今回は大和から例の手紙が
果たして諏訪の国の命運は?
今回ものんびりしていってね
いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、雨宮琥珀ただいま参上! ……と、挨拶はこんなもんで良いだろう。
今俺はおつかい中だ。
何でも俺の歓迎会で使う食材が不足してるとのこと。
それで諏訪子に「村を見て回る良い機会だし、買い物行って来てよ」と頼まれたのだ。
……でも俺一応今回の主役だよね?
歓迎する人におつかいを頼むとは……諏訪子、恐ろしい子!
おっといかん、店を通り過ぎるとこだった。
「すみません、お肉下さい」
「あいよ~、毎度ありー!」
後は野菜っと……。
~少年買い物中~
ふぅやっと着いた……。
「ただいま~帰ったぞー」
「ありがとうございます、琥珀さん」
香葉さんが出迎えてくれた。
「お安い御用さ」
「あ、琥珀お帰りー」
バタバタと何故かカエルの顔のエプロンを着けた諏訪子も駆けつける。
「琥珀は休んでてよ、料理は私と香葉がやるから」
「え!?」
諏訪子が腕捲りをして言うと、香葉さんが驚愕の声を上げた。
「あ、あの。諏訪子様も料理を作るのですか?」
「そうさ、何か問題でも?」
「いや、問題しかない気が……」
二人は小声で何か話しているようだが。会話の内容が気になる。
「どうしたんだ?」
「あぁいえ、何でもありません。琥珀さんはのんびりしていて下さい」
「そうか? じゃあお言葉に甘えて」
俺は料理が出来るまでゆっくり休む事にした。
~少年休憩中・少女料理中~
日も暮れてきた頃。ついに料理が運ばれてきた。
豪勢で美味しそう……だが、その中にいくつか未知の物体が紛れていた。
「じゃ乾杯しよう!」
諏訪子が言う。俺は自分の酒が入っているコップを手に持つ。
「それじゃ琥珀の歓迎会を始めるよ、乾杯ー!」
「「乾杯ー!」」
ガチャンと音がし、そのままコップを口元へ運び一口飲んだ。思わず「ぷはぁ」と息を漏らす。
因みにテーブルの上にはナイフやフォーク、コップがあるが、それは俺の能力で出した。
我ながら便利な能力だと思う。
さて、では俺も頂くとしようかな!
先ず目の前にある美味しそうなスープを頂こうかな。
俺は茶碗を持ち上げ、ずずずっとスープを
「これは……!」
このスープ、あっさりしていて
「旨い!」
「フフ、ありがとうございます」
作ったのは香葉さんか。
さすが香葉さん! 俺に出来ない事を平然とやってのける!! そこに痺れる憧れるぅ!!
「ねえ琥珀、私の作ったのも食べてよ」
そう言って、諏訪子は黒いドロドロとした物体を差し出してきた。
「……えっと、諏訪子さん。……これは?」
「私特製オムレツさ」
……オムレツ? 俺が知っているオムレツとは、黄色いふわとろの卵焼きのようなものだが。目の前にあるのは黒いジェル状のナニカだ……。
……マジか。これを食べろと……?
「どうしたの? 冷めないうちに召し上がれ!」
現時点で俺に残された選択肢は三つ。
一、香葉さんに助け船を送る。
二、見た目ではなく味にかける。
三、現実は非情。
よし、先ず一だ!
もうあなたしかいない! 助けて香葉さーん!!
そう思いを込めて香葉さんを見ると、
『琥珀さん、こればかりは私にはどうする事も出来ません。大丈夫、何事も挑戦ですよ!』
と言わんばかりの目と顔をしている。
Oh、ノー。
一はダメ、なら二だ。
二はかなりの博打だが……いけるか?
考えていると、急に俺の鼻が異常を訴える。
なッ!? 何だこれは! 痛い……鼻が痛い!
まさか……匂い! 諏訪子の暗黒オムレツの匂いだというのか!?
正直匂いでこれなら味も……。
二もダメ。それが何を示すか。火を見るより明らかだ。
俺に突き付けられた答えは三!! 現実は非情なり!!
「ええい、ままよ!」
パクッと。それを口に入れた瞬間、形容し難い感覚に襲われた。甘い、苦い、辛い、しょっぱい。そのどれにも当てはまらない味。俺の味覚が麻痺していく。
意識が、遠退いていく――。
「――さん、はくさん、琥珀さん」
「……は!? ここは……」
目を覚ますとそこには、心配そうに俺の顔を見つめる諏訪子と香葉さんの姿が。
「俺は、一体……」
「諏訪子様の料理を食べたら急に気絶したんですよ」
そうだ、俺は諏訪子のオムレツを食べて……。
う、頭痛が……。
「琥珀、大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない」
「良かった……いやーごめんね。琥珀なら大丈夫だと思ったんだけど」
「普通無理ですよ、諏訪子様の料理を食べて気絶しないなんて」
香葉さんは口を押さえて笑って言う。
というか、二人共まさか俺で実験してた?
「あーうー、香葉は平気なのになー」
……ん? おかしいな、味覚だけじゃなく聴覚ももってかれたか?
「諏訪子、今なんて言った?」
「え? 「あーうー、香葉は平気なのになー」って言ったんだけど」
――空耳じゃなかった! え、嘘!?
「香葉さん平気なの!?」
「はい、何故か私は平気なんですよね」
マジかよ。香葉さん何者だよ……。
あれで気絶しないなんて人間には無理だろ。
香葉さん……恐ろしい子!!
「さぁ、琥珀も起きたし続きやろう」
「そうだな」
こうなったらやけ飲みだ!
翌日、神社は半壊しており、琥珀は二日酔い。
何故か目が虚ろな諏訪子と香葉は語る……。
「もう琥珀に酒を進めるのはやめよう」
――――と。
あれから数ヶ月が経った。あの半壊した神社は俺の能力で直しといた。二人は俺が神社を壊したと言うのだが、記憶が曖昧で良く覚えていない。
今、俺は諏訪子と遊○王をしている最中だ。
ん? カード? 能力に決まってんだろ!
「私のターン! くらえ琥珀! ダイレクトアタック!」
「甘いぜ! トラップ発動!」
「読んでたよ、カウンタートラップ発動!」
「ダニィ!?」
「わっはっは、粉砕! 玉砕! 大喝采!!」
「ちくしょう……もう一回だ!」
「上等!」
と、盛り上がっていると――
「大変ですよ、諏訪子様!!」
香葉さんが慌てた様子で走ってきた。
「どうしたんだい香葉?」
「さっき手紙が届いてですね、送って来たのは大和の国からなんですよ!!」
「何だって!?」
二人とも慌てているようだ。
「取り敢えず読ませておくれ」
そう言って諏訪子は、深刻な様子で手紙に目を通す。
手紙を読み終えた諏訪子は、目に見えて落ち込んでいた。
「なんて書いてあったんだ?」
俺は尋ねてみる。
諏訪子の話を聞いてまとめると、「戦争だ。勝ったらお前の国をもらう。拒否権はない」という感じっぽい。
諏訪子
つまりこの戦争に負ければ諏訪子は消え、国も奪われるということだ。
「もうダメだ……お終いだ……私も……国も……」
諏訪子らしからない台詞だった。
「諏訪子、諦めるなよ」
「だって、大和の国だよ!? 向こうとうちじゃ戦力が違い過ぎる……勝てる訳ないよ!」
「だからって諦めるな!」
あまりに弱気な諏訪子に、俺はつい大声で言う。ビクッと肩を震わせる諏訪子に、俺は続けて言った。
「お前が諦めたら、お前自身だけじゃない、国や民達、香葉さんはどうなるんだ!? ……諦めたらそれまでだ。だけど諦めない限りどんなに小さくても希望はある。 やらずに後悔するより、やって後悔だろ」
「うぅ……琥珀ぅ……」
諏訪子は目から涙を流す。
「…………」
だが確かに今のままではキツいな……。
よし! これは俺の出番だろ!
「諏訪子、香葉さんちょっと出掛けて来る」
「「え?」」
二人は同時に疑問を発し、顔を見合わせる。すると諏訪子が聞いてきた。
「どこに行くの?」
「決まってんだろ?大和の国だよ」
「「え!?」」
今度は二人同時に驚きの声を上げる。
「じゃあ、行ってきます」
少しでも二人を安心させてやりたい。
その為にと、大和の国へ向かった。
お疲れ様です。
ハイ、大和来ましたね
琥珀「次回は俺が大和に行く所だな」
うんうnーヘアッ!?
いつの間に…
琥珀「そんなに驚くなよ」
いやぁついつい…それよりは琥珀君締めの挨拶を
琥珀「おう、それでは皆さん、次回も」
「「のんびりしていってね!」」