流星が流れる頃にー翔び立つ戦士達ー   作:イグナイテッド

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いよいよ、次回から新章です。


アルティメット・クロス②

大講堂での緊急集会が終わり、撤収していく生徒達が出ていくと同時に動こうとしていた、ヒイロ達。

「で、お前さん達はどうするんだい?」

「お前はさっきの。」

「アルティメット・クロスの戦術指揮官を務める、リチャード・クルーガーだ。

こちらは、娘のサヤ。」

「今後ともよろしくお願いします。」

「まぁ、こんなぶっきらぼうな娘だが、仲良くしてやってほしい。」

「で、俺達は何でお前に話しかけられたのだ?」

「簡単な話さ。君たちもアルティメット・クロスに参加してほしいのさ。」

「俺たちが?」

「そうだ。最近、時空震が多発してるらしくてな。

それによる所属不明の者達がたくさん現れてるらしい。お前さん達もそうなんだろ?」

「そうだが..」

「行くあてはあるのか?」

「いや、無い。」

「よく見たら、素晴らしいガンダムに乗ってるんじゃないか。」

「了解した。」

 

「待ってください!」

 

声が聞こえた方を向くと、一人の青年がパイロットスーツの姿で現れた。

「なんだ、お前は?」

「オーブ連合首長国所属のパイロット、キラ・ヤマトです。」

「なっ!?」

「キラ・ヤマトだと?!」

「ふん、カガリ・ユラ・アスハの弟か!」

「なぜ、スーパーコーディネーターのお前がここにいる?」

「理由はあなた達と同じだと思います。」

「で、なんであんたも参加しようと思った?」

「戦いを止める、それが僕の役割だからです。」

「ふん、たくさんの兵士をフリーダムで殺しているのによく言えるな。」

「だとしても、僕はすべてを止めるために戦います。」

「面白い。入隊を許可する。」

 

2日後

 

「箒、手伝う?」

「いや、大丈夫だ。」

箒といつきは、部屋に置かれていた荷物を全てまとめていた。

荷物と言っても、いつきの場合は段ボール三箱分くらいであり、他にカラーボックスくらいだった。

箒はというと、5箱と剣道の道具など多数あった。

「本当に大丈夫?」

「本当に大丈夫だ!」

箒は叫ぶが、強がってるのがバレバレだった。

「あっ、新しいシャンプーとかを買うのを忘れてた。」

「じゃあ、届け出て買い物にいこう。」

箒は、届け出書を記入して臨時事務局に提出して出発の準備を整える。

「行くよ、ポプリ!!」

「はいでしゅ!」

ポプリは、いつきの肩に乗る。

認証カードを使ってモノレールの駅の方向に向かっていたときだった。

「む、城崎じゃないか。」

「あら、ふたりも来ていたのですか?」

「そうだが、その男は何者だ?」

「初めましてだな。俺の名前は早瀬浩一、昨日の戦いの時に2本角のロボットに乗ってた奴だよ。」

「貴様があのロボットに乗ってたのか?」

「そうだ。俺と城崎は二人でこのラインバレルのファクターだ。」

「ファクター・・・因子という意味か。」

「城崎は元々のファクターで、俺は後天的にファクターになった。操縦は俺がメインに行ってるけど。」

「なるほどね。」

「どうやら、そっちのあんたも何か秘密があるようだな。」

「その話は後で話すよ。」

「楽しみにしてる。」

やがてモノレールが到着し、四人は乗り込む。

 

その後、四人は買い物に行って昼食をとる、

「一つ聞きたいことがある。」

「何だ?」

「明日、ここを発ったあとどこへ向かうんだ?」

「俺達の拠点、JUDAだ。」

「JUDAって、あの有名医療機器メーカーじゃないか。

なんでそこがお前達の拠点になってる?」

「簡単に話せば、あそこは表向きはその姿をとってるが、本当の顔は軍需企業だって事だけ教えておくよ。」

「詳しくは言えないのか?」

「明日、石神社長から詳しく話されるはずだ。」

「ふぅん。」

「いちゅき!早く帰りたいでしゅ!」

我慢できなくなったポプリは、とうとう駄々をこね始める。

「喋った?!」

「お前何者だ!?」

「いちゅきが好きな妖精、ポプリでしゅ!」

「はぁ?妖精??」

「あなた、ステラ・ルーシェだったんじゃないの?!」

「ステラ・ルーシェは確かに僕の名前だけど、それは昔の名前。いや、前世での名前だよ。

今の僕の名前は、明堂院いつき。」

「おい、明堂院って武術で名をはせている家じゃないか?確か跡取りがいて、その下に妹が一人いて武術の方の後継者としていたらしいけど13年前に行方不明になったとニュースになっていたはず。」

「それが僕だよ。」

「まさか、こんなところにいたとは。」

「この時代にとっては長いかもしれないけど、僕はたった一瞬で来たんだよ。」

「信じがたい話だ。まさか、あんたが俺達よりも年上だったとはな。」

「僕だけじゃない。他の友達もこの時代に飛ばされてるはずだ。」

「他にもいるのか?」

「たくさんいるよ。」

「石神社長に頼めばなんとかなるかもしれない。」

「社長頼みかよ。」

「仕方あるまい。」

何気なく話し、時計を見る。

「急ごう、時間がない。」

急いで代金を払い、学園に戻る。

 

そして、日が開けてとうとう学園無期限閉鎖の日を迎えた。

 

「いよいよ出発だな。」

「そうだね。」

既にすべての荷物を届け、再び大講堂に入る。

 

予備代表候補生を含む候補生などの生徒が全て集まっており、浩一達の姿もあった。

学園長が登壇し、話を始める。

 

「皆さん、すべての準備を終えましたか?

この集会が終われば、すぐにあなた方は戦いに身を投じることになります。

まだまだ慣れないことばかりで苦戦すると思います。

ですが、この戦いは全ての世界の人達を助けるために戦おうとすれば苦しい状況でも立ち上がることができるはずです。

私の祖父母は、かの第二次世界大戦を体験して生涯を戦争に協力したことをずっと悔やんでました。

大切な仲間や親戚を失ってしまったからです。

私はそのような話を聞いて育ってきました。

ご存じの通り、私は自衛隊に志願して長い間所属していました。あのイラクや南スーダンにもPKO部隊の司令官として行っていました。

退役後は縁あってこの学園の学園長を勤めてますが、ここの教職員達よりも戦場の状況は知ってるつもりです。本当はあなた方生徒を戦場に送りたくはありません。絶対に送りたくはありません。ですが、この私でさえも時代の流れや戦局が悪化していく前には、抵抗することができませんでした。ですから、これから私と皆さんで一つの約束をしましょう。何があっても必ず生きて帰ってくること。それだけです。

私からの話はこれで終わりです。」

 

学園長は降り、入れ替わるように織斑千冬が登壇する。

「私からは、この集会後の話をする。

この集会終了後、速やかに割り振られている各母艦の部屋に向かえ。

それ以降の事は、部屋の壁に貼ってある。

JUDA社にて、一部の生徒と私は社長の石神氏と面会することになってる。服装を正しておくように。

これからの生活は、遊びではない。命を懸けて生活することを忘れるな。以上だ。」

 

集会が終わり、大講堂から出た生徒たちはエルシャンクとマクロスクォーターに別れて乗り込む。

向かうは首都東京。

運命は動き始めた。


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