主人公は稲妻だよ
タンジア港を出て四日。そろそろロックラックに着く頃。僕は小さいリオレウスと遊んでいる。
「ガウ!」
こうしてみると、父さんにじゃれていたことを思い出すな。
「ほほう、リオレウスになつかれるとは」
竜人商人のお爺ちゃんが笑い。
「にゃ、にゃんと恐ろしいものであるニャ」
「珍しいニャル」
マッソ兄さんの筆頭オトモロベルトが怖がり、料理長が珍しい物を見た顔をしている。
「さ、触ってもいいかな?」
「本物のリオレウスが目の前にいるのだから、スケッチしないと!」
怖がりながらも触りたい土竜族のお姉ちゃん、興味津々でスケッチするソフィアお姉ちゃん。
「これはすごいな」
「案外かわいいな」
「ますます一夏に似てきたな」
驚いている加工屋のおじさん、ブーギーと同じくらいの目線で話すマッソ兄さん、父さんと比べる団長。
「そろそろ帰りな。待っているよ」
数百メートル離れた所にリオレウス、リオレイアが飛んでいた。子供のリオレウスは僕に顔を擦りながら飛んでいった。
「そろそろロックラックに着くぞ」
ロックラック、そこに行けば父さんを知っている人に会える。けど、その前にやらなければならないことがある。
「み、水をください」
水分補給だね。
~ロックラック停泊中~
ここがロックラックか。周りが大砂漠なので太陽が暑いが、人の活気がさらに暑くしている。まるで祭りだ。しかも、ジエン・モーランが撃退が終わった時でもあった。
まず、ハンターズギルドロックラック本部へ行く。父さんに依頼を出した人に聞く。名前はスミノフと言う人。
ハンターズギルドに行くとき、マッソ兄さんと団長も着いていく。ある程度、顔が利くと言っていたので少し聞ける可能性が高くなった。
行こうと思うが、マッソ兄さんに止められた。
なんでも「知り合いに会いに行くぞ」と言われ、ロックラックの商業通りを通ってある店に着いた。
「ここは?」
「アルベール商会だ。主に装飾品や洋服、化粧品などを扱っているところ」
「知り合いって」
「こっちだ」
細い道に入り、アルベール商会の裏口に着いて、入っていった。
使用人の男の人が立っていた。
「お待ちしておりました」
「早速案内を」
「こちらへ」
お偉い人なのかな?
「ではごゆっくり」
扉を叩いて、ハイと返事したので入ってみると、金髪の縦ロールのお嬢さんがいた。年齢は僕より上ってわかる。
「久しぶりだなリシャルッテ」
「お久しぶりマッソ。そして、こんにちは稲妻くん」
僕の名前を知っていることは父さんの知り合いだね。
「はじめましてリシャルッテさん、稲妻です。よろしくお願いいたします」
「リーシャと呼んでください。さて、座ってお茶でも飲んでください」
マッソ兄さんはそうするわっと言って座った。
一応、断りを入れてから座った。
「さて、何から話しますか」
「父さんとはハンター仲間ですか?」
「そうよ。それと同時に初恋の人でもありました」
「ありました?」
「ええ、しかし振られました。彼はやることがあると言って」
「そうですか」
「稲妻くん、お父さんの仕事は知っていますか?」
「はい」
「信じたくないでしょうが、ですが万が一のことは覚悟していてください」
『スミノフ様がいらっしゃいました』
「通してください」
扉から肌黒いスキンヘッドの人が出てきた。この人がスミノフさん。筋肉が盛り上がっている。
「お前が稲妻か。小さいが強くなりそうだな」
「わっ!?」
大きな手で乱暴に撫でられた。けど、父さんみたいに暖かい。
「さて、一夏のことだな。単刀直入言うと、生きている」
「本当ですか!?」
「断言できる」
「本当にそうか?」
マッソ兄さんが聞いてきた。根拠がないね。
そう言うと、スミノフさんは懐から有るものを出してきた。
「これは銀龍の天鱗、これが銀色に輝いている間は生きている証拠」
「待て、まるで一夏が龍になったと聞こえるが」
「ああ、アイツは龍になって俺に渡してきた」
僕の目の前が暗くなった。