己を探す者たち   作:葵・Rain

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稲妻、夢を見る

 Side稲妻

 向かう場所はロックラックにした。一番情報が集められて、知り合いもいるから。龍識船に乗り込み、ロックラック行きの飛行船を待った。その間、集会酒場でお腹を満たしていた。そこへ、一人のハンターがやって来た。

 

「いな坊、どっか行くのか?」

「人探しに行くんです」

「そうか。いつ帰ってくるんだ?」

「未定です。帰ってくるので大丈夫です」

「そうかそうか。一杯付き合えよ。酒以外なら奢るぜ」

「お言葉に甘えて」

 

 少し高めの果物ジュースを頼み、話をし始めた。最初にあった話とか、イビルジョーから逃げた話、大食いの話から喧嘩の話など思い出を語り合った。そして、時間になった。

 

「じゃ、行ってくる」

「おう、いってらっしゃい」

 

 ロックラック行きの飛行船に乗り、ベルナ村を離れていった。僕は仮眠場で横になった。距離はある。ゆっくりと目を瞑った。

 

『いなくん』

『稲妻くん』

 

 二人の声が聞こえる。そうか、夢か。二人とは八年もあっていない。僕の事覚えているかな?

 

『『助けて!?』』

 

 助けて?どういう事?

 

『嫌、来ないで』

『や、やめて、私じゃなくなる』

『『きゃあああ!?』』

 

 なんだあの無数の手は!?助けにいかないと、ッ!?う、動けない!?

 

『助けていなくん!?』

『助けて稲妻くん!?』

 

 やめろ、やめろぉぉぉっ!?

 

「おい、大丈夫か坊主!?」

「ハァ、ハァ、っ。大丈夫です夢を見ただけです」

「そうか。ならよかった」

 

 心配で来たハンターが帰り、僕は今の夢を思い出した。『助けて』と二人に言われた。嫌な予感がする。僕は首を振り、部屋を出て気分転換に外に出て空気を吸うことにした。外に出ていくと夜になっていた。肌に刺さる冷たい風で目が覚める。

 さっきのことを考えてしまう。正直に言って二人とは連絡を取り合っていなかった。住む場所が変わったので手紙を送ったのだが、返事がなかった。

 もしかしたら、ユキネはロックラックにいるじゃないかと思った。思っただけで根拠はない。だけど、夢を叶えているなら必ずここにいる、もしくは情報が入るかもしれない。

 眠くなってきたのでもう一回寝ることにした。

 

『稲妻』

 

 父さん?父さんなの!?どこにいるの!?

 

『ああ、声は聞こえないが表情を見ればわかる。場所は言えないが帰ってくるから安心しろ』

 

 そっか。わかったよ。待っているよ。それよりも聞いてくれないかな?さっき怖い夢を見たんだ。

 

『怖い夢か。ふむ、どういった内容なんだ?』

 

 ユキネちゃんとツキヨちゃんが囚われている夢。黒い手がいっぱいでてきて二人を押さえ込んだんだ。

 

『なるほど。もしかしたら、二人は会いたいんじゃないかな?俺も稲妻と会いたい。夢でどこか遠くにいってしまう稲妻を見るんだ』

 

 僕が会いたい?確かに会いたいユキネちゃんとツキヨちゃんに。もちろん、父さんにも!

 

『うれしいな。だったら、半年後、古き塔の上まで迎えに来てくれ。その日に帰ってくる』

 

 うん、わかった!

 

『それと、……には気を付けろ、半年後!』

 

 最後のところ聞き取れなかったけど、父さんが帰ってくるんだ。あとは場所を探さないと、古き塔か。着いたら、調べてみよう。

 

「ロックラックまであと一時間で着きます。忘れ物無いようお降りください」

 

 船員の声と共に一年ぶりのロックラック。太陽に熱しられた乾いた風が僕の頬を撫でていった。

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