摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
さて、前回何となく予感していた通り、再会まで持っていけませんでした…(汗)
“最悪の世代”との絡みを期待している方々がいらっしゃいましたので、ちょっとニアミスさせてみました!
最後に登場した人物がわかる方はいらっしゃるでしょうか?一応ヒントは入れたので、そんなに難しくないとは思いますが、ぜひ予想してみてください!!
━シャボンディ諸島53番
“サウザンドサニー号”から飛び立つ事およそ3時間。ジャスミンは夕闇に
コーティング職人の中で、最も腕の良い職人を探すべく、造船所やコーティング
(何だってこんなに同時期に…。)
上陸する前に上空から見下ろした際、やけに海賊船が停泊しているのを見て
その中でも、コーティング職人らしき男を脅し付ける赤い髪の男の姿がジャスミンの目に留まった。“ルーキー”と呼ばれる海賊たちの中でも特に
(
無駄に
「ん?」
(?!)
“キャプテン”キッドの隣に立っていた仮面の男‐“
「あ゛?どうした、キラー。」
ドサリ、と胸倉を
「いや、誰かに見られているような気がしてな…。」
「何ィ?」
(ヤバッ…!)
バッとキラーの視線を追った“キャプテン”キッドに、ジャスミンが内心焦る。
別に争いとなっても負ける気はしないが、仮にもルフィよりも懸賞金が上の大物“ルーキー”である。大事になって海軍の目を惹くのは本意では無い。
「確かめるか…!」
“キャプテン”キッドがジャスミンが隠れている辺りに向かって右手を突き出した。
(何をする気…?)
ジャスミンが疑問に思ったその瞬間、バチィッと“キャプテン”キッドの右手が、何かが
ジ…ジジ……!
その
「え…?!」
よろけかけた体を
「!本当にいやがったか…!コソコソと
バチバチッ…!
再び何かが
(マズい……!)
不安定な足場では踏ん張るのも限界がある。左手ごと腕時計を引っ張られているだけでもバランスを保つのに精一杯なのに対し、ウェストポーチを引っ張られているせいで腰までもっていかれそうだった。
何とか足を踏ん張り、右手で目の前の枝に抱き着いて耐えているが、引っ張る力はどんどん強くなっていく。
(仕方無い…!)
バシュッ…!
右手で枝に力一杯抱き着いたまま、引っ張られている左手で何とか狙いを定め、
ドゴッ!
「!何だ?!」
放たれた
その瞬間、
(今だ……!)
ドシュンッ………!!!
ジャスミンがその
キイィイ………ン……!!
「ふう…。ここまでくれば大丈夫か……。」
超高速で上空2000m程まで一気に上昇したので、“キャプテン”キッドたちにはジャスミンを目視する事は出来なかっただろう。
(それにしても、“気”は完璧に消してた
腕時計に目を落とせば、ノイズはすっかり収まり画面も元に戻っていた。ウェストポーチを確認すると、スマホがさっきの腕時計同様にノイズを発し、画面も一部がバグが発生したようにおかしい。
「げ…!まさか壊れた?!」
慌てて音声認識のガイドアプリを起動させようとするが、応答は無く画面にタッチしても全く反応しない。
先程とは異なり操作にも反応するが、念の為に機種の状態をセルフチェックするアプリを起動させ、本当に問題が無いかを確かめる。
ピンポーン…!
『強力な
セルフチェック終了と同時にガイドアプリも復旧したらしく、音声で報告があった。
「
『発生の原因は不明。先程の
「システム保護アプリ?」
『次にその
「そのアプリが起動するまでの
『
「そのアプリが起動しても故障する可能性は?」
『半径100m以内の接近で14.9%。半径50m以内の接近で36.7%。半径2m以内の接近で56.3%。』
「…なるほど、近付き過ぎると危ないって事ね……。」
出来るだけ“キャプテン”キッドには近付かない方が良さそうだ、と判断したところでガイドアプリを終了してウェストポーチに戻す。
さて、これからどうするかと意識をコーティング職人探しに移した。
今すぐにさっきの場所に戻る訳にはいかない。50番代の
(と、なると…。もう1つの可能性に賭けるしか無い訳だけど………。)
半年前に遭遇した老人を思い出す。
(出来ればあの人には会いたくないな……。)
悪印象を持っている訳では無いが、あのテの
「…そんな事言ってる場合じゃない、か……。」
原作でサニー号をコーティングしたのがどんなコーティング職人だったかは覚えていないが、彼らがバーソロミュー・くまと交戦し、能力であちこちに飛ばしたのは覚えている。確かルフィだけが
(何でルフィくんだけあんなに大暴れしてたんだっけ?)
何か、とても大事な事を忘れている気がするのだが。…
これがドラゴンボールに関する事なら、多少マイナーな初期の話も事細かに覚えているのだが…。
何だろう、何か…
「何かやらかしてる気がする………。」
何を失敗したのかは全く思い当たらないが、確実に何かをやらかした気がひしひしとする。
それが自分が忘れている“原作”に関してなのか、何なのか…。
ひとまず嫌な予感に目を
━21番
(この辺の
無法地帯だけあって、周囲が荒れているが、
が、
(あぁ、ここだ。…でも、ここって………)
目当ての老人の“気”を探り当てたのは良いものの、よりにもよって
(100%カモにされる未来しか見えない…。)
出て来るのを近くで待っていた方が身の為のようだ。
こと戦闘においてならそう簡単に遅れを取るつもりは無いが、ああいった場は独自のルールを有している場合が多く、賭け事などした事も無いジャスミンにとってはアウェイ過ぎる。
一歩中に足を踏み入れればルールに従わざるを得ないが、懸賞金は高いとは言え
これがナミのようにある程度場数を踏んでいるならともかく、ジャスミン自身中に入れば気圧されない自信は無い。“お
(仕方無いからどっかで時間潰そう…。)
「なるほど…。“
不意に、ジャスミンの目の前に立ちはだかった男がいた。
用語解説
・スマホのガイドアプリ…お察しの通り、モデルはsi〇i。しかし、作者はi〇h〇neどころかスマホすら所持していないガラケー愛用者の為、ざっくりしたイメージのみで書いていますので、様々な矛盾にはスルーでお願いします。
カプセルコーポレーション製なら現代の科学では不可能な事が可能に違い無い、という作者の希望的観測により、ドラゴンボール世界のケータイには1台1台簡易的な人工知能が内臓してある設定にしました。ケータイというより、電話の出来るパソコンのイメージ。