「貴様達の仲間は我々が捕らえさせてもらった。貴様らのせいで我々の計画は変更を加えねばならなくなった!
これからこいつらを我々の実験体として利用するのだ!」
ロボット騎士が高らかに宣言する。
「ふざけないでよ!私たちの仲間を返しなさい!」
怒りを込めた一撃の拳をぶつけるドリーム、ハート、メロディ。
「そうよ、友達よ!!早く返しなさい!」
リズム、ビート、ミューズ、ダイヤモンド、ソード、エース、ルージュ、ミントが同時に拳を叩きつける。
「無駄なことを!!」
ロボット騎士がサーベルを振りかざし、その衝撃でみんな吹き飛ばされる。
その衝撃はプリキュア達を飛ばしただけではなく、周辺にいた兵士を大量に吹き飛ばした。
恐る恐るその方向を見ると、さっきまで人であった物が内臓を露出させたり体の至るところをバラバラにされたりしている状態で大量に横たわっていた。
それを見た瞬間、のぞみ達の顔が恐怖と後悔の気持ちにに支配される。
「そんな、またたくさんの人が死んじゃった・・・・」
「どうして私達は誰も、何も助けられないの!!」
暗くなっている空気が更に重くなる。
「まずいなァ!!このままでは負けるぞ!」
「させないよ!」
フラッシュが剣を握って斬りかかる。
「2度と人を改造させるものか!」
「ちっ、今は撤退だ!もちろん、こいつらを連れてな!」
「ああ、かれんさん!うらら!!ありすちゃん!!」
ドリームが走って追いかけても、既に届かない場所に行ってしまっていた。
変身が解けた12人のうち、平気でいられたように見えたのはアコ、亜久里、ふたば、優香達だけで、他は完全に意気消沈していた。
「なんで、なんでかれんさん、うらら、そしてありすちゃんが奪われてしまったの・・・」
「私達がヒーローとして向いてないからかな・・・・」
完全に戦意を喪失しかけていた。
「まずいぞこれはァ。」
「ああ、このままでは彼女達はヒーローとしての資格が・・・」
「これが一番の試練かもしれない・・・・」
「あぁぁぁぁ!!!」
「どうしたンだ、ココ?」
「見てくれ!」
ココが指を指した先にあったのは、のぞみ達にプリキュアの力を与えたはずの蝶がのぞみ達から離れ、マナ達に宿っていたキュアラビーズ、響達のアイテムであるキュアモジューレも消滅してしまった。
「どうして、どうして消えてしまったの?!」
「私達が弱気になってしまったからだよ・・・・」
「そんな!」
「でもアコ、亜久里、ふたば、優香は変身アイテムを失っていない!」
「つまり、諦めるか諦めないかで命運を分けたって事?!」
「そんな!・・・・」
「私達が代わりに戦うしかないのですか??」
「・・・やってやるわよ。」
「ですが、皆さんはこのままでいいんですか?!」
「わかってるよ、でも私たちにはその資格は・・・・」
「っ!!!」
突然のぞみは立ち上がって走り出した。
「のぞみ?!どこへいくの?!」
「俺が行く。」
アクセラレータが走って追いかける。
のぞみは大粒の涙を流しながら走る。
「ごめんなさい、私にはもうプリキュアは務まらない・・・だって仲間も助けられないし、他の人達を巻き込んでしまったんだもん・・・・」
そして咲森学園の敷地内にある神社の祠の前で止まった。
「もう、無理だよ・・・・」
押し殺していたものを全て解き放つように、のぞみの目から大量の涙が堤防を決壊させたかのように落ちる。
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・・私・・・・・うわぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
3人の顔が頭によぎる度に涙が溢れてくる。
「オマエ、そこで何やってるンだ?」
のぞみの後に祠の前にやって来たアクセラレータが話しかける。
「そこでなンでたくさん泣いてる?」
「なんでって、アクセラレータさん、あなたこそなんでこっちに来たんですか。」
「お前が突然立ち上がって走り出したンだから、代わりに俺が走って追いかけってワケだ。さあ、早く戻るぞ!」
「いやです!やめてください!今の私なんかに、あの場所にいる資格なんてありません!」
「なにバカな事を言っていやがるンだ!あの場所にはオマエの力が必要だろうがァ!!」
「私はたくさんの人を巻き込んだ挙げ句見殺しにしたんですよ!そのせいで私達はプリキュアの資格を失ったんです!今戻ったら、とんでもないことになります!」
「ふざけるなァ!!オマエはなんで戦ってきたンだ!オマエはあの三下のようなヒーローだろうがァ!」
「バカなことを言わないでくださいよ!私なんかヒーローじゃありません!なんで戦っていたのかさえもわからないんです!私なんかに正義の心なんて・・・・」
「ようやく本音が出たなァ。オマエ、本当はプリキュアなんてやりたくなかったんだろォ!」
「ええ、本当は怖くて嫌だったんですよ!私には勇気があっても、誰かが傷つく所は見たくなかったんです!あの時はまだ誰も巻き込んでいなかったからよかったけど、たくさんの人が死んでいって、さっきもまたたくさんの人が死んじゃった・・・かれんさん達も拐われて、私は誰も助けることができなくて、みんなの足を引っ張ってばかりで迷惑ばかりかけてしまいました!
だから、私にはあの場所に戻ってはいけないんです!」
黙っていたアクセラレータが、突然のぞみの胸ぐらを掴む。
「甘ったれるのもいい加減にしやがれェ、この三下がァ!!さっきから聞いているとなンだぁ、傷つけのが怖いだの助けることができないダァ、そんな資格が無いダァそんな事ばかり言いやがってェ!
テメェの正義の心はそんなものだったのかァ!!
あン時の言葉どうしたんだ、この野郎がァ!!
テメェなんかよりも、あの三下の方が断ぜん正義でみなぎってるぞ!」
「あなたに何がわかるというんですか、あなたが!」
「少なくともテメェよりも、正義の心を理解してるンだと言ってるンだ!!!」
「どういうわけです!」
「前に言ったように、俺はたくさんの妹達殺してきたわけなンだが、それでもヒーローになろうとしていたワケだ。オマエの信じる正義の心とはなンなンだぁ?それがわかれば少しは楽になるンじゃねぇのか?」
「私が信じる正義の心・・・・」
『大変です!!未確認生命体が出現し、攻撃を開始しました!』
「チッ!仕方ねェ、応戦しに行くぞ!オマエはそこで待ってるろォ!夢原のぞみ!」
アクセラレータはドルシアが攻撃してるであろう地点に向かうべく、走る。
ただ一人取り残されたのぞみを、沈みかけていた太陽が包んでいた。
次回は、驚き?の展開になります。