フェンリル学園組曲   作:かか雄

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4話の前にいきなり神機が決まってるのもアレなので、4話を書く前に皆がそれぞれの神機を選ぶ話も書くことにしました。


第3.5話~刀身と銃身と装甲モノ~

 ~リューズの場合~

 この学園に入学してから、はや一週間がたち、この生活にも少しは慣れてきた頃、リューズは悩んでいた。

「神機、何を選べば良いのかしら…。」

 初任務が来週の週末(*第3話より)ということになり、早くも神機の用意ということになったのだが…

「どの神機が自分に合うのかしら…。」

 授業でも神機のパーツについては教わったのだが、如何せん訓練はまだしたことが無い。ゆえに、実際の使い勝手は分からない。それに新型となると、周りの学生と違って刀身、銃身、装甲の3つ全てを決めなくてはならない。

「フィーリングで選ぶのもアリだけど、合わなかった時のことを考えると、また、組み合わせ考えなきゃならないしな~。」

「お前は1人で何をぶつぶつ喋ってるんだ?なんか怖いぞ。」

「怖いは余計よ、ハヤト。私は真剣に考えてるんだから。…アンタは神機のパーツの組み合わせは決めたの?」

「いや、まだ考え中だ。ただ、銃身はショットガンで装甲はシールドにすることにした。」

「あら?この前のお昼は刀身はバスターにして、後は考え中とか言ってなかったかしら?」

「それも良いと思うんだが、どうせなら放課後にでも、実際に使ってみて決めようかなって思ってよ。」

「使えるの?訓練場。」

「ツバキさんに聞いたらok出してくれた。てか、使うのは自由らしいぞ。」

「そうだったのね。私も行こうかしら…。」

 ここで悩むよりは実際に使ってみて決めた方がいいだろうと思い、今日の放課後、別館の訓練場に行って練習することにした。

 放課後、訓練場につくとさっそく練習を始めた。

「まずはロングを使おうかしら。癖がないらしいし。銃身はブラストね。どうせなら派手にやりたいし。装甲はバックラーでいいかしら。」

「神機は決めたか?」

「取り敢えずはね。ハヤト、さっそくだけどダミーのアラガミ出してちょうだい。」

「あぁ、分かった。」

 ハヤトはそう言って上で機械をいじると少しして、ダミーのアラガミが出てきた。

「これは、教科書で見たわ。オウガテイルね。」

 相手はオウガテイル1匹。初めてでもけっして勝てない相手ではない。むしろここで負けるようなら、今度の任務で足手まといになることは目に見えている。

(まずは、アラガミの出方を伺おうかしら。行動パターンが分かれば、対処は難しくないはず。)

 そう考え、オウガテイルと一定の距離を保ちながら、相手の出方をみる。するとさっそくオウガテイルが仕掛けてきた。尻尾を上にかざし、何度か振ると、尻尾から針が飛んできた。

(え、遠距離攻撃!?いや、これくらいなら回避は出来る‼)

 針はこちらめがけてまっすぐに飛んできたので、左右に動くことで回避ができた。

(このまま仕掛ける‼)

 そして、今度はこちらが、思いきって距離を詰め、オウガテイルに斬りかかった。何度か攻撃すると、オウガテイルが尻尾で薙ぎ払いをくり出してきた。

「キャアッ‼」

 薙ぎ払いをくらい吹き飛ばされたが、大きなダメージにはならず、再び距離を取ることにした。

(あんまり近くで斬り続けるのも駄目なのね。なら、今度はコイツで…!)

 神機を変形させ、ブラストにしたあとバレットをオウガテイルに向け放った。バレットはオウガテイルめがけ飛んでいき、それが当たると、オウガテイルは怯んだ。

(よし、怯んだ‼このままブラストで…‼)

 そう思いながら、ブラストを向けたが、何故かバレットが射出されない。疑問に思っていると、その隙をついて、オウガテイルはこちらに飛び掛かってきた。

「ウソッ!?キャアッ‼」

 飛び掛かりを喰らい、また吹き飛ばされた。

(どうしてバレットが出ないの?何でだっけ?………、思い出したわ‼オラクルが無くなったのね。)

 ブラストのオラクル消費量は他の銃身に比べると、かなり消費量が多い。その分威力はあるのだが、今のリューズでは乱発が難しい。

(となると、刀身の攻撃でオラクルを溜めて、溜まったらブラストを撃つのが良さそうね。そうと決まれば…)

 立ち上がると、神機をロングに変え、オウガテイルに斬りかかった。今度は深追いせず、何度か斬ったら、一旦距離をとり、隙を見てまた斬りかかるという作戦を取ることにした。そうしているうちに、オラクルは再び最大まで溜まり、再び神機をブラストの形態に変え、また、大量のバレットを撃ち出した。

(今度こそ、これで沈んで‼)

 撃ち出されたバレットはオウガテイルに無事命中し、オウガテイルは完全に沈んだ。

「なんとか勝てた……。」

 ホッとすると、一気に力が抜けてきた。その様子を見てハヤトは、

「もうへばったのか?」

「仕方ないでしょ‼こっちはちょっと前まで普通の女の子だったのよ!?ただでさえ筋トレで体痛くしたりするのに‼」

「で、どうだった?」

「ブラストは良かったけど、ロングはダメね。合わないわ。」

「となると、バスターか、ショートか。」

「バスターはイヤ。あんな重そうなもの武器、か弱い私にはキツすぎるわ。」

「………そう…ですか………。じゃあ、ショートか。」

「…今の間について問いただしたい所だけど、もういいわ。取り敢えず組み合わせは決まったし、私はもう休むわ。じゃあね、ハヤト。ほどほどにするのよ。」

「言われるまでもねーよ。じゃ、また明日。」

「えぇ、また明日。」

 そう言ってリューズは自室に戻り、ハヤトは訓練場での練習の準備を始めた。だが、リューズは戻る最中に重要なことを思い出した。

「そういえば、あの機械って1人じゃ操作できないじゃない。アイツどうするのかしら。」

 今さら戻る気も無かったので、リューズはそのまま部屋に戻ることにした。

 

 ~九頭竜ハヤトの場合~

「どうすっかな…。」

 ハヤトは悩んでいた。リューズを見送ったのは良かったが、そのせいで機械をいじれなくなってしまったからだ。

「今からリューズを呼ぶのもアレだし、ハジメとコウタはどこにいるかわかんねーしな。どうしたもんかな…」

 いっそ今日は帰って翌日にしてしまおうか、なんて考えが頭をよぎった時、

「どうしたの?」

 誰かが声をかけてきた。振り向くと作業着を着た少女が1人立っていた。

「いや、ダミーとの模擬戦をしたいんだが、1人じゃ動かせないだろ?それで困ってたんだ。」

「なるほどね。じゃあ、私が動かすよ。」

「いいのか?用事とかはないのか?」

「大丈夫、大丈夫。急ぎの用事はないから。」

「すまねぇ、助かった。」

「にしても、ダミーとの訓練なんて、任務が近いの?」

「あぁ。来週の週末に初任務なんだ。だから神機の組み合わせを早くかんがえないとな。」

「なるほどね。もしかして、君って噂の新型神機使いの1人でだったりする?」

「あぁ、確かにそうだけど、それがどうしたんだ?」

「本当!?ちょうど良かった。新型の君にお願いがあるんだけどいいかな?大丈夫。難しいことじゃないから。」

「あぁ、いいぜ。訓練に付き合ってもらえるし、それでOKだ。で、何をすればいいんだ?」

「それはね、神機の保管庫に行ってから話すよ。」

 そう言って作業着を着た少女はハヤトを神機の保管庫へと連れていった。

 神機の保管庫につくと、意外な人物に会った。

「ハジメにコウタじゃねーか。こんなところで何してんだ?」

「俺達は、神機の組み合わせを決めたから、ここで開発の申請をしてたんだよ。」

 と、コウタが答えた。

「なるほどな。お前らはどんな組み合わせにしたんだ?」

 今度はハジメが答えた。

「俺はロング・アサルト・バックラーで、コウタはアサルトだよ。」

「ほぉ。そうなのか。」

「しかも‼」

「あっ?」

 コウタが突然大きな声を出した。

「俺の神機はなんと‼あのツバキ教官のお下がりなんだぜ。」

「ふーん。」

「リアクションが薄い‼」

 かなりどうでもいいカミングアウトにノーリアクションで返した。どうやら、コウタは若干傷ついたらしい。だが気にせず、ハジメと話始めた。

「お前は何でその組み合わせに?」

「扱いやすさと、どの距離でも戦えるから。」

 なんともシンプルな回答だ。

「なるほどな。そういう考えもあるな。」

「ハヤトは組み合わせ決めたのか?」

「いや、まだだ。これから考えるところさ。」

「そう。ま、お互い初陣で死なないように頑張ろうよ。じゃ、申請もすんだし、俺は帰って寝るよ。おやすみ。」

 ハジメが帰るとなるとコウタもそれについていって帰っていった。

「話は終わったかな?」

 話が終わったとき、作業着を着た少女に後ろから呼ばれた。

「あぁ、すまねぇ。話し込んじまった。」

「別にいいよ。おかげで準備はできたから。」

「そうか。ならよかった。そういや、名前言ってなかったな。俺は九頭竜ハヤト。お前は?」

「私は楠リッカ。君と同じ1年生でクラスは3組だよ。」

「なるほど。んでリッカ、お願いってのはなんだ?」

「それはね、神機についてなんだ。ハヤト君は神機の刀身が二種類あることは知ってる?」

「あ~…。確か習ったような気が…。」

「ちゃんと、習ったハズなんだけどね。刀身にはブレード型とポール型があるんだ。極東ではブレード型が主流なんだけど、今年になってポール型の神機の試験的な投入を考えているんだよ。でも、ポール型はブレード型よりも調整が難しくてね。だから使うなら新型にってなったんだ。新型の内誰か1人でも使ってくれれば、そこからデータを採ってこれからの開発に生かせるから、ハヤト君にお願いしたんだ。」

「なるほどな。つまりポール型をどれでもいいから、使ってくれないかってことだな。」

「その通りだね。」

「それはいいんだけどよ、本当にそれだけでいいのか?」

「そんなに心配しなくていいよ。整備はここでも十分出来るし、開発はここでは出来ないけど、欧州の方と協力して、君に不都合は感じさせないように努力するから。」

「そうか。なら大丈夫そうだな。さっそくそのポール型ってのを見せてくれないか?」

「いいよ。これを見て。ポール型はこの3種類なんだ。この中から興味があるのを選んでくれればいいよ。」

 そう言ってリッカはカタログを見せてくれた。

「ブーストハンマーにチャージスピア、ヴァリアントサイズか…。さて、どれがいいかな。」

 どれもなかなかに面白そうだが、特にサイズに興味を持った。

「このヴァリアントサイズってのはどんな武器なんだ?」

「ヴァリアントサイズだね。それはポール型の中でも、わりと最近になって実装されたものなんだ。特徴は刀身の強度が高くて、それに加えて内部に組み込まれた神機フレーム制御装置のおかげで、捕食口になる部分を変形させて複数の刃を形成して攻撃ができるんだ。捕食口を変形させて、延長した状態を、咬刃展開形態って言うんだよ。最大で3段階まで延長が可能で…」

「ちょっとストップ。つまりどういうことなんだ?」

「あぁ、ゴメン。つい熱が上がっちゃった。要約していうとね。刃の部分が伸びるんだよ。リーチは全刀身の中で1番だね。」

「ほぉ。なんかスゴそうだな。…よし決めた。それにする。」

「うん、わかったよ。ハヤトにはプロトタイプを渡すから、暫くはそれを使ってね。あと、もう1つお願いがあるんだけどいいかな?」

「ん?なんだ?」

「ハヤトに渡すプロトタイプはまだ不安定なところがあるんだ。だからこまめにメンテをしたいんだよ。というわけで、任務後や、月ごとのメンテは必ず神機をだしてね。」

「あぁ、分かった。ちゃんとだすよ。」

「本当に守ってね。もし、ハヤトの身に何かあってからじゃおそいんだから。」

「分かった、分かった。ちゃんとだすから心配するな。よし、神機も決まったし、さっそく訓練をやるか。リッカ、練習付き合ってもらうぜ。」

「うん、わかったよ。ハヤトが納得するまで練習に付き合うから。」

 こうして、練習を続けること数時間、

「よし、だいぶコツが掴めた気がするし、今日は切り上げるとするか。リッカ、練習付き合ってくれてサンキューな。」

「いいって、いいって。ハヤトが納得するまで付き合うって言ったし。何より、調整もしなくちゃならないからね。」

「調整か…。俺はなにもしなくていいのか?」

「いや、調整には使用者の意見が必要なんだ。だからハヤトには実際の使い心地がどうだったかとか、色々聞くからね。まあ、気楽に答えてくれればいいよ。」

「なるほどな。それくらいなら俺でもできそうだ。んで、まずは何が聞きたいんだ?」

「立ったままってのもなんだから、どうせなら食堂で話そ。ハヤトもお腹すいてきたでしょ?」

「そうだな。あんだけ動いたし、まずはメシだな。」

 こうして、2人で食堂に向かいそこでリッカの質問に答えながら、食事をすることになったのだった。

 

 ~神代ハジメの場合~

「さて…、どうしようかな。」

 ハジメは悩んでいた。神機の組み合わせについて考えたが、どう考えてもまとまらない。

「手数か、威力か、はたまたバランスか。難しいな。」

 このまま考えているとドツボにはまりそうだ。というか、すでにドツボにはまっている気がする。悩んでも答えはでないしどうしたものかと考えていると、

「よっ、ハジメ。なに考えてんだ?」

 コウタが話し掛けてきた。

「コウタか…。いや、ちょっと神機の組み合わせを考えててな。」

「まだ考えてたのか~。俺はとっくに決めたのにな。」

「本当か?何を使うことにしたんだ?」

「アサルトだよ。しかも、あのツバキ教官のお下がりなんだぜ。スゴいだろ?」

 自慢げに話すコウタだが、いまいち理解出来ない所があったので、尋ねることにした。

「ツバキ教官は元ゴッドイーターだろ?他人の神機を使えるのか?」

「それが出来るんだよ。たしか、偏食因子が同じヤツ?とかだったかな…。まあ、とりあえず、俺は使えるらしいんだ。」

「なんか説明がアバウトだな。もう1つ疑問があるんだが、ツバキ教官がゴッドイーターだったのはもう何年も前のことなんだろ?今のアラガミに対抗出来るのか?」

「それは大丈夫らしい。なんか整備班の人達が今のアラガミに対抗出来るように改良をしてあるらしいから。」

「へぇ。そうなのか。」

 素直に感心していると、コウタがこちらに聞いてきた。

「にしてもまだ組み合わせ考えてたんだな。ハジメのことだから、けっこう適当だと思ってたのにな。」

「これは真面目に考えるさ。一生モノだからな。」

「俺は適当でもいいと思うけどね。気に入らないなら、また考え直せばいいでしょ。」

 コウタのあまりに気楽な考えに思わず力が抜けたが、同時にそれくらい気楽な方がいいかもしれない、という考えが出てきた。

「なんか、コウタと話してると、力がぬけてくるな…。」

「お前、俺の事バカにしてないか?」

「いや、そんなことはないよ。ただあんまり考えすぎても良くないって、改めて思っただけで。」

「そうですか…。ま、直感も大事だと俺は思うけどな。」

「そうだな。俺も気楽に考えるか…。」

「そー、そー。気楽に行こうぜ。」

 こんなやり取りをしながら、改めて組み合わせを考えてみる。

(どんな組み合わせがいいのか分からないし、そもそもアラガミが俺らに合わせることはないからな。となると、バランスが大事だな。)

「よし、決めた。」

「ん?なにをだ?」

 突然ハジメが、大きな声を出したので、コウタが驚いた様子で尋ねると、

「何って神機の組み合わせだよ。」

 ハジメがそう言うと、コウタはますます驚いた様子で、

「早くね!?気楽に考えるかとか言ってから早くね!?」

「直感で決めたんだ。そりゃ早いだろ。」

 アッサリとハジメが言ってのけたのを聞いて、コウタは呆れたように、

「今までお前が悩んだ分は何だったんだろうな…。」

 と言ってきた。それに対してハジメは、

「ま、何かを思いつくときって突然だよね。ほら、あれだよ。府に落ちるというか、なんというか、…とにかく、こういうことは唐突に思いつくもんなんだよ。」

「それもそうだな。んで、組み合わせはどうするんだ?」

「ロング・アサルト・バックラーだな。やっぱりアラガミが何をしてくるか分からない以上、こっちが合わせた方がいいでしょ?だから、扱いやすいこの組み合わせにすることにした。」

「なるほど。なんかシンプルな結論だな。」

「まあね。こういうときこそシンプルな方がいいんだよ。たぶん。」

「ま、そうだな。んじゃ、さっそく申請しに行こうぜ。今日申請すれば、明後日くらいには出来るでしょ。そっから訓練始めようぜ。」

「そうだな。行くか。」

 こうして、ハジメとコウタは、一緒に神機の保管庫に向かい申請を終えた。その後、ハジメは部屋に向かい、いつものようにベッドで横になりながら、任務について考えていたが、20分ほどで眠ってしまい、考えをすっかり忘れていたのだった…。

 

 ~花月アイリの場合~

「とりあえず銃身はスナイパーにしましょう。あまりアラガミに近づきたくないですし。装甲は堅いタワーで、刀身は装甲との相性を考えてバスターにしましょう。これなら、守りも堅いですし、安全ですよね…?」

 こうして他の人が悩んでいたことを彼女は、モノの数分で決めていたのだった…。

 




今回はこんなストーリーで組み合わせを決めましたが、実際の話として、ゲームでも神機の組み合わせとなると、どうするかは考えますよね。アネットやフェなんとか君も揉めてましたが、火力を重視するか、守りを強くするのか、はたまた、バランスよくするべきなのか、ここに発想の違いが出ますよね。
ちなみに、私はカッコいいからと言う理由でレイジバースト、リザレクションと鎌を愛用し、銃身はラッシュファイア目当てでショットガン、装甲はレイジバーストの時は扱い易さから、バックラーでしたが、リザレクションの時は、固有スキルが優秀という理由でシールドを愛用し、接近戦ばかりしています。
(レイジバーストはクロガネの鎌、クロガネのショットガン、クロガネのバックラーでしたが、リザレクションでは、初期の鎌、ピターのショットガン、デコイシールドという組み合わせになりました。)
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