東方霊撃録   作:諏訪提督

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年越し投稿だー!(クソザコナメクジ投稿者並の懺悔)


第二話

「ーーーー」

 

目が、醒めた。

 

背中にはふかふかの感触、どうやら自分は寝具で寝かされていたらしい。

 

身体を起こす、周りを見渡すとそこは、質素な空間だった。

至って平凡な部屋、広さもそこまでではない。

 

そんな思考の後、気絶する前の事を思い出す。

 

「……あんな急降下して笑ってたあの娘は色々とおかしいな」

 

あの娘ーーそう、俺を投げ飛ばした天人とやらの、比那名居天子。

 

恐らく俺をココに運んだのもあの娘なのだろう、それしか思い浮かばない。

 

「…となるとここはあの娘の家なのか?」

 

それにしては質素な物だ、お嬢様みたいな雰囲気だったからもっと豪華な屋敷に住んでいるのかと勝手に思っていた。

 

「っていつまでも寝てる訳にはいかないな」

 

そう言い、ベットから身体を降ろす。

ふかふかなベットから身体を降ろすのは少々寂しかったが、仕方ない。

 

そうして部屋の扉を開くとそこにはーーー

 

「……ああ俺はなんて勘違いをしてたんだろう」

 

ーーーレッドカーペットの敷かれた、広い廊下であった。

 

そして、数秒前までの俺の言葉を撤回しよう、ここはーー

 

「……完全な屋敷だ」

 

「あら、起きたのね」

 

「うわぁぁ!!?」

 

思わず裏声を出してしまった、そんな俺を見て少女は呆れた顔を見せた。

 

「…そんなにビックリする必要ないじゃない」

 

「いきなり声を掛けられたらビックリするに決まってるじゃないか!?」

 

しかも気配も無く。

 

「そんなのこれからたくさん味わうのだから、慣れるわよ」

 

「慣れるか!!」

 

「どうかしましたか?」

 

「うわぁぁぁぁ!???」

 

今度は酷い裏声を出してしまった。

しかも驚いて後ろにバックしてしまった位にビックリした。

 

「………あら、そんなにビックリされると流石に傷つきますね」

 

「私が現れただけでビックリしたのに、アンタがひょっこり出てきたらコイツはビックリするに決まってるじゃない」

 

急に現れた女性と話す少女。

知り合いなのだろうか、よく分からないがとりあえず自分をいきなり投げ飛ばすような人では無さそうだ。

 

そんなビビりまくりの猫みたいな俺の様子を見かねたのか、少女がまた呆れた様子でコチラを見た。

 

「アンタもビビりすぎよ、別に私達は怪獣でもないんだから安心しなさい」

 

「俺はお前に投げ飛ばされた事を絶対に忘れないからな……」

 

「アレは貴方が私の力を疑ったのが悪いのよ、それとお前呼ばわりはやめなさい、私の事は比那名居と呼びなさい!」

 

「…分かった比那名居、それでそっち女性は誰なんだ?」

 

すると女性はひょこっと比那名居の後ろから飛び出し、スカートの裾をつまみながら優雅にお辞儀をし、自己紹介をした。

 

「先ほどは申し訳ありません、私は永江衣玖と申します」

 

「あ、いえ、俺もさっきはビックリしすぎてすみません……」

 

そう言い、ペコリと頭を下げる。

何と言うのだろうか、天子にはないとてもふわりと包み込んでくれそうなお姉さん像が浮かんでくる。

 

「俺の名前はーーー」

 

ーーここで、重要な事を思い出した。

 

ーー名前を覚えていなかったのだ。

 

「あー……」

 

「…アンタの名前ならね、とある女から名付けられたわよ」

 

「え…?なんで?」

 

「知らないわよ!」

 

なぜか逆ギレされた、俺はなにかしたのだろうか…

 

「名前が無いと色々不便でしょうし、良かったんじゃないですか?」

 

と、クスクス笑う衣玖さん。

 

ぐぬぬ顔をする天子

 

「いったいなんなんだ………」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ーーさて、貴方には力を着けてもらいます」

 

「唐突だな」

 

「仕方ないじゃない、貴方には幻想郷に行ってもらわないと行けなくなったんだから」

 

「幻想郷……忘れられた者達が生きる為の所だっけ?」

 

「そうよ、まあ1部の妖怪達は外の世界でも生きる事は出来るでしょう」

 

「………?じゃあなんで外の世界で暮らさないんだ?別に生きられるんだろ?」

 

「"1部"だけよ、"全部"ではない、それを幻想郷の賢者は許さなかった」

 

「……つまり"妖怪全てを"生存させる為に幻想郷を創ったのか?」

 

「まあ、そうなるわね」

 

「……そんな凄いこと出来る奴らの所に行かなきゃいけないのか…?」

 

「別に怖がることないわよ、その妖怪の賢者の1人が呼んだわけだし」

 

……なんか当たり前のように言ってるけど、一つの異世界を創れるって時点で恐ろしすぎる、やっぱり人とは違う感覚なんだろうなぁ

 

「まあそんな事はいいのよ、とにかく貴方には幻想郷で最低限生き残れる程度には強くなってもらいます」

 

「は、はぁ……でも平和な所なんだろ?幻想郷って」

 

「そうでもないわ、普通に人間を襲う妖怪もいるし」

 

「そうなのか……」

 

幻想郷も一枚岩じゃないってことかな

 

「まあそんな事はどうでもいいわ!!それよりも貴方には霊力の基本技【霊撃】を覚えてもらいます」

 

「霊撃……なんか凄そうだな」

 

「基本技だからそんな凄くないわよ」

 

「ですよね〜」

 

まあ基本技だしな、仕方ないよな…

 

「で、霊撃ってどんな感じで繰り出す技なんだ?」

 

「え〜っと……取り敢えず手からバーーン!って霊力を出すようにするのよ!」

 

 

「え」

 

全く分からない……

というかなんだそのよう分からん説明は。

 

「わ、私は感覚派だから仕方ないじゃない!」

 

遂に逆ギレしだしたぞ、これはマズイ

 

「とにかくやってみるか…えーっと、手から霊力をバーンと…」

 

……全く分からないけど感覚的にはそうなんだろう、とにかく集中しよう。

 

「………」

 

目をつぶりながら手元に"なにか"を集中させるように意識をする。

その"なにか"が霊力だろう、そして手の平に僅かな温かみが集まってくる。

霊力が集まってきた証拠だろう。

 

「へぇ……」

 

と、天子が関心するように唸る。

 

「こ、こんな感じでいいのか?」

 

正直目をつぶりながらやってるからどうなってるか分からない。

 

「ええ、そのままその溜めた霊力をバーン!ってやってみなさい!」

 

「怖すぎるだろ!?手とか吹き飛んだらどうする!?」

 

「大丈夫よ、霊撃が爆発したってダメージないんだし」

 

「ぐぐ……」

 

怖すぎる、爆発というワードが特に。

だがやるしかない!

 

「おりゃー!!!」

 

と、掛け声を掛けた瞬間ーーー

 

「おわ!?!?」

 

ーー爆発した、それも盛大に。

 

「あら、思ったより激しかったわね」

 

「あーーー!!怖い!怖すぎる!!手は無事だ!やったー!」

 

ゴロゴロと吹き飛ばされた俺は混乱し、1人で盛り上がる。

 

「何勝手に1人で盛り上がってるのよ、これ基本中の基本よ」

 

「でもコッチからしたら凄かったぞ!」

 

なにせ初体験だからな!

 

「まあいいわ、この調子で続けるましょう、貴方は普通の人より霊力の純度が高いみたいだし」

 

「純度?なんだそれ」

 

「それは幻想郷に行く時に話してあげる、さあ続けるわよ!」

 

そうして、今日が終わった。

ただひたすらに霊力を溜めて爆発させるという修行だったが、コチラとしてはとても面白い体験だった。

 

天子は暇そうにアクビしてたが

 

 

 

 

 

 

 




次からはなるべく早く投稿するように頑張ります
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