堕天使に愛された言霊少女   作:ひきがやもとまち

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ギャグ回です。偶には自分の好きに書いてみたいと、原作とかストーリーとかどうでも良くて書きたいように書かせて頂きました。

なので面白いとか詰まらないとかの保証は出来ません。自分が本来書きたかった内容をぶつけまくっただけなので文章も支離滅裂ですしね。

とりあえず前半から中盤まではシリアスが続いて後半は完全にクトゥルーギャグです。短いです。読んでくださる方は期待せずにお読みください。


18話「ロスヴァイセが無くコロニー」

「なるほど・・・それで? その後、天野さんはどうしてらっしゃるのですか?」

「落ち込んでますよ? 「イッセー君が堕落してしまった・・・」って」

「あの人の基準で堕落認定されましてもね・・・」

 

 私は苦笑しながら(と言っても口元をほころばせる程度。相変わらず表情が動きませんでしたので)紫藤さんの話を聞いて、少しだけ物思いに耽ります。

 

 結局のところ私たちもまた、他とあんまり変わっていないんだよなー、と。

 

 

 天野さんに限った事ではありませんが、混沌帝国に所属しているメンツは基本的に思想的偏りが激しくて、どちらかと言わずともハッキリと右翼に近い考え方の人たちばかりです。

 強いて言えば『個性の強すぎる自分たちが我慢することなく生きていられる、自分たちにとっての理想社会が民主主義』だから命がけで護るに値するし、否定する者は無視できても許容することは絶対にない。

 そんな感じの考え方で、ぶっちゃけヒドく排他的集団でもあります。

 

 自分たちの歪みを自覚し、それでも良いと言ってくれた隣人と守り合える環境がイゼルローンであり混沌帝国。ここ以外で生きられても『自分らしく』は生きられない。

 

 護っているのは『自らの信念』であって、私はその象徴にすぎません。『自由意志を護る』という信念を貫く象徴として私が一番身近にあった。だから担いだ。その程度のことなのだろうと推測していますが、真実がどうかは知りません。興味もないですしね。好きにすればいいとしか。

 

「あの人は普段、突っ走ることしか知らない人ですからね。休憩するのも偶には良いでしょう。どうせそのうち復活するのでしょうから、今は気にせずお買い物を楽しむといたしましょう」

「「はい! 陛下! ・・・いえ、セレニアさん」」

「うん、よろしい。物覚えのよい子は好きですよ?」

 

 二人が敬礼しかけてから慌てて言い直すのを見て、私は「良い子、良い子」と彼女たちの頭を撫でて上げたくなりましたが諦めました。・・・どう考えても身長が足りていなかったので・・・。

 

 

 今、私たちがいるのは駒王町にある商店街。御夕飯に使う食材の買い出し中です。

 どうやら兵藤さんの家は大規模改築がなされたらしく、大きく変貌しておりましたが周囲の民家に気にした様子がないところから見て、魔法なりなんなりで詐欺を働いたんでしょうねぇ~。

 世界的大財閥令嬢がヒロインのギャグ漫画でもあるまいし、お金払えば即座に解決する賃貸問題なんてあるはずないのに、いい気なものです。

 

 ーーましてや資金の出所がグレモリーさんの実家、すなわち現魔王さまの生家ともなれば一体どれほどの搾取が行われたことか。開戦を前にしながら、そこまで剛毅に出られるのは自信があるのか自暴自棄なのか・・・判断に迷うところです。

 

 ちなみに随行してるのは紫藤さんとゼノヴィアさんの二名のみ、他はお留守番です。

 帝国軍の最強各二人を護衛に買い物なんて、私も偉くなったものだなーとは思いますが大していい気分にもなりませんね。成金趣味にでも走った気しかしない。

 生まれついての庶民は終生に渡って、庶民感覚以上のものを持つことは出来ないように生まれついているのでしょう。たぶん、きっと。おそらくは。

 

「・・・ん? あれは・・・」

 

 制服姿の(一応ですが駒王学園に入学してもらってます。本国に学籍は無いらしいので)ゼノヴィアさんが何かを見つけて足を止め、眺めるような視線で遠くに視線を送りました。なんでしょうかね? ちょっとだけですが、気になります。

 

「どうしました、ゼノヴィアさん? 何かありましたか? もしくは、誰か見つけたのですか?」

「この場合は「フー」ですね。兵藤一誠です。姫島朱乃と・・・??? 何でアイツら味方の背後から遮蔽物に隠れて進んでいるんだ・・・?

 おまけに距離が近すぎて視認できてしまうレベルだし、偽装も・・・いや、仮装だなアレは。

 て言うか、タイガーマスクの仮面をかぶって何がしたいんだ塔城小猫・・・猫はどう頑張っても虎にはなれないのだぞ?」

「あれじゃない? 小さな子供が大きくて強い大人の真似したいだけの奴。背の低いのを気にしてる生意気なガキがよくやるでしょ? そう言うバカな真似をさ。「私は子供じゃない、もう大人だ」とかなんとかホザきながら。

 バカだよねー、ああいうの。大人になったら大人になったで「昔は良かった、あの頃が一番」とか言い出すだけなのに」

 

 同じく制服姿の紫藤さんが、鼻を鳴らしながら情け容赦なく批評します。

 

「『青春時代の思い出は一生の宝物、大事な物ほど無くした後に気づくのだ』・・・って、バ~ッカじゃないですかー!?な気分になるから、ああいう戯言は本気で辞めてほしいんですけどね、私的願望としましてはー」

「同感だな。無くしてから思い知るのは不便さであって、捨てた物の正当な価値ではない。

 あった時には当たり前だった物がなくなって、出来て当然のことが出来なくなった。

 今まで自分が出来ていたのは自ら無価値と断じて捨てた物のお陰だったと言う事実を認めたくないが故の愚かな自己正当化に過ぎない感情だ。それこそ、語り合う価値すらない」

 

 ・・・厳しいな~、おい。前世の私が言われてたら血反吐はいて土下座しながら罪をわび、もう許してくださいと懇願していたところですよ。

 

 でも、正しい。

 そう思えてしまう自分が今の私セレニアなのだから、兵藤さんたちが変わろうとしないのも彼らにとっては当然の選択なのでしょう。

 

 人は変わっていくもの。まぁ、そうなんでしょうね間違いなく。

 では、変わった後はどうなるのか? 自分が間違っていると思った。だから変わるように努力した。努力した末に行き着いた場所が「間違っている」と言われたぐらいで譲れるのなら誰一人として苦労しない。

 どうしたって自分の正しさを主張してしまう。間違ってないと言うことにしたくなる。たとえ今となっては信じていなくても『そこに行き着くまでの道程が無駄であった』等とは誰も信じたいとは思わないのですから当然の結果です。

 

 畢竟、彼らも私も私たち参加者全員にとってイデオロギーとは、然したる意味を持たない代物だ。他人も世界も人類の未来すら建前に過ぎない。

 戦場に立つ誰もに『その人なりの戦う理由』が存在している。他の人から見てどうとかは関係ない、意味もないし価値もない。自分一人の命を懸ける理由なら、自分一人を納得させられれば十分すぎるから。

 

 だからこそ、私と彼らは合わない。

 

 彼らは強く、主戦力であるが故に主戦場にしか立つことがない。戦争らしくて泥臭い消耗戦に投入するなど問題外だ。

 彼らの上には主がいて、その主の上には兄である王がいる。王が戦争を主導して、主戦力は最後まで駒としてのみ動き続ける。

 即ち、彼らは兵士。強いだけの少数部隊。

 局所的に前線に立つ一兵士の真実は、上から俯瞰して見ることしかしないし出来ない私には理解できない、受け入れられない。

 

「結局のところ、立場と旗の色が違うだけですか・・・バカバカしい」

「「は? 今なんと?」」

「なんでもありません。気にしなくていいですから」

 

 思わず漏れ出たつぶやきに二人がそろって反応し、私はおざなりな反応を返してしまいます。どうにも気が立っているようですね、少し休憩した方がいいのかもしれませんね・・・って、あれ?

 

「誰でしょうかね? あの綺麗な女の人は・・・。

 銀髪緑眼ロングヘアーって、どう見ても狙いすぎなのでは?」

「「セレニア様・・・」」

「ごめんなさい、わざとじゃないです。決してそう言う意味で言った訳じゃないんで許してください・・・」

 

 ううう・・・こう言うときに前世が男って不便だよ~。とっさに本音が出ちゃうときがあるんだよー。わざとじゃないよー、わざとじゃないんだよー・・・(めそめそ)

 

 くそぅ・・・このままでは私だけが天然ドジッ子キャラ認定を受けてしまいかねない。なんとかしなくてはーー

 

 

 

「オーディン様!? オーディン様!? 護衛役の私を置いて、どこに行ってしまわれたのですか!? この国にきた目的をお忘れですか!?

 アザゼル総督閣下にお伝えしていた日時より予定を早めているのですから、どうか御自重をお願いします! って、聞こえておられないのですかオーディン様ーーっ!?」

 

 

 

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

 ーー居ましたね、天然で頭に超がつくほどのドジッ子キャラが。てか、誰?

 

 ゼノヴィアさんに視線で尋ねてみると。

 

「え~と・・・あれはそう・・・確かろ、ろ、ろ・・・」

「ロスアナゴス?」

「そう!それだ! 北欧の主神オーディンに仕えるダルキリーの一人でロスアナゴスと、冥界のパーティーで聞いた覚えがあります!たしか!」

 

 うん、絶対に違いますよねそれ。どこの誰が北欧神話の登場人物に、太平洋戦争時代に原爆研究施設のあった北米大陸の名前を付けられるかー!

 

 ・・・でも、言わない。だって答えが解んないんだもん。答え知らないのに違うって言ったら「え~。私ぃ~、そう言うのよく分かんないんだけど~、なんか違うと思うんだよねぇ~」みたいな感じでアホの子認定までされてしまいかねません。断固として阻止です!

 

「おい、そこの歩くスピーカー。機密情報をベラベラと垂れ流すんじゃない」

「どこの誰が、歩くスピーカーですか!? ・・・って、あなたたちは確かあの時に・・・!」

「しばし待て。おいイリナ、頼んだぞ?」

「ほいほ~い。星辰は正しい位置にウンタラカンタラ・・・はい、終了。人の目を気にせず戦えて会話も出来るご都合主義の結界、展開を完了しましたー!」

「うむ、ご苦労だった紫藤大将。やはり陛下のお父上から拝領した『なまらスゲー科学力』の力は凄まじいな。さすがは陛下だ」

「私なにもしてないですけどね・・・・・・」

「え、ちょっと、あれ? 周囲の色が・・・あ、あれぇぇぇぇ~~~~!?」

 

 おおう、混乱してる混乱してる。こんなに初々しい反応を見られるのは、久しぶりだなぁ~。懐かしい・・・。

 

「よし、一般人で満ちている町中にお前のような怪しい異世界人を放置するのは色々問題がありそうなので付いてきてもらおう。なぁに、心配するな問題ない大丈夫だ。

 暖かな食事と屋根のある寝床は、私がキチンと責任を持って請け合うから安心するがいい」

「へ? へ? ええぇぇぇ!?」

「うんうん、だいじょぶだいじょぶ問題なーし♪

 ただの食堂に行ってお食事しましょうって誘ってるだけだから、心配することなんも無いからだいじょーぶだって」

「あ、それなら安心ですね。疑ったりしてごめんなさい。なんだかテンションが異常におかしくて不審に感じたものですからーー」

「ちなみにだが、初めからお前に拒否権は無かったぞ? もし断られた時にはお前の背中に伏せさておいたミルたんが邪神を召喚して、お前を深海に眠る大陸ハイパーボリアまで拉致監禁永久拘束してしまう腹積もりだった」

「ぎゃーーーっ!? なんか変な格好した小さな女の子が私の背中にへばりついて子泣き爺のようにーーーっ!?」

「にょ? にょにょ? にょにょにょにょにょ~?」

「え? ミルたん、コイツ気に入っちゃったの? フェデラル・ヒルまで連れて行って「輝くトラペゾヘドロン」を見つめさせたいんですけど構いませんかって?

 ・・・どうだろう? この宇宙に生きとし生けるすべての生き物は全部、セレニア様の家畜だからなー。許可を与えてくださるかどうか・・・」

「辞めて差し上げなさいって・・・可哀想すぎますから・・・」

「ーーだって? 勿体ないかもしれないけど逃がしてあげようね?」

「にょ~・・・・・・」

「ああ、そんなに落ち込まないでミルたん! 大丈夫よ!私が必ず代わりの奴を、適当に捕まえてきて狂わせてあげるから!

 そしたら一緒に遊んで楽しみましょうね~♪」

「にょーっ★」

「ぎぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!」

 

 ・・・・・・・・・・・・ああー、本当に全くもう・・・・・・真剣に悩んでいると直ぐこれだ。頭がカオスに翻弄されちゃってシリアスが維持できない!

 

 なんとなく真尋さんの気持ちを共有できた気がして懐かしくなったので、帰り道にある古本屋で久しぶりにクトゥルー小説でも買って帰ろうと思いました。まる。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

追記:ありえないおまけ回

 

深き海の底での歓迎会。

 

「だぁぁれぇぇぇかぁぁぁたぁぁすけてぇぇぇぇぇっ!!!!!!!」

「「「「クスクスクスクスクスクスクスクスクス・・・・・・・・・・・・」」」」

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