ダンガンロンパ 繋がり   作:オンリー

2 / 9




第1話 入学祝い

 あれから日向たち三人は入学式会場になんとか滑り込みし、入学式に間に合う事が出来た。しかし入学式にギリギリに来た事で、日向と剣崎の二人は入学式の後に教師から厳重注意を受け、1時間の説教を喰らうはめになった。

 

 

「あぁ、長かった〜」

 

「何もあんなに言わなくてもいいよなー」

 

 職員室から退室した二人は説教から解放される。

 

「つうか、なんで俺と日向だけ説教を受けるんだよ。七海だってギリギリに俺達と一瞬に来たのに」

 

「仕方ないさ。七海は『本科』で俺達は『予備学科』なんだから」

 

 

 この希望ヶ峰学園では『本科』と『予備学科』の扱い方はかなり違う。その証拠に本科の校舎は設備は整っているのに加えて、新校舎まで建てている。それに引き換え、予備学科の校舎は見栄えは普通だが中は所々に老朽化している。

 

 

「ちぇっ、予備学科でも同じ希望ヶ峰学園の生徒じゃねえかよ」

 

「かなり違うよ。あっちは『才能』がある。だけど俺達はそれがない」

 

「あぁ?なんだよ。お前、もしかして希望ヶ峰学園の名声だけが欲しい奴か」

 

 高い入学費と授業料を払って予備学科に入る奴の大体は希望ヶ峰学園の名声目立てで来る。だが日向はそんな剣崎に不敵な笑みを浮かべて返事する。

 

「冗談。俺は必ず本科に成り上がってみせる。父さんと母さんの為にも」

 

 予備学科の生徒が才能を発揮し認められば本科に編入することができる。剣崎は日向の瞳に映る断固たる決意を感じ取る。

 

「はっ、愚問だったな。俺も必ず本科に成り上がって見せる」

 

「ああ、必ず本科に入って見せよう。・・・・って、あれ?」

 

「どうした?」

 

「あそこにいるのって七海じゃないか」

 

 指差す方向に目を向ける。その先には校門の前でゲームする七海の姿があった。

 

「本当だ。あれ七海だ」

 

「もしかして。俺達が教師から説教を受けている間、ずっとあそこで俺達を待ってくれてたのか」

 

 ならばすぐに行かなければと思い、二人は七海のいる校舎の前まで走る。

 

「お〜い!七海!」

 

 手を振りながら声を掛けると、それに気付いた七海はゲーム機から手を離し目をこちらに向けてくる。

 

「日向くん。剣崎くん」

 

「もしかして、俺達の事を待ってくれていたのか?」

 

「うん」

 

「うわ〜すまない七海!後でなんか奢らせてくれ!」

 

 1時間も自分たちを待ってくれていた七海に愚痴を言ってしまった剣崎は、七海に謝る。しかし七海はなぜ剣崎が謝っているのかわからずに首をかしげる。

 

「なぁ、七海。俺も待たせたお詫びとゆう訳じゃないけど、この後一緒に昼飯を食べないか?今日、この後に入学祝いで知り合いの人と集まるんだけどどうかな」

 

「え〜とね。ん〜良いよ」

 

「良かった!」

 

「あっ、面白そうじゃん!俺も行っても良いか?」

 

「もちろん!」

 

「よっしゃあ!」

 

「じゃあ午後1時に◯◯駅の東口に集合で」

 

 そう告げると二人は笑みを浮かべて承諾してくれた。

 

 

 

 

 

「午前12時45分か」

 

 今の時刻を腕時計で確認する。自宅に帰った後、今日来る二人の事を電話で伝え、制服から私服に着替えて待ち合わせの15分前に到着する。

 

「俺がどうやら俺が先か。集合時間まで後15分弱。のんびりと待ちますか」

 

 駅のベンチに座って二人を待つ。

 

「七海の私服ってどんなだろ。結構ワンピースとか着てたりして」

 

 七海が着てくる服を想像していると、こちらに向かって走って来る人影が見える。

 

「あれは七海かな?」

 

 剣崎と身長が違う為、遠目でも七海だと気付く。

 

「お〜い!なな、み・・・」

 

 近づいて来る七海に声を掛け様とするが、途中から声のトーンを下げてしまう。

 

「ごめん。待った?」

 

 言葉が出なかった。服の外見は制服に似て、ゲームキャラのネコ耳付きのカーディガンを着ており、髪にはレトロゲームに出てくる様なドット絵を象ったヘヤピンを付けている。俺は七海の私服姿に見惚れてしまっていた。

 

「日向くん?」

 

 惚けている日向に声を掛ける。

 

「えっ、あ、ああっ!俺も今来たばかりだから」

 

 七海の声に気が付いた日向は、慌てて返事を返した。

 

「そう。後は剣崎くんだけだね」

 

「ま、まぁ剣崎ももうすぐ来るだ「お待たせっ!」ろうと、噂をすれば」

 

「はぁ、はぁ、なんだ俺が最後かよ。早く来たつもりだったのにな」

 

「いや、それでも集合時刻の10分前には来てるよ。さっ、集まった事だし行こうか」

 

 日向は二人を連れて知り合いの店に向かって行った。

 

 

 

 

 

「なぁ、日向。お前が歩きながら話してた店って」

 

「あぁ、この店だ」

 

 駅から歩いて20分程で到着したのは小さなラーメン店。外観はどこにでもありそうな普通な店だ。

 

「もしかして二人はラーメンは苦手だったか?」

 

「いや、俺は普通にラーメンは好きだけど」

 

「私も嫌いじゃないよ」

 

「でも少し古そうだったからさ」

 

 味は大丈夫なのか不安だった剣崎に、日向は親指を立てて答える。

 

「大丈夫!店の方は少し古いけど、ここで作られるラーメンや他の料理は絶品だからっ!」

 

 日向は店の扉を開け暖簾をくぐる。二人も日向の後を追い掛ける様に店に入り出す。

 

「らっしゃっい!」

 

 店に入ると厨房から一人の男性が出てくる。

 

「って、なんだ創か」

 

「はい、青木さん!今日も美味しい料理を食べに来ました」

 

 青木と呼ばれる男性は、日向の背後にいる剣崎と七海に気付く。

 

「おっ、後ろの二人は電話で話してた新しい友達か?」

 

「そうです。男子の名前が剣崎で、女子は七海って言います」

 

「剣崎 一馬です」

 

「七海 千秋です」

 

「そうか!そうか!俺の名前は青木 勝(あおき まさる)って言うんだ。宜しくなっ!さっ、席に座って料理を頼みな」

 

 青木は厨房に戻り、三人は横並びに座る。

 

「あれ?そう言えば鷹村さんと木村さんがいないんですけど?」

 

「あぁ、木村は家の手伝いで少し遅れて来るそうだ」

 

「鷹村さんは?」

 

「あの人は会長にこってり絞られてるよ」

 

「えっ?鷹村さんまた何かやったんですか」

 

「まぁなー」

 

 ハァ〜と二人は大きく溜息を吐く。

 

「鷹村?どこかで聞いたような」

 

 鷹村と言う名に聞き覚えがあった剣崎は眉を寄せながら記憶を辿る。

 

「まっ、その内二人も来るだろうから先に注文を頼んじゃないな」

 

「そうですね。じゃあ俺は味噌ラーメンと餃子で」

 

「俺は豚骨とチャーハン」

 

「お嬢ちゃんは?」

 

「え〜と・・・醤油ラーメンかな」

 

「あいよ!すぐに作るから待ってな!」

 

 注文を聞くと青木は調理に移り始める。調理が始まって10分ほど経つと店の扉が開かれる音が聞こえる。

 

「う〜す。来たぞ青木」

 

「腹減った!青木っ!美味いもんをすぐに作れ!」

 

 暖簾をくぐり入って来た二人の男性。内一人は身長が180㎝を超え、体格が大きい大男。髪型がトサカのように前髪を上げたリーゼントが特徴的。剣崎はその男を見て、目を見開かせ身体を震わせる。

 

「あっ!鷹村さん!木村さん!」

 

「よっ、創!遅くなって悪いな」

 

「俺が悪いんじゃねぇ。ジジイの野郎のダラダラと長い説教の所為だ」

 

「へいお待ち・・・って、木村に鷹村さん」

 

 調理を終え厨房から料理を出そうとした時、二人の存在に気付く。

 

「青木っ!いつものヤツを大至急に頼む!」

 

「じゃあ俺もいつものと餃子を頼むわ」

 

「了解しました〜」

 

 調理し終えた料理を全部出し、再び厨房に入りせっせと調理する。鷹村と木村はテーブル席に座る。

 

「ジジイの奴、マジでうるせぇーあんな事ぐらいで怒りやがって」

 

「一体なにしたんですか?」

 

「あ〜実は鷹村さんがジムの壁にグラビアのポスターを貼ったことがバレたんだよ。しかも際どいヤツを大量に」

 

 苛つく鷹村に日向は木村にボソボソと小声で聞いて、そりゃ〜怒られますよ、と呟く。

 

「あ、あの!」

 

 黙り込んでいた剣崎が意を決して苛つく鷹村に声を掛ける。

 

「あぁ?なんだぁ」

 

「も、もしかして貴方はあのボクシングミドル級チャンピオンの鷹村 守さんですかッ⁉︎」

 

 鼻息を荒げてテンションを上げる剣崎を見て、先程まで苛ついていた鷹村が上機嫌になる。

 

「ふっ、そうだ。俺様がミドル級チャンピオンにして、人類最強の男・・・鷹村 守 (たかむら まもる)だ‼︎」

 

「うわっ!やっぱりそうでしたか!俺貴方のファンなんです。握手して下さいッ!」

 

「いいとも。握手だけでなくサインも構わないぜ」

 

「マジっすか!あ〜でも今書く物が無いだよな。サインは今度会った時にでも良いですか?」

 

「全然構わないぜ。なんたって俺様は心の器が大きいからな」

 

 さっきまでの苛つきが嘘の様に鼻を膨らませて上機嫌な表情だ。

 

「何が器が大きいだ。いつもすぐに切れる癖に」

 

「でもこれで重い空気が解放されたから良いじゃないですか」

 

「そうそう。ほい、出来上がったぜ」

 

 厨房から顔を出した青木は日向に同意する様に頷く。そして特盛りチャーシューと醤油ラーメンをテーブルに置く。

 

「とゆうか、二人とも早く食べないとラーメンのびるぞ?千秋ちゃんは先に食べてるし」

 

 顔を七海に向けると黙々とラーメンを食べていた。

 

「ヤバッ⁉︎剣崎っ!早く食べようぜ!」

 

 鷹村といつまでも握手している剣崎にラーメンを食べる様に声を掛け、自分が注文した物を食べ始めた。

 

「おっ、忘れてた。握手してくれてありがとうございました鷹村さん」

 

「良いってことよ。俺様との握手は貴重だからな。手を洗うんじゃないぜ」

 

「はいっ!」

 

(いやちゃんと手を洗おうよ)

 

「いただきます・・・っ!なにこれ滅茶苦茶美味いんですけどッ⁉︎」

 

 今までに食べた事がないラーメンに驚愕する。

 

「だろっ!青木さんが作る料理は絶品なんだ。七海はどうだ?」

 

「おいしいよ」

 

「そう言ってくれると嬉しいねぇ〜」

 

「全くなぜ青木の癖にこんな美味いラーメンが作れるのか不思議だぜ」

 

「青木の癖には余計っすよ!それより今日は入学祝いで料理はタダにしてやるよ」

 

「マジっすか⁉︎」

 

 こんな美味い料理がタダで食べられるなんて思いもしなかった。

 

「おっ!そうか!なら俺様もじゃんじゃん頼むとするか!」

 

「鷹村さんは関係ないでしょッ⁉︎」

 

 無茶な注文に困り果てる青木に日向たちは笑い合いながら青木が作った美味しい料理を食べ続けた。

 

 




今回登場したのは、はじめの一歩の作品の鷹村さんと木村さん、青木さんが登場!入学祝いで青木さんの料理をタダで食べられる日向たちが羨ましいです!俺も食べたいよ〜‼︎
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。