「ふざけんな‼‼」
「ヒャッ…‼」
放課後、廊下で立ち話をしていたハジメ達の所にリューズ達からリンドウさんを置いてきたという知らせがきた。それを聞いたハヤトは、いつにもまして激しく怒りだし、アイリはその声の大きさに驚いていた。
「ハヤト落ち着けよ。ここでキレてもどうにもならないぞ。」
「うるせえぞ、ハジメ‼こんな状況で黙ってられるかよ‼」
ハジメが宥めるがハヤトは話を聞こうとしない。彼の気持ちは分かるがこのままでは飛び出していきかねない。
「贖罪の街なんだろ?リンドウさんがいるのは。だったら今からでも遅くねえ。行くぞ‼」
「ダメですよ、ハヤトさん‼」
「どうしてだ、アイリ‼」
珍しくアイリが強い口調でハヤトを制止させる。
「今贖罪の街には新種のアラガミの反応が多数あるそうです。今のままだと作戦エリアに入ることすら厳しいそうです。」
「…ッ‼」
アイリに事実を言われ、ハヤトは黙る。さらにハジメが、
「それにあの面子で手こずった相手だぞ?俺らだけじゃ力不足だ。」
「……ッ‼…クソがぁあ‼‼」
ドゴッ‼
正論を言われたハヤトは、やり場のない怒りを壁にぶつける。ハヤトが殴った壁は丁度拳ぐらいの穴が空いてしまった。
「…痛くないのか…?」
ハジメが壁の穴とハヤトの拳を交互に見ながら呟く。
「こんなもん、なんでもねえよ。」
「そのうち怒られますよ…?」
「そんなことは今はどうだっていい。あと、アリサの野郎はどうした‼もとはと言えばアイツが混乱して天井ぶち抜いたのがリンドウさんと別れた原因なんだろ?」
「アリサか…。アリサなら今は医務室にいるそうだ。なんでもひどい錯乱状態に今おちっているらしい。」
「そのせいで今は面会謝絶状態らしいですよ。」
「んだとぉ⁉じゃあ、あのヤロウに文句の一つも言えないってか⁉」
「そうなるな…。」
「…。」(無言の壁パン)
ガンッ‼
再びハヤトの拳が壁を襲う。そして壁にもう一つ拳サイズの穴を開けると、ハヤトは、
「ふざけやがって…‼」
「医務室には行かないでくださいね…?」
「その時は全力で止めるからな。」
アイリとハジメが釘を刺すと、ハヤトは、
「安心しろ。さすがに面会謝絶の所に殴り込んでアレの首根っこ掴んで話聞き出すなんて事はしねえからよ…。」
と、絞り出すような声で言う。正直な話、このオーラだけでアラガミすら殺せる気がしてくる。
「なら、いいんですが…、」
「だが、その代わりよぉ…、」
「ん?」
アイリがホッと一息つくのと同時にハヤトが再び話し出す。
「アレが起きたら、とりあえず思いっきりブン殴る。んで、なんでああなったのかぜってえに聞き出してやる。」
「お、おう…。」
「絶対にやり過ぎないでくださいね⁉」
ハジメが気圧され、アイリが改めてハヤトに釘を刺す。が、効果はあまり無さそうだ。
「とりあえず俺は部屋に戻るぜ。じゃねえともう一つ壁に穴開けちまいそうだからよ…。」
ハヤトはそう言って部屋に戻っていった。
「アレはさすがにヤバイかもな…。」
「でも、ハヤトさんの言う通りです。アリサさんが目覚めたら、なぜこんなことになったのか聞かないと…。」
「確かにな。一体アリサに何があったんだろうな…。」
ハジメとアイリはハヤトを見送った後、各々の思いを呟いた。
そして翌日の金曜日、リューズが教室に入ると、早速カノンが話しかけてきた。
「リューズさん‼リンドウさんを置いてきたってウワサは本当なんですか⁉」
「ええ、そうよ…。」
「一体何があったんですか⁉」
「私にも分からないわ…。ただ、あの時は何かがおかしかったのだけは分かるわ…。」
「そうですか…。」
カノンがリューズの話を聞いてかなりショックを受けている。教室の中も昨日の一件のせいか、かなり暗い雰囲気になっている。
「カノン、リューズ、教室のドアの前で邪魔なんだよ。」
後ろから声がして振り向くとハヤトがいた。心なしかいつも以上に不機嫌なオーラが漂っている。
「うるさいわね。避けていきなさいよ。」
「ど真ん中にいられたら避けるもなにもねえだろ。」
「……。」
リューズが無言で避けるとハヤトは自分の席へと向かっていった。
「あの、リューズさんすみませんでした…。」
カノンが申し訳なさそうに言うとリューズは、
「アイツの言うことなんて気にしなくていいのよ、カノンちゃん。」
「ハイ…。」
カノンはそう言った後、一息ついてからリューズに話しかけた。
「リューズさん、リンドウさんは無事だと思いますか?」
「…私は信じているわ。リンドウさんは無事だって。」
「でも1人なんですよ?いくらリンドウさんでも1人では…、」
カノンはそこまで言って黙る。少しだけ体が震えている。どうやら、最悪の結果を口にすることを避けているようだ。
「信じましょう、カノンちゃん。」
「えっ?」
リューズがカノンの肩に手を掛けて話し出した。
「リンドウさんならきっと大丈夫。きっと生きてるわよ。」
「リューズさん…。」
カノンはそこで肩に掛けられているリューズの手が震えていることに気づいた。リューズも不安でいっぱいなのだと知ったカノンは、
「そうですね。リンドウさんなら大丈夫ですよね。」
根拠なんてないが、そう思ってないと不安で潰れてしまう。2人がお互いを励ましているとき、タツミ先生がやって来た。
「カノン、ちょっといいか?」
「タツミ先生?どうかしましたか?」
「ちょっと話があるから来てくれ。」
タツミはそう言ってカノンを連れていった。リューズが見るとなにやら話をしていた。
(一体何の話かしら…?)
リューズは聞き耳をたてようかと思ったが、私的な事だと聞くのも申し訳ないので聞き出すのは諦めて、自分の席についた。それから少ししてカノンは戻ってきたがリューズはさっきの話については何も聞かず、カノンとホームルームが始まるまで雑談していた。
不気味なくらいいつも通りの1日が過ぎた。サクヤ先生は昨日あんなにも取り乱したというのに、今日はいつも通りの調子だった。リューズにはそれがサクヤ先生のリンドウさんに対する信頼からなのか、生徒への気遣いかは分からなかった。そして放課後、教室を出ると、廊下で誰かが誰かに訴えている声が聞こえた。
(一体何の話かしら?)
リューズが聞き耳をたてると、
「ツバキさん‼俺たちもリンドウさんの捜索に向かわせてください‼」
この声は社会のブレンダン先生だ。リューズ
は『リンドウさん』というフレーズから、今朝の事を思い出しつつ聞き耳をたてる。
「何度も言わせるな。それについては正規の部隊が動いている。経過を待て。」
今度はツバキさんの声がした。その声には特に感情を感じない。
「しかし‼人数が多い方が発見の可能性が…、」
今度はタツミ先生が訴える。言っていることは正しい。
「くどい‼」
だが、ツバキさんはその訴えも一蹴する。
「リンドウさんは命の恩人なんです‼だから今度は私達が…、」
カノンの声だ。そこでリューズは第2部隊がリンドウさんの捜索を願い出ていることを確信した。
「くどいと言っている‼」
だが、ツバキさんは再三の訴えを断った。ちょうどそのタイミングで、
「…ツバキさん、校長がお呼びです。」
「分かった。しばらく頼む。」
ヒバリ先生がやって来てツバキさんに連絡をした。ツバキさんはそれを了承すると、校長室へと向かっていった。
(タツミ先生の言うことは正論だと思うんだけどな…。)
リューズは内心そう思っていた。許可が出るなら自分だってリンドウさんの捜索に行きたい。と、リューズは思ったがあの様子では無理だと悟るとタメ息をついた。
「他人の話に聞き耳をたてるのは、ちょっとどうかと思うぞ。」
「ヒャッ‼って、ハヤトか…。」
ハヤトが話し掛けてきた。リューズは一瞬驚いたがすぐに落ち着きを取り戻すと、ハヤトに質問した。
「なんか用?」
「暇なら訓練場行かね?」
「今から?別にいいけど…、」
唐突な誘いだったが、特にすることのないリューズはそれを受けようとしたタイミングで、
「リューズ、ハヤト、ちょっといいか?」
「ああ?」
「なにかしら?」
呼ばれて振り向くとハジメとアイリがいた。
「今からアリサの見舞いに行こうと思ったんだがお前らも一緒に来るか?」
「別にいいけど、コウタは?」
「コウタさんは、今週は実家に帰るそうです。なので今日は早く帰りました。」
「そう…。」
「で、どうする?来るのか?来ないのか?」
「そうねぇ…、」
リューズが考えているとハヤトは、
「俺は行かねえぞ。」
「えっ⁉」
ハヤトの返事にリューズは驚き、ハヤトの方を見る。が、ハヤトは特に気にせずに理由を話す。
「昨日も言ったが、今アレの顔を見ると無性にブン殴りたくなるからパスだ。行くならお前らだけで行け。」
ハヤトはそう言ってさっさと行ってしまった。
「…リューズさんはどうしますか?」
「…私は行くわよ。」
こうしてリューズ達はアリサの見舞いに行くため医務室へと向かった。その道中でリューズは、
「まったくハヤトは…、」
「ん?ハヤトがどうかしたのか?」
リューズの呟きをハジメが拾うと、リューズは、
「だって、アイツはアリサちゃんをブン殴る気なんでしょ?酷すぎじゃない?」
「ああ、それか。まあ、さすがにマジで殴るのは止めるとしても、アリサを殴りたくなる気持ちは分からなくもないな。」
「アンタもなの⁉信じらんない⁉何でよ⁉」
「俺はあの場にはいなかったから、コウタとお前から聞いた話でしかその時の状況を知らないけど、理由はなんであれ、直接の原因はアリサなんだろ?アリサのせいでこんなことになったんだから、アリサには問いただしたいことがあるんだよ。多少無理矢理だとしてもね。」
「……アンタは殴りに行くわけじゃないのよね?」
リューズが念のため聞くと、ハジメは、
「アリサが理由を教えてくれるんだったら、俺はブン殴るよ。けど、できればやりたくないな。面倒だし。」
「あっそ…。」
リューズはタメ息をついた後再び医務室に向け歩き始めた。
リューズ達が医務室の前までいくと
「見ないで…、」
アリサの声が聞こえてきた。普段の口調とはまるで違う弱々しい声だ。
「アリサさん、大丈夫でしょうか…?」
アイリが心配そうにつぶやく。すると、また声が聞こえてきた。
「もうほっといてよ…、来ないで…。…私なんか…、私なんか…‼‼」
「鎮静剤を、クッションは交換しておけ。」
突然アリサの弱々しい声がヒステリックな叫び声に変わった。それと同時に医務室内が慌ただしくなる。
「…これは思いのほかヤバそうだな。」
「…そうね。」
ハジメの呟きにリューズが同調する。正直な話、これではクラスに復帰するには大分遠いだろう。
「ああ…、ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ。パパ…、ママ…、私…、違う‼違うの‼‼」
アリサが突然謝罪を始める。
(もしかしてアリサのトラウマって…。)
リューズはそれを聞いて前にリンドウさんに聞いた話を思い出した。まだ決まったわけではないが、アリサのトラウマが関わっていることは察しがついた。
「私だ…、分かるか?アリサ。」
「そんな‼そんなつもりじゃなかったの‼違うの‼私じゃない‼私のせいじゃない‼‼」
ツバキさんがアリサに、呼び掛けるがアリサには聞こえていない。
「ほっといてよ‼私なんかほっといてくれればよかったのに‼‼」
アリサの叫びは続く。心配になったリューズは医務室のドアに開けようとしたとき、
「いや、今日はやめておこう。」
ハジメがそれを止めた。
「どうしてよ?」
「今の状態じゃあ多分面会謝絶だろ?だから日を改めよう。」
リューズが理由を聞くと、ハジメが珍しくまともなこと言った。
「ウッ…‼ま、まあ、確かにそうかもしれないけど…、」
「それに鎮静剤がどうとか言ってましたし、もしかしたら薬が切れると今の感じなのかもしれないですね。」
リューズがたじろいでいると、アイリも止めに来た。
「そうね…。今日は止めておきましょうか。」
「イヤアアアア‼」
リューズ達が引き返した後、アリサの叫び声が医務室のドアから響いてきた。
それからリューズは、毎日、放課後に医務室に行った。大体は面会謝絶だったが、火曜日に、たまたま入ることができた。医務室に入ってみると、アリサがベッドで寝ていた。
「アリサ…。」
リューズがアリサを見て心配そうに呟く。
「今は話しても無駄だぞ。鎮静剤が効いてるからな。しばらくは起きないだろ。」
保険の先生がリューズに伝える。リューズがアリサの手を握ると、突然リューズも脳内に映像が流れてきた。
(なに?この映像。あれはアラガミ?これは一体誰の目線なの?パパ、ママって?)
リューズが困惑していると、アリサが突然目を覚ました。
「今、あな…た……の……、」
アリサが呟く。どうやらアリサにも何かが見えたようだ。
(一体なんだったのかしら。今の映像は?)
リューズが自分の手を見ながら先程の映像の事を思い出す。嫌にリアルな映像だったが、もしかしたら今のがアリサのトラウマなのかもしれない。リューズがそんなことを考えていると、保険の先生がやって来て、
「い、意識が…回復しただと⁉一体何があった?」
そうリューズに聞くがリューズも何があったのかは理解していないので首を傾げる。その様子をみた保険の先生は、
「まあいい。アリサ一体何があった?」
今度はアリサに質問を始めた。リューズは邪魔にならないように医務室を出ると、またさっきの映像について考え始めたのだった。
アリサが目覚めた翌日の水曜日、リューズ達はツバキさんに呼ばれ、学校の会議室に集まっていた。
「本日の任務を『当該地域のアラガミ一掃』に変更する。」
ツバキさんから、今日の任務の変更を言い渡される。更に、
「なお検査中だったアリサは、快方に向かいつつあるが…、入院のため暫く学校を休む事になるだろう。」
どうやら、アリサはあれから快方に向かっているようだ。リューズはそれを聞きながら、昨日の出来事を思い出していた。
(結局昨日のアレはなんだったのかしら?)
あれから考えてみたが結局何の映像だったのかさっぱり分からなかった。唯一確信できるのは、アリサに何かしらの関係があること、そしてアリサも自分に関する何かを見たということだけは分かった。
(とはいっても、あれだけじゃ何がなんだか分からないわね…。)
リューズがそんなことを考えていると、ツバキさんが、
「最後に…本日をもって、神機及びその適合者であるリンドウは、消息不明、除隊として扱われることになった。…以上だ。」
そう宣告された瞬間、一瞬だけ皆が凍りついた。そうさせるだけの衝撃的な宣告だった。
「そんな…、まだ腕輪も神機も見つかってないんですよ⁉」
サクヤ先生が抗議する。確かにリンドウさんに関する手がかりが見つかったとはなにも聞いていない。
「上層部の決定だ。それに、腕輪のビーコン、生体信号ともに消失したことが確認された…。未確認アラガミの活動が活性化している状況で。生きているかも分からない人間を探す余裕はない。」
ツバキさんはそう言うと、さっさと行ってしまった。
「ねぇ‼こんなに早く捜索が打ち切られるなんておかしいわ‼襲われた敵も場所も明らかなのに…何で‼」
サクヤ先生が大きな声をあげる。どっちの言い分も分かるのでリューズ達はなにも言えない。
「…いや…、ごめん…。君達に当たっても仕方ないね…。少し頭を冷やしてくる…。任務には間に合うようにするから。」
「サクヤ先生、だいぶ参ってるみたいだね。」
サクヤ先生はそう言って、会議室を出ていった。ソーマもそれに続いて出ていく。コウタはそんなサクヤ先生を見ながら呟いた後、今度はこちらを向いて、
「俺、リューズも皆もよくやったと思ってるよ。」
「そうでもないわよ…。」
コウタはそう言うが、リューズはとても素直には受け取れない。
「でもアリサのヤツ、急にどうしちゃったってんだよ。同じ新型なんだしさ、リューズ達がそばにいてやった方がいいんじゃないかな?おれは、サクヤ先生の様子見に行ってくるよ‼」
コウタはそう言うと会議室を飛び出していった。
「アリサちゃんのそばにか…。」
リューズが呟く。アリサが快方に向かっているのならお見舞いにも行きやすくなるだろう。
「俺は行かねえからお前らが行けよ。」
ハヤトはそう言うと会議室を出ていった。
「アイツはそればっかね。」
「ハヤトなりに思うことがあるんだろ。」
リューズがぼやくと、ハジメがフォローをいれる。
「でもアリサさんが快方に向かっているのなら、これからお見舞いにも行けますね‼」
アイリが嬉しそうに言う。アイリはかなりアリサの心配をしていたのだから快方に向かっていると聞いて安心したのだろう。
「そうね。また、明日お見舞いに行ってみましょうか。」
「ハイ‼」
「そうだな。」
リューズがそう言うと、アイリとハジメが同調した。
「でも、まずは今日の任務だな。」
「そうね。私たちも準備しましょうか。」
「そうですね。」
ハジメがそう言って会議室を出ていくと、リューズとアイリもそれに続いて出ていった。
それとほぼ同時刻、会議室を出たソーマは2階の自販機の前にいた。すると、
「おい…聞いたか?第一部隊のリンドウさんのこと…。」
誰かが噂話をしているらしい。ソーマは特に気にしなかったが、
「ああ…。遂にソーマのチームから殉職者が……。」
「…お、おい、馬鹿…‼聞こえるぞ。」
どうやらそういう話らしい。話を聞いたソーマは、
「…クソっ。」
と、呟いた。それから少しして、
「おい、ソーマ。」
上から声がしたので見上げると、ハヤトがいた。
「お前か…。」
「隣いいか?」
「…好きにしろ…。」
ハヤトは自販機でココアを買うと、ソーマの隣に座った。
「なあ、ソーマ。」
「……。」
ハヤトはソーマに話し掛けたが、ソーマはなにも言わなかった。が、ハヤトは特に気にせず話し続けた。
「お前は今回のリンドウさんの件、どう思う?」
「……。」
「俺は裏でなんかあったんじゃねえかな、と思ってる。」
「……。」
「俺は難しいことを考えんのは苦手だから、具体的に考える気はねえがよ…、」
「………。」
「まだ、なんかあるんじゃねえかな。」
「…どうだろうな…。」
「ま、なんであろうと俺は目の前のアラガミをブッ飛ばしていくだけだけどな。」
ハヤトはそう言うと、残ったココアを飲み干して立ち上がった。
「急に話し掛けてて悪かったな。じゃあな。」
ハヤトはそう言って、ココアの缶をゴミ箱に放り投げると、去っていった。
「アイツ、勘だけはいいんだな…。」
ハヤトが去った後、ソーマはポツリと呟き、任務に備えるためにその場を去っていった。
そして任務を終え、学校に戻るとリューズ達は、早速アリサのお見舞いに行った。医務室にはいるとアリサがいた。具合はだいぶよくなっているように見える。
「皆さん……。」
アリサはこちらを見ると、ポツリと呟いた。
「具合はだいぶ良くなってるようね。」
リューズが安心したように言った。
「ええ、まあ、お陰さまで…、」
「お陰さまで…?」
アリサの発言にハジメがクエスチョンをつける。
「まあ、色々あったのよ…。」
「色々ですか…?」
リューズがはぐらかす。自分でも何があったのか分からないのでなんとも言えない。アイリも疑問を浮かべるが、リューズは、追求されないうちに話題を変える。
「そういえば、退院はいつなの?」
「退院は明日には出来るらしいです。」
「明日には出来るんですね‼良かった~。」
アイリが嬉しそうに言う。
「心配してくれてたんですか…?」
「当たり前じゃないですか‼仲間なんですよ‼」
「仲間…ですか…。」
アリサが驚いたように言う。アリサ的にはかなり意外だったようだ。
「アリサが俺らの事をどう思っているかは知らないが、少なくとも俺らにとってお前は仲間なんだ。心配するのは当然だろ。」
ハジメも言う。なんだかんだで彼も心配していたようだ。それを聞いたアリサは、
「…ありがとうございます。」
アリサは素直に感謝の言葉を言った。やはり根は素直ないい子なのだろう。リューズはそう思ったがそれを口には出さず、代わりに、
「退院したら、一緒に特訓しましょうか。私たちももっと強くならないといけないからね。」
リューズがそう言うと、アリサは少しだけうつむいた後、こちらに向き直って、
「皆さん、お願いがあります。」
と言った。そのときのアリサの目には強い決意のようなものが見てとれたのだった…。
~次回予告~
arisa
「そういえば、ハヤトは来てないですね…?」
Ryoze
「ハヤトは今はアンタの顔を見たくないって。」
hazime
「見ると殴りたくなるんだってさ。」
arisa
「当然ですよ…。私のしてきたことを考えれば…。」
Ryoze
「まあ、ハヤトの事はおいといて、これから私たちどうなるのかしら…。」
air
「次の隊長の事とかありますもんね…。」
hazime
「最悪、部隊の解散か…?」
Ryoze
「それはないと思いたいわね…。」
air
「そうならないといいですね…。そんなわけで次回は第12話~復帰までは何マイル?(仮)~こうご期待ください。」
hazime
「俺もあと1体殺せばエースだったんだけどな。」
arisa
「一体何の話ですか…?」
コードヴェインってなんか面白そうですよね