摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
50話までいっても大して山場に持っていけない自分の文才の無さにちょっと落ち込みつつ、これからも更新を頑張らせていただきます!
さて、今回いよいよ“黒幕”たちがちょっとだけ登場します。これで分かる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。
“助っ人”は次回かその次まで少々お待ちくださいませ。
━1番
――――15時42分、オークション会場舞台裏‐
ジャスミンは既に
(何でこんなトコにいるんだろ、
(!あれか…。)
そんな中、目的の人物に気付く。
「放してよ!!痛いっ!!あんたたちなんか!!はっちんがぶっ飛ばしに来ちゃうんだからね!!」
趣味の悪い服装の男たちに2人がかりで運ばれているのが、人魚のケイミーだろう。
そこに、従業員たちとは違う服装(これも趣味が悪い)の責任者らしき男が近付いていく。
「おほっ!!コリャ高く売れそうだ珍しい!!イキも良い!!ハリもある!!」
(
ケイミーの顔を
「出品者は?」
「“ハウンドペッツ”で。」
「ピーターマンか。良い仕事しやがる。トビウオライダーズは今回何も出して来ねェってのに。」
「べ――――っ!!」
その瞬間、それまで笑みを浮かべていた男が
パン!!
「きゃあ!!」
「コノヤロー、魚の
思い切りケイミーを平手で殴り付け、倒れたところを蹴り付けようとして部下たちが慌てて男を抑えた。
「ちょっと、ディスコさん!!大事な商品ですよ!!!」
「傷付けたら値が下がる!!蹴るんならせめて服で隠せる腹とか…。」
「ケッ!!」
部下の言葉に吐き捨てる男‐ディスコに、ケイミーが泣きながら叫ぶ。
「お前だって!!………!!はっちんがやっつけてくれるんだからね!!!」
「まだ
ゾクッ………!
不意に
ドサッ!
「!?え!?…ディスコさん!?」
「おい、どうしたディスコさん!?」
そのまま気絶したディスコに、保管庫にいた部下たちが全員駆け寄ったのを確認し、ジャスミンが動いた。
ドッ!
ドドッ!
ドンッ!!
ポケットから瞬時に
ドサッ!
ドタンッ!
バタッ!
「え!?」
「な、何だ!?」
「どうしたの?!」
ディスコが倒れた事にも不思議そうな顔をしていたケイミーが、疑問の声を上げ、それに反応した他の
スタンッ!
「あなたがケイミーさんですね?」
「え?あ、あなた誰?!」
突然現れたジャスミンにケイミーが目を白黒させた。
「話は後です。外でルフィくんたちが待ってますから、早く逃げましょう。」
「ルフィちんたちが!?」
ルフィの名に、ケイミーの顔が明るくなる。
「裏口で待ってます。その前に…。」
ケイミーに答えながらジャスミンがディスコのポケットを探る。
「あった!」
チャリ…!
取り出されたのは、鍵の束。そして今回オークションに出品される
「ちょっと待っててくださいね。」
ガチャン…!
「これから皆さんの首輪を外します!裏口までの安全は保障しますが、それから先は自力で逃げてもらいます!既に表の会場には客が大勢入っています。中には
そう言うなり、急いで全ての者たちの首輪と
「ありがとう…!ありがとう…!」
「助かった…!もうダメかと思った…!!」
奴隷の証である首輪から解放された
「この恩は絶対忘れない…!いつか必ず礼をする!!」
特に巨人の男は、ジャスミンにそう
そして、最後の1人―――――――――。
「ふふふ……。
「ええ、全く。元々私は、あなたを探してこの島に来たんですけどね…。」
半年前に
「おや?私を探していたのかい?」
「ええ。コーティングを依頼したくて。でも、話は後です。オークション開始まで後10分。そろそろ他の従業員が顔を出してもおかしく無い。急ぎましょう!!」
そう言うなり、ケイミーを抱えて足早に裏口を目指す。
「なら、
コーティング職人の老人の言葉に、解放された者たちが頷き足早にジャスミンの後に続く。
「おや?君は行かないのかね?」
他の者たちが次々と部屋を出て行く中、動こうとしない巨人に向かって老人が問う。
「行くさ。せっかく自由にしてもらったんだ。ただ、じいさんあんた何者だ……!?さっきの
「ふふ…。ただのコーティング屋をやってるジジイだ。わしは若い娘さんが大好きでねェ…。それに、あんなものは多少
そう言いながら老人が倒れた男たちの
「何だそれ?」
「コイン…。100
「コイン?それがどうした?」
「ああ。君じゃ視線が高過ぎて見えなかったのか。このコインが、この男たちを気絶させたのさ…。」
「コインで?能力者か?」
「いや。このコインを指で弾いて、弾丸のように撃ち出したのさ。…全く大した腕だ。」
そう。あの時、ジャスミンがポケットから取り出し、撃ち出したのは3枚の100
「そんな芸当が本当に可能なのか?」
「現にこの男たちは気絶している。さて、他の連中は皆逃げられたようだ。わしらもそろそろ行こう。本当に従業員が来てしまう。」
言い置いて裏口を目指して歩き出す老人に、半信半疑ながらも巨人の男も付いていく。
最初に気付いたのはルフィだった。
「来た!ジャスミンだ!!」
「ケイミー!!」
「ペイビ―――――――ィ!!!」
ジャスミンがケイミーを抱えて裏口を潜り抜けた
「はっちん!!パッパグ!!」
「そ、外だ…!助かった…!!」
「自由だ…!!」
「ありがとう…!あんたのお陰だ……!!」
ジャスミンによって奴隷の危機から解放された者たちも、次々と裏口から外に出て来る。
ケイミーをハチへと渡し、ジャスミンも彼らへと向き直った。
「どういたしまして。言い方はなんですけどついででしたから。それより、早くここから離れてください。2度と捕まらないように。」
ジャスミンの言葉に、皆口々に礼を言いながら
他の者たちが全員逃げ出した後、最後に巨人の男とコーティング職人の老人が出て来た。
「ん?そこにいるのは…。おぉ!!?ハチじゃないか!?そうだな!!?久しぶりだ!―――――何をしとるこんな所で!!」
「レ、レイリー!!?」
「ん?あ~、いやいや言わんで良いぞ。――――成程、その人魚の娘さんはお前の連れだったか。」
「……お知り合いだったんですね。」
まさか自身の探していたコーティング職人と、ルフィの連れが知り合いだとは思わなかった、とジャスミンが内心呟く。
「?このおっさんがコーティング職人なのか?」
「!ルフィくんたちもこの人を探してたの?」
ルフィの問いかけに反応したのはジャスミンだった。
「みたいだな!お
「まぁね…。それより場所を移動しよう。他に捕まってた人たちは
「なら、シャッキーのバーへ行こう。あそこならそう簡単に見付からん。」
「まだみんな来てねェんだ。おっさんとタコッパチたち、ケイミー連れて先に行っててくれよ。後でみんなと一緒に行く。」
ルフィが提案し、ルフィ1人残して行くのも不安だったジャスミンがそれに付き添ってハチらを見送る。コーティング職人の老人‐レイリーがいるなら何かが起こっても大丈夫だと判断しての事だ。
「ルフィくん、私“麦わら一味”が全員
「?これからどうするか決めたのか?」
「後8日…、実質的には7日かな。元の世界に帰る手掛かりが
「あぁ!だからそんな
ジャスミンが
「そ。
取り
「お――――い!ルフィ―――――!!」
「ルフィ――――――――!!」
サンジとナミ、ロビン、フランキー、ウソップが到着する。
「ジャスミン!あんたもいたのね。ルフィ!それで、ケイミーは?!」
「ケイミーは大丈夫なのか!?」
「大丈夫だ。もうジャスミンが助けてくれたからな!今はタコッパチたちと一緒にオバハンの店に先に行ってる。」
ナミとウソップが立て続けに問い
「後はチョッパーくんとブルックさん、それにロロノアさんですね?」
「ああ。それにしても
ジャスミンの言葉にサンジが同意した直後。
「ん?」
不意にジャスミンが上空を
「何だ?」
「まさか…。」
「何か嫌な予感が…。」
それに釣られてルフィ、サンジ、ナミも同様に上を見上げた時だった。
ヒュンッ!
ヒュヒュンッ!
ヒュンッ!!
「うわぁああああっ!!!?」
「ヨホ――――――――ッ!!!」
「ぅおっ!?」
ドッカアァアアアア……………ン!!!!!
チョッパー、ブルック、ゾロを乗せた巨大トビウオが会場へと突っ込む。
「うぉおおおい?!チョッパ――――――――!?ブルック、ゾロ―――――!!?」
「おぉ!?お前ら大丈夫か――――――!?」
ウソップとルフィが慌てて会場へと走って行くのを思わず見送り、他のメンバーは重い溜息を
「「「「「あぁ――――あ………」」」」」
誰もがやっぱり一騒動起こるのか、と悟る。
「あ、ヤバイ。中に
「何ですって!?」
「マズイわね…。」
思い出したように呟かれたジャスミンの1言に、真っ先にナミとロビンが反応する。そして、これ以上何か
━同時刻、新世界のとある島━
「ちっ……!集まりが遅い…。やはり、この世界では
自身たちの存在を
2人の視線の先には、ガラスのような球体が取り付けられた巨大な装置。その中には、手足が
「…
爪を
彼女たちの正体は一体何者なのか。それが明らかになるまで後8日――――――。