今回も、のんびりしていってね。
「ほらほら、もっと飲みなよ琥珀!」
「いや、そろそろガチ酔いに突入するんだが」
「関係無い、いけ」
「え?ちょ――」
……うぅ、気持ち悪いよ。
俺は確か、久しぶりに勇義と会って、闘って勝って、飲み会に誘われて、酒をガブ飲みさせられて……その後が思い出せない。
……待って、マジ気持ち悪い。頭痛と吐き気が……ヤバイ。
勇義の奴、俺がこんなになるまで飲ませやがって、後でマヨネーズそのまま飲ませてやろうか……何か可哀想だから止めよう。
俺がフラフラと千鳥足で歩いていると、「貴方、大丈夫?」と声を掛けられた。
俺が見ると、赤髪のおさげに赤目、黒いネコ耳を生やした少女が俺を見据えていた。
「ああ、大丈夫……と言いたいが大丈夫じゃ無いな」
俺が言うと少女は微笑を浮かべて言った。
「素直なのは良い事よ。ここで少し休んでいきなさい」
「良いのか?」
「
「そうか、ありがとう」
俺は少女に従い、目の前の大きな西洋風の屋敷で暫く休む事にした。
屋敷の中は、黒と赤の市松模様に彩られた床や、カラフルに光る床に設置されたステンドグラスが特徴的だった。
俺は大きなソファーに座って、少女が水を持って来るのをじっと待つ。
暫くすると、少女はコップ一杯の水を持って帰って来た。
俺は水を一気に飲み干し、フゥっと溜め息を溢す。
「ありがとう、だいぶ楽になった」
「いえ、どうって事無いわよ」
すると急に、強い睡魔に襲われる。
勝手に他人の家で寝るのは図々しいが、俺の体はもう寝る気満々だ。
そのまま、俺の意識は途切れてしまった。
パチッと、勢い良く目を開ける。
結構寝ていた気がするな。
俺はゆっくりと立ち上がり、大きく背伸びをする。
そしてまたソファーに腰かけた。
すると、誰かがこっちに近付いて来る。
薄紫のボブに赤い瞳、そして胸元には黄色い複数のコードで繋がれた赤い目玉が一つ。そして少女は、向かい合わせになっているソファーに座って言う。
「具合はどうですか?」
「大丈夫、すこぶる快調さ。ありがとうな」
「いえ、大した事ありませんよ。私は古明地さとり、貴方は?」
「俺は雨宮琥珀だ、宜しくなさとり」
俺が言うと、さとりは怪しい目付きで言った。
「琥珀さん、貴方の心が読めないのは何故ですか?」
心が読めない?
心を読むのが彼女の能力なのだろうか。
「俺には能力が効かないようにしてるんだ」
「成る程、心が読めない事は初めてだったから気になってしまって」
さとりは相変わらず警戒した様子で言う。
「……今なら心が読めると思うぞ?一時的に解除したからな」
「……何故そんな事を?」
「だって、ずっと警戒されたまま話すのも何か、な?」
――そう言って、目の前にいる男、雨宮琥珀は微笑を浮かべた。
私は物心ついた時から、常に心を読んで……まあ私が読みたく無くても読んでしまうのだけど、そうやって生活してきた。心が読めない人には会った事が無かったので、私は不安だった。
目の前の男が何を考えているのか分からない、それが怖かった。
すると、男は心を読める状態にしたと言う。
変わった人間だなと思いながら彼の心を読む。
(……もう心読まれてんのかな?何か恥ずかしいな、自分の考え筒抜けって。
いや、落ち着け俺。それじゃあ俺が何か変な事考えている奴みたいじゃないか!
俺はそんな奴じゃ無い!清く正しく美しい人間なのだッ!)
と、一人コントのような心を読んで、私は思わず吹き出してしまう。
「ッフフ」
「え?何?俺の心そんなに変だった!?」
「いえ、ただ面白い人ですね、琥珀さんは」
「良く言われるぜ」
(本当は言われた事無いけど、後さん付けはいらないぜ、さとり)
「なあさとり――」
「言わなくても分かってますよ、琥珀」
「……そうでした」
私は、このまま暫く琥珀と談笑していた。
はい、お疲れ様でした。
最近時間が無くてキツい。
それでは次回も、のんびりしていってね!