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翌朝、強制起床アラームによって眼が覚めた。
横を見ると、ユウキはまだ………いや、ベッドに既にいない。
「どこに行ったんだ?」
ユウキを探そうと辺りを見渡す。
「わっ!!」
「うをっ!?」
すると、背後から勢いよく驚かされ、俺は思わずベッドから落ちた。
「ご、ごめん、レイン!大丈夫?」
まさかベッドから落ちるとは思っていなかったのか、ユウキは慌てて俺に近寄る。
「いや、痛くはないけど………ユウキ、大丈夫……なのか?」
「え?う~ん……」
腕を組んで考えるユウキ。
数秒ほど考えると、ユウキを手を打った。
「とりあえず、今はお腹空いたかな」
「このパン固いけど、結構いけるね。牛乳とも凄く合うよ」
あの後、NPCのショップで1コルの黒パンと、少し値が張る15コルのミルクを購入し、朝食を摂る。
昨日と打って変わって、ユウキは落ち着いていた。
いや、落ち着いてるっていうより普段通り過ぎる。
「ユウキ、一体どうしたんだ?」
「ん?何が?」
「その落ち着き具合だよ。なんて言うか、昨日のことをまったく気にしてないって言うか……」
「う~ん、落ち着いてるって言うか、正直まだ困惑してるよ」
「え?」
「昨日よりかはマシだけど、まだ混乱してるよ。HPがなくなったら死ぬなんて信じられないし、でも、こうしてログアウトもできないし、こんな状況なのにゲームをクリアしなきゃいけないし………なんかもう、色々ありすぎて頭の中が混乱しちゃうよ」
「………そのわりにはなんかいつも通りだな」
「だって、雫がいるもん」
「え?」
プレイヤーネームではなく、本名で呼ばれて少し驚く。
「雫はさ、ボクが辛い時、いつも隣にいてくれた。いつもボクを守ってくれて、いつもボクを励ましてくれた。そんな雫が、こうして隣にいてくれる。それだけで、ボクが普段通りでいられるには十分すぎる理由だよ」
ユウキは、いつもの笑顔でそう言った。
本当に強い奴だな。
「それにさ、折角のVRゲームだよ?楽しまなきゃ損だよ。ボクは楽しむためにSAOをするよ」
その言葉にまたも驚いた。
HPが無くなったら本当に死ぬデスゲームだってのに、それでもこの世界を楽しむ……か。
「……そうだな。折角だし楽しまないとな」
「だよね!」
俺とユウキは笑いあって、立ち上がる。
「それじゃあ、レイン。最初は何をする?」
「まずはレベル上げだな。次の街に行くぞ。ユウキ、遅れるなよ?」
「もっちろん!」
いつもの笑顔で元気に返事をするユウキから元気をもらい、俺たちは宿屋を出る。
とりあえず、早くキリトさんに追いつかないとな。
次回は、第1層攻略会議になります