いろいろあって疲れてしまいましたが、今日から更新を再開していきたいと思います。
革命機ヴァルヴレイヴ第2話再現です。
そして、新たなる勢力が現れる。
それではどうぞ。
その数時間前、モジュール77内では
換気口を利用して咲森学園の地下に出た流木野サキ、犬塚キューマ、櫻井アイナの3人は、その後を追って出てきたエルエルフに、訝しげな目線で見る。
「あなたは・・どういうつもり?」
「どうして俺達を助けた・・・お前は一体何者だ・・・・?」
サキとキューマが問い詰め、アイナは戸惑った表情を浮かべる。
だが、彼ら以上に戸惑った表情をしているのは、当のエルエルフだった。
それもそのはずだ、何故ならー
「僕は・・・ハルトです」
「・・・・・お前は何言ってんだよ」
あまりに唐突で意味不明な言動に一同の眉間のシワが深くなる
「何でこの体なのかはわからないです・・・でも本当に僕は、ハルトなんです!」
試しに、じゃんけんをしてみる
「じゃーんけーんぽん!ぽん!ぽん!ぽん!ぽん!ぽん!ぽん!」
何故かじゃんけんで、エルエルフは全敗していた。
こんな簡単な勝負で負ける人間など、キューマには一人しか浮かばなかった。
「こんな事で認識されるのはちょっと複雑ですけど・・・・そうです。」
「じゃあ・・・・本当にハルトさんなんですね!」
「まだ少し、信じられないな・・・」
「僕だってそうですけど・・・実際にそうなんだから、信じるしか・・・・・」
「でもお前、銃なんか撃てたっけ?」
「記憶喪失と一緒ね。記憶を失っても、言葉を喋ったり電話をかけたりはできるでしょ?」
「この体の持ち主は、戦うのが日常って事か・・こいつ、どういう奴なんだ・・・?」
「・・・・これからどうするの?」
「ハルトさんの体を取り戻しましょう!」
「そうだな。このままじゃ落ち着かないし・・・なあハルト」
「それだけでは駄目です」
「え?」
「あのロボットを取り返して、あいつらを・・ドルシア軍を叩き出します」
「ハルトさん・・・?」
「・・体を取り返したくらいじゃ・・・僕が失ったものと、全然釣り合わないから」
「あいつらは・・・・ショーコを、殺したんだ」
時間は戻って今、
ドルシア占領下のモジュール77。
一時的に軍用ヘリの車庫となった倉庫街に、二発の銃声が響く。
見張りをしていたキューマが驚いて顔を出すと、ハルトが無表情でドルシア軍人の死体を漁っていた。
「・・・殺したのか?」
「いけませんか?」
「これは戦争なんですよ」
「だけどお前・・・」
「ショーコを殺しておいて、自分は死にたくないなんて、ありえない。」
独り言のように、冷たい目で呟く。それはエルエルフの目そのものだ。
(へぇ・・・結構強いところもあるんだ・・・・・・)
一方、それはサキにとっては決してマイナスな印象にはならなかったようで、ハルトを見つめる視線にはまた違った感情が込められていた。
「犬塚先輩達はここにいてください・・・ここから先は、人殺しを避けられません」
「ハルト・・お前・・・・」
「仇くらい取らなきゃ・・・僕は、僕を許せない・・・」
ヴァルヴレイヴとハルトの体を載せたトレーラーが街中を進んでいる。
ドルシアの技術士官達は、到着するまで我慢できなくなったらしく、揺れる荷台の上でヴァルヴレイヴについてあれこれ話している。
その頭上に軍用ヘリが近づいたかと思うと、ハルトが一直線に降下する。
着地して数秒のうちに、ハルトは躊躇いなく2人の技術士官を撃ち殺す。続けて空に向かって威嚇の連射をすると、残っていた技術士官が逃げ出す。
(エルエルフ・・・・こいつの体はすごい。身体能力も、射撃能力も・・・・この体でこのロボットを使えば、ドルシア軍を・・・・・!)
決意を新たにして、ヴァルヴレイヴの装甲に触れる。
(・・・このロボット・・・ヴァルヴレイヴ・・・僕が乗った時は、白かったのに・・・・)
足元にある自分の体を見るが、更に驚く。
「傷が・・・治っている・・・?」
致命傷を負っていたはずなのに、体の傷は全て何もなかったように全て塞がっていた。
色々と疑問に思う事は多いが、急いで自分の体を抱えてコクピットに入り込む。
その時、キューマが操縦する軍用ヘリが近づく。
ハルトが必要最小限の事を教えて着陸するだけであったが、サキが無理を言ってヴァルヴレイヴに近づけろと頼んだのだった。
「ちくしょう、バイクみたいにはいかねぇな!」
ヴァルヴレイヴのコクピットに最接近したところで、サキが飛び降りて、コクピットに入っていった。
「私も入れて!」
「なんで入ってきたんだ!」
「面白そうだったから」
「駄目だ!ここは・・・ここは危ないんだ!」
「何が?」
好奇心旺盛なのは、流石元芸能人らしいといえばそうなのかもしれない。
背後からドルシア兵の銃弾が飛んできて、やむを得ずハルトはサキをコクピットの中に引きずり込む。
ハッチが完全に閉まったのを確認して、サキに非難の目を向ける。が、問い詰める間もなく、サキは肩に背負ってきたロープを突き出す。
「ヘリの中で見つけたの。手を出して、縛るから。元の体に戻った時、こいつが自由に動けたら危ないでしょ」
「どういう事?戻る方法が分かるの?」
「最初のきっかけをもう一度やればいいのよ。」
ハルトは考える。体が乗り移ったきっかけは、一つしか浮かばない。
「それで、元に戻るって?」
「少なくとも映画では大体そう」
「・・・・やれる事から試すしかないか」
しっかり縛られたエルエルフの体で、ハルトは自分の体に口をつけて、噛みつく。
途端、意識が、視線が、シャットダウンされたような感覚に陥る。
自分から切り離された何かが、自分の元へと戻ってきたような。
サキは、固唾を呑んで見守っている。
「・・・僕は・・・・・」
やがて口を開いたのは、ハルトの体だった。
「戻ってる・・・・僕の体に」
スクリーンに映る自分の顔を見ながら、間違いなく自分だと確認するハルト。
それとほぼ同時に、エルエルフも呻きながら目を覚ました。
「・・・・・・う・・・・・うっ・・・・!?何だとっ・・・」
「やっぱり、元に戻るのか」
「っ!?なぜ、生きてる・・・・?」
自分の身を置く状況が全く理解できず、エルエルフは混乱する。
彼の意識は、殺したはずの相手に噛みつかれたあの時点で止まっている。なぜハルトが生きてるのか。なぜ自分は拘束されているのか。一体何があったのか、彼には全くわからない。
ハルトはその問いに答えず、慣れた手つきでヴァルヴレイヴを起動させ、立ち上がる。
「すごい、本当に動いた!ねえどうして動かせるの?」
「黙ってて!」
サキやエルエルフの相手をしている場合ではない。
コクピットをこじ開けようとするドルシア兵達を振り落としながら、そのまま宙を浮いて海上のドルシア戦艦に向かう。
「ドルシアは、出て行けぇぇぇぇぇぇ!」
癇癪を起こした子どもの様に、がんがんと蹴り続ける。
稚拙なその攻撃は、それでも巨大なドルシア戦艦の甲板を少しずつへこませる。
だが、ドルシアも黙ってやられる訳がない。
ヴァルヴレイヴから離れるべく姿勢制御を行った艦体が、ゆっくりと動きながら浮き上がっていく。
「なんだ!?うわあああ!」
揺れに耐えられず、ヴァルヴレイヴは甲板を滑り、海に落下した。
「し・・・・沈む!?」
ハルトは焦るものの、コクピット内への浸水は全く無かった。
思うように動けず、そのまま沈んでいくと、海底に、宇宙港ドックへの通路を発見。
どうしてもうまく浮上できすなかった為、ハルトは、光に導かれるようにそちらに向かって泳いでいった。
一方、母艦"アルテミス"から出撃していたシン達は、モジュール77に向けて移動していた。
「あれが、ジオールスフィアか・・・・」
「データによると、もう少しでモジュール77が見えてくるはずだ。」
「ドルシア軍の動きはどうなっているんだ?」
あと少しでモジュール77に近づくという時だった。
『!?。モジュール77から何かが出てきます!』
「あれは、ロボットなのか!?」
モジュール77から出てきたのは、宇宙港ドックから脱出したヴァルヴレイヴだった。
「人型兵器か、俺達の機体よりも少し大きいな。」
「そんな事を言っている場合じゃないですよ!あの機体、宇宙空間に全く慣れていません!」
「エル、ドラえもんと翼達に俺達と合流するように伝えてくれ!」
『了解です!』
「ジオールのロボットのパイロット、こちらは日本連邦共和国軍公認独立遊撃部隊"アルティメットウォーズ"だ。これよりそちらを援護する!!」
通路を通ってドックを抜けると、そこには宇宙空間が広がっていた。
「すごい・・・星が」
忘れかけていた本物の星の瞬きに、ハルトは呆然と目を奪われた。
サキも同じように、モジュールの夜よりもずっと深く大きな星の闇に、ただ見とれている。
「地球だ・・・・」
その宇宙に、美しい青い星が浮かんでいることにサキは気づく。
地球。自分達が生まれた星。
だが、のんびりと宇宙に思いを馳せる場合ではない。
全方位スクリーンに、星の光とは全く別の光が現れる。
「敵!!」
宇宙空間に展開する無数のバッフェが、一斉に攻撃を仕掛けてくる。
モジュール77での戦闘の際にできた動きで避けようとするが、思うように動けず、直撃を喰らう。
「地面がないから!」
「宇宙なんだから当然でしょ!?」
そうやっている間にも被弾し続ける。このまま攻撃を食らって沈められるなど、エルエルフにはたまらなかった。
「降伏しろ!たった1機で勝てるはずがない!」
「黙って!」
エルエルフに銃を向けるサキ。
ハルトが殺したドルシア兵から奪ったものだ。
しかし、その行動がハルトの視界を塞いでしまう。
「前に出ないで!」
サキを押しのけ、ハルトはフットペダルを踏み込む。
ヴァルヴレイヴの踵のクリアフォッシルからレイヴ・エネルギーの光が溢れだし、硬質化しながら加速する。
その時、突然ヴァルヴレイヴに通信が入る。
『聞こえるか、ジオールのロボットのパイロット!
こちらは、日本連邦共和国軍公認独立遊撃部隊"アルティメットウォーズ"だ。これよりそちらを援護する!』
「どういう事なんだ?僕達を助けに来てくれたのか!?」
全方位スクリーンには15機の機動兵器が映っており、味方識別反応を示していた。
その機体能力の高さに驚かされる。
無重力状態に慣れてきたハルトも、フォルドシックルを引き抜いて1機ずつ撃破していく。
しかし、その快進撃もドルシア軍から現れた異様なモノ阻まれる。
「大きい・・・・何なのあれ・・・」
震えるサキの声。ハルトに至っては声も出せない。
バッフェの5倍以上は楽にあるであろう機動兵器の不気味な姿が、宇宙から染みるよう浮かび上がった。
ドルシア戦艦"ランメルスベルグ"の射出口にある巨大機動兵器のコクピットの中で、左目に包帯を巻いたアードライが、コクピットへ座る。
『無理をするなよアードライ。まだ傷が・・・』
「だから、私が行くのだ」
イクスアインからの通信を一声で切って捨てるアードライ。その憎々しげに細められた右目には、敵の姿しか映らないというように。
「アードライ『イデアール』、ボックスアウト!」
『ブリッツゥンデーゲン!』
「ブリッツゥンデーゲン」
アードライが乗る巨大戦闘兵器が、宇宙空間へと解き放たれた。
ブリッジでその後ろ姿を見送りながら、イクスアインは1人呟く。
「我が軍が誇る重戦術兵器『イデアール』・・・国力に劣るドルシアが、ブリタニアやARUSと互角以上に戦える理由を教えてやれ・・・・!」
重戦術兵器イデアール"の操縦桿を握りながら、ヴァルヴレイヴを睨む。
「行くぞ・・・エルエルフ!」
イデアールの両翼から無数のマイクロミサイルが射出される。
アードライの指が、まるでピアノを弾くようにコンソールの上で動く。
ミサイルは意思を持っているように動き、ヴァルヴレイヴに迫る。
何発か当たって、ヴァルヴレイヴの動きが止まった。「・・・・・動きが止まった?」
「このミサイル誘導技術・・・・アードライか!」
アードライの戦い方をよく知るエルエルフが叫ぶ。
だがそれ以上に深刻な様子をしていたのは、ハルトだった。
モニターに示されていた熱量はすでに82%に達していた。
流石に張り詰めた表情で、それを指差すサキ。
「この数字は?」
「100になったら、動かなくなる・・・ずっと動いていると、オーバーヒートするんだ!」
「そんな、どうすればいいの・・・・・」
「分かんないよ!」
言い合っている内にも上がっていく数字に動揺するハルトとサキ。
「きゃあ!」
突然、サキが悲鳴を上げてハルトがサキのいた方向を向く。
どうやって拘束を解いたのか、エルエルフに捕まっていた。
「救難信号を出して投降しろ!貴様一人で何ができる!」
「流木野さんを離せ!」
恐れず睨みつけるハルト。
(傷が・・・ないだと!!)
エルエルフは自分がつけたはずの傷が消えている事に驚く。
『エルエルフ!なぜ私の事を撃った!』
「何?!」
『裏切り者が・・・お前だけは、この手で‼』
「何を・・・・言っているんだ」
『答えろ、エルエルフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!』
イデアールのマニュピレーターが、ヴァルヴレイヴを掴んだまま手首から射手され、そのまま後方の隕石に叩きつける。
「裏切った・・・・・?俺が!?
どういう事だ!」
「言った通りよ。あなたは仲間を撃った。だから、」
「俺は撃っていない!」
イデアールからミサイル攻撃が始まり、操縦に意識を集中するハルト。
襲いかかるミサイルをよけ、回避できない分は硬質化したレイヴエネルギーを使って防ぐ。
だが、今度は別方向からビームの一斉射撃が襲いかかる。
『裏切ってくれてありがとう・・・エルエルフとは、一度バトッてみたかったんだよねぇ!』
パイロットは、特務部隊の中でも最も残忍な戦闘人物、クーフィア。
『行け、そのロボットのパイロット!!
こいつは私たちが相手をする!』
ガンダムF90Ⅱにのる、翼が叫ぶ。
ヴァルヴレイヴが、その場を離れる。
クーフィアは追いかけようとするが、アードライのイデアールからビームが放たれ、クーフィアの一撃を妨害する。
『何するの!?』
『下がっていろクーフィア。エルエルフとは、私がけりをつける。』
『ずるいぃ!』
「よそ見をするな!!」
インターセプトタイプから移植したフライトシールドに機体を乗せた翼が叫ぶ。
「来いよ、殺してヤルヨォォォ!!」
翼は肩から長刀"ノブナガ" を引き抜いて、クーフィアのイデアールに最接近する。
「貴様らドルシアは、虐殺することしか考えられないのか!!」
「そうだよぉ、殺すことが生きがいなんだよ!!」
イデアールのマニュピレーターを真っ二つにして、ミサイルランチャーも、ビームライフルを連射して破壊する。
「いいねぇ、楽しいよぉ!!」
残存したビーム砲でフライトシールドを攻撃する。
「「お前は、良い相手だァァァァ!!」」
「貴様ら、俺に何をした!俺がアードライを撃った?あり得ない!」
ハルトが何かを答えようとしていたとき、場違いな雰囲気の明るいメロディーがコクピット内に流れ始めた。
「・・・!この音!」
あわてて自分のスマートフォンを取り出すハルト。
「ショーコ!」
『ハルト?ハルトなの!?』
「その声・・・ショーコ!?本当に!?生きてたの!?」
『え!?うん、なんとかね!』
「ショーコ、今どこにいるんだ!」
『土の中!車ごと、土砂に埋まっちゃったみたいで・・・・』
「そっか・・・そうだったんだ・・・はは、本当に良かった・・・生きてて、くれたんだ・・・」
ハルトの目尻に涙が浮かぶ。
だが、その時至近距離で爆発が起こり、衝撃がコクピットを揺らした。
イデアールが放ったミサイルが、ヴァルヴレイヴが隠れていた隕石を破壊したのだ。
『え?ハルト?聞こえる!?・・・あ、ごめん、電池切れそう!』
「大丈夫。すぐに帰るから。直接会って話せばいい!
ショーコ。帰ったら、話の続きをしよう。」
『え?』
「祠の前で」
『あ・・・・・』
「約束する。必ず帰るから!」
通信が切れ、ハルトはスマートフォンをしまう。
まるで人が変わったように力強い眼差しで敵を見つめる。
そんなハルトを見ながら、エルエルフは考えていた。
(確実に殺したはずだ・・・しかし、服のダメージに比べて肉体の損傷は皆無。どうなっている・・・?俺がアードライを撃った記憶はない。しかし、記憶にない右腕の傷・・・俺が知らないうちに、俺の肉体に何があった?
・・・・導き出される結論は 体を操られた・・誰に?)
『エルエルフゥゥゥゥゥゥ!』
アードライのイデアールから放たれた、二本の粒子ビームは極大の一射となり、障害物を砕きながらもその威力は衰えずに、ヴァルヴレイヴへと突き進む。
ありったけのレイヴエネルギーを放出して極大ビームを防ぐが、押さえられなかった衝撃が機体を揺らしてきしませる。
モニタの熱量表示が100%を一気に越えて、200%を越えてさらに上昇。
そして、オーバーヒートを起こしてヴァルヴレイヴは停止した。
「何でだよ・・・・!ショーコが生きてたんだ!約束したんだ!絶対帰るって・・・なのに・・・これで終わりって・・・おい!うごけよ!」
嘆きの声をあげながら、めちゃくちゃにレバーを動かすが、ヴァルヴレイヴが動く様子はなく、隣にいるサキも流石に顔色を変える。
周りには、ドルシア軍が包囲しており、まさに絶体絶命。
コクピットの内部が絶望の静寂に静まりかけたその時ー
「41ヘルツ、30マイクロパスカル」
「え・・・・・?」
「エンジン音は継続している。
熱量のメモリを見ろ。現在値が100を越えた瞬間に最大値が666に切り替わった。統一されたフォントやデザインの几帳面さから見るに、これが無意味な仕様だとは考えがたい。」
「でも、こんなにアラートが出てるんだから、666になったら爆発とかするんじゃ・・・・」
「爆発が起きるほどの温度や内圧が高まっていれば、俺ならすぐに神経系や呼吸系への異常を感じとることができる。」
「じゃあ・・・666の先に、何があると言うんだ・・・?」
「可能性だ。」
(死ねない・・・・死にたくない!だって、ショーコが生きていたんだ!)
『まずは手足をもぎ取る』
何かがおかしい。あのエルエルフが、あっさりとやられるだろうか。
『降伏してくれ、エルエルフ!私は、君を・・・・』
対するエルエルフは、あらゆるものに既に執着心はなかった。
エルエルフの最終目的は、ただひとつ。
それを果たすための手段として、今、エルエルフが選んだのはーハルトだった。
熱量が600を超え、そのスピードが加速する
「ショーコと約束したんだ。絶対に生きて帰るって・・・
だから!
僕は、生きる! 」
「なんだ・・・!?」
『なんかヤバイ!』
全身から光を溢れさせながら、再起動したヴァルヴレイヴ。
腹部と背面のカバーが開き、剥き出しになった『レイヴ』から、吸収しきれなくなった熱量が膨大な光のエネルギーとなって迸る。
腰から引き抜いたカタナを持ち替え、それを自分の腹部に向けて、一息に突き刺した。
腹部に差し込まれた刃は、最高密度のレイヴエネルギーを纏っていく。
再びカタナを引き抜いた時、その刃には、巨大な光の刃ができていた。
ヴァルヴレイヴは、その光の刃を大きく振りかぶって、敵陣めがけて振り抜いた。
圧倒的な光が、アードライの視界を焼き尽くした。
「エェェェェェルエルフゥゥゥゥゥゥアアアアア!!」
直撃は免れたが、機体ごと消し炭と化していたであろう威力。
「なんだ、あれは・・・・」
『あーあ、アードライを回収しなきゃ。
また戦える時をを楽しみにしてるよぉ!』
ガンダムF90Ⅱと戦っていたクーフィアのイデアールが、大破したアードライのイデアールを回収して、帰還していく。
フライトシールドとビームライフルを破損していたガンダムF90Ⅱのなかで、翼は呼吸を整えるが、突然機体の中に響いたアラートに目を向ける。
「所属不明戦艦と、クロスボーンバンガード?!
他にも熱源反応ありだと!!」
「なんだ、今のは・・・・・」
イクスアインの声に答えれるものは誰もいない。
我に返った艦長が体勢を建て直そうとするが、
「残存兵力を集めるんだ!集中しろ・・・うわああああっ!」
別方向からビームが降り注いだ。
オペレーターが叫ぶ。
「クロスボーンバンガード、及びARUS艦隊です!」
「後退しろ!!」
「・・・助かったのか・・・?」
ヴァルヴレイヴのコクピットの中で、呆然と呟くハルトに、いきなりサキが飛びついた。
「そうよ!助かったの!あはは!」
「えっ?あっ、うわっ!」
「答えろ」
そんな浮かれた空気を凍りつかせる、エルエルフの声。
振り向くハルトに、エルエルフの冷たい視線が突き刺さる。
「お前は俺が殺したはずだ・・・・なのに、なぜ生きている?」
「ーっ」
「どうして俺はアードライを撃った?俺にその記憶がないのはなぜだ?」
「あ・・・・ああ・・・・」
「・・・・お前が、俺の体を使ってやったんだな」
エルエルフは、ハルトの心に一つの楔を打ち込むべく、最も効果的な言葉を選ぶ。
「・・・・バケモノめ」
バケモノ。
そうだ。
僕はもう、人殺しのバケモノなんだ 。
『何をしている!まだ戦闘は続いているぞ!!』
突然通信が入り、近くにいたガンダムF90Ⅱにのる翼が叫ぶ。
エルエルフがコクピットのモニターを見ると、クロスボーンバンガードのモビルスーツが、ヴァルヴレイヴに向かってくる。
「ちっ、時縞ハルト、早くヴァルヴレイヴを動かせ。」
「ダメだ、動き出すのに時間がかかるんだ!」
『私たちが援護をする。早く起動させろ! 』
「翼!俺のビームライフルを使え!」
シンは、デスティニーゼロの高エネルギービームライフルを翼に渡す。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっッッッッッ!!!!!」
一撃ずつ放って敵を撃墜していく。
「次は!」
翼が狙いを定めたのは、黒いベルガギロスだった。
「ガンダムが向かってくるか。おもしろい、私が相手になろう。」
ショットランサーを構えたまま、ベルガギロスのパイロットであるザビーネ・シャルは迎え撃つ。
ビームサーベルを引き抜いた両機は、接近して切り結ぶ。
「引け、クロスボーンバンガード!お前達は全てのスフィアを戦場にする気か!」
「コスモ貴族主義達成のため、そしてコスモバビロニア建国のためには必要なことだ!」
『リーダー、別の熱源反応があります!』
「あれは・・・・サーペントテール?!なぜ彼らもここにいるんだ?!それに、ジャンク屋連合もいるのか!」
『どうしますか?』
「決まっている、なぜここにいるか問い詰めてやるんだよ!!
チームゼロ、これよりサーペントテール及び、ジャンク屋連合に接触を図る!」
『了解だ。』
『わかりました!』
アストレイとザビーネの登場です。
彼らとは次話から本格的に絡みだします。
ついに本格的に衝突した、クロスボーンバンガードとアルティメットウォーズ。
更に加わるサーペントテールとジャンク屋連合。
そして静観を続けるARUS艦隊とドルシア軍。
モジュール77を巡る戦いは混迷を深めていく。
次回「アストレイ~王道ならざるもの~」
世界を守るために戦え!バスター!
次回もよろしくお願いします。