摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について   作:ミカヅキ

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たいへんお待たせしました!第32話更新です!!
今回、諸事情によりちょっと短めとなっております。さらに、やっぱりまだエニエス・ロビー編完結しておりません(汗)
次かその次には必ず………!

今回、遂に“あの技”が登場します!!!

追伸、お気に入り登録900人超え+感想+評価、みなさんありがとうございます!
ご指摘を受けたのでちょっと文章の形式を全話手直しさせていただきました。
今後ともよろしくお願いします!!


第32話 VSバスターコール!遂に決着、ルフィとルッチ

「すみませんが、ここはお願いします。もうすぐナミちゃんたちが来る筈なので……。」

 “護送船”を占拠(せんきょ)した後、そげキング(ウソップ)とロビンに向かってジャスミンが告げる。

 炎のような“気”の放流は収まっているが、“気”そのものを抑えている訳ではない為、威圧感は消えてはいない。

「?どこに行く気だね?」

「軍艦を何とかしないと……。島に残っているガレーラやフランキー一家の皆さんが危ない。」

 ギュン!

 そげキング(ウソップ)に告げ、舞空術(ぶくうじゅつ)で飛び上がる。

「一体何を………?」

「分からん。だが、ここは彼女に任せよう。いつ、他のみんなが来ても良いようにすぐに船を動かせるように準備をしておこう!」

 ジャスミンが舞空術(ぶくうじゅつ)で“正門前”に移動し、上空から軍艦を見下ろし、狙いを付ける。

 3隻の軍艦が“正門”に近付いているのを確認し、手のひらを上に向けるように右手を構えた。

「はあぁぁぁぁっ!!!」

 ブゥ……ン…!!!

 気合と共に、ジャスミンの手のひらに“気”が集まっていく。

 フォン…!フォン……!フォン………!

 ギュイィイイイン…………!

 それは高速で回転を加えられることで、(うな)るような音を立てながら円盤(えんばん)状に(うす)く引き伸ばされていった。

気円斬(きえんざん)………!!!はっ!!」

 ギャンッ!!!

 ズバババァ………………ン!!!

 気合と同時に放たれた円盤(えんばん)状の“気”のカッターが、“正門”に向かっている3隻の軍艦のうち、1隻に向かう。そして船首から船尾まで一瞬で飛び、マストを4本全て斬り飛ばした。

 バッシャアァアァァ………ン!!!

 ザッパアァアア…………ン!!!

「な、何だ!!?」

「何ごとだ!!??」

「マ、マストがありません!!」

「何ィ!?」

 (はち)の巣を(つつ)いたような騒ぎを見下ろしつつ、再度構える。

 ブゥ……ン…!!!

「もういっちょ!」

 ギャンッ!!!

 ズバババァ…………ン!!!

 もう1隻の軍艦のマストも全て斬り落とす。

 バッシャアァアァァ………ン!!!

 ザッパアァアア……ン!!!

「うわああああ!!!」

「マストが折れたァ!?」

「誰だ一体!?」

(かじ)が取れません!!」

 この世界の船はほとんどが帆船(はんせん)である。その為、風を受けるマストさえ奪ってしまえば、その後の操舵(そうだ)は不可能。

 最初は大砲を気功波で爆破させようかとも思ったが、砲弾の火薬に引火してしまわない保証は無い。

 それよりも、船の機動力さえ奪ってしまえば一気にこちらのペースに持っていくことが出来る。

 実際、海兵たちは砲撃を続けるよりもマストに気を取られていてそれどころでは無い様子だった。

「一体どうなっている!?」

 バスターコールによって招集された、5人の中将の1人であるやたらと上に長い頭の男・ストロベリーが叫ぶ。

「ス、ストロベリー中将、あれを!!」

 混乱の中、状況の把握(はあく)だけで精一杯だった海兵たちだったが、1人の海兵が、(つい)に上空のジャスミンに気が付いた。

「!この威圧感は貴様か?!貴様も“麦わら一味”の一味か!!?」

「浮いている……!能力者でしょうか………?!」

「さすがに見付かっちゃったか…。悪いけど、こんな馬鹿げた攻撃、続けさせる訳にはいかないんで、ね!!」

 ブゥ……ン…!!!

 ストロベリーの問いに答えること無く、再度気円斬(きえんざん)を右手に作り出す。

「な、何だ!?」

「はぁっ!!」

 ギャンッ!!!

 ズバババァ……………ン!!!

「うわああああ!!!」

「ま、マストが……!!!」

「貴様、何をする!?」

「これで3隻!」

 残る軍艦は6隻だが、さすがにこれ以上黙って見ているつもりは無いようだ。

『北西“正門前”より全艦に報告!“麦わら一味”の1人と思われる女を上空に発見!それにより、軍艦3隻が操舵(そうだ)不能!!悪魔の実の能力者と思われるが詳細は不明!全艦砲手(ほうしゅ)照準(しょうじゅん)を合わせろ!7秒後に一斉砲撃!!』

「人間1人に対してやる?普通……。」

 嫌悪に顔を歪めながら、顔の前に腕を交差させるように構え、衝撃に備える。下手に避けるとエニエス・ロビーに当たってしまう為だ。

『砲撃!』

 ドドドドドドドドドォ………ン

「……………!!!!」

 9隻の軍艦から一斉に砲撃され、ジャスミンの姿が爆炎と煙に包まれる。

「やったか?!」

「この砲撃だ。さすがに生きてはいられないでしょう。」

 

「ジャスミ――――――――――ンっ!!!」

「そんな……!」

「ウソ………?!」

 “ためらいの橋”の側の“護送船”でその様子を見ていたそげキング(ウソップ)の叫びが木霊(こだま)する。ロビンや、ココロのおかげで合流出来たナミもその様子を見て目を疑っていた。

 彼らが絶望を抱きかけた時、

 シュウウウゥウウゥ………!

 潮風に…よって煙が晴れる。

 ヴヴゥ……ン!!!

「お、おい!見ろ、アレ!!」

「ジャスミン!!!」

「無事だったのね……!」

 そこには、自らの“気”で張ったバリアーにより身を守っていたジャスミンの姿があった。

 

「ス、ストロベリー中将!!!」

「バカな……!あれだけの砲撃を受けて全くの無傷だと…!?」

 海兵たちが、自らの目を疑う。

「つくづく見下げ果てた奴らだな………!たった1人の人間相手に島ごと巻き込む集中砲火とはね……!後ろにはまだお前たちの味方が山程いるんだぞ……!?」

 ヴ………ン……!

 バリアーを解除しながらジャスミンが吐き捨てる。

「何の罪も無い人間を、自分たちの味方をこうも簡単に見捨てて切り捨てる……!そのやり方が気に入らないんだ……!」

 ドウッ……!

 ジャスミンから、再び青白い炎のような激しいオーラ(あふ)れ出した。

 ブオォ…………!

「ぐぅ……!」

「くっ………!」

「うぉっ…………!」

 ジャスミンを中心に巻き起こった風が軍艦を揺らす。

 それに伴い、発せられる威圧感もさらに増した。

『ぜ、全艦に通達(つうたつ)!!標的は無傷!!再度一斉砲撃を……!』

「良い加減、鬱陶(うっとう)しいな・・・・・!」

 慌てふためく海兵たちを見下ろしつつ、胸の前で右手を構える。手のひらを上に向け、指を開いて“気”を集中させ、左手で手首を支えた。

繰気弾(そうきだん)!!!」

 ボッ!!

 直径20cmに満たない程の青白い球体が手のひらから飛び出した。

「はっ!」

 ズギュンッ!!

 投げ付けられた気弾(きだん)が高速で軍艦へと迫る。

「な、何だアレは!?」

「光るボール…!?」

 ドォオオ……………ン!!!

「しゅ、主砲が…!」

「ストロベリー中将!!」

「何とか(かわ)せ!!」

「む、無理です!マストが無いので操舵(そうだ)出来ません…!!」

 ビッ!ビッ!ビッ!シャシャシャッ!!

 ドォオオ…………ン!!!

 ズドォオオ…………ン!!!

 ジャスミンの指の動きに合わせ、放たれた気弾(きだん)は自由自在に宙を舞った。

 そして目の前に並ぶ軍艦の3つの主砲、その“砲筒(ほうづつ)”を的確に破壊していく。

 主砲そのものではなく、“砲筒(ほうづつ)”を狙うことで砲弾への引火を避け、使用不能にしたのだ。

「クソォ……!」

「う、撃て撃て……!撃ち殺せ!!」

 ドォン!

 ドドドドォン!

 ドドン!

「ちっ……!」

 シュン!

 立て続けに放たれる弾丸を上空に移動することで(かわ)す。掴み取ることも可能だが、それをすると繰気弾(そうきだん)のコントロールが(おろそ)かになり、消えてしまう可能性があった為だ。

鬱陶(うっとう)しいって言ってる…!!!」

 ズドドドドドドドドドドドドォオオ…………ン!!!

 残りの8隻の軍艦の主砲も全て破壊する。

『ぜ、全艦に通達(つうたつ)!こちら6号艦、主砲が破壊され砲撃不可能!!7号艦、8号艦も同じく!!!』

『こちら5号艦、同じく主砲での砲撃不能!』

『1号艦、2号艦、3号艦も砲撃不能!!』

 

「何モンだ、あのオネーチャン。軍艦を次々無力化してやがる……!」

 “ためらいの橋”からその様子を見ていたフランキーが呆然と呟く。

 目線の先では、ジャスミンが再び光る円盤(えんばん)状のカッターのような技(気円斬(きえんざん))で残りの軍艦のマストを次々と斬り倒している。

「おい、ここまできて何だが、あの女は本当に信用出来るんだろうな?」

「何だね、突然!?」

 ゾロの唐突な1言にそげキング(ウソップ)がぎょっとして振り返る。

「もし、あの女がおれたちの敵になるようなことがあれば……。例えここを無事に突破出来たとしても、すぐに全滅だ。悔しいが、今のおれたちじゃアイツには敵わねェ!」

「何よその言い方……………!ジャスミンはそんなことしないわよ!!」

「悪いが、おれはお前ら程あの女のことを信用出来ねェ。第一、お前らだって何でそこまであの女のことを信じられる!?もし、アイツが海軍やCP9からのスパイだったとしたら?」

「?!そんな訳無いでしょ!?」

「現に、ウォーターセブンの奴らはCP9の連中に何年も(だま)されてたんだぜ?今までのあの女の言動が全ておれたちを(だま)す演技だったとしたら?CP9の連中と一芝居打ってたって可能性も0じゃねェ。」

 ナミが抗議するが、それはゾロの態度を(かたく)なにするだけだった。

「悪いがナミさん、おれもゾロに賛成だ。レディを疑いたくは無いが、ジャスミンちゃんとはウォーターセブンで初めて会ったんだろう?言っちゃあ何だが、タイミングが良過ぎる……。」

「ジャスミンは違うわよ!!ウォーターセブンにいたのだって別の理由があってのことだし、最初にあの子を巻き込んだのはルフィの方よ!?」

 同意するサンジに対し、ナミが説明するが、疑惑を完全に晴らすことは出来なかった。

 ホテルで郷愁(きょうしゅう)の念を吐露(とろ)していたジャスミンを思い出し、歯痒(はがゆ)い思いをしながら尚も言葉を重ねようとするナミだったが、突如(とつじょ)と響いた轟音に意識が()れる。

 ボコォ…ン!!!

「…!!!」

「第一支柱が!!!」

 内側から破壊された第一支柱に、海兵たちがざわつくのが聞こえる。

「ルフィ!!?」

「ルフィ…!!」

 そげキング(ウソップ)とロビンが支柱を注視した。

 ジャスミンも、放とうとしていた気円斬《きえんざん》を思わず消し、第一支柱を見詰める。

「ルフィくん……!?」

 “麦わらの一味”やフランキー、ココロたちだけで無く軍艦の上の海兵たちでさえ固唾(かたず)()んでいた。

「一緒に帰るぞォ!!!ロビ~~~~~~~~ン!!!!」

『ぜ、全艦へ報告!!!“CP9”ロブ・ルッチ氏が、たった今……!!海賊“麦わらのルフィ”に!!!(やぶ)れましたァ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




追記
気円斬…“気”を円盤状のカッターに練り上げ、物体を切断するクリリンの必殺技。この技をルフィ(の中の人)の声で叫ばれると、ドラゴンボールファンのテンションが30は上がる。
ジャスミンはヤムチャの仕事の都合でクリリン宅に預けられることも多かった為、教えてもらったという設定です。

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