな、面白話でもなんでもないからシラケちまった」
神綺「そんなことないよぉ!!」ドバッ
魅魔「うおっ!?」
神綺「びばちゃんどまびばちゃんの…! グスッ! ヒグッ! 二人のおばびゃびびばがんぼうびだびょう!!」ボロボロ
魅魔「ボロ泣きだぁ!? てか何言ってるか分かんないし鼻拭け汚ないから!」
サリエル「…涙は出ないけど、胸の辺りが熱くなるのを感じるわ…」
エリス「所々自己主張と自慢があったけど良い話だったぞ☆」
魅魔「自慢なんかしてねぇよ!」
ドレミー「ほぅ、そんな過去があったんですねぇ」
菫子「あ、あの魅魔さん!」
菫子「魔理沙さんはマスタースパークを使えてます! 条件を満たしているんですから会ってあげてもいいんじゃないですか?」
魅魔「……」
紫「…まだまだだそうよ」
菫子「えっ?」
紫「まだまだ最高のマスタースパークになってないから会うのはまだダメ、なんでしょ?」
魅魔「あぁそうだ、私は手から撃てるが魔理沙は八卦炉とかいう道具を使ってんだろ? だからまだダメだ」
紫「まぁ私からしてみれば? 十年経って顔も覚えてない自分の弟子にどうやって声を掛けていいか分からない恥ずかしがりやの言い訳にしか聞こえないけどねぇ♪」
魅魔「んな訳あるかぁ!」
紫「えぇ~違うのぉ~?」
魅魔「お前月までぶっ飛ばすぞ!?」
紫「それだけは勘弁してよ、月嫌い」
菫子「魔理沙さん…」
エリス「あれ? でも魔理沙って人間はなんで魅魔さんのこと覚えてないんだろ」
サリエル「人間の記憶力の発達は私たちに比べて遥かに劣る…十年前子供だったのなら尚更よ…例え自分の生に影響を与えた者であったとしてもね…」
エリス「そんなもんなんだね~☆ でも体と心は覚えてるらしいからそれはそれで良いのかな☆」
ドレミー「…魅魔さん、私からも質問いいですか?」
魅魔「ん? ってこらこの親バカが! いつまでも引っ付くなぁ!」
神綺「うえーん! 感動したよ~!」
ドレミー「マスタースパーク、魅魔さんのオリジナルならなんであの風見幽香さんが使えるんですか?」
魅魔「ん? あぁあいつか、あいつがまだ幻想郷在住じゃなかった頃に喧嘩して戦った事があってな」
魅魔「あいつにおみまいしてやったらよ、煙の中から平然と立ち上がってこう言いやがったんだよ」
魅魔「『へぇ…そういう使い方があるのね』って」
魅魔「あれは迂闊だったなぁ、まさか技を盗まれるとは思わなかったからな」
紫「ゆうかりんがユウカりんだった頃ね」
ドレミー「分かりにくいですよ紫さん、なるほどねぇ、だから幽香さんがマスタースパークを…」
菫子(太陽の畑に住んでるって妖怪さん? マミゾウさんから聞いたことあるわね)
紫「…会ってあげなさいよ」
魅魔「…いつか、な」
紫「魔理沙が本物の魔法使いになるかは分からない」
魅魔「それは魔理沙次第だ、他の奴が口を出すことじゃない」
紫「人間のままだったら寿命は儚いのよ?」
魅魔「……あいつが死ぬまでには会ってやるさ」
紫「……悪霊に二言は無いのね?」
魅魔「なんじゃそりゃ……あぁ、約束だ」
紫「そ…ならいいわ」
魅魔「ふっ…」
紫「ふふっ♪」
エリス、サリエル、ドレミー、菫子、神綺「…」
エリス「仲良しだね☆」
ドレミー「三代目博麗の巫女からの知り合いですからねぇ、幽々子さんの次に仲良いいんじゃないですか」
神綺「むむ、良いなぁ…ゆかりんと魅魔ちゃん」
サリエル「…友情は概念…言葉では言い表せない不思議な感覚…」
菫子(昔はああいうの嫌いだったけど…今の私ならハッキリ言える…羨ましいってね)
魅魔「…さて? 次は菫子の番だな?」
菫子「!」
エリス「私たちにだけ喋らせといて語らせないわけねぇぞ☆」
サリエル「…まだ緊張しているのなら緊張の部分だけ削り殺してあげるわよ…」
ドレミー「器用ですね、でも怖いです」
紫「ふふっ、大丈夫よ菫子」
紫「異変の事、もう霊夢たちと話は着いてるんでしょう?」
菫子「! …はい! では…」
菫子「私は宇佐見菫子、非公認オカルトサークル秘封倶楽部の初代会長よ! 能力は『超能力を操る程度の能力』なの!」
場所は代わってここは三途の川、彼岸の反対側、比岸
【三途の川】
小野塚小町「米だって?」
藍「あぁ、どうやら死神界にあるという幻の米らしいのだが」
橙「小町さん、知りませんか?」
小町「なんでお前さんたちが知ってんだい…つってもあれか、相手があの八雲紫じゃあ隠すも何もないもんねぇ…」
藍「どうやら知っているようだな、小町、その米について詳しく」
小町「あげるよ」
藍、橙「えっ?」
小町「だからその米をくれてやるってのさ、あたいその米持ってるから」
小町「というか…あたいが製作者だし…」ドヨーン
藍、橙「…えっ!?」
小町「着いてきな、幻の米の正体を明かしてやろう」
小町「前に仕事のお休みがあった日にさ」
藍「お前はいつでも休みの日ではないのか?」
小町「こらこら、口を挟むんじゃないよまったく…」
小町「え~…あぁ、仕事のお休みがあった日にさ、いつものように自分の家で寝転がりながら酒かっくらってたらさ」
橙(それもいつもの事ですね…)
小町「あたいの家の戸を開ける音が聞こえたんだ、その時酔っ払ってたからあたい『誰じゃクルァ!』って意気揚々と言ってやったんだよ、そしたら…」
ホワンホワン
四季映姫・ヤマザナドゥ『誰じゃクルァ…? 随分と偉そうな物言いですねぇ…小町ぃ…?』プルプル
小町『ひゃっ!? し、四季様!?』
映姫『小町ぃ!!』
小町『きゃん!』
ホワンホワン
小町「閻魔通り越して鬼だったよありゃあ、怒りで体がぷるぷると震えてて眉間に青筋浮かべてさ、怖いのなんのって…最終的に悔悟の棒で叩かれたし…痛かったなぁあれ」
藍(容易に想像できるな)
橙「あの、何故閻魔様は小町さんの家を訪ねて来られたんですか?」
小町「重要なのはそこさ、あたいもどうして家に来たのか聞いたのさ、そしたら『貴方は休みの日でもそうやってうんたらかんたら』…やんなっちゃうよ、休みの日にまでお説教だよ? 休みの日なんだからあたいが何して過ごしてたってあたいの勝手じゃないか」
小町「んで鋼の精神でお説教を二時間くらい聞いてたんだけど最後に四季様とんでもないこと言ったんだよ」
小町「『そんなに暇なら田植えでもして精神を鍛えなさい! 田植えは良いですよ、貴方みたいなサボり癖のついてしまっている者にはうってつけです!』って言って帰っていったんだ」
小町「その時は『はぁ?』って思ってやっと終わってくれた事に感謝しつつその日を終えた、問題は次の日だったんだ」
小町「何でか知らないけどあたいの家の隣の更地が小さな田んぼになってた」
藍、橙「!?」
小町「ご丁寧に稲と田植えのやり方とかいう本まで置いてあってさ…正直引いたよ、マジでやりやがったって」
小町「まぁでもやらなかったらまたお説教だろうし暇だったからやれるだけやってみたんだよ、そしたら案外面白くてさ、はまっちゃったんだよね」
小町「秋の機嫌の良い時に秋姉妹にコツを聞いたりもしたねぇ♪」
藍「ほぅ、良かったじゃないか、暇潰しじゃなく趣味になったのだからな」
橙「…あっ、じゃあ小町さんが作ったそのお米が」
小町「ご名答、紫が欲している幻の米ってわけさね」
藍「味も美味いんだな」
小町「四季様お墨付きだからねぇ、しっかしあたいと四季様しか知らなかったのにまさか他人にあげることになるとはねぇ」
小町「よし着いた…ここがあたいの家さ」
藍「随分質素なところに住んでるんだな、木造の囲炉裏付きの和式小屋とは」
小町「雨風凌げればそれでいいさね、さて…」
小町「よっと…ほい、米俵一俵で足りるかい?」
橙「そんなに頂けるんですか?」
小町「良いよ良いよ♪ 遠慮なく貰っておくれよ」
藍「あぁ、ありがとう小町」
橙「やりましたね藍様」
藍「あぁ、これで任務完了だね」
小町「一粒残さず食べとくれよ? この小野塚小町が作った米、ひまなこまちを!」
藍、橙「…はい?」
小町「その米の名前だよ、ひまなこまち!」
藍、橙「…」
藍「ぷふっ…!クックク…!」プルプル
橙「ふふっ…!フッフフッ…!」プルプル
小町「くふっ…! あっはっは♪ だよねぇ、やっぱり笑うよねぇ♪ 良いよ、大声で笑いなよ」
小町「あたいも耳を疑ったよ、その米食べた四季様が名前付けたいって言うからどうぞって言ったら出てきたのがこれだもん」
小町「いやっ四季様!? あたいなのか米なのか分からないじゃん!? って」
藍「や、やめろ小町っ…! くふはははは…!」
橙「あははっ…! ふふっ…!」
小町「あっはっはっは!」ゲラゲラ
映姫「何をそんなに…楽しそうですねぇ…? 小町?」
小町「はっは…は?」
映姫「は? とは?」
藍、橙「いっ!?」
小町「いいぃぃぃ!? し、しししし四季様!?」
映姫「驚き過ぎでしょう…それよりも小町! またサボって…! 何を考えているんですか貴方は! とうとう家まで戻ってサボシングするようになったのですか!?」
小町「ひっ…!」
藍(ひ、一先ず米のネーミングセンスのことは覚られていないようだな)
橙(び、びっくりした…)
映姫「まったく…それよりも、八雲藍、橙」
藍、橙「は、はい!」
映姫「確か今日は八雲紫が冬眠から目覚める日でしたね、それなのにあなた方は何故ここにいるのですか? おや、ひまなこまちまで持って…」
小町、藍「ぶふっ…!」プルプル
映姫「? 答えられないのですか?」
藍「い、いえ…そ、そういうわけでは…な、ないんですけど」
映姫「…何か隠してますね?」
藍「! め、滅相もない!」
映姫「いえ、私の長年の勘が言っています! 貴方は何かを隠している! 貴方から漂う何やら美味しそうな匂いとそのひまなこまちが」
小町「あふっ、あははっ!」
映姫「何がおかしいのですか小町ぃ!」
小町「きゃん!」
映姫「こほん…とにかく八雲藍、隠している事がある様なのでここで白状するまで、橙共々幻想郷に帰ることは許しません、私は気になったら止まらないので! それに隠し事をされることも大嫌いですので!」
藍、橙「!?」
映姫「さぁ、観念なさい」
藍(…こ、ここまでか)
藍(紫様…お許しを…)
そして、別れの時
【夢の世界】
ヤッタネユカリン! カゾクガニンムタッセイ!
紫「お」
魅魔「んあ?」
ヤッタネユカリン! カゾクガニンムタッセイ!
紫「あぁ、ごめんなさい、私のゆかりんタイマーが鳴ってたわ」
ヤッタネユカリン! カゾクガ ピッ!
神綺「ゆかりんのデフォルメシールが可愛い♪」
魅魔「キビシイだろ、色々と」
菫子(今のは…い、いや、私は何も聞いてない聞いてない…)
エリス「任務達成ってなんぞ☆」
サリエル「……」
ドレミー「紫さん」
紫「えぇ、そうよ」
紫「夢を見続けるのもここまで、八雲紫は冬眠から目覚めなければならない」
魅魔「あぁ、そういえばお前冬眠してたんだったな」
菫子「えっ、冬眠?」
ドレミー「紫さんは大妖怪故なのか、一月から三月の初めまで自分のスキマ空間で冬眠するんです」
菫子「へぇ~…えっ? じゃあここにいる紫さんは…? えっ!?」
魅魔「まぁ細かいこと気にすんな、こいつに常識通用しないから」
菫子「は、はい…」
サリエル「…お別れかしら…」
紫「そうなるわねぇ」
紫「魅魔、サリエル、エリス、神綺ちゃん、ドレミー、菫子…今日は楽しかったわ、遊んでくれてありがとね」
神綺「…うぅ」ウルウル
魅魔「いちいち泣くなよお前は」
神綺「だって~…」
エリス「ゆかりん元に戻るだけだし☆」
サリエル「…永遠の別れになるわけでもない…」
ドレミー「あぁ、やっと紫さんから解放されます」
紫「ドレミーさらっと酷いわよね」
菫子(ツッコミたいことが山のようにあるけど黙っておこう)
サリエル「…私たちは魔界に帰るわ…」
ドレミー「紫さんが突然呼んでご迷惑お掛けしました」
サリエル「…クフフ、気にしてないわ…♪」
エリス「じゃあな☆ あ、菫子ちゃん、トランプマジで楽しかったぞ☆ またやろうね☆」
菫子「! うん、またやりましょうエリスさ…ううん、エリス!」
神綺「別れは辛いけど…愛する娘たちのために帰るね、あ、会えなくなっちゃうかも知れないけど…さ、さようなら!」
魅魔「いつでも会えるつってるじゃないか」
紫「ありがと、じゃあね三人とも…楽しかったわ♪」
エリス「今日の晩ごはん何かな☆」
サリエル「…キクリの体の一部の岩…」
エリス「マジでシャレにならねぇ☆」
神綺「家に帰ったらアリスちゃんがお出迎え…!」
サリエル「それは無いわ…」
エリス「ねぇわ☆」
神綺「二人とも酷いよぉ!」
ズオオォォォ!
魅魔「…騒がしいな、魔界人は」
紫「私は好きよ♪」
ドレミー「紫さんも負けず劣らず騒がしいですからね」
菫子「…」
菫子(濃い人たちだったけど、また会えるかな…)
魅魔「んじゃ、私も行くかぁ」
紫「あら、一緒に帰って魔理沙に会わなくて良いの?」
魅魔「しつけぇぞ? …まだまだだ」
紫「ふふふっ…♪」
菫子「またどこかに旅行に?」
魅魔「ん~そうだなぁ、今度は日本に行くかぁ」
ドレミー「おや、外の世界ですね」
魅魔「菫子、私はまだ東京見物ってのをしたことがないんだよ」
菫子「!」
魅魔「ふっ…外の世界のお前に会いに行くのも悪くないと思ってな、その時は案内してくれるか?」
菫子「はい! もちろんですよ、魅魔さん」
魅魔「…そうか、ありがとな♪」
紫「気を付けなさいよ~? 取り憑かれたら最後操られて」
魅魔「するかアホ!」
魅魔「ったく…じゃあな」
ズオオォォォ!
紫「…」
ドレミー「普通のお別れを何でしないんですか、あなたは」
紫「…湿っぽいのは嫌いなの」
ドレミー「…ふふっ、そうですか」
菫子「ふふっ…」
紫「菫子、あなたはどうする? 私と一緒に幻想郷に来る?」
菫子「いえ、今日は外の世界に…私の世界に戻ります」
菫子「今日はもう…充分楽しみましたから♪」
紫「…分かったわ♪」
ドレミー「菫子さん、夢の事で何か悩みがあったら私に相談しても良いですよ、あなたは夢を悪用したりしない人ですからね」
菫子「! ありがとうドレミーさん」
菫子「それでは、さようなら…」
紫「菫子、ここは夢の世界だけれどあなたが今日体験した事は全て現実、夢でも幻でも無いわ」
菫子「…!」
紫「思い出を大切にね、それと…霊夢たちとずっと仲良くしてあげてね♪」
菫子「! はい! ふふふっ♪」スッ
パッ!
紫「…」
ドレミー「ほ~、本当に幻の様にパッと消えてしまうんですねぇ、いやはや…夢魂と夢幻病の関係性は奥が深いですねぇ」
紫(…夢でも幻でも無い、か)
ドレミー「二ヶ月もあなたと一緒にいるのって私ぐらいなんじゃないですか?」
紫「あら? お嫌い?」
ドレミー「静かに大人しくしててくれれば大歓迎なんですけどねぇ、でもあなたにお菓子やら何やらを貰ってしまっているせいで追い出せないですし」
紫「だから言ってるじゃない、ゆかりん善玉菌」
ドレミー「二ヶ月も前のネタを引っ張り出すのはやめなさい」
紫「うい」
ギュオン! と紫はスキマを開く
紫「じゃあ帰るから」
ドレミー「お達者で」
紫「…つれぇわ、引き止めも無しとか」
ドレミー「早く出ていきなさい悪玉菌」
紫「はぁ? ゆかりん善玉」
ドレミー「早く帰りなさい!」
紫「あっ! ちょっこらっ…! ドレミー押すのや」
スッ、ギュオン!
ドレミー「…ふぅ」
ドレミー「…」
シーン
ドレミー「あぁ、やっと私の日常が帰ってきた」
ドレミー「ふぅ~…」
ドレミー「…」
ドレミー「…」
ドレミー「取り敢えず寝ますか…」
ドレミー「…お休みなさい」
ドレミー「…」
ドレミー「スースー…」zzZ
【スキマ空間】
紫「あんにゃろう、善玉菌追い出すとか…お腹下しても知らないわよ」
紫「…」
紫「二ヶ月振りね、これから自分の体に戻って…それからマヨヒガへ…」
紫「…? はて、二ヶ月…バレンタイン…? なんのことやら、別に良いじゃない♪」
紫「ふふっ、まぁあんな手紙の通りにやらなくても目覚めてたわよ藍、でもやり遂げたみたいね」
紫「ふっ、十日ぐらい労ってやろうかしら♪」
紫「んじゃ、帰りますか」
紫「…」
紫「ただいま 私の愛する幻想郷」
【幻想郷、マヨヒガ、居間】
藍、橙「…」
藍「いくよ、橙」
橙「はい、藍様」
藍、橙「せーっの…!」
藍、橙(ゆかりん愛してるゆかりん愛してるゆかりん愛してる!)
ギュオン!
藍、橙「!」
紫「よいしょっと…!」
紫「ひゃっはー! ゆかりん大復活~♪」
橙「紫様!」
紫「ちぇーーん♪ あぁん♪ 会いたかったわ!」スッ
橙「わわっ!」
紫「このこの~♪ ふふっ、あぁ~この抱き心地…橙だわ…私は幻想郷に帰ってきたのね♪」ナデナデ
橙「んっ…♪ え、えへへ♪」ナデラレ
紫「寂しかった?」
橙「はい、とても寂しかったです…でもこうしてまた紫様に会えたから…今は嬉しさでいっぱいです」
紫「そっか…ありがとね橙、私も橙にまた会えて嬉しいわ♪」
橙「紫様…!」
紫「ふふっ、後でこの二ヶ月の間何をしてたか聞かせてね」
橙「はい!」
紫「藍、ただいま」
藍「お帰りなさいませ紫様」
紫「寂しかった~?」
藍「まぁ、はい」
紫「ふふふのふ♪ 素直じゃないわねぇ… ! あらあら」
紫「団子に、雀酒、麻婆豆腐にふきのとうの天ぷら、ひまなこまちまであるのね」
藍(名前知ってたんですか)
紫「…藍、あなたよくこれだけの物を集めたわね、大変だったでしょう、特にゆうかりんの天ぷらは」
藍「えぇ、まぁ色々と助け船がありましてね、何とか集めきる事が出来ました」
紫「ふーん、橙も手伝ったの?」
橙「はい、あ! でも手紙には手伝ってはいけないと…」
紫「…いえ、良いのよ橙、あなたが手伝ったことは咎めません、寧ろ嬉しいもの」
橙「! 紫様…」
紫「藍、橙も…よく頑張ってくれたわね、私嬉しいわ」
藍、橙「!」
紫「特に藍…まぁ手紙にはあんな風に書いてしまったどあなたはよくやってくれました…あなたの行動、誠意…全て本物よ」
紫「私の事を愛してくれてありがとう、藍、橙…私も…私もあなたたち二人の事を家族として愛してるわ」
紫「だから…ここまでしてくれて本当にありがとう…ありがとうございました…」ペコッ
藍「紫様…」
橙「…紫様」
紫「ふふっ♪ あらら、私らしく無かった?」
藍「いいえとんでもない、寧ろ紫様らしかったですよ」
紫「そう? なら良かったわ、あぁなんか冬眠明けだからお腹空いちゃったわ♪ ほら、二人もこれ食べましょ♪ せっかくの食事が」
藍「…あっ!! あ、あの…ゆ、紫様…!」
紫「? どうしたの? 藍」
藍「その…きゃ、客間に来客が…」
紫「え? 来客? …あ♪ も、もしかして私の霊夢!?」
タタタタッ!
藍「あ…え、えーっと…」
バァン!
紫「霊夢~♪ 早速会いに来てくれたの」
映姫「すいませんね博麗の巫女じゃなくて」
紫「 」
映姫「冬眠から目覚め、家族水入らずのところに申し訳ないと思ったのですがどうしてもあなたに言いたい事がってこらっ!」
スススッ
紫「えっ?」
映姫「静かに襖を閉めようとしないっ! ともかくこちらに来て座りなさい!」
紫「ちょちょちょっと待っていただけますか? 直ぐに確認を取りますので…」
映姫「その間に逃げよう等と企んでいるとしたら」
紫「いえいえそんなぁ…あははは…」スッ
紫「ちょっと藍! なんで閻魔様がここにいるのよ!?」ヒソヒソ
藍「すいません紫様…その…ひまなこまちを小町に貰った時に偶然閻魔様がその場に来てしまいまして…それで何かを隠していると問い詰められ…紫様の手紙を没収されてしまいました」ヒソヒソ
紫「はぁ!?」
藍「その…申し訳ありません」
紫「いやいや、申し訳ありませんじゃないでしょうが!」
藍「どうしようも無いんですよもう! さっと話をしてさっと帰ってもらえば良いじゃないですか!」
紫「さっと終わる奴だと思ってんの!? あいつのお説教が私の過労死に繋がるのよ!?」
藍「あなたは録に仕事もしないんですから過労死とは無縁でしょう!?」
紫「失礼ぶっこいちゃうわねぇ! 何が」
映姫「グダグダと何をしているんですか!!?」
紫「ひゃぁ!?」
映姫「八雲紫! さっさとこちらに来て座りなさい! 話をするだけです!」
紫「くっ…! う、恨むわよ藍…!」
映姫「手紙の内容については良いんです! 愛だのなんだのと、八雲家でお遊びをするのは勝手です!」
紫「はい」
映姫「ただ…! ただです! この部分だけはどうしても許せません!」
紫「?」
『閻魔様から問い詰められたらありがたい…いや、とってもうざったいお説教の嵐よ?』
紫「あ」
映姫「あ!? 今あって言いましたか!?」
紫「言ってません」
映姫「それはいいです! ここ! この文章ですよ! うざったいぃ…!? あなたは私の心のこもった言い付けをあなたはいつもうざったいと思って聞いてたんですか!? えぇ!?」
紫「思ってません」
映姫「思ってない!? ならこの文章はなんなんですか!?」
紫「……私はこの文章を書いてません」
映姫「嘘をつくなっ!!」
紫「ひっ!?」ビクッ
映姫「あなたの筆跡でしょうが! この期に及んで嘘を付くとは…! 何度も何度も何度も言いますがあなたという人はぁ…!」
紫「ぬぐあぁぁ…!」
藍「…すいません、紫様」
橙「え、閻魔様怖いです…」
紫(こ、こんなことになるなら手紙なんて書かなければ良かったわ…)
紫(夢、幻…あぁ、夢の世界の思い出がお説教で埋め尽くされていく…どうして冬眠から目覚めてすぐさまお説教…最悪だわ)
紫(もう一日だけ寝ていれば良かったかなぁ)
映姫「聞いてるんですか八雲紫ぃ!!」
紫「き、聞いてまーす!」
紫(あぁ、夢の世界が恋しい…)
おしまい!
お疲れ様でした! ここまで読んでいただいてありがとうございました!
一円札で一万円の時代を省いて普通にしてしまいましたが…はい
新キャラの名前が出たりして混乱させてしまって申し訳ないのですが、いずれ本編で出し、必ず収集は着けますので気長にお待ちいただければと思います
また『東方紫藍談』の魔理沙は魅魔を覚えていない設定にしてあります、顔とどんな性格だったかは覚えていませんが
修行、本、マスタースパークだけは緑の長い髪の人に教わったといううろ覚えの状態にあります、これはいずれ霧雨魔理沙の200の事にて触れます
それではくどいようですがここまで読んでいただいてありがとうございました! お疲れ様でした!